留学経験者の強みとは?活かせる仕事やアピールポイントを紹介

就職や転職をする際は、自己アピールで企業側に自分を理解してもらいます。留学はアピールできる経験ではありますが、上手く伝えないと評価されないことが多いのが現状です。昔と比べて留学する人は多く、留学経験や語学力だけでは強みにならないからです。そこで本記事では、留学経験者の強みや活かせる仕事などについて詳しく解説します。

1.留学経験者が持つ強み

海外留学では、日本では得られない貴重な経験ができる機会です。就職活動を始める前に、まずは留学経験でどのような強みが身につくのか把握しておくことが大切です。ここからは、留学経験者が持つ強みについて解説します。

1-1.語学力

語学力が有利になる業界や企業で働く場合は、就活や転職時の採用基準、昇進の基準として語学力が役に立つことがあります。ただし、中途半端な語学力では企業にアピールできません。各企業が設定しているTOEICスコアを獲得すれば、語学の実力を示すことができるでしょう。例えば、就活時は平均535点、転職時は平均560点、海外部門では平均690点のスコアが求められます。昇進に必要なTOEICスコアは、係長・主任なら平均515点、課長なら平均530点、部長なら平均565点、役員クラスなら平均600点だと言われています。外資系企業はTOEIC700-800点以上など、企業によって必要なスコアが異なるので注意が必要です。また翻訳・通訳、商社、ホテルスタッフといった語学を使う職種は必ず語学力が必要になるため、帰国後すぐ語学力が落ちる前に、TOEICなどの公式テストを受けるようにしましょう。

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1-2.視野の広さ

留学先では生まれた国が違う多種多様な人と出会います。日本では当たり前だと思っていたことが相手の国では非常識になるといった文化や習慣の違いを感じるシチュエーションも少なくありません。多様性を受け入れることで、多角的なものの見方ができるようになり視野が広がるはずです。その強みは、日本人・外国人問わず、同僚や顧客とのコミュニケーション、人間関係の構築、会社でのリサーチ・プレゼンなど様々な場面で活かすことができるでしょう。

1-3.逆境への強さやバイタリティ

ライフスタイルや文化が違う環境で暮らす海外留学は、日本よりも大変なことが多いです。特に英語やコミュニケーションが苦手な人ほど、現地での苦労が多くなるでしょう。しかし初対面の人に話しかけたり、自分で問題に対処したりすることで、自然と積極性や行動力が身につきます。逆境に負けずに苦手を克服すれば、就活で強いアピールポイントとなるはずです。

1-4.コミュニケーション能力

海外留学で身につけるコミュニケーション能力も留学生の強みとなります。留学先では外国語で相手の言うことを理解することはもちろんですが、自分の気持ちも伝えなければいけません。慣れない言葉で相手に自分の主張を伝えるには自分の言いたいことをなるべく簡潔にまとめることが必要になってきます。

また、日本語は「ハイ・コンテキスト」と言われ、空気を読んで相手の言いたいことを理解する文化がありますが、英語は「ロー・コンテキスト」で、それぞれの人々が生まれ育ってきた文化背景も異なるので、言いたいことは言わなければ伝わりません。主張ばかりするのは良くないですが、人を気遣いながら自分の思ったことをきちんと伝えることは様々な誤解や衝突を解決してくれます。コミュニケーション能力は社会人として必要なスキルの一つ。特に人と話すことが多い営業職では、コミュニケーション能力が高い留学経験者が重宝されるでしょう。

1-5.課題解決力

留学中は様々なトラブルが起こりがち。日本とは対応方法が異なる外国生活で、日本語以外の言語を使いながら自分でトラブルを解決しなければいけません。トラブルが生じたときは、状況を正確に分析し、解決策を模索しながら自分で解決する必要があります。何度もトラブルを経験していくと、解決方法の導き方が分かるようになり、似たような問題が起こったときにスムーズに対処できるようになります。仕事には課題解決力が必要になるので、就活ではどのように問題を解決したかという点が重要視されるのです。

