外資系企業の年収に見られる特徴!日本企業との違いは?

同業種でも、外資系企業の方が日本企業より年収が高いというイメージをお持ちの方は少なくないでしょう。実際、外資系企業の方が高収入になるケースは多数見られますが、その理由までは意外と知られていません。
こちらでは、なぜ外資系企業の年収は高水準なのか、平均年収は日本企業と比べてどのように違うのかなどについてご紹介していきます。
 

1.外資系企業の年収が高いのはなぜ?

求人の条件などを見ても、外資系企業の年収が日本企業と比べて高く設定されているケースは多いです。以下に、年収が高くなる理由について詳しく見ていきます。

1-1.給与体系が日本と違うから

外資系と日本企業ではそもそも年収の決まり方が異なっているのが、年収に差がある原因の一つです。
日本企業の場合、年齢や在籍年数、役職、成績などによって決められる基本給に各種手当が加算されるのが一般的な給与体系です。成績は手当に反映されることもありますが、どちらかと言えば在籍年数や年齢に比重を置いていることが多く、若いころは年収が少なく、年を取ってから若いころの苦労が報われるようになっています。

一方で、外資系企業の給与体系は、ベース給と呼ばれる基本給に業績と連動したインセンティブを加算したものです。外資系ではインセンティブの割合がベース給と同等、あるいはより大きくなっていますので、年齢に関係なく業績によって高収入が得られる可能性が高くなります。そのため、若いうちは年収が低めの日本企業と比べて差がつきやすくなっています。

1-2.基本的に成果主義を採用しているから

外資系企業と日本企業では、働き方に対する考え方にも大きな違いが見られます。
日本企業は定年まで働き続けることができる終身雇用や、勤続年数を高く評価する年功序列の人事制度がいまだに根強く残っています。そのため、倒産しない限り失業の心配がない一方で、報酬は年齢や勤続年数を重視されがちです。

一方で、外資系企業は成果主義を採用している企業がほとんどであり、自分が担当した業務で成果を出せば、その実績に対して報酬が決められます。外資系企業では年齢や勤続年数、役職などが待遇にあまり影響されないため、特に勤続年数が浅い人や若い人で成果を出せば、日本企業の年収よりも高額になりやすいです。なお、成果主義とは言え、国内の外資系企業は日本の法律を遵守するよう義務付けられていますので、実績が出せないからと言って即解雇されるような心配もありません。

関連記事:「成果主義」で働いてみたい!能力主義との違いや向いている人

1-3.退職金や福利厚生がない企業がほとんどだから

企業と社員との関わり方についても、外資系企業と日本企業の違いが見られます。
日本企業は終身雇用を前提としているため、企業側は退職金を積み立てたり福利厚生を手厚くしたりして、社員が快適に働けるように配慮します。

しかし、外資系企業では終身雇用という概念がなくキャリアアップのための転職が一般的なため、退職金制度や福利厚生のような長期的に社員を育て、社員が企業に尽くす日本企業の考え方にはなじみません。人材は流動的なものと捉えているため、住宅手当などの手当もなく、これらの費用を給与に回した結果、年収が高額になっている一面が見られます。ただし、国内の外資系企業の中には福利厚生を充実させるところも増えていますし、有給休暇が取りやすい点は外資系企業の魅力の一つです。

1-4.採用時に求める人材のレベルが高いから

日本企業では、採用した社員を研修などで育成していく考え方が一般的ですが、外資系企業は即戦力になる、レベルの高い人材を採用するのが一般的です。そのため、日本企業は戦力になりづらい入社時の給与が低く抑えられており、勤続年数を重ねて実績を出せるようになってから給与を上げるという制度になっています。

一方、外資系企業は競合他社の社員であっても、自社に利益をもたらす優秀な人材であれば取り込もうとする傾向があります。そのため、特に海外では一気に業績を上げるため、提示する給与の金額を高くしてレベルの高い人材を獲得しようとしており、初任給から高額になりがちです。

1-5.海外進出できるだけの資力を持っているから

中小企業の割合が多い日本企業と比べ、海外進出を実現している外資系企業はそれだけの資金力を持っています。
日本に進出している外資系企業は、日本以外の国でも事業を展開している大企業が多く、経営が良好で多くの資金を有していると考えられます。人件費を安く抑えられるわけではない日本に進出するような外資系企業は十分なブランド力があり、高い収益を上げているところがほとんどです。それだけに、人件費についても出し惜しみをする必要がなく、優秀な人材を獲得するためならばベース給の水準を高く設定することも厭いません。
 

