オフィスで笑顔で話すビジネススーツの二人。

デジタル社会の深化に伴って、情報技術は企業にとって必須のインフラとなりました。なかでも情報技術を業務の柱として扱うIT業界では、最新テクノロジーが日々更新され、顧客に提供するサービス内容も複雑化しています。そこで注目されてきたのがIT関連のサポート業務を行うITサポートで、特に女性の活躍が目立つようになってきました。この記事では、ITサポートの概要や仕事内容、年収などについて詳しく解説していきます。

ITサポートの求人
 

1.ITサポートとは?仕事内容は?

ITサポートとは、デジタルネットワークに関する各種の製品やサービスについて、社内のIT担当者やエンジニアが行う業務を後方から支援する仕事です。後方支援とはどのようなものなのか、具体的に解説していきます。

1-1.ITサポートとは

ITサポートとは、エンジニアの知識を持ってこれに関連する業務をサポートしながら、一方でデータ入力などの事務的な仕事も同時に行う、いわば一般事務とエンジニアとを兼務する職種であるといえます。エンジニアほど高度な専門知識は必要とせず、あくまでサポートという立場で業務に当たりますので、ITに関する高いスキルがなくてもできる仕事をエンジニアに代わって行う、というイメージで捉えればよいでしょう。

1-2.ITサポートの仕事内容

  • データ入力や各種書類作成など事務系の仕事
  • ヘルプデスクやトラブルシューティングなどエンジニア系の仕事

ITサポートの仕事内容は、事務的な仕事とエンジニア系の仕事の二つに分けられます。事務的な仕事では、各種のデータ入力や業務全般に関連する各種の書類の作成や管理などがあげられます。企画会議やプロジェクト会議などでの議事録や、社内向けのIT関連マニュアルの作成などもこれに含まれます。あわせて外部からかかってくる電話に応対したり、メールに返信したりという作業も行います。

エンジニア系の仕事としては、たとえば社員のアカウント作成や不具合に関する問い合わせなどへの対応があります。いわゆるヘルプデスクの仕事となります。インターネットにつながらない、ネットの速度が遅い、といった問題を解決していく業務ですね。さらに社員向けに支給されたIT機器を適切に把握して、異動時などにも混乱なく対応するという管理業務もあります。ヘルプデスクより問題が複雑なネット回線の不具合や機器の故障などについて原因を探るトラブルシューティングの仕事も担当業務の一つです。このほか、職場によってはWebアプリなどの開発をサポートするといった高度な業務にあたることもあります。

1-3.ITサポートと一般事務との違い

ITサポートは事務的な仕事も行いますが、一般事務が行う仕事とはどのように違うのでしょうか。まず一般事務の仕事の大きな目的として、事務作業を通じてほかの社員をサポートするという点があげられます。具体的な業務内容は、書類の作成・整理やファイリング、データ入力、各種の備品管理などをはじめ、電話やメールへの応対などとなります。

見積書や請求書、会議の議事録、顧客への案内書、社内用文書、決算書など会社が作成する書類は多岐にわたります。これらの書類を作成したり、種類ごとにわかりやすく整理してファイルにまとめたりする仕事が書類の作成・整理、ファイリング業務です。データ入力は、顧客情報や日々の売上げ金額などをパソコンに打ち込んでいく仕事です。コピー用紙や文房具などの各種備品を管理する業務も一般事務が担当する仕事となります。このほか、郵便物の発送・仕分けや各種の伝票整理などもこれに加えられるでしょう。以上のような業務が、通常見られる一般事務の仕事となりますが、会社によってはこれ以外にも、仕入れ等の受発注業務などに関わる営業部門の仕事や、社員の勤怠管理などの人事部門などを任されるケースもあります。

一方、ITサポートも一般事務と業務内容が一部重なる部分もありますが、大きく違うのはこれ以外にIT関係の作業もサポートするという点です。前述した社員向けのヘルプデスクやトラブルシューティング業務、操作マニュアルの作成、Webソフト開発のサポートなどITスキルに基づいた各種の業務もあわせて行うのがITサポートの仕事です。
 

2.ITサポートの年収と将来性

IT業界の中でニーズが高まるITサポートですが、業務としてのポテンシャルはどうなのでしょうか。次にITサポートの年収や将来性、キャリアパスなどについて解説していきます。

2-1.年収

民間サイトの集計によると、IT事務の平均年収は約395万円となっています。一般事務の平均年収が約313万円ですので、IT事務の平均年収のほうが一般事務に比べてやや高いことがうかがえます(2022年7月の求人情報より算出した数字)。IT事務の平均年収のうち、298万~360万円がもっとも多いレンジではありますが、なかには700万円を超えるケースもあります。エリア別でみると東京をはじめとした関東圏で最も高く、エリア以外にも、スキルや経験などの違いによって年収に大きな開きが見られることがわかります。

