暗い部屋で透明な画面を使ってデータを分析する眼鏡をかけた女性。

転職を検討している方の中には、ソフトウェア開発に興味を持っている方も多くいるのではないでしょうか。特に外資系のIT企業は、ソフトウェア開発ができる人材の確保に積極的なので、スキルの取得は転職の大きな手助けとなるでしょう。この記事では、ソフトウェア開発者の仕事内容や将来性について、さまざまな方向から解説しています。ソフトウェア開発者という仕事を知って、転職を成功させましょう。
 

1.ソフトウェア開発者とは?仕事内容は?

コンピューターには2つの要素があります。1つはハードウエア。パソコンなど端末機械の本体やそれに付属する機器などです。もう1つはソフトウェア。コンピューターに対して命令を出すプログラムです。ソフトウェアを開発するには、ソフトウェア開発者が欠かせません。以下ではソフトウェア開発者とは何か概要を説明するとともに、仕事内容などについて詳細に解説します。

1-1.ソフトウェア開発者とは

コンピューターを用いたシステムはすべてソフトウェアに基づいてその役割を果たします。ソフトウェアが整っていなければ、どれだけ優秀な機器を用いたとしても、期待できる効果を生み出すシステムは生まれないといえるでしょう。ソフトウェア開発者とは、そのような開発に関わる人を指す職業名のことです。

ソフトウェア開発者にどのような業種が含まれるかは、開発の捉え方によって変化します。もし、ソフトウェア開発を「実際の開発そのものに限る」と狭義の意味で捉えるなら、ソフトウェア開発者はプログラミング言語を用いてソフトウェアを作る人のみに限定されることになるでしょう。なお、この意味におけるソフトウェア開発者は、プログラマー・コーダー・ソフトウェアエンジニアと呼ばれる場合があります。

対して「開発にかかわるすべてを含む」と広義の意味で捉えるのであれば、ソフトウェア開発者は実際にプログラムを構築する者だけに限られません。ソフトウェアの調査・設計・実装・テスト・提案に関わる仕事に就く者も、広くソフトウェア開発者と呼びます。SE(システムエンジニア)・IT営業・プロジェクトリーダー・プロジェクトマネージャーといった業種も、ソフトウェア開発者の一員に含まれます。

関連記事:IT営業の年収は?必要なスキルやキャリアパスについても解説

1-2.ソフトウェア開発者の仕事内容

ソフトウェア開発者の仕事は、組織や開発環境によって変わります。プログラミングによって直接ソフトウェアを構築する業務は、ソフトウェア開発者の一側面といえるでしょう。例えば、SE(システムエンジニア)であれば、ヒアリングで入手した顧客の要望を元に、要件定義をしてから、システム設計します。プログラマーであればSE(システムエンジニア)が作ったシステム設計や設計書にのっとってプログラミングをし、ソフトウェアの直接的な開発やテストを担います。

1-3.ソフトウェアエンジニアとの違い

日本ではあまり厳密に使い分けられていないものの、ソフトウェア開発者(デベロッパー)とソフトウェアエンジニアに、違いを設けている国や地域も存在します。どのような違いがあるのでしょうか。

違いを設けている国や地域では、ソフトウェアエンジニアの専門的知識が重視されているようです。つまりは、工学的・数学的な知見や概念に基づいてソフトウェアを開発する者をソフトウェアエンジニアとし、ソフトウェア開発者(デベロッパー)と差別化を図っています。一例を挙げると、カナダのブリティッシュ・コンビア州では、ソフトウェアエンジニアとして名乗るためには、厳しい資格要件が求められます。対して、ソフトウェア開発者(デベロッパー)は開発に携わっていれば名乗ることができ、プログラマーを指すことが一般的です。カナダの例と同じく、アメリカにおける各州でもソフトウェア開発者とソフトウェアエンジニアは区別されています。

関連記事:外資系企業でITエンジニアとして働くことの将来性は?やりがいやメリットを紹介!
 

2.ソフトウエア開発者が良く使用する言語

業務が広範に及ぶとはいえ、ソフトウェア開発者を目指すのであれば、プログラミング言語の習得は欠かせない要素です。では、ソフトウェア開発者が好んで使用するプログラミング言語にはどのようなものがあるのでしょうか。

2022年3月に発表されたアメリカでの調査によると、JavaScript・Python・Javaの3つのプログラミング言語が人気です。この3つの言語は日本国内でも実用性や将来性から高い人気があります。これからプログラムを学ぶのであれば、これら3つのどれかから始めてみることをおすすめします。なお、プログラム言語の選び方は市場人気だけではありません。開発したい分野で使われる言語の中から、将来性や習得のしやすさを指標に選ぶとよいでしょう。例えば、ソフトウェアのなかでもスマホアプリの開発に携わりたいのならJavaやJavaScript、AI(人工頭脳)などに関わりたいならPythonがおすすめです。

関連記事:Pythonってどんな言語?できることや目指せる仕事など
 

3.ソフトウェア開発者の年収や将来性、キャリアパス

希望する業務がどのような待遇でもって迎えられているのかは、転職を検討するにあたって誰もが知りたい情報ではないでしょうか。この項ではソフトウェア開発者の年収や将来性、キャリアパスについて解説します。

3-1.年収

  • SE(システムエンジニア)やプログラマーなら593.7万円
  • ソフトウェア製品の開発や実装なら568.5万円
  • 組込みソフトウェアの開発や実装なら603.9万円

2017年8月に発表された経済産業省の「IT関連産業の給与等に関する実態調査」によれば、ソフトウェア開発者の年収は次のとおりです。顧客向けシステムの開発や実装をするSE(システムエンジニア)やプログラマーの年収は593.7万円です。ソフトウェア製品の開発や実装では568.5万円、組込みソフトウェアの開発や実装なら603.9万円となっています。国税庁の「平成28年分民間給与実態統計」(2017年発表)によれば、給与所得者の年間平均給与は422万円なので、それよりも高い値であることがわかります。

関連記事:システムエンジニアの仕事内容は?年収・資格・将来性も解説!

