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「アサーティブコミュニケーション」という言葉を聞いたことがありますか?アサーティブコミュニケーションとは特に外資系企業で評価されているコミュニケーションの手法です。他のコミュニケーションとの違いは何でしょうか。アサーティブコミュニケーションの具体的な意味や、アサーティブコミュニケーションを実践して人間関係が良好になる方法を解説していきます。
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アサーティブとは英語で「assertive」と書き、直訳すると「断定的な」「言い張る」などの意味となります。ですがアサーティブコミュニケーションとは一方的に自己主張をするコミュニケーションのことではありません。一般的にアサーティブコミュニケーションと言うと「人間は一人一人違うことを理解した上で、相手の価値観や考え方に配慮しながら自分の意見を述べること」と言えるでしょう。
ビジネスの場ではグローバル化が進み様々な国籍の人と働く機会が増えています。育った国が違えば、生まれた時から備えている性質そのものも違いますし、習慣、物事の感じ方、宗教観までも違ってきます。このような多種多様な人間が集うグローバルな環境でビジネスをしていく上で大切になってくるのが「相手との違いを認識し、相手に配慮したコミュニケーション」になります。この時にただ相手を気遣えば良いというのではなく、自分の意見を言えることも大切です。こうしたアサーティブコミュニケーションは外資系企業で特に評価されています。
アサーティブコミュニケーションはその他のコミュニケーションとどこが違うのでしょうか。他のコミュニケーションの特徴を以下に挙げていきます。
アグレッシブ(攻撃的)タイプとは、自分の意見を一方的に押し付けるタイプです。相手に配慮するどころか自分の意見を押し通します。時に攻撃的な態度で相手の反論を許しません。相手を脅かすような態度をとったり、大きな声で威圧感を醸し出しています。些細なことで怒るのもこのタイプの特徴です。人よりも優位に立ちたがり相手を委縮させてしまうため、口論の場では自分の立場が上になったようにも思われますが、結果的に周囲の人から疎ましがられ好意的に見てもらうことが難しくなってしまいます。そうなると正しい意見を言った場合でも受け入れてもらえないこともあるでしょう。
ノンアサーティブ(受け身的)タイプの特徴は、周囲との間に波風を立てないことを重要視し過ぎて自分の意見を言えないことです。周囲の目を気にしたり、相手との対立や言い争いを避けたい気持ちが強く、受け身に徹したコミュニケーションをしがちです。あまりにも相手の意見を受け入れてばかりだと、無理な要求も飲み込まなければいけなくなり強いストレスとなることもあるでしょう。いざ自分の意見を言おうと思っても曖昧な表現になってしまったり、言いたいことをうまく伝えられないということが多いようです。
アサーティブコミュニケーションのメリットについてみていきます。
アサーティブコミュニケーションの土台にあるものは、相手との違いを受け入れ相手を尊重するという気持ちです。相手への配慮があれば、威圧感のあるコミュニケーションをとろうとは思わないでしょう。そうした配慮し合う雰囲気の中であれば、相手に気をつかいすぎるタイプであっても自分の意見を言いやすくなります。結果として職場内の意見交換が活発化していきます。アサーティブコミュニケーションは、一人一人違っていても自分の意見を伝え合うことが大事なのだという空気感を生み出します。自分の意見を適切に言えるようになればストレスも軽減されるでしょう。
前述の通り、アサーティブコミュニケーションによって意見交換が活発化してくると、職場内において、相手に意見をしっかりと伝えられる人が増えてきます。その結果意思疎通の円滑化が進み、情報共有や相互理解が進むでしょう。こまめな報告、連絡、相談は仕事上のトラブルを前もって防ぐことにも繋がります。またコミュニケーションが増えることによって、仕事仲間についての理解が深まります。同僚が得意としていることを知っていれば関連することの相談ができるなど、より円滑に仕事が進むようになるでしょう。
アサーティブコミュニケーションによって、上司と部下の関係も良好になります。部下は上司に意見を言いにくいものですが、アサーティブコミュニケーションによる配慮が根付いている職場であれば、部下が上司に何かを伝えて頭ごなしに叱られるなどの心配はありません。ですので部下は委縮することなく上司に話しかけることができるようになります。また上司の方も、それぞれの部下を尊重した仕事の指示出しをすることができます。コミュニケーションが増えればそれだけ人間関係は良好になり、一般的に難しいといわれている上司と部下の関係もより良いものとなるでしょう。
