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「VUCA(ブーカ)時代」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、現代のようにIT技術の急激な進化や新型コロナウイルスの蔓延などで、先の予測がつきにくい状況を指す言葉です。ただ、この言葉を聞いただけではピンとこない人も多いかもしれません。そこで今回は、「VUCA」という言葉の意味や背景について触れながら、VUCA時代に求められるキャリアやスキルについて詳しく解説していきます。
VUCAとは、Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguityの4つの言葉の頭文字で構成された造語で、ビジネスや社会において変動性が高く未来の予想が立てにくい状態を指します。発祥はアメリカで用いられていた軍事用語で、1990年代にロシアとの冷戦が終了し、戦略が不透明となった状況を表す言葉でした。それが2010年代以降、社会全体の変化が激しく不確実性の高い状態となったことから、この言葉が一般的に使われるようになりました。
VUCAを構成する言葉を一つ一つ見ていきましょう。「Volatility(変動性)」は、テクノロジーの発展や価値観の多様化など、人々を取り巻く様々な環境が急速に変化している状況を指します。「Uncertainty(不確実性)」という言葉が指すのは、大規模な自然災害や突発的な疫病、あるいは少子高齢化など予測が困難なことが発生する状況です。そして「Complexity(複雑性)」は、経済のグローバル化によってビジネスが複雑化し、正解を導き出すのが難しい状況を表しています。
「Ambiguity(曖昧性)」は、これら3つが絡み合うことで因果関係がわからず過去にも例のない出来事が増える状況を指します。
2010年代以降VUCAに注目が集まったのは、2010年に開かれた世界経済フォーラム(ダボス会議)で「VUCA World」という言葉が使われたのがきっかけと言われています。2010年以降の世界では、IT技術の急速な発達やグローバル化によるビジネスの複雑化、そして新型コロナウイルス感染症の流行など予測できなかった出来事が次々に起きました。このように目まぐるしく変化する状況を的確に表す言葉として「VUCA」は注目されるようになったのです。
中でも特に代表的な事例といえるのが、スマートフォンやSNSの普及です。いつでも誰でもどこにいても自由に情報を発信することができ、またそれを自由に共有できるようになったのは大きな変化といえるでしょう。そのため、いわゆる「AIDMA」といった旧来の購買行動モデルは通用しなくなりました。営業やマーケティングの手法も変化を余儀なくされ、ソーシャルメディアや動画プラットフォームを利用したマーケティングも盛んにおこなわれるようになっています。
今までの常識が通用しないのがVUCA時代です。そんな時代を生き抜くためには、どのように立ち回っていけばいいのでしょうか。VUCA時代に通用するキャリアを築くためには、大切なことが2つあります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
ビジネス環境が絶え間なく変化するVUCA時代において、情報収集は欠かせないものです。必要な情報を確実に集めなければ変化に対応することはできず、将来のキャリアパスを描くこともできないでしょう。
インターネットがあるので情報収集は簡単だ、と思う人もいるかもしれません。確かにネット検索をすれば、数多くの情報がスピーディーにヒットします。けれどネットの情報は玉石混交で、役に立つ情報もありますが、中には根拠のない誤った情報も含まれていることがあるため、それだけに頼ってしまうのは危険です。専門家が著した書籍を読んだり、実際に人に会って話を聞くなど、情報の入手先はバリエーション豊かに揃えておくのが安心です。もちろん、情報はただ集めればよいというものではありません。その中から適切な情報を選び抜くリテラシーも必要です。
自分らしいキャリアを実現したいのであれば、転職やキャリアアップに関する情報も適宜収集しておきたいものです。キャリアアップを目指すうえでは専門性を伸ばすのももちろん大切なことですが、多職種で通用するようなポータブルスキルも身につけておけばより有利になるでしょう。
関連記事:これからの時代に求められる7つのスキルとは?
VUCA時代には、自分の意思をしっかり持って進んでいく覚悟が必要です。これまで日本企業では年功序列や終身雇用といった「メンバーシップ型雇用」という形を取ってきましたが、それでは新たな時代の働き方に対応できないため、欧米型の「ジョブ型雇用」に変わりつつあります。ジョブ型雇用では一人一人の業務範囲が明確になるため、高い専門性が求められます。これまでのように組織に依存する働き方では、キャリアを築きにくい社会になってきているのです。
また、AIの発達も人の働き方に大きな影響を与えています。20年後には労働者の半数がAIやロボットに置き換わると言われ、誰もができるような仕事は徐々に淘汰されていくと予想されています。そんな中で生き残るためには、人間にしかない「考える力」を高めることが必要です。人間ならではのクリエイティブなセンスを磨いておけば、厳しいVUCA時代でもかえってチャンスをつかめるかもしれません。
VUCA時代には想定外の事象が次々に起こります。そこで必要とされるのは率先して動けるリーダーシップ、あるいは多様な価値観に対応できるコミュニケーションスキルなどです。ここではVUCA時代に評価される3つのスキルについて解説します。
リーダーは率先して動くもの、というのはいつの時代も変わりませんが、特にVUCA時代においてはその資質が強く問われます。というのもVUCA時代は変化が速く、経験のない問題も今までにないスピードで発生するからです。これからのリーダーに必要なのは、常に想定外を意識し、スピーディーな判断力と適応能力を持ち、メンバーを適切に導く力といえるでしょう。
もちろん、リーダー一人ですべての問題を解決するのは難しく、時にはメンバーの力を借りることも必要です。そのためには、日頃からメンバーの適応能力を高め、モチベーションを上げておかなくてはなりません。上下関係を重んじる旧来型のワンマンなリーダーよりは、メンバーと対等に接し、対話を欠かさないリーダーこそがVUCA時代の理想的なリーダー像といえます。
関連記事:リーダーシップとは?マネジメントとの違いやスキルを高める方法
臨機応変な対応は、VUCA時代にまさに不可欠の能力と言えます。変化の激しいVUCA時代には想定外の出来事が次から次へと起こり、計画通りに事が進まないというのも珍しくはないからです。そんなとき、過去の成功体験にこだわり、これまではこの方法でうまくいったのだから、と硬直した考えを持ち続けているようでは対応できません。予定外のことが起きたときには、柔軟な姿勢で対応できるようにしておくことが大切です。
もちろんそうした臨機応変さというのは急に発揮できるものではなく、日頃から養っておく必要があります。臨機応変さを身につけるのに有効なのは「リスクマネジメント」です。予想外の事態は起きるものという前提で、起こり得るリスクはあらかじめ想定し、その対策を考えておきましょう。
VUCA時代を乗り越えるために、企業には変革への対応力が求められています。そのためのアプローチとして、多様な価値観を持つ人材の採用に踏み切っている企業もありますが、これには問題もあります。個々に異なる価値観や経歴を持ったメンバーが集まった場合、それらがうまく発揮されればチームの力は高まりますが、一方で衝突が起きやすくなるというリスクもはらんでいるのです。
個性の異なるメンバー同士がうまくやっていくために必要なのは、多様性を素直に受け入れられるコミュニケーション能力です。意見や価値観が異なってもお互いにそれを認め合い、それらをうまく取り入れて成果に繋げていけるようなスキルがポイントとなります。
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未来の予想が非常に難しいのがVUCA時代です。これまでに築き上げてきたノウハウが通用しない場面も多く、そんな中でキャリアを築くためには情報を広く収集・判断し、自分の進むべき道をしっかりと定める強い意志も必要になります。さらには臨機応変に行動できる能力や、多様性を受け入れられるコミュニケーション能力も欠かせません。ぜひこうした能力を身につけてVUCA時代を生き抜いていきましょう。
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