IT系の転職を検討している場合、「資格は役立つのか」と気になる方もいますよね。転職では知識やスキルなどが重要視されていて、その証明をするためには資格取得が有効です。また、職種によって、持っているといい資格は異なるでしょう。この記事では、志望職種別におすすめの資格をご紹介し、資格は役立つのかという疑問を解決します。

1.IT転職に資格は不要って本当?

IT系の転職では、採用条件の中に特定の資格が記載されていることはありません。持っているといい資格として載っている場合もありますが、それだけで判断されることはないでしょう。また、資格だけで、大きく有利になるわけでもありません。ただし、資格を持っていると知識やスキルを客観的に示せます。つまり、自分の能力を証明するためには、資格を持つのも手段でしょう。また、IT系に未経験で転職する人もいます。未経験での転職では、実績がなくても、資格を持っていることで知識や意欲をアピールできる可能性が高いです。

2.未経験からIT系に転職する際おすすめの資格

未経験の人がIT系に転職したい時におすすめなのが、「ITパスポート」「基本情報技術者」です。これから、2つの資格を解説します。

2-1.ITパスポート

ITパスポートは、IT業界で活躍する場合の入門編といえる国家資格です。ITの正しい知識を理解しているかが問われ、業務で効率的にITを活用できる「IT力」が身に付きます。情報技術に携わりたい人が取得するといい資格です。ただし、ITパスポートの資格単体が採用に繋がることは少ないとされています。その理由は、IT系で働く人が知っている基本的な知識が問われているからです。出題形式はコンピュータ上で問題を解いていくCBT方式で「ストラテジ系(経営)」「マネジメント系(IT管理)」「テクノロジ系(IT技術)」の問題があります。

2-2.基本情報技術者

基本情報技術者は、SEやプログラマーを目指している人、仕事に就いたばかりの人に人気がある国家資格です。特に、情報技術全般の知識やスキルを持っている人が受験しています。また、プログラム設計書の作成や開発・単体テストなど、一連のプロセスを担当する人にも向いている資格です。基本情報技術者の資格取得を、社員に推奨する企業もあります。よって、未経験者が意欲をアピールしやすい資格とも言えるでしょう。出題内容は「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」ですが、ITパスポートよりも大幅に範囲が広くなっています。

3.エンジニア系におすすめの資格

エンジニア系の経験者は、知識とスキルが高いことを証明できる資格がいいでしょう。例えば、「ネットワークスペシャリスト」「Cisco Certified Network Associate(CCNA)」です。これらの資格の詳細を解説します。

3-1.ネットワークスペシャリスト

ネットワークスペシャリストとは、ネットワークに関連する固有の技術が問われる資格です。情報システムの企画や要件定義・開発・運用・保守の技術支援を行う人が受ける国家資格になります。この資格を持っていると、転職で有利になる可能性が高いです。また、人事評価に繋がる場合もあります。ネットワークスペシャリストを持っている人は、企画から保守までの一連の業務を行う際に、中心的な役割を果たすことが多いです。さらに、指導者としても活躍するため、指導力やコミュニケーション力なども求められます。

3-2.Cisco Certified Network Associate(CCNA)

Cisco Certified Network Associate(CCNA)は「シスコシステムズ社」が認定するネットワーク技術者の資格です。世界共通基準の資格で、ネットワーク技術者としての実力が証明できます。世界に通用する資格のため、外資系IT企業へ転職したい時にも有効です。シスコシステムズ社の認定資格はグレードが5つに分かれていて、CCNAは下から2番目の「アソシエイト」に分類されます。CCNAを取得した後は、より上位のグレードである「CCNP」に挑戦すると、市場価値が高まって転職でも有利になるでしょう。出題はコンピュータ上に問題がランダムで出てくるCBT形式です。よって、同じ会場で同時間に受けていても、出題される問題が異なります。

4.マネージャー系におすすめの資格

マネージャー系に関わる資格として「ITストラテジスト」「プロジェクトマネージャー」があります。これから、2つの資格を解説します。

4-1.ITストラテジスト

ITストラテジストは、ITを活用して企業経営者へ問題解決方法を提案する「ITコンサルタント」を目指す人向けの資格です。IT最難関の資格とされ、ITスキルと共に経営戦略の能力が証明できます。ITストラテジストの資格を持っている人は、ITを活用した事業革新や業務改革・革新的製品やサービスの開発と企画・推進などを支援する業務を、主導的に行うことが可能です。また、指導者としても活躍します。ITストラテジストでは、知識だけでなく実践能力も求められることが特徴です。出題形式は多肢選択式と論述式・記述式になります。

4-2.プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、IT人材の中でもシステム開発責任者を目指す人が取得する資格です。合格率は約13%で、難易度が高いとされています。よって、プロジェクトマネージャーの資格を持っている人は、仕事への熱意や実力をアピールしやすくなるでしょう。出題形式は多肢選択式と記述式・論述式です。システム開発や組織全体の戦略なども理解でき、実行可能なプロジェクトの計画を立てられるスキルが必要になります。また、リスクの把握やそれに応じた変更・実行後の分析と評価など、さまざまな知識とスキルが問われるのです。

5.資格を転職活動に活かすポイント

資格を転職活動に活かすためには、知識やスキルのアピールだけでなく、資格を取るに至ったバックグラウンドから伝えられるといいでしょう。取得するきっかけになったことや目的・努力した内容を意識して話すと、意欲を伝えられます。例えば、「〇〇の資格を持っています」と言うよりは、「●●ができるようになりたい」と話して資格取得に至った経緯を話すのです。また、受ける企業の状況や求めている人材などの傾向を把握し、それに沿った資格を取るのもいいでしょう。将来的に企業の役に立つと判断されると、転職の成功率が高まります。

資格が全てではないが知識の証明のひとつとして

資格を持っているということが、内定に直結するわけではありません。しかし、知識や意欲の証明として、資格を取得するのも一つの手段です。IT系の資格にはさまざまな種類があり、職種や今までの経験によっても、取得するといい資格は異なります。転職で有利になったり、キャリアアップに役立ったりする資格もあるため、自分に合った資格を取得してみるといいでしょう。

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