ITエンジニアで海外転職はできる?メリットや注意点など解説

ITエンジニアが活躍できる場所は、何も日本国内だけではありません。知識とスキル、経験さえあれば海外の企業で働くことも可能な点が、ITエンジニアの強味です。

しかし、海外で働くことに興味はあっても、どう仕事を探したらよいのか、どれほどの語学力が必要かなど、気になっている人も多いことでしょう。

そこで、ITエンジニアの海外転職について、おすすめの理由や求人を探す方法、転職のメリット、転職する上で必要なスキルなどのポイントから解説していきます。ITエンジニアとして新たな可能性を模索している人はぜひ参考にして下さい。
 

1.ITエンジニアとして海外転職がおすすめな理由

1.ITエンジニアとして海外転職がおすすめな理由

現在、アジア圏では急速なIT化によりエンジニアの需要が高まっている状況を追い風に、アジア圏を中心に求人が増えています。アジア圏でも特に多いのが中国ですが、台湾やタイ、ベトナムなども多数の求人があります。

平均年収の高さではシンガポールが人気ですが、他の国々ではさほど平均年収が高くなくても物価が安く、生活コストを大幅に削減できる点がメリットです。

アメリカやヨーロッパでもITエンジニアの求人が増えており、アジア圏に比べればより高い年収が見込めます。特に平均年収が高いのがアメリカですが、就業するには高い学力が求められます。

関連記事:「ITエンジニアのキャリアパス設計方法は?職種別・転職モデル例も解説」
 

2.ITエンジニアで海外転職の求人を探す方法

2.ITエンジニアで海外転職の求人を探す方法

ITエンジニアとして海外転職の求人を探す場合、いくつかの方法があります。日本にいるうちに日系企業に就職して海外出向の可能性を模索する方法もあれば、海外で日系企業に直接採用される、あるいは現地の企業に直接採用される道もあります。

各方法をもう少し詳しく見てみましょう。

関連記事:「ITエンジニアはどんな種類がある?仕事内容、年収、適性を解説」
 

2-1.日系企業に就職し海外出向を目指す

一つ目は、日本にいるうちに海外展開している日系企業に就職して経験を積み、やがては駐在員として海外支社に出向する方法です。

海外といってもあくまで日系企業の出先なので、上司や同僚が日本人で、かつ日本語が話せる現地スタッフが配属されていることが多く、コミュニケーションが取りやすい環境である点がメリットです。業務も比較的スムーズに進められる点も期待できます。

ただし、自分の希望するタイミングで海外出向の機会が巡ってくるとは限りません。海外出向のチャンスそのものがない可能性もあり、注意が必要です。
 

2-2.日系企業の海外支社で採用される

二つ目は、海外に移住し、日系企業の海外支社で直接ITエンジニアとして採用される方法です。

この方法であれば、自分が住みたい国や地域で、希望する日系企業や職種を選択できます。海外の現地企業に採用されてそのまま滞在し続ける場合と異なり、将来的には日本の本社への移動や、日本に戻って働くなどの可能性も広がります。

日系企業の拠点なので、現地に駐在する日本人や日本語ができるスタッフとコミュニケーションできる機会も豊富にあるでしょう。

2-3.現地の会社で採用される

三つ目は、海外で直接、現地の会社でITエンジニアとして採用される方法です。現地のスタッフが多いため、仕事を進めるのにコミュニケーションをとる上で、英語や、現地の言葉を習得する必要があります。日本語で話せる機会はほぼありませんが、言語スキルが上達する良い機会が得られるでしょう。

働き方や業務内容、給与水準、社風、ルールなどの社内の事柄に加えて、現地の文化や常識などに順応しながら働く上で、柔軟な適応力も求められます。
 

3.ITエンジニアとして海外転職するメリット

3.ITエンジニアとして海外転職するメリット

ITエンジニアとして海外転職する上で、いくつかのメリットがあります。まず、プログラミング言語は世界共通なので、今あるスキルをそのまま活かして転職できる点です。また、海外での経験を通じて語学力や適応力などのスキルが身に付き、グローバル人材として自己の市場価値を高めることができます。就労する国によっては、日本よりも高い年収、あるいはより良い生活水準が見込める点もメリットとして見逃せません。

3-1.現状の知識を活かしながらスキルアップができる

ITエンジニアが習得しているプログラミング言語は、世界共通するスキルです。C言語やPython、Javaなど、ITエンジニアが使用している使用している言語の多くは、世界各地にユーザーが存在します。

今のスキルをそのまま活かして業務ができるのは、ITエンジニアの大きな強みです。

海外企業では世界中から人材を募集しているため、優秀な人材が集まる傾向があります。仕事上の協力関係や個人的な交流を通じてさらなるスキルアップを図れるでしょう。

3-2.世界で活躍できるグローバルな人材として評価が上がる

海外の企業で働く場合、現地のスタッフやクライアントとのコミュニケーションなしでは仕事は進みません。そのため、おのずと英語や現地語などの語学力、適応力、交渉力などさまざまスキルアップが図れます。これは、日系企業に採用されている場合も同様です。

海外での業務経験を通じて世界で活躍できるグローバル人材として評価されれば、自己の市場価値が向上し、以後のキャリアアップや転職にも役立ちます。

3-3.年収アップの可能性がある

海外にはアメリカやヨーロッパなど、ITエンジニアとしての収入の水準が日本よりも高い国々があります。これらの国々は成果主義・実力主義の風潮が強く、結果を出して評価さえされれば、さらなる年収アップを図れます。

