環境問題に関連した仕事12選:仕事内容や勤務先を紹介

普段の暮らしの中で地球温暖化や異常気象などの影響を肌身で感じる機会は増えています。こうした環境に関する諸問題への対応は、世界規模で急務とされているのです。SDGsの概念も普及が進み、環境問題に強い関心を持つようになった人も多いでしょう。そんな人にとって、環境問題に関わる仕事はやりがいに満ちたものになります。今回は環境問題に携わる職業について、仕事内容や具体的な勤務先などを見ていきましょう。

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環境問題に携わる12の職業

1. 環境コンサルタント

環境コンサルタントとは環境の保全・改善に関するコンサルティング業務全般を担う仕事です。具体的にはまずクライアント企業が抱える環境問題に関する課題点を分析します。そして、データの採取・解析を行い、その結果に基づいて改善計画の立案・制度設計・実践にあたってのアドバイスなどを行います。

就職先としては環境コンサルティング会社に所属して活動するのが一般的です。クライアントは自治体や各分野の企業の他、変わったところではNGO団体などから依頼を受けることもあります。環境コンサルタントは仕事の担当領域が幅広く、求められる知識やスキルも少なくありません。環境保全に関する専門知識はもちろんのこと、改善計画を円滑に進行するためのノウハウ・経験則も重要です。

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2. 環境保全エンジニア

地球温暖化や大気汚染といった環境問題に対して、有効なアプローチを可能にする機器の設計・開発・メンテナンスを行うのが環境保全エンジニアです。代表的な仕事例には水力・風力のような自然エネルギーを活用した発電システム、水質・土壌の汚染具合をチェックするための調査機や浄水機器などがあげられます。環境に悪影響を及ぼす産業廃棄物の処理装置や、工場をはじめとするエネルギー消費量の多い施設で使用する省エネ技術の開発を手がけることもあります。

大気汚染・土壌汚染・水質汚濁を未然に防ぎつつ、産業や経済の発展を図る地球規模の重要課題に取り組む職業です。環境保全エンジニアに求められる知識は機械・電子・生物工学など大学で学べる分野が多いです。また、活躍の場は環境保全に取り組む機器メーカーや研究所、環境調査機関などがメインとなります。

3. 環境計量士

最新計量装置を扱う環境計量士は経済産業省が管轄する国家資格であり、計量法に基づいて環境に関する様々な測量・分析活動を行います。試験の合格率は10%台となっているので、比較的難関資格と言えるでしょう。環境分析の業務を行うだけであれば必須となる資格ではありませんが、分析報告書・計量証明書の発行を発行する際には環境計量士資格が必要です。他に、大気・水質の調査や騒音・振動の計量と分析などが代表的な仕事内容です。なお、はじめから環境計量士資格を取得して就職を狙うよりも、環境コンサルティング会社や環境調査会社に勤めながら資格の学習を進めるのが一般的となっています。企業や各自治体からの依頼があればあらゆる場所での計量分析業務を請け負うため、出張が多い職業です。

4. 環境アセスメント調査員

環境アセスメント調査員とは地域の大規模開発が環境に及ぼす影響を事前に調査・予測・評価する職業です。例えば、道路・ダム・鉄道開発や工場の建設などが調査対象となります。開発・建設予定地となる現場まで足を運び、川・雑木林といった自然の利用状況や生息する生物の実情を把握するのが基本的な仕事です。開発計画が現地の環境に深刻な影響を及ぼすと予想される場合には、改善に向けた提案を行います。

現地視察は、基本的に1度の訪問で終わるものではありません。対象エリアの自然環境をくまなく正確に把握するためには、季節ごとに調査を行うこともあります。また、昼夜で環境の変化が多い現場では、夜間の調査も珍しくありません。環境アセスメント調査員は一般的に環境コンサルティング会社に所属し、クライアントからの依頼で現地の調査を行います。

5. ビオトープ管理士

野生生物が暮らす環境を保全し、生態系を健全な状態に維持するのがビオトープ管理士の務めです。ビオトープとは野生の植物・動物・微生物たちが共生する環境を指します。農村・都市部の地域開発の策定・設計・施工までトータルでプロジェクトに携わり、自然環境の構築と復元を実現させることが使命です。主な活躍場所は建設会社・造園会社・ハウスメーカーなどになります。山や森に赴いて生物・植物に触れる機会が多いため、自然を肌身で感じながら仕事をしたいという人にとってはやりがいのある職業と言えるでしょう。ビオトープ管理士は「ビオトープ計画管理士」と「ビオトープ施工管理士」の2種類に分類され、それぞれでカバーできる業務内容の範囲が異なります。前者は主に企画立案とプランニング、後者は設計・施工といった技術的な業務を担当するので自分の希望に合わせて資格を取得しましょう。

6. 環境再生医

環境再生医は環境問題に対する世界の関心が高まるに連れて注目を集めるようになりました。NPO法人である自然環境復元協会が制定している資格であり、管轄の省庁は環境省となっています。資格のレベルは初級・中級・上級の3段階です。環境再生医は高度な専門知識を運用して、環境構築や問題解決のための取り組みを行います。産業の発展と環境負荷の最小化を両立しながら推進することが求められるのです。

