外資系企業の必須スキルは?定番から意外なものまで7選ご紹介

海外の考え方が色濃く反映されている外資系企業は、日系企業とは異なる社風を持っていることが多いです。国際的な場所であるため英語力やアピール能力の重要性はよく知られていますが、実力主義の中で勝ち抜くためには傾聴力やデータ分析能力なども求められます。今回は外資系企業で活躍するために必要なスキルや役立つ資格について、幅広い観点から紹介するので転職活動の参考にしてみてください。

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1.外資系企業で求められるスキル7選

外資系企業で求められるスキルは多種多様なため、スキルアップのアプローチ方法に悩む人も少なくありません。ここでは外資系企業で活かせる7つのスキルについて厳選し、それぞれを詳しく掘り下げていきます。

1-1.1.英語力

外資系企業で求められるスキルとして代表的なものが英語力です。外資系企業ではグローバルな規模で事業を展開しているところも多く、国際的な仕事に携わるには語学力が必要になります。特に英語は汎用性が高い言語として重宝されているため、転職前にある程度のレベルまで身に付けておくのが望ましいでしょう。高い英語力はチームメンバーとのコミュニケーションを円滑にするため、人間関係構築や仕事のミス防止に効果的です。

また、外資系企業の上層部は日本人が少ない傾向にある点にも留意しておきましょう。一口に外資系企業と言っても事業のターゲット層は様々で、日本国内向けの商品やサービスを展開している場合も多いです。その場合は現場の仕事で話す同僚や顧客も日本人が多いため、英語を使う機会はさほど多くないかもしれません。ただし上層部に海外の人材が多いということは、自分が出世するほど英語でコミュニケーションを取る機会が増えることも意味しています。本社の人間や取締役と話す場面では、ビジネスレベルの英語力が必須になると考えて良いでしょう。

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1-2.2.アピール能力

外資系企業で活躍するためには、重要な場面でのアピール力が物を言います。一般的に日系企業ではチームとして業務にあたるケースが多く、連携力や団結力が求められています。外資系企業においてもチームでの仕事は存在しますが、どちらかと言うと個人主義の風潮が強いためライバルに負けないためには積極的に自己アピールすることが大切なのです。

外資系企業ではたとえ自分が仕事で成果を上げたとしても、周囲や上司へのアピールが不十分だと評価・出世に結び付きにくいという面があります。「仕事をこなしてさえいれば誰かが評価してくれる」という待ちのスタンスは、外資系企業において「自分がない」「主体性が見られない」と捉えられることが多いです。外資系企業は、社内での存在感をいかにしてアピールするかが重要な土壌であると言えます。

アピール力が重要なのは、仕事で成果を出せなかった場合でも同様です。外資系企業においては「どのような経緯で失敗したのか」「成果が出なかったとしても、自分がどのように取り組み努力したのか」を伝えれば、相応に評価してもらえる傾向があります。外資系企業の多くは成果主義であると言われていますが、成果主義とは仕事の「結果」だけでなく「過程」も重要視されていることを覚えておきましょう。芳しくない結果をいさぎよく受け入れると、評価の面で損をしてしまう人も居るのです。気持ちの切り替えも大切ですが、外資系企業では自分の取り組みは積極的にアピールすることを心がけてみてください。

1-3.3.傾聴力

外資系企業で重要となるアピール力は「自分のことを聞いてもらう」ためのスキルですが、実はアピール力と同じくらい重要とされているのが相手のことを聴く「傾聴力」です。傾聴力とはただ単に相手の話を聴くだけのスキルではありません。相手の話に対して全身全霊を傾けて、熱心な姿勢を示すのが傾聴力なのです。外資系企業ではアピール力や自己主張が重要となっていますが、それだけでは仕事が成り立ちません。高い傾聴力を持ち、人の話をしっかり聴いて理解・関心を示すことができる人材も評価が高まります。もちろん、人材としての評価だけではなく組織内の信頼関係構築にも重要な役割を果たすスキルです。

外資系企業には国籍・経歴・価値観の異なる多種多様な人材が集まっていることも珍しくありません。多様性が受け入れられている現場で円滑に仕事を進めていくためには、自分の意見を押し付けたり自己主張を強めたりするだけでなく、多様な意見に耳を傾けて学んでいく姿勢が求められるでしょう。

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1-4.4.柔軟性

実力主義が主流な外資系企業で活躍していくためには、固定概念に囚われず柔軟な発想力・対応力を持った人材になることを心がけましょう。外資系企業では仕事ができれば年齢・性別・学歴を問わず、様々な人を評価してくれます。新しい考え方や働き方に対して柔軟性を持って取り組めば、多様な人材の中でも遅れを取らずに成果を上げられるようになるでしょう。

また、外資系企業では事業のスピード感を重視する傾向があるため、プロジェクトがある程度固まった段階で見切り発車するケースもあります。しかしこれは計画性がないということではなく、事業を進めていく過程で柔軟に方向性を調整するというスタイルなのです。裏を返せば、外資系企業ではこうした現場での変化に即時対応する柔軟性がなければ仕事についていけないと言えるでしょう。想定外の出来事にも慌ててしまわず、冷静な判断力を失わないことが肝要です。

