IT業界は他の業界と比べて、離職率が高い業界と言われることも多いです。しかし、実際はそうとは言い切れません。それでも労働環境に納得がいかないなどの理由で辞める人が多くいるのは事実。そこで、IT業界の離職率の実態はどうなっているのか、IT業界を離れる理由にはどんなものが挙げられるのか、解説していきます。
 

1.IT業界の離職率はどれくらい?

厚生労働省の離職率調査によると、情報通信業に分類されるIT業界の離職率は11.8%という結果でした。離職率ランキングも宿泊・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、サービス業がTOP3であり、1年にIT業界を離れる人はそれ以下です。10人に1人程度と考えると、IT業界の離職率はそれほど高くないことがわかります。また、新卒3年目いわゆる第二新卒の離職率は約32%です。新卒として就職をしてから、仕事が自分に合わないと感じて仕事を辞める人は多く、3人に1人が新卒3年目までに転職を経験すると言われています。したがって、第二新卒の離職率に関してもそれほど高くないと言えるでしょう。

IT業界を辞める人の理由は様々です。勤めた会社がブラックだったという理由で辞める人もいますし、労働環境が良くてもエンジニアとしての経験を他の仕事に活かしたい、経験を活かしてもっとレベルが高い環境で働きたいとキャリアパスのために転職する人もいます。したがって、IT業界がブラックとは一概には言えないでしょう。
 

2.IT業界での離職の要因

それでは、IT業界を辞める人は、どんな理由で辞めているのでしょうか。離職の原因を見ていきましょう。

2-1.ピラミッド構造

IT業界は、ホームページ開発を行うWeb業界、ゲーム開発を行うゲーム業界など様々な業種で構成されています。その中でも数が多いのがSESと言って、自社に所属しているエンジニアを派遣する会社です。大手企業だと、下請け企業に自社で使用するシステム開発を依頼します。しかし、下請け企業は、人員が足りなくて元請けに指定された納期までに納品ができないので、さらに下請けに人員の派遣を依頼し、その下請けがさらに...というようなピラミッド構造ができあがります。このピラミッドの上の位置にあるSESに所属している場合は比較的良い待遇で働けますが、下側にあるSESだと、会社に中抜きされる金額が大きくなってしまうので、ピラミッドの上側の会社の社員と同じ仕事をしているにも拘らず、給料に大きな差があるという現象が起こります。

また、ピラミッドの上側の企業は、要件定義や設計などの上流工程を依頼されますが、下側に所属していると、上流工程で作成した要件定義書を元にコーディングやテスト業務を行うこととなります。ずっとテストばかりを任されることも少なくありません。このような業務ばかりではなかなかスキルが身につきにくく、給料も上がりません。ただし、しっかり経験を積んでいけば、上流工程を任される機会もあります。そこで、経験を積み、別の業種に転職する人もいれば、中にはSESでも上流工程を任せてもらえる機会が多い企業へ転職する人もいます。

2-2.仕事が見つかりやすく転職しやすい業界

IT業界は比較的歴史の浅い業界であり、それに加えて急速な発展を遂げており、人材が足りていません。そのため、情報系の大学や専門学校出身者だけでなく、文系の学生やフリーターなどの未経験者も積極的に募集しています。このように、入るだけならハードルの低い業界であり、とりあえず業界を理解せずに入ってみたら思っていたのと違ったという理由で離職してしまう人が多いのも事実です。

しかも、IT業界でも特に人手が足りていないのは先ほど紹介したSESです。SESで開発するのは、保険会社や官公庁など大企業で使用するシステムが主となります。これらの開発現場は、セキュリティに関するルールが厳しく、しかも色々な会社から人が派遣されてくるため、労働時間の管理も大変でしょう。IT業界は働き方改革が進んでいる業界と言われることも多いですが、SESはそれとは真逆なのが現状であり、特にオシャレな働き方に憧れている人からすると、思っていたのと違ったと感じやすいです。

しかし、短期間でもIT業界で働いた経験があれば、即戦力とみなされやすいです。即戦力が欲しいが故に、常に求人を掲載している企業も多く存在しており、経験の浅いエンジニアでも転職が上手く行きやすいのがIT業界の良いところと言えるでしょう。実際にプログラミングを学んだことがない人がSESに入社して、1年ほど働いてWeb業界へ転職するなどといったケースも多々あります。また、1年〜3年ほど経験を積めば、フリーランスでも仕事を十分に見つけられるようになります。フリーランスの仕事はSESと同じ官公庁や保険会社の案件が多い傾向にありますが、会社側から同じような仕事でも、会社から中抜きされる金額が減って給料が上がりやすいです。

2-3.長時間労働

これまで解説してきたように、IT業界の中でも特にSESはピラミッド構造ができあがっており、元請け会社から指示された納期に間に合わせないと、次の仕事が獲得できない可能性が出てきてしまいます。そのため、クライアントの言いなりになり、無理のあるスケジュールでも断れない会社が大半です。それにより、長時間労働や休日出勤が発生してしまいます。特にピラミッドの下に位置するSESに所属していると、クライアントの急な変更に左右されてしまいがちです。トラブルが発生した場合の対応も現場の判断に任されるケースが多く、それに伴って残業や休日出勤が要求されるケースが多々あります。

しかも、SESだとこれを見越して、固定残業制と言って、一定の残業時間までなら残業代も一定になるシステムを採用しているケースが多い傾向にあります。例えば固定残業時間が50時間までとなっていれば、残業が一切無い現場だと得ではあるものの、残業時間が49時間だった場合は損です。しかも、求人に掲載している給与も固定残業代込みとしているケースが多く、IT企業への転職を考えている場合は、求人に掲載されている給料が固定残業代込みか、それとも別なのかをしっかり確認したうえで応募しましょう。
 

IT業界の離職率は転職のしやすさも一因!

IT業界に対し「ブラック」というイメージを持っているかもしれません。それはごく一部の会社だけであり、実際は飛びぬけて離職率が高いわけではなく、しかも「転職がしやすい」「独立しやすい」といったプラス要因で転職する人も多い業界です。IT業界の仕事は需要が高く、将来性もあることから、前向きに検討してみてください。

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IT業界への転職「いろは」コンテンツ

STEP1:まずはIT企業の種類を知る
IT業界の企業の種類にはどんなものがある?

STEP2:IT業界の年収を知る
IT業界って年収はどれくらい?職種ごとの年収と年収アップの方法

STEP3:IT業界の将来性を理解する
【2020最新】IT業界の今後は?将来性や求められるスキルまで!

STEP4:IT系の転職に役立つ資格を見てみる
IT系の転職に資格は役立つの?志望職種別おすすめの資格!

STEP5:外資系に興味がある方は・・・
外資系のエリートといえばIT系?外資系ITの業界や仕事内容を解説
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