2.外資系企業と日本企業の平均年収に見られる違い

外資系企業と日本企業の平均年収は、金額だけでなく特徴にも違いが見られます。
具体的にどのような違いがあるのか、業種・職業別でみた場合と年齢別に見た場合について解説していきましょう。

2-1.業種・職種別平均年収に見られる違い

外資系は成果主義ということもあり、業種・職種別の平均年収で比較した場合、特に成果が数字で表れやすいところほど年収が高くなる傾向が見られます。

例えば、アプリやゲームなどを開発する企業の場合、メーカーの開発部門が本国にありますので、日本国内で採用されるのは営業職やアプリケーションエンジニア、サービスエンジニアなどの方針が決まってから開発や営業に関わるスタッフの募集が大半を占めています。それでも、スタッフクラスが600万~1200万円、マネージャークラスでは800万~1500万円とかなり高額です。

また、金融業は成果が数字に表れやすく、担う役割によってインセンティブの差が大きいため、700万~2000万円とかなりの開きが見られます。実力で高額の年収を得たいという人にはおすすめの業界と言えるでしょう。

一方、外資系コンサルティング業は、ITコンサルティングが中心でコンサルティングの専門知識だけでなく、ITへの感度や理解力も求められます。そのため、アソシエイト、ジュニアコンサルタントなどの若手は600万円程度から、マネージャークラスは1000万~2000万円、パートナー、マネジングディレクタークラスは3000万~4000万円と知識や実績に応じてかなりの高収入を目指せるでしょう。

IT業界は国内外で注目されている業種ですが、外資系は開発部門が本国にある場合がほとんどで、日本では製品やソリューションの売り込み、サポートが中心です。マーケティングの知識や営業スキルは必要ですが、利益率が高く、インセンティブも高額でプロジェクトマネージャーは800万~2000万円、部長クラスは1000万~2500万円、役員クラスは1700万から5000万円と実績を出すことができれば日本企業ではなかなか実現できない年収の獲得も可能です。

関連記事:IT業界って年収はどれくらい?職種ごとの年収と年収アップの方法

2-2.年齢別の平均年収に見られる違い

年齢別の平均年収で比較した場合、特に顕著になるのが若い年代と性別での平均収入の差です。外資系企業は、年齢や性別における年収差がほとんどありません。優秀な人材であれば成果に応じて報酬額を決定しますので、勤続年数が浅い人や女性でも高収入の獲得を目指すことができます。一方で、日本企業は年齢が進むほど性別による年収差が広がりますので、ある程度年代が上の男性の平均年収が最も高く、女性は低い年収を維持することになります。

具体的な数字で見ると、20代の平均年収で比較した場合、日本企業が約340万円であるのに対し、外資系企業は約590万円とかなり高額です。即戦力になるのであれば、そのまま実績に応じて年収の差を維持することができ、30代の平均年収で比較すると日本企業が約440万円に対し、外資系企業は約730万円となります。同様に、40代では日本が約500万円で外資系が約910万円、50代になると日本が約610万円で外資系が約1040万円とどんどん差が開いていきます。

ただし、外資系にも企業ごとの特徴があり、キャリアによって年収が上がっていく層もいれば、日系企業よりも高めで横ばいになる層、日系企業と同程度で横ばいになる層などがいますので、一概に日本企業と外資系の差が開いていくとは言い切れません。

関連記事:外資系企業で女性は働きやすい?特徴やおすすめの職種を紹介

3.外資系企業で年収を上げるには?

外資系企業で年収を上げるには、勤続年数よりも自身の働きかけや努力が大きな影響を及ぼします。
まず、成果主義の外資系企業が多いため、努力して成果を上げることは欠かせません。さらに、何も言わなくても在籍年数で報酬が上がっていく日本企業とは異なりますので、成果に対して報酬が変わらないと感じたときには、上司との面談で昇給や報酬の交渉を行うことも不可欠です。その場合、具体的にどのような成果を出していて、どれくらいの昇給を希望しているのか理論的に説明をしましょう。場合によっては、社内で待遇の良い部署に異動したり、より年収の高いポジションを提示する企業に転職したりして収入を増やす方法もあります。

関連記事:転職で給与交渉はしていい?交渉のタイミングや伝え方のコツとは
 

外資系企業で年収アップを目指そう

このように、外資系企業は即戦力として働ける優秀な人材に対しては、年齢や勤続年数に関係なく高い報酬を支払う傾向が見られます。収入アップを目指して転職を考えるなら、外資系企業を転職先の候補として考えるのも良いでしょう。自分の力を試してみたいなら、様々な業種で外資系企業の求人を扱っているエージェント、マイケル・ペイジで探してみてはいかがでしょうか。


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