3-2.将来性やキャリアパス

2022年の時点で、国内におけるソフトウェア開発人材の不足は深刻です。その理由の1つは社会の高齢化によって人材の数そのものが減っていること、そしてITの発展が目覚ましく人材の需要に供給が追いつかない状態にあるからです。人材の確保が難しい状況でも、企業は新しい時代に対応するため、さまざまなツールやサービスの開発に取り組まねばなりません。この状況は当分の間改善される見込みはないと予想されており、需要は今後も高まりを見せると考えられます。ソフトウェア開発者は将来性のある仕事と言えるでしょう。

では、ソフトウェア開発者となった後はどのようなキャリアパスがあるのでしょうか。まず、ソフトウェア開発の仕事のなかでも、プログラマーは未経験でもチャレンジしやすい業種です。スクールや独学でスキルとプログラミング言語を身に付けたなら、求人応募にチャレンジするのが一般的です。SE(システムエンジニア)として活躍したいなら、プログラマーとしての経験を数年積み、スキルを磨いてから社内キャリアアップもしくは新たなステージの会社へ転職するのが王道のルートといえます。

プログラマー・SE(システムエンジニア)ともに、転職した後は、開発者としてのコースを進むのか、あるいは管理職へのコースを進むのかで道がわかれます。

開発者としてのコースを進むなら、より専門的なスキルを身に付けて、唯一の存在として評価を目指すとよいでしょう。より高度なレベルの会社への転職やフリーランサーとして活躍する、といったキャリアパスが考えられるようになるからです。管理者としてのコースを進みたいなら、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーを目指すとよいでしょう。この場合求められるのはマネジメントの知識です。プログラミングに関わる知識以外のスキルの習得が、早くキャリアップするためのポイントとなります。

関連記事:プログラマーは年収低い?年収をアップするにはどうすればいい?
 

4.ソフトウェア開発者に必要なスキル

ソフトウェア開発者として活躍するためには、工学的・数学的な知見やプログラム言語の知識などの基本的なスキルの腕前だけでは足りません。では、キャリアを発展させ周囲に求められる開発者となるには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。以下で解説します。

4-1.コミュニケーション能力

ソフトウェア開発は多くの場合チームで仕事に取組みます。また、システム構築の先には、かならずエンドユーザーが存在します。納得をしてもらえる仕事をするには、チーム内だけでなく顧客と対話し、相互理解を促せる能力が欠かせません。そのため、ソフトウェア開発にはコミュニケーション能力が必須です。特に開発チーム内では意見の対立や考えの違いが露わになるものです。協力して開発を成功に導くには、違った考えをまとめあげる、高いコミュニケーション能力が必要となるでしょう。

なお、仕事におけるコミュニケーション能力は、誰とでも仲良くできる、話すことができる、といった浅薄なものではありません。相手の要望を引き出し交渉できる能力や、適切な時期に誰にでも伝わる形で報告・連絡・相談ができるといった能力を指します。

4-2.論理的思考力

一般的にソフトウェアの開発では、さまざまな課題を抽出し、それらに対して筋道立てた解決方法を準備した上で、プログラムとして構築していく必要があります。この過程につまずきがあると、ソフトウェアを意図したように動かすことは難しいでしょう。そのため、網羅的に論点を整理し、順序立て考えられる力「論理的思考力」は、ソフトウェア開発者にとって不可欠の能力といえます。
 

5.ソフトウェア開発者におすすめの資格

  • IPAが主催する「情報処理技術者試験」
  • JavaやPythonなどの認定試験

ソフトウェア開発者にとって、プログラミング言語以外におすすめの資格はあるのでしょうか。基本的に日本で働くソフトウェア開発者にとって、資格は必須ではありません。しかし、保持していると能力や知識の証明になり、実力が認めてもらいやすくなる資格は複数存在します。おすすめの資格はIPA(情報処理推進機構)が実施する「基本情報処理技術者試験」や「応用情報技術者試験」です。これらはIPAが主催する「情報処理技術者試験」の1区分となる試験です。取得することでITに関わる一定の知識やスキルが示せます。

開発ジャンルによっては、ほかの区分の試験にチャレンジするのもよいでしょう。また、プログラミング言語を扱うスキルを示すためにJavaやPythonなどの認定試験を取得しておくのもおすすめです。

関連記事:Pythonってどんな言語?できることや目指せる仕事など
 

ソフトウエア開発者として活躍しよう

ソフトウェア開発者は将来性の高い仕事です。国内給与水準も平均より高額です。外資系ならより高給となる可能性があります。売手市場な求人状況は続くことが予想されており、プログラム言語さえ身に付ければ挑戦しやすい仕事といえます。もし、ソフトウェア開発者の仕事に興味があるなら、転職エージェント「マイケル・ペイジ」に新規会員登録してみましょう。きっと自分にあった転職先を見つけられます。

【2022年11月30日公開 - 2023年11月7日更新】

メールマガジン登録

転職やキャリアアップで一歩先に行くための情報を受け取ることができます

アプリをダウンロード

App Storeからダウンロード Google Playで手に入れよう