日本のみならず世界的な気運として「SDGs」と呼ばれる取り組みに対する意識が高まっています。SDGsという言葉を見聞きしたことはあっても、具体的にどんなことに取り組めば良いのか分からないという人も多いのではないでしょうか。企業で働く身であれば、それが会社にとってどのようなメリットがあるのかも気になるところですよね。そこで、本稿ではSDGsの基礎知識や企業にとってのメリットなどを見ていきましょう。
 

1. そもそも「SDGs」とは?17の目標とは

SDGsの正式名称は「Sustainable Development Goals」であり、日本語にすると「持続可能な開発目標」となります。また、2001年に採択された「ミレニアム開発目標(MDGs)」がSDGsの前身となっていることも覚えておきましょう。2015年にMDGsの失効を受けニューヨークの国連本部で採択されたのがSDGsです。人類は世界規模で環境問題・貧困差・エネルギー問題など様々な課題を抱えながら日々の生活を送っています。SDGsはこうした諸問題に対して、改善に向けて個人単位で行える取り組みをまとめた行動指針です。

SDGsがカバーしている領域は広大であり、17の大きな目標が掲げられています。さらに、細分化して見ると169のターゲットが指定されているため、誰でも何かしらの項目で取り組みに参加できるようになっていると言えるでしょう。SDGsは「世界中の誰1人として取り残さない」という理念に基づいており、先進国・発展途上国を問わず加盟しているすべての国々で取り組みが進んでいます。個人単位でのアクションはもちろんのこと、組織や企業として積極的にSDGsへ参加しているところも多いのです。
 

2. 企業のSDGsの取り組み例

SDGsに含まれている改善目標は多岐に及び、個人や企業の取り組み方も千差万別です。例えば、環境問題に対する取り組みとしては、環境に配慮した素材を用いて商品を製造・販売するという取り組みがポピュラーなものとして知られています。具体的にはプラスチックではなく植物由来の包装やレジ袋、廃棄食材を再利用した雑貨や日用品などがその一例です。ビジネス上で身分証明書のような役割を果たす名刺にも、こうした環境に配慮した素材が利用されるケースがあります。

飲食店や食品メーカーでは食べることができるにも関わらず廃棄されていた部分に着目し、食材を余すところなく活用したメニューや商品の開発が盛んです。大規模な物流網を持つ食品メーカーでは、貧困地域や一時的に食品調達が困難になっている人たちへ支援物資を提供しています。この支援物資は消費期限に問題がないにも関わらず、包装の破損や規格外品で販売できなくなったものが活用されているのです。こうした各業界での取り組みは外務省の公式HPで公開されているので、参考にしてみると良いでしょう。
 

3. 企業がSDGsに取り組むメリット

SDGsは世界をより良い状態で後世に受け継いでいくために大切な取り組みです。しかし、各国の企業がSDGsに対して積極的な姿勢を見せているのは、それだけが理由ではありません。SDGsに取り組むことには、企業にとってもそれなりのメリットが存在します。そのメリットとは主に以下の2点です。

3-1.利益向上

企業がSDGsに対して積極的に取り組むと、その企業の利益向上に繋がると言われています。SDGsの目標は世界的な課題となっているものばかりであり、それは世界各国の関心の高さも同時に意味していると言えるでしょう。そのため、SDGsに対して効果的な取り組みを行うことができれば、新たなビジネスチャンスを掴むことにも繋がります。斬新かつ画期的な取り組みを開発できれば、ビジネスモデルとして確立される可能性もあるでしょう。

環境に配慮して省資源や省エネルギーを心がけると、結果的に自社のコスト削減にも繋がります。経費節減によって相対的に利益が向上するというのも、企業がSDGsに取り組むメリットです。なお、世界的な連帯感が求められているSDGsに取り組むことは、企業が果たすべき社会的責任(CSR)を全うしているということを意味しています。そのため、自社の投資元であるステークホルダーとの関係性が良好になったり、社会的責任投資(ESG投資)の評価が向上したりするなど資金調達面に良い影響が期待できるという点も見逃せないポイントです。

3-2.知名度や信頼度アップ

SDGsへの取り組みは企業のブランディングにおいても有効です。世界的な課題に対して積極的な姿勢を示すことにより、企業としての信頼度が向上します。また、社会問題に対して関心を持つ自社の社員からの信頼も得られるでしょう。さらに、SDGsは各種メディアでも何かと話題に上がるため、取り組みが紹介されれば世間での知名度向上にも繋がるのです。こうした社会的なイメージアップは一時的なものではなく、将来的な採用活動にも良い影響が期待できます。先進的な課題に取り組み社員が活き活きと仕事している企業には、優秀な人材からの応募が多くなるものです。
 

4. 企業がSDGsに取り組む時の注意点

SDGsは企業にとっても世界の環境にとってもメリットが期待できる魅力的な方針ですが、実際に取り組むにあたってはいくつか注意しておきたいポイントがあります。予期せぬトラブルを招いてしまわないように、以下の注意点をしっかり押さえておきましょう。

4-1.SDGsウォッシュを防ぐ

SDGsは表面的な取り組みを意識するあまり、実態が伴っていないというケースも散見されます。一般的にこの現象を「SDGsウォッシュ」と呼ぶので覚えておきましょう。例えば、フードロスを抑えるために物流網を活用した結果、配送車両の増加によって二酸化炭素の排出量やコストまで大きく増えてしまってはあまりSDGsとしての意味がありません。SDGsのブランディング効果を期待して取り組みを始めても、実態や効果が伴っていなければむしろ社会的にはマイナスイメージになってしまう可能性があるのです。SDGsへの取り組みは実施して効果を検証してから、もしくは効果の見通しが立ってから世間に公表するのが良いでしょう。

4-2.従業員に重い負担をかけないようにする

SDGsは企業として取り組む場合でも、最終的にそのプロセスを担当するのは各従業員です。そのため、従業員への負担を大きくし過ぎないように配慮する必要があります。特にSDGsへの対応を急ぐあまり社内への通知を疎かにしてしまうと、従業員からするとただ単に業務量が増えただけに感じてしまうというケースが多いです。内部からの不満が大きい状態では、企業ブランディングについての効果は半減してしまうと言えるでしょう。したがって、SDGsへの取り組みはまず社内でのミーティングや打ち合わせを入念に重ねた上で、取り組みのメリット・重要性・目的などについて従業員からの理解を得ることが大切です。

4-3.本業に悪影響を出さないようにする

SDGsの取り組みに大きなメリットが期待できるとしても、それは企業活動のコアとなる部分ではありません。大切なのは自社の本業に悪影響が出ない範囲でSDGsに取り組むという姿勢です。企業にとってSDGsは社会貢献のための取り組みですが、それは企業利益を犠牲にするということを前提としていません。SDGsと企業利益の2つを両立させるという考え方で臨むようにしましょう。そのためには「過度なコストはかけない」「実施して効果が出たものはしっかり公表する」「自社の考え方や価値観をアピールしていく」といったポイントを意識すると、企業利益を維持しつつSDGsのメリットに繋がりやすくなります。
 

SDGsへの取り組みはメリットが大きい!

SDGsの取り組みは世界規模で呼びかけられているものであり、事業を展開する企業としても見過ごせない課題と言えるでしょう。しかしそれは、企業が負担を強いられるということではなく、企業にとっても利益向上やブランディングといった大きなメリットが期待できるのです。SDGsを意識するあまり中身が伴っていなかったり従業員に負担をかけたりなど、本末転倒にならないよう注意しながら取り組んで企業成長に繋げていきましょう。
 

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