環境再生医が主に取り組む地球温暖化による気候変動問題は、国や自治体の努力だけでどうにかなるものではありません。根本的な問題解決を実現するためには、市民活動や企業活動などあらゆる立場の人たちが連携・連動する事が大切です。したがって、その取り組みを推進する役割を担う環境再生医は幅広いシーンで求められる仕事と言えます。例えば、企業内に設けられた環境部門や、SDGs(国連サミットにおいて採択された持続可能な開発目標)・ESG(環境・開発・ガバナンス)の担当者としてのニーズが多いです。他にも、教育機関や公共機関の環境部門人員として働く道もあります。

7. インタープリター

自然に関わる様々な物事について解説を行う職業をインタープリターと呼びます。他に、自然観察員とも呼ばれることもあります。主な仕事内容は自然観察ツアーや自然学校といったイベントでのガイド役、及び体験型プログラムの実施などです。担当地域の歴史・環境・生態系などを踏まえて、自然から発信されているメッセージを噛み砕いて参加者が分かりやすいように伝えるスキルが求められます。就職先としてはエコツアー会社や総合旅行会社、自然公園・自然科学館、自然学校が運営する各施設、地方自治体などが挙げられるでしょう。自然環境への関心が世界的な高まりを見せる中で、エコツアーやネイチャーガイドツアーの人気・需要も上昇傾向にあります。そのため、インタープリターは将来性が期待される職業の1つです。

8. 環境分析技術者

環境分析技術者は環境保全のエキスパートとしてクライアントからの依頼を受け、化学的な知見に基づいて自然環境の調査や分析を行う職業です。空気中の二酸化炭素濃度やダイオキシンの影響や水質汚染の度合いなどを調査して、汚染状況や周囲への影響を報告する他、公害防止のための研究も行います。また、化学的な専門知識・技術を駆使して、環境問題の改善策や防止策を立案し、その分析結果を基に環境保護のためのマニュアルを作成して、周知の徹底と取り組みの推進に尽力するのも務めです。環境分析会社や環境コンサルティング会社が主な勤務先として知られていますが、他にも化学メーカー・研究機関・各産業の生産工場など活躍の幅は広いと言えます。

9. 気象予報士

生活情報の一部として馴染み深い天気予報を担う気象予報士も、環境問題に携わる仕事の1つであると言えるでしょう。気象予報士は気象庁が提供している数値予測や気象衛星、レーダー、アメダスなどの観測データを総合的に分析して天気予報業務を行います。天気は多くの人々の生活に影響を与える要素であり、特に農業や漁業を生業とする人たちにとって天気予報は重要な情報です。そのため、気象予報士は科学的知見に基づいた正確な情報提供が求められます。また、台風のような自然災害時には人々に正しい避難行動を呼びかけ、命を守るという役割も担うのです。就職先には気象会社や気象庁の他にも自衛隊・放送局、新聞社などがあります。世界的に異常気象の発生頻度が増加傾向にあるため、気象予報士という人材のニーズは高い水準が続くと言えるでしょう。

10. 樹木医

地球環境保護のためには森林破壊の抑制が重要であるとされています。そんな木々を健康・健全な状態に保つのが樹木医という仕事です。樹木医は総合的な知識を用いて樹木の傷み具合や病気感染の有無を診断します。もちろん必要であれば治療を施す他、樹木の病気予防・保護・健全な育成に努めるのも重要な業務内容です。樹木医が対象とするのは街路樹・公園の樹木・庭木といった日常生活内の何気無いものから、天然記念物やご神木など特殊性の高いものまで幅広い樹木となります。樹木医として仕事に就くには樹木医研修を受講した上で資格試験に合格するプロセスが必要です。なお、研修を受けるためには造園業・林業・大学の研究所などで7年以上の実務経験を積むことが求められます。樹木医として登録すると、自治体・造園会社・一般家庭からの依頼を受けられるようになるのです。

11. 海洋工学研究者・技術者

海洋工学研究者・技術者は地球の総面積の7割を占める海について調査・研究を行う職業です。海底資源の調査や有効活用法の開発など、人類の生活に関わる大きな仕事を担っています。具体的な業務内容は海底や海中の地形・気象・鉱物資源の調査と研究、海上生活の実現を目的とした海洋土木・建築に用いる新技術や工法の研究などです。中でも、波の力を利用したエネルギー技術の開発研究分野は世界で高い関心を集めています。また、船舶や水中船の性能向上についての研究も行います。海洋工学研究者・技術者は一般職というよりも、大学や専門機関で研究を行う専門研究職です。

12. 臭気判定士

事業活動や環境問題に起因する様々な臭いの判定を行うのが臭気判定士です。例えば、建物や工場で異臭騒ぎが発生した際に、その臭いが法律で定められた基準の範囲内であるかを判定します。また、臭いが原因であるトラブルの解決策を提案するのも臭気判定士の仕事内容です。その他に、試料の臭気採取や調査・分析・判定なども行います。なお、臭いの測定は分析機器を使う方法と人の嗅覚で判定する方法がありますが、臭気判定士という資格では後者の能力が重視されるので留意しておきましょう。

環境問題に興味があるなら自分の仕事に選んでみよう!

環境問題に取り組むことのできる仕事は、今回紹介したように多岐に及びます。一口に環境問題と言っても多角的な視点が存在し、それぞれの角度から有効なアプローチが可能なのです。環境問題は世界規模での取り組みが求められるテーマであり、誰にとっても他人事ではありません。自身が興味関心を持つ分野であれば大きなやりがいを感じながら仕事に従事できます。マイケル・ペイジでは環境問題やESGに携われる求人も多くあります。こちらもぜひチェックしてみてください。

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