DXコンサルタントとは?仕事内容や必要なスキルTOP3を紹介

業務効率化や市場動向への対応など様々な観点から必要性が高まっているのがDXです。しかしすべての企業が自力でDX化を進められる訳ではないため、DXコンサルタントという職種に注目が集まっています。本稿ではそんなDXコンサルタントについて具体的な仕事内容や将来性、年収・必須スキル・キャリアパスなどをチェックしていきましょう。 

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1.DXコンサルタントとは?ITコンサルタントとの違い 

改めて確認しおくと、DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略称であり、ITやAIといったデジタル先端技術を用いて革新的なビジネスモデルやサービスを作り出すことを目的とした取り組みです。日本では2018年に経済産業省が「DXレポート」を公表し、それ以降は官民が連動してビジネスの現場でDXが推進されるようになりました。こうした動きの中で、DXコンサルタントが担う役割は「デジタル」と「経営改革」の双方における知見・経験に基づいて、企業の組織構造および企業全体の変革をサポートすることです。 

こうした先端技術を扱うコンサルタント職にはいくつかの種類があり、特にITコンサルタントはDXコンサルタントと混同されやすいです。しかし両者は扱う案件や根底にある考え方が異なるため、正しく理解しておくことが重要と言えるでしょう。

  • ITコンサルタントはクライアントが抱える課題に対してITツールなどでアプローチして解決するのが仕事で、大きく括ると「既存事業の改善」が目的です。DXコンサルタントの仕事にもIT関連の知識・ノウハウは必要ですが、それに加えて「新規事業の開発」という要素が必要になります。
  • DXコンサルタントはITの力を用いて、新しい価値やサービスを生み出すのです。また、ITコンサルタントは課題解決のために論理的アプローチを試みる「ロジカルシンキング」が基本的な考え方です。DXコンサルタントはロジカルシンキングに加えて、革新的サービスをゼロから生み出すための「デザインシンキング」も求められます。 

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2.DXコンサルタントの仕事内容 

DXコンサルタントの概要を掴んだところで、今度は具体的な仕事内容について見ていきましょう。 

2-1.DXに関する提案・戦略立案 

DXコンサルタントの仕事は、一般的にDXに関わる提案および戦略立案から始まるケースが多いです。IT技術の活用で新しい価値やサービスを生み出すためには、まずクライアント企業が置かれている現状を正確に把握する必要があるでしょう。そのため、DXコンサルタントはクライアントの経営課題や業界動向などをくまなく調査した後、DXによって目指すビジョンとそのプロセスを明確にします。また、新規事業の立ち上げに際して必要となる予算の算出や収益構造化、DX達成までのスケジュールなどを計画書としてまとめるのが基本です。 

2-2.DXの推進・刷新サポート 

やるべきことが決まったら、クライアントが実際にDXを推進するためのサポート業務に移行します。カバーする範囲はシステム導入から運用保守まで、言わばDX推進に関わる工程全般です。例えばDXコンサルタントに依頼する企業は、自社でDXを推進するのに十分なITノウハウを備えていないことが多いでしょう。したがって、ソフトウェアの設計時に必要な図解術である「ユースケース」を作成するのが基本です。ユースケースはDXコンサルタントとクライアント企業が認識を共有するためにも重要な表となります。新規事業の立ち上げに重要な役割を果たすDXコンサルタントですが、既存事業へのテコ入れを行わないという訳ではありません。既存システムを刷新する必要があればサポートを行い、業務に必要となるシステム選定・導入・運用などを行うこともあるので留意しておきましょう。 

2-3.DX人材の育成 

DXコンサルタントによってクライアント企業がDX化を成し遂げたとしても、その体制を維持し続けるためにはクライアント側での人材確保が重要なカギを握ります。DXコンサルタントはこうしたアフターケアも視野に入れて、デジタル技術の活用に長けたDX人材の育成も担当することが多いです。基本的にはクライアント企業が求めているデジタル人材の要件を定義した上で、必要となる研修・セミナーを実施します。人材の一例としてはプロデューサー・UXデザイナー・エンジニア・アーキテクトなどが挙げられるでしょう。既存社員の育成だけでなく、新規人材の採用についても選考基準や面接フローを策定することがあります。DX人材は人材市場でも貴重な存在となっているため、優秀な人材を採用・確保するためにはDXコンサルタントのサポートが必要と言えるでしょう。 

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3.DXコンサルタントの将来性 

転職先の候補としてDXコンサルテントを検討している場合は、仕事の将来性について気になる人も多いでしょう。DXは元々必要性が指摘されていた取り組みですが、コロナ禍を契機にリモートワーク・在宅ワークが広く普及したこともあってDX化推進の流れはさらに強まっています。しかしその一方で、DX人材は十分な育成が進んでおらず競争優位性確保に意欲的な企業でも人材不足に苦しんでいるのが実情です。経済産業省は2025年までに企業のDX化が十分に進まなかった場合、最大で約12億円の損失が発生する(2025年の崖)としています。このような状況下で、デジタル技術と経営に関する知識・スキルを身に付けた外部人材としてDXコンサルタントの需要が高まりました。DXの実現や人材育成は一朝一夕では成り立たず、中長期的な観点で取り組むことが重要です。したがって、DXコンサルタントの仕事は今後も高い水準で需要が推移すると見られています。 