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2.留学経験を活かせるキャリア・就職先

留学経験を活かせるキャリア・就職先はたくさんあります。ここからは、代表的な仕事5選を紹介していきます。

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2-1.外資系企業への就職

留学経験を活かしたいなら、外資系企業に就職するのが良いでしょう。外資系企業は、日系企業と比べて給与が高いのが魅力。外資系企業であっても取引先のほとんどが日本企業になる場合、入社直後はそれほど高い語学力は求められないことが多いです。しかしキャリアを重ねていくごとに、海外出張が増えたり海外企業とのやり取りなど業務で英語を使うことが多くなるため、ビジネスレベルの語学力が求められます。さらに公用語が英語の外資系企業で働く人やマネージャー以上のポジションを目指す場合は、ネイティブ並の語学力が必要になるでしょう。しかしこの語学力は仕事の中でも身についてきますので、最初から諦める必要はありません。

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2-2.海外営業部がある企業

メーカーや商社といった海外との取引が多い企業には、社内に海外営業部が存在します。海外営業部に所属すると海外出張や海外駐在が多くなるため、留学で得た語学力を発揮する機会が増えます。日本本社と海外クライアントとの間に立つときは、国籍が違う人とのコミュニケーション能力も活かせます。また新しい市場の開拓に取り組めるため、語学力とともに高い営業力を身につけることができるでしょう。

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2-3.スタートアップ企業

スタートアップ企業には、特にIT系が多いという特徴があります。IT人材は世界的に不足しており、日本企業でも外国人のITエンジニアの採用は年々増えています。そのため、多国籍なメンバーと仕事ができる人材や、外国人幹部や社員のサポート・アシスタントができる人材の求人も多いのです。スタートアップ企業の場合、外資系IT企業やデジタルマーケティング企業のサービスを使用するなど英語で連絡するケースが多いため、仕事で語学力が必要になる企業が多い傾向にあります。

2-4.海外企業の日本進出をサポート

既に多くの外資企業が日本に進出しているものの、新たに日本進出を目指す海外企業は依然として多く存在します。言語や習慣の違いから成功するのが難しいとされている日本市場ですが、海外の有力スタートアップ事業は日本市場に次々と参入しています。そのため、日本進出を支える立ち上げメンバーとして、英語と日本語が両方使えるメンバーが募集されることが多いのです。また、海外企業の日本進出をサポートするコンサルタント事業を行う企業に就職する機会もあるでしょう。

2-5.通訳・翻訳 など

通訳・翻訳も留学経験を活かせる仕事の一つです。通訳は人と話すのが好きな人、翻訳は文章を書いたり本を読むことが好きな人に適しています。通訳者や翻訳者になるには学問の一つとしてしっかり学ぶ必要がありますが、留学で経験したネイティブの発音や現地での生活は必ず役立つはずです。フリーランスや在宅で活躍できる職種なので、それぞれのライフスタイルに合わせた働き方ができるのが魅力です。

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3.留学経験を活かす仕事を探す方法

海外経験や英語を活用できる仕事を探すおすすめの方法をご紹介します。

3.1. 外資系転職サービスや求人サイトに登録する

弊社をはじめ、外資系やバイリンガル求人に焦点を当てた転職サービスや求人サイトはいくつか存在します。まずは「外資系転職」「バイリンガル転職」などと検索をして、複数のサービスに登録をしてみましょう。サービスによって掲載されている求人も異なりますので、複数のサービスに登録することがおすすめです。また履歴書までしっかり登録すると、転職コンサルタントからスカウトが来る可能性もありますので、時間はかかりますが、ご自身の情報はしっかりと登録することをおすすめします。

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3.2. ビジネス型SNS「LinkedIn」に登録する

LinkedInはまだ日本では登録数が少ないサービスですが、海外では非常によく利用されているサービスであり、国内でも英語を必要とする求人は多く掲載されています。ぜひビジネス型SNSである「LinkedIn」に登録し、求人情報を確認してみてください。こちらでも、ご自身の経験やスキルをしっかり登録していると、スカウトメールが直接届く可能性があります。海外企業が日本進出する際の求人なども見られます。

