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1990年代から2000年代にかけて、アメリカを中心に日本でもインターネット・バブルが起こりました。それ以降IT業界は、順風満帆で儲かる業界として認知されてきたのです。しかし時代が変わり「IT業界は終わってる」と一部で囁かれるようになりました。なぜ、順調だったIT業界がそのようないわれ方をされるようになったのでしょうか。記事では、「終わってる」といわれる理由やIT業界の離職率、今後の動向などを解説します。
多くの人が順調だと感じていたIT業界が、「終わってる」といわれるようになった理由は何なのでしょうか。その考えられる原因を紹介します。
仕事は人が生きる上で大切な要素です。しかし、それと同じくらいプライベートも疎かにできません。つまり、公私ともに充実させることが、人生を豊かにするコツなのです。ところが、IT業界は他の業界に比べて残業が多かったり、労働時間が長かったりする傾向があります。特に下請け業者の場合は、長時間の労働を強いられた上に賃金が安いということも少なくありません。このような低水準の労働環境では仕事にやりがいを見出すことも難しいです。
ただし、政府が主導する働き方改革が広く一般に浸透したおかげで、IT業界の労働環境も徐々に改善されつつあります。もしこのような状況下においても、労働時間が慢性的に長かったり、サービス残業を頻繁に要求されたりする場合は、勤める会社自体に問題がある可能性が高いと言わざるを得ません。
どれほど仕事ができるベテラン社員だとしても、新人時代はあります。そして、新人時代には満足に成果を出せていないものです。先輩社員や上司からアドバイスや叱咤激励を受けたり、実際に業務経験を積んだりすることで今日の姿があります。その点、IT業界は新人が育ちにくい業界だと言われています。なぜなら、常にぎりぎりの納期に追われながら業務に取り組んでいる人が多いからです。
業界で働く多くの人が日々忙しく立ち回っているため、新人を育てる余裕がありません。新人教育が行き届いていない企業は多々あります。しかしそのような状況下でも、きちんと新人教育に注力している企業は存在しているのです。例えばオンライン講習を実施したり教育用の動画を導入したりするなど、様々な工夫を凝らして新人教育の環境整備を進めています。
就職や転職をする時は、目当ての業界について調べるのが一般的です。中でも業界の離職率は、多くの人が注目する指標の一つでしょう。離職率が高い業界は、何かしらの問題を孕んでいると推測して敬遠しがちです。その点、厚生労働省「平成30年雇用動向調査結果の概要」の情報通信業界を参考にすると、IT業界の離職率は10~15%程度とそれほど高くありません。このデータから、問題が少ない業界だと考える人は多いです。しかし、必ずそうとは言い切れません。例えば離職率が30%を超えるブラック企業がある一方で、離職率をわずか1%に押さえている優良企業も存在します。つまり、同じIT業界の企業であっても、その内情は大きく異なるのです。就職や転職をする際は、IT業界の離職率だけでなく、個々の企業情報にも注目してください。
私達の生活には、すでにIT技術が溶け込んでいます。一人で一台以上のスマートフォンを所有したり、自動運転技術が搭載された自動車を運転したり、ネットショッピングを日常的に利用したりすることからも理解できるはずです。今やIT技術は私達の生活に必要不可欠なインフラだと言えます。それどころか、更に便利にもっと使いやすくできないかと、貪欲に求めるはずです。つまりIT技術のニーズは益々高まるだろうと予測できます。その中心に存在する業界がIT業界です。そのため、IT業界は他の業界に比べて将来性が高いと考えられています。
例えば、少子高齢化が進行すると、若い働き手が不足すると言われています。そのような事態を解消するために、IT技術を導入しようという風潮が、すでに生まれているのです。IT技術の導入によって業務の効率化や自動化を図るデジタルトランスフォーメーションを推進する企業は少なくありません。ロボット技術の導入やキャッシュレス化、VR、IoTなどの発展が、IT業界の追い風になることは確かです。
IT業界で働くには、向いている人と向いていない人が存在します。自分はどうか、適性を見極めることも大事です。
チームワークが得意な人はIT業界に向いています。なぜなら、IT業界の仕事は分業制だからです。例えばホームページを制作する場合、デザインをする人、コーディングをする人、企画をする人、サイトの保守・運営を行う人、プログラミングを行う人など多様な立場の人間が関わるため協調性が求められます。またIT業務の制作チームに入ると、業務の大部分をパソコンで行います。つまり一人で作業に取り組むことが多いのです。そのため、地味なことをコツコツ続けるのが好きな人も、IT業界に向いています。
IT業界は、常に新しいサービスや技術が生まれる業界です。率先して新しいことを吸収しようという姿勢で勉強し続けられる人は向いています。IT業界でプロジェクトに関わると、最終的には何かしらの成果物が出来上がるでしょう。そのため自分が関わって制作したという達成感を得たい人にも向いています。また、業務を論理的に進められる人も適正があります。
IT業界で働くことに向いていない人もいます。まず、そもそもITに興味がない人は働くことを苦痛に感じてしまう可能性が高く、向いていません。また、コーディングなどでは一文字書き間違えただけでシステム全体が動かなくなることもしばしばあります。そのため注意深く慎重な性格の持ち主には向いていますが、逆に大雑把な性格の人には向いていません。さらに日々進歩するIT業界の最新情報に付いていくための勉強が苦手な人も難しいです。また、課題意識を持って業務に取り組めない人もIT業界には適合しません。
IT業界で働く人の中には、自分には合わないと感じている人がいるかもしれません。そのような場合、IT業界自体が合わないのか、勤める会社とマッチしないのか、それとも職種が適していないのかを見極めるべきです。もし会社や職種が原因でミスマッチだと感じているのなら、働きやすい別の企業を探すなど、IT業界の中で転職することをおすすめします。一方、IT業界そのものが自分に合わないと感じた場合、他の業界への転職を検討することも一案です。
社会情勢や時代背景を勘案すると、IT業界は今後も飛躍する伸びしろの大きい、将来性がある業界であることは間違いありません。しかし自分とは合わないと感じるのであれば、無理をして同じ状況のまま働き続ける必要もないでしょう。ミスマッチの原因がどこにあるのかを冷静に分析して、今後の働き方を検討することをおすすめします。
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