収入や待遇の面で優遇されるためには、スキルの証明となる資格を持つことが有利となります。ITサポートにとっての有利な資格としては、ITパスポート、MOS認定、ITILファンデーションなどがあげられます。

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2-2.将来性やキャリアパス

ITサポートは、エンジニア系の高い能力が必要に思われがちですが、高度な専門的知識などは必要ではなく、未経験からでも始められる職種です。ITサポートの仕事を通して一般的な事務能力だけではなくITの知識やスキルを磨くことができる点も魅力です。さらに、情報化が進む社会の中で、ITのポテンシャルはいっそう高まるものと予想されます。それに比例してITサポートへのニーズもさらに強まりますが、IT業界は人材不足の問題に直面しています。そのため、ITに関して全く未経験の人も受け入れる企業が増えているのが実情です。

一方でIT化の波は業務の効率化をもたらしています。そのためこれまで一般事務の仕事であった業務も、AIなどが代行するようになり、事務の需要自体は減る可能性が高まりますが、ITのスキルや知識を磨くことでキャリアアップも十分に見込めるようになります。さらに全くの未経験でITサポートを開始したとしても、徐々に知識と経験を蓄積していくことで、より高度な知識を要するカスタマーサポートやテクニカルサポート、エンジニアやプログラマーなどへのキャリアチェンジを目指すことも夢ではなくなります。
 

3.ITサポートに必要なスキル

  • コミュニケーションスキルやビジネスマナー
  • パソコン操作やITの知識
  • マネジメントスキル
  • ITインフラ、プログラミングのスキル
  • 英語力

将来性に期待が持てるITサポートですが、やはり必要最低限のスキルは身につけておくべきでしょう。社内で他部署と連携して業務を行ったり、顧客や取引先と連絡を取り合ったりする中で、コミュニケーションスキルやビジネスマナーなどは身につけておくべき大切なポイントです。書類を作成したりデータを入力したりする際のパソコン操作の知識が求められるという点も確認しておきましょう。加えて、最低限のIT知識も身につけておきたいスキルです。さらにキャリアアップを考えると、チームの効果的な運営が行えるマネジメントスキルや、ハードウェアやソフトウェアなどが扱えるITインフラのスキル、Webソフトの開発が可能なプログラミングスキル、ビジネスのグローバル化を見据えた英語力なども磨いておくのがおすすめです。
 

4.ITサポートにおすすめの資格

ITサポートとしての将来性やキャリアパスを考えた場合、キャリアアップにつながる資格を取得するのが有利です。ここでは、ITサポートにおすすめの資格について解説します。

4.1.ITパスポート試験(IP)

ITサポートにおすすめの資格の一つにITパスポート試験(IP)があります。これはIPA (独立行政法人情報処理推進機構)が実施するもので、情報処理技術者試験の一区分となります。ITに関する基礎的な知識を有していることを証明する、IT関連の中でも一番簡単な国家試験とされています。この試験では、AIやビッグデータ、IoT などといった新しいIT知識、アジャイルなどの新たな手法などをはじめ、経営戦略やマーケティング、財務、法務などの経営全般にわたる知識、セキュリティ、ネットワークなどのIT知識、プロジェクトマネジメント知識など、幅広い知識を問う問題が出されます。

4-2.MOS認定

MOSは「マイクロソフトオフィススペシャリスト」の略で、国際資格の一種です。数多くのビジネスシーンで導入されているMicrosoft社のワードやエクセルなどを扱うスキルがあることを証明するもので、パソコンのスキルを証明する資格として高い人気を誇っています。試験は一般レベルと上級レベルに分かれており、一般レベルではワードの基本的な編集機能やエクセルの基本操作を理解しているかどうか、上級レベルではワードやエクセルの高度な機能を理解しているかどうかなどを問われます。
 

ITサポートは事務とITスキルが身につく仕事

ITサポートは、事務とITのスキルが身につく将来性に富んだ業種です。一般事務と比べても待遇面などで優遇されています。ITに関する高い専門性などは不要なので未経験からでも始められ、ITパスポート、MOS認定などの資格を取りつつ知識を積み重ねながらキャリアアップを図ることも可能です。ITサポートの仕事に興味があればまずは情報収集です。総合人材サービス会社大手のマイケル・ペイジに新規会員登録してみてはどうでしょうか。

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