スペシャリストとは?言葉の意味や求められている理由を解説

特定の分野に精通するスペシャリスト。外資系の企業を始め、日本企業での注目度も上がってきているので、今後のキャリアの選択肢として気になっている人も多いでしょう。本記事ではスペシャリストが求められている理由やゼネラリストとの違い、スペシャリストとしてキャリアを積むためのポイントなどについて、詳しく解説します。

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1.なぜスペシャリストが求められているのか?

なぜ現在スペシャリストが求められる風潮となっているのか、疑問に思っている人もいるかもしれません。スペシャリストが求められている主な理由としては、雇用制度が変化している背景が挙げられます。昔と比べ、年功序列や終身雇用制など長期の勤続を想定した制度が少なくなっている現代では、より良い職場を求める人やより良い人材を求める企業により、転職市場が活発化。特定の分野にアドバンテージのあるスペシャリストを採用したい企業が増えています。

また、能力や実績を重視する成果主義への移行も始まりつつあり、結果を出せる人材を求める企業も多く見られます。このような観点からみても、スペシャリストのニーズは高まっていると言えるでしょう。その他には、先進技術の発達もスペシャリストの注目度が上がった理由のひとつです。ITやAIなどの高度な技術は、一朝一夕で習得できるものではありません。自社の従業員に新たに習得させるのも難しく、叶うとしても時間がかかります。他社との競争に負けないためにも、企業はITなどの特定分野に通じた人材の速やかな雇用を目指し、スペシャリストの獲得に力を入れているのです。
 

2.スペシャリストとゼネラリストの相違点

スペシャリストと似た言葉にゼネラリストがあります。語幹が類似しているので混同しやすいですが、スペシャリストとゼネラリストは対義語にあたるため、それぞれの特徴や相違点はしっかりと押さえておきたいところです。スペシャリストとは、特定の専門スキルや知識、豊富な経験を武器に活躍する人材を指します。具体的には、高度な知識・技術を求められるエンジニアや、資格の必要な専門職である弁護士・医師などがスペシャリストの例として挙げられます。一方、ゼネラリストは幅広い知識を持ち、さまざまな仕事を総合的に担当する人材のことです。ビジネスにおいては、総合職がこれにあたります。職業の例としては、プロデューサー、マネージャーなどがゼネラリストに該当します。
 

3.スペシャリストの評価が高い理由

スペシャリストに対する各企業からの評価は高く、特に外資系企業は業績を重視しやすいことから、スペシャリストが重宝される傾向にあります。この段落ではスペシャリストの評価が高い理由について見ていきましょう。

3-1.入社してすぐの活躍が見込める

スペシャリストは入社直後から、即戦力としての活躍が見込めます。例えば総合職は、入社時点ではまだ知識・スキルや経験がないため、1から仕事を教える必要があります。その点、既に高度なスキルを有しているスペシャリストは、入社してすぐに高いパフォーマンスを発揮できるケースが多いのです。また、企業からすると教育に必要なコストを抑えられるのも大きなメリットと言えます。ただし、ビジネスマナーなど専門分野以外に関しては研修が必要なケースもあるので注意が必要です。スペシャリストの知識を活かしつつ、入社した企業において必要な能力をプラスで習得してもらえれば、非常に大きな戦力となります。

3-2.企業の発展に繋がる

スペシャリストの活躍が企業の発展に繋がりやすいことも、スペシャリストの評価が高い理由のひとつです。日本の企業では、まだまだ幅広い業務をカバーできるゼネラリストの評価が高い傾向にあります。しかし、外資系ではスペシャリストの方が高い評価を受けています。多くのことを平均的にこなせるゼネラリストを多く揃えるよりも、特定の分野で高い能力を発揮するスペシャリストを多く揃えた方が、大きな成果に繋がると考えられているためです。

また、企業によっては特定のノウハウに関し、明るい人材がおらず手薄になっている場合もあります。スペシャリストを採用することによって、その不足部分を補うことができ、企業の発展や事業の強化に繋がるでしょう。近年はどの業界においても、IT技術関連の重要度が特に高まっています。働き方の変化などにより、社内のIT化に注力する企業が増えていることも影響しています。オンライン業務や社内のDX化に通じたスペシャリストを採用できれば、業務の効率化を図るとともに、さらに幅広いビジネスに打って出ることも可能です。
 

4.スペシャリストとしてキャリアを積むための3つのポイント

スペシャリストとしてキャリアを積むためには、新しい情報に対するアンテナを張り常にチェックすること、市場や業界の動向をつぶさに把握しておくことなども必須です。ときには専門外の人の意見に耳を傾け、柔軟に取り入れることも求められるでしょう。この段落ではスペシャリストとしてキャリアを積むために重要な3つのポイントを解説します。

4-1.1.新しい情報を常にチェック

先に触れた通り、新しい情報を逐次チェックし仕入れることは、スペシャリストにとって重要です。ひとつの専門分野を極めたとしても、年月が経つと状況が変化し、新しい知識や技術が生まれることもあります。このような変化を無視し、同じやり方を続けていると、いつしか時代に取り残されてしまう恐れも。

自分の専門分野について日頃から学ぶ姿勢を持ち、最新情報を「インプット」し続けることは、スペシャリストとして欠かせない行動です。また、情報を取り入れ蓄積するだけではなく、必要に応じて「アウトプット」できることも大切。「この先どのように変化していくか」「変化に対してどう対応すべきか」を意識し、自分を向上させ続ければ自然と専門性もアップしていくでしょう。

4-2.2.市場や業界の動向把握

スペシャリストとしての価値を上げるには、自分のパフォーマンスを十分に発揮できる場所を見つけることも重要です。そのような場所を探すため、市場や業界の動向を把握しておく必要もあります。なお、自分の専門分野はもちろん、隣接業務にも目を向けることも大切。自分の専門分野は他の業務から独立して成り立っているわけではないので、なにか問題が起きた際に周りの業務に影響する可能性も考えておくべきでしょう。このようなリスクヘッジももしもの際には役立ちます。自分が市場でどのくらいの価値を持つのか客観的に分析するとともに、より価値が高まるような研鑚が欠かせません。

4-3.3.専門外の人の意見も聞く

スペシャリストは特定の分野で優れた能力を発揮しますが、その一方で専門外の分野には弱いタイプが多く見られます。また、自分の専門分野に関してプライドを持っているあまり、その分野の知識・スキルがない人の意見を軽視してしまうことも。

視野の狭さは自分の可能性も狭めてしまいます。必要に応じ、自分の専門分野とは違う人の意見も受け入れることで、今までの当たり前が当たり前ではないことに気がつくきっかけになることもあるでしょう。スペシャリストのキャリアプランのひとつとして、専門性を活かしながら、管理職として統括的な業務も担当するプレイングマネージャーがあります。プレイングマネージャーは組織の中でさまざまな調整を行う役割を持っているため、目指すのであれば、いろいろな人の意見に耳を傾ける姿勢が不可欠です。
 

専門性を持ちながら柔軟な考え方もできるスペシャリストが理想

スペシャリストはそれぞれの持てる能力を発揮しやすいため、成果主義の外資系では評価されやすい傾向にあります。物事を深いところまで学び突き詰めることが好きなら、目指してみるのも良いでしょう。ただし、スペシャリストは自分の専門分野にこだわるあまり、視野が狭くなることも。独りよがりな仕事にならないよう、ゼネラリスト的な観点も持っておくとバランス良く活躍できそうです。
 

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