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アサーティブコミュニケーションのポイントについて解説していきます。アサーティブコミュニケーションは単なるコミュニケーションの手法ではなく、相手を思う気持ち、心が土台となっています。アサーティブコミュニケーションには4つの柱があり、以下の4つの柱をおさえたコミュニケーションであればアサーティブコミュニケーションができていると言えます。
・誠実:アサーティブコミュニケーションの基本は、相手も自分も尊重することです。相手を尊重するばかりで自分の意見を言わないのはアサーティブコミュニケーションを実践しているとは言えません。自分にも相手にも誠実な態度を心がけましょう。
・率直:日本では「オブラートに包む」言い方を好む人が多い傾向にありますが、事実をストレートに分かりやすく伝えることが習慣の国もあります。受け取り方は国や人によって様々ですから、こう言ったら傷つく…などを考えすぎずに、まずは伝えたいことを「率直に」伝えることを心がけてみましょう。また伝える際には感情的にならないようにしましょう。
・対等:アサーティブコミュニケーションでは、相手も自分も尊重し対等な立場であるという心持ちが大切です。相手を思いやる基本的な配慮の気持ちがあれば力関係におびえる必要はありません。上司や部下と言った上下関係に左右されず、対等な人間同士であるという意識で意見を伝えましょう。
・自己責任:自分の意見を伝えた結果、自分の伝えたかったことが必ず相手に伝わるかどうかは分かりません。受け手側によっては思惑と違う受け取られ方をする場合もあります。どのような結果になっても、自己責任であると考えるようにしましょう。
アサーティブコミュニケーションを実践するにあたり、「DESC法(デスク法)」というトレーニング方法があります。「DESC法(デスク法)」について解説していきます。
描写(Describe)とは、事実を客観的に見て説明することです。事実のみを具体的に描写することを心がけ、自分自身の感情や相手についての憶測は含めないように気を付けましょう。
表現(Explain)とは、描写(Describe)で述べた事実に対し自分の意見や感情を述べることです。正直な気持ちを率直な言葉で表現します。この際、相手への思いやりを忘れずに、感情まかせな言い方にならないようにしましょう。
提案(Specify)とは文字通り、自分の意見を提案することです。自分が考えている解決策などを述べるのですが、相手に何かしてほしい事がある時は具体的に分かりやすく伝えましょう。命令と受け取られないように丁寧に表現することも大切です。
選択(Choose)は、自分の提案に対して相手が「イエス」なのか「ノー」なのか選択してもらうことです。ここで大切なのは、相手が「ノー」と回答する場合も考慮しておき、事前に自分の行動を考えておくことです。どちらであっても、相手の回答に応じた自分の行動を具体的に示せるようにしておきましょう。
DESC法を活用したアサーティブコミュニケーションの実例をみていきます。
今回は価格交渉シーンでDESC法を活用する実例をみていきます。価格交渉はビジネスシーンでも実際にあることですが、DESC法を活用することによりお互い納得感のある着地ができるようなコミュニケーションを目指します。
・Describe(描写する)「前回のミーティングで御社がご提示された金額を持ち帰って社内で検討しましたが、電力価格高騰の点からご希望の金額での提供は難しいという結果になりました。」
・Express(説明する)「ご希望に沿えないことは私としても心苦しく思っております。」
・Suggest(提案する)「今回ご提供できる価格は〇〇円になりますが、この価格で良いということであれば通常よりも早い納期で対応させて頂きます。」
・Choose(選択する)YESの場合「ありがとうございます。できる限り早い納品ができるように手配致します。」NOの場合「どうしてもご希望の価格で…ということでしたら、機能性は少し落ちますが仕様変更することも考えます。いかがでしょうか?」
アサーティブコミュニケーションを実践していくことで社内の人間関係が良くなり、コミュニケーションが活発となることが分かりました。いざDESC法を実践してみようと思うと最初は難しく感じるかもしれませんが、コミュニケーションの土台に「相手を尊重し配慮する気持ち」を込めることは今すぐにでも始められます。早速アサーティブコミュニケーションを取り入れて良好な人間関係を構築して下さい。