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4.外資系企業におけるDXコンサルタントの年収 

DXコンサルタントの収入事情は基本的にクライアント企業・業種・担当業務・干渉具合や、保有している個人スキルによって大きく変動します。したがって、一概に平均年収はいくらであると算出するのは困難です。あくまで参考程度となりますが、比較的高収入となりやすい一例として外資系企業におけるDXコンサルタントの月収をチェックしてみるのが良いでしょう。例えば外資系商社が業務効率化を目的としてDXコンサルタントに依頼するケースでは、月収100万円に上る案件もあります(規定稼働率100%の場合)。さらに外資系大企業の案件や責任の大きな案件では、ハードルが高くなる分だけ年収も増える傾向です。順当に結果を出していけば年収1000万円以上に達することもあります。 

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5.DXコンサルタントに求められるスキルTOP3 

DXコンサルタントとして転職を目指す場合は、必要とされるスキルを予め把握した上でその習得に努めながら転職活動するのが効率的です。以下ではDXコンサルタントに求められるスキルとして、代表的なものを3つ紹介します。 

5-1.1.企業の経営課題を解決するスキル 

DXコンサルタントにはITに関する技術的な知識も求められますが、仕事の本質はクライアント企業の事業を成功に導くコンサルタント業務です。したがって、クライアントが抱えている経営課題を的確に見抜き、その解決に有効な手段を提案・実践するための「課題解決能力」が求められます。具体的にはクライアントの経営層や従業員を牽引する「リーダーシップ」、必要な施策や考え方を納得する形で示す「提案力」、課題を効果的に解決するための分析に必要な「多角的な思考力」などが挙げられるでしょう。課題解決に向けてDXコンサルタントが把握しておきたいポイントは少なくありません。クライアン企業の現状・従業員が持つITスキルやリテラシー・市場動向といったデータを分析した上で、クライアントのニーズに即した実現可能な施策を提案するのです。 

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5-2.2.コミュニケーションスキル 

コミュニケーションスキルはあらゆる職種で求められる能力ですが、DXコンサルタントについて言えばその重要性は特に高いと言えます。クライアント企業の課題を解決するためには、1にも2にも情報収集が欠かせません。そのためには経営陣や現場の従業員など、様々な人にヒアリングを行う必要があるでしょう。さらに言うと、DXコンサルタントに求められるのは「聞く力」だけではありません。考案した解決策が何故必要なのか、どのように有効なのかを正確に伝えるための「話す力」も必要になってきます。コミュニケーションスキルはコンサルタント業務において基礎的なものですが、技術的に高度な知識を用いるDXコンサルタントは特に意識しておきたいところです。 

5-3.3.ITに関する知識やスキル 

DXというデジタル分野を扱う以上、DXコンサルタントにもIT関連の知識やスキルが求められます。実際の業務ではITの他にもデータサイエンスの知見からアプローチをかけて、DXの立案・計画・実行を行うことも多いです。日本ではデジタル分野の研究開発が盛んなため、最先端技術やトレンドを随時チェックしてそのノウハウを身に付けることも求められます。DXに関連して注目度の高い最先端技術には次のようなものが挙げられるでしょう。 

  • AI 
  • IoT 
  • MR 
  • センシング 
  • 5G 
  • プログラミング 
  • クラウド 

また、知識やスキルを分かりやすい形としてアピールするためには資格を取得しておくのも良いでしょう。おすすめは情報処理技術のスキルを証明できる「ITストラテジスト」、ディープラーニングに関する資格である「G検定/E資格」、情報の管理・保守について専門的な知見が身に付く「データベーススペシャリスト」などです。それぞれ難易度や受験資格が異なるため、転職前に無理して取得するというよりも実践を通じて取得を目指すという選択肢もあります。 
 

6.DXコンサルタントのキャリアパス 

転職に際しては、転職後のキャリアパスについても知識を身に付けておくことが大切です。一般的にDXコンサルタントの世界は実力主義であり、案件の数をこなして成果を出し続けるほどに社会的信用やスキルアップが見込めます。努力がそのまま評価に繋がりやすい仕事と言えるでしょう。特定の企業に所属してDXを最適化させ、信用を勝ち取りながら年収や雇用条件を交渉していくという方法もあります。次のステップとしては所属会社のCDO・CIO・CSOといった経営層のポジションも視野に入るでしょう。または大手企業・コンサルティングファームへの転職や、フリーランスとしての独立など選択肢は様々です。自分が望む働き方に合わせて柔軟にキャリアパスを組めるのは、DXコンサルタントの魅力の一つとなっています。 
 

スキルを磨きDXコンサルタントとしての活躍を目指そう 

DXコンサルタントはDXの導入から事業に携わり、クライアントや所属企業が抱える課題解決に尽力する仕事です。ITに精通した人材が不足する中でもDXの需要・必要性は高まる一方なので、将来性も抜群と言って差し支えないでしょう。課題解決能力・コミュニケーションスキル・IT知識など、求められる能力を身に付けながらDXコンサルタントとしてのキャリアを目指してみてください。 

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