成果主義を意識するあまり、仕事に完璧さを求めてしまわないように心がけましょう。外資系企業では仮に仕事で失敗を犯したとしても、柔軟性を持って対応する姿勢を示せば次のチャンスを与えてもらえます。多国籍・多文化が入り混じる外資系企業においては、上司・部下・同僚との距離感も独特です。コミュニケーションの取り方や物事の捉え方など、日本独自のものさしに縛られず柔軟に受け入れられる器量を備えておきましょう。

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1-5.5.データ分析能力

英語力に気を取られがちですが、実際、外資系企業では、データ分析力を備えた人材の評価が高いというのも大きなポイントです。外資系企業はビジネス業界の中でも先端技術や新しいビジネスモデルを積極的に取り入れています。したがって、データ分析力は事業展開や経営戦略の策定において重要な役目を果たすのです。特にwebやオフラインなど様々な場所から情報を集積するビッグデータは、外資系企業の中でも注目度が高まっています。外資系企業への転職を狙う際は、ビッグデータ関連の知識や統計分析の基本的なスキルを身に付けておくのが有効です。元々情報工学について造詣が深い人は、データサイエンスの領域まで手を伸ばしてみるのもおすすめと言えます。また、ExcelやAccessといった分析ツールは様々な場面で役立つので使い方を習得しておきましょう。

1-6.6.プレッシャー耐性

メンタル的な面で言えば、プレッシャー耐性のある人が外資系企業では活躍しやすくなります。成果主義が多い外資系企業では結果さえ出せばスピード感のある昇進・昇給が期待できるでしょう。その一方で、思うように成果が出せない時はシビアな評価となることもあります。常に成果を意識しながらもプレッシャーに負けない強いメンタルこそが、外資系企業で求められている気構えと言えるでしょう。

細かく見てみると、外資系企業では個人主義の観点から個々の責任範囲が明確に定められているケースも少なくありません。自分の仕事を全うするためには、自分1人で決断を下さなければならない局面も多いです。同僚やチームメイトがフォローしたり一緒に残業したりというケースは稀なので、1人で仕事に向き合いしっかりこなしていくというメンタルが求められます。

ただし、成果を追い求める姿勢と強いメンタルが重要な外資系企業と言えど、何も常に張り詰めた状態で働く訳ではありません。仕事で成果を出した後は長期休暇でリフレッシュするというのが一般的なので、メリハリの付いた働き方が好きな人にとっては魅力的と言えます。

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1-7.7.特定分野での専門性

外資系企業では特定分野における高い専門性を持った人材が重宝されています。日本では一般的に採用した人材をジェネラリストとして育成することが多いですが、外資系企業では最初から専門分野に特化したスペシャリストを採用するのが基本です。入社後の異動も比較的少なく、持ち前の専門知識やスキルを活かすことが期待されます。英語力に加えて何かしらの強みを持っておくことが、外資系企業への転職を成功させるための大きなポイントと言えるでしょう。応募先企業が求める人材像を把握した上で自分が強みを持つジャンルを明確に示し、書類選考や面接で効果的にアピールできるようにしてください。

なお、外資系企業に対して自分のスキルを証明するには「実績の数値化」と「資格取得」の2パターンが効果的です。今までの実績が具体的にどのような数字となったのか、保有しているあるいは取得を目指している資格はあるのかといった点をアピールポイントに盛り込みましょう。

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2.外資系企業で役立つ資格は?

  • TOEIC、TOEFL、国連英検等の英語力を示す資格
  • 金融業なら「証券外務員資格」
  • 不動産業界なら「不動産鑑定士」や「1級建築士」
  • 秘書業務なら「国際秘書検定(高ランク)」、「米国公認会計士」

外資系企業への転職に役立つ資格は様々であり、具体的な職種によっても有効なものが異なります。しかしまずは共通して役立つ英語力を示す資格として「TOEIC・TOEFL」を受験してみるのが良いでしょう。外資系企業での実務レベルを証明するにはTOEICなら700点、TOEFLは105点以上が望ましいです。ただし、この2つの試験は日本国内の知名度は高いものの海外ではそれほど知られていません。したがって、外資系企業の国内拠点では有用でも海外拠点ではあまり評価されないというケースもあります。グローバルな視点で活動したい場合は、国際理解に関する語学力を証明できる「国連英検」がおすすめです。

外資系でも高収入が狙いやすい金融業に転職したい場合は「証券外務員資格」、不動産業界なら「不動産鑑定士」や「1級建築士」が役立つ資格として挙げられます。実力主義で高いスキルが求められる外資系企業では、取得難易度がそれほど高くない資格は評価されない傾向も強いです。資格取得に労力はかかりますが、秘書業務のエキスパート資格である「国際秘書検定(高ランク)」や、アメリカ各州で認定されている「米国公認会計士」に挑戦してみるのも良いでしょう。このあたりは転職までのスケジュールや目指す業界によっても異なるので、自分に合ったものをチェックしてみてください。
 

外資系で必要なスキルや資格を習得して活躍できる人材を目指そう

外資系企業での活躍には英語力を基礎として、柔軟性やコミュニケーションスキルといった能力も必要になります。特定分野での専門性も大きな武器なので、客観的にスキルを証明できる資格を取得するのもおすすめです。英語や自己アピールが苦手なままだと、外資系企業では思うように成果が上げられないかもしれません。しかし努力に見合う待遇ややりがいも期待できるので、自分に向いていると思うなら積極的に挑戦してみてください。
 

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