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3.3. スタートアップ企業の求人サイトに登録する

スタートアップ企業の全てが英語を必要とする訳ではありませんが、検索フィルターを「英語」「海外」などで絞り込んでみると、英語を使う求人情報が上がってくることもあります。スタートアップ企業に関心がある場合はぜひご覧ください。

3.4. NGOやNPO、国際機関に挑戦してみる

海外留学に何かテーマを持って行かれている場合は、そのテーマに関連したNGOやNPO、国際機関に挑戦してみるのも良いかもしれません。諦めずに、まずは直接サイトに行き、どのようなスキルや経験が求められているのか確認して準備に勤しみましょう。
 

4. 履歴書や面接で留学経験を効果的にアピールする方法

就職活動で留学経験を自分のアピールポイントに変えるためには、効果的な訴求方法を押さえておくことが大切です。まず、なぜ留学したのか、その目的を明らかにするようにしてください。明確な目的意識があり、将来やりたいことを実現するために留学したのだということをアピールできれば、行動力のある人材だと判断してもらえるはずです。反対に、友達が留学していたからなど、目的意識が希薄だと主体性のない人物だと思われてしまう恐れもあるので注意が必要です。
次に、留学を通して成長したことを伝えるようにしましょう。留学先で失敗したことや挑戦したこと、留学前に想像していたことと現実はどんな点で違っていたのかなど、具体的な経験を挙げながら自分が成長したと思えるところを伝えます。留学しなければ経験できなかったはずの、独自性があるエピソードを用意するのがポイントです。
続いて、留学で最終的に何を得たのかについて語ることも重要です。自分が成長した点だけでなく、留学を通して得た気付きや問題意識についても話すとよいでしょう。そして、留学で得た経験を今後どのように活かしていくつもりなのかという話につなげていきます。応募先の企業で働くとき、どのような場面でその経験を活かすつもりなのかを論理的に伝えてみてください。

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5.留学経験をアピールする自己PRの例文

ここからは、留学経験をアピールする自己PRの例文を紹介します。以下の例文を参考に、自分の場合はどのように書けば効果的なのかを検討してみるとよいでしょう。

  • 例1:「私の強みは行動力があるところです。学生のうちに困難を乗り越える力を身に付けたいと考えた私は、英語力にあまり自信がない状態でカナダへホームステイに行きました。当初は単語をつなぎながら言いたいことを伝えるのが精いっぱいで、ホームステイ先の家族との意思疎通もなかなかうまくいきませんでした。しかし、毎日生きた英語に触れて勉強を続けた結果、3カ月後には問題なく日常会話を交わせるようになったのです。この経験から、困難な状況でも臆せず一歩踏み出せば成功につながるということを学びました。貴社に入社した際は、難易度の高い業務にも積極的にチャレンジしていきたいと考えております。」
  • 例2:「私は協調性が高く、さまざまな価値観や文化的背景を抱える人と協働できます。シドニーにホームステイしていた際は英語能力の向上を目指す学校に通っており、そこで多彩な国の人たちと信頼関係を構築することができました。また、アルバイト先のレストランでも現地のスタッフやお客様に気に入られ、有意義な時間を過ごせました。貴社に入社した際は、各国の社員やクライアントの方々と協力して良い仕事ができると考えております。」

6.留学経験を企業にアピールする際の注意点

企業にとって、語学力はあくまでアドバンテージの一つにしかないことを認識することが大切です。語学力と合わせて、ビジネスに通用するスキルや経験、即戦力として活躍できるかが重要視されます。また他にも、行動力やコミュニケーションスキルも評価してもらえます。異なる文化での生活を通じて、諦めずに問題に取り組み、自身がどう成長できたのかを期待されます。語学力や課題解決力など、留学で得たスキルがビジネスに活かせるということを自己PRにつなげてアピールするようにしましょう。

就職活動の際には留学で得た貴重な経験をアピールしよう

留学することによって、日本にいるときとは異なる様々な経験を得ることができます。留学で得るスキルは語学力だけでなく、コミュニケーション能力や課題解決力など様々です。それらのスキルが重要視される仕事を選べば、留学経験を活せるでしょう。就職や転職活動をする際は、留学経験で得たスキルを上手にアピールしてください。

【2021年10月20日公開 - 2023年9月8日更新】

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