ただし、物価の高い国々では、高い収入を得ても生活維持のために多額の出費を強いられる恐れもあり、注意が必要です。

一方、アジア圏の多くは、たとえ年収はさほど上がらなくても物価そのものが易く、日本よりも高い生活水準を享受できます。
 

4.ITエンジニアが海外転職で必要なスキル

4.ITエンジニアが海外転職で必要なスキル

ITエンジニアとして海外転職に挑戦する上で必要なスキルがいくつかあります。まず、仕事を進める上で英語を中心とした語学力は不可欠です。実力主義の傾向が強い海外では、自分の専門性をアピールするための実務経験とスキルも必要です。さらに、語学力に加えて、現地のスタッフやクライアントとやり取りを進めるためのコミュニケーション能力も求められます。

4-1.英語を基本とした語学力

国際言語である英語は現地スタッフや他の国々のスタッフとも話せる可能性があるので、日常レベルあるいはビジネスレベルで身につけておくべきスキルです。

加えて、現地の言葉もある程度話せるようにしておけば、現地スタッフやクライアントともよりコミュニケーションが図りやすく、生活する上でも便利でしょう。

業務でどの程度の語学力が求められるかは、応募前に募集要項や求人情報、エージェントへの問い合わせなどでしっかり確認しておきましょう。

関連記事:「【最新版】外資系企業で働くには英語力はどれくらい必要?」

4-2.実務経験

深刻なIT人材不足を抱える日本では、ITエンジニアでも「未経験OK」の求人が多々見受けられます。しかし、海外企業の多くは実力主義、成果主義が強い傾向があるため、よほど専門スキルを裏付ける高い学位でも有していないかぎり、未経験で採用されることは困難です。

そのため、海外転職では、これまで培ってきた実務経験とスキルをアピールすることが大切です。日本にいる間に自分の職種や専門分野でしっかり実務経験を積んでおきましょう。

4-3.コミュニケーション能力

海外企業には現地スタッフに加え、他の国々からも人材が集まります。スタッフやクライアントなど、異なる国の人々と意思疎通を図るには、優れたコミュニケーション能力が必要です。

海外企業の場合、日本のように自動的に給与が上がるわけではありません。また、日本のように空気を読む、以心伝心といった風潮は期待できません。クライアントとのやり取り、さらには年収や働き方など会社に自分の希望を通すなどの場においては、交渉力も必要です。
 

5.ITエンジニアが海外転職する時の注意点

5.ITエンジニアが海外転職する時の注意点

ITエンジニアが海外転職をする際の注意点として、まず、一部の国では就労ビザの取得が困難な可能性があります。現地の文化や価値観は仕事の進め方にも影響するので、日本との違いを理解しておくことも大切です。さらに、憧れや漠然とした希望だけで海外転職しようとすると失敗する可能性があるため、目的意識を明確にした上でチャレンジすることも大切です。

5-1.就労ビザが取れない場合がある

その国が発行する就労ビザを取得できなければ、就労そのものが不可能です。しかし、国によっては就労ビザが取れない場合があります。特にアメリカやヨーロッパといった国々では、永住権を持たない外国人に対しては、学位を取得する、企業の内定を得るなど、厳しい条件が課せられています。ビザの申請が抽選制の場合、枠そのものが早々に埋まってしまっている可能性もあります。

国ごとに就労ビザの取得条件が異なるため、綿密なリサーチが不可欠です。転職する企業からの内定を得るなど、早い段階から事前準備に着手しましょう。

5-2.文化・価値観を理解する

国によって文化や宗教、価値観などが異なります。海外では現地のスタッフや他の国々から来たスタッフなど多種多様な背景を持つ人々と働くことになるため、こうした違いをきちんと理解することがおすすめです。理解しないままでいると、コミュニケーションや人間関係に不具合が生じ、業務にも支障が出る恐れがあります。

例えば、アメリカやヨーロッパではワークライフバランスを重視しています。自分の仕事さえ終われば家に帰るなど残業に対する意識が異なり、合理的ではない作業は好まれません。こうした仕事の進め方に対する違いも受け入れ、適応することが大切です。

5-3.目的を明確にすることが大切

海外転職に挑戦するには、目的を明確にすることが大切です。単に海外で働くことへの憧れや、漠然とした希望だけで着手するのではなく、まずは海外に行ったら将来に向けてどのようなキャリアパスを描くのか、どれくらいの収入を得たいかなど、目的を明確にしましょう。その上で、実現可能かどうかを事前に調査する必要があります。

目的がはっきりしていないと、いざ行ってみたものの仕事が見つからない、現地での生活習慣や文化に馴染めないなど何らかの困難にぶつかった際、途中であきらめて帰国してしまう可能性があります。

ITエンジニアで海外転職してキャリアアップを目指そう

ITエンジニアで海外転職してキャリアアップを目指そう

世界的にIT人材の需要が高まっている現在、ITエンジニアはスキルと経験を活かして海外転職にチャレンジできます。海外転職が叶えば、グローバル人材として評価が上がる、年収アップできるなどのメリットが得られます。転職を成功させるには、就労ビザの発行条件や文化・価値観の違いなど、情報を事前にリサーチした上で、なぜ海外に行きたいのか目的を明確にするのがおすすめです。

マイケル・ペイジでは、ITエンジニアの転職を応援しています。シーズンや状況によっては海外の求人紹介も可能です。まずは求人検索ページでどのような案件があるのかを見てみましょう。
 

メールマガジン登録
転職やキャリアアップで一歩先に行くための情報を受け取ることができます

アプリをダウンロード

App Storeからダウンロード Google Playで手に入れよう