オフィスでノートパソコンを使って一緒に働く二人のプロフェッショナル。

終身雇用制度や年功序列習慣が崩壊して働き方の多様化が進む現代社会では正社員以外の雇用形態を選ぶ人も珍しくありません。派遣社員はその代表的な例ですが、中でも紹介予定派遣と呼ばれる雇用形態に注目が集まっている事をご存知ですか?今回は紹介予定派遣にスポットライトを当てて、そのメリットや採用されるためのポイントなどを見ていきましょう。

1. 紹介予定派遣とは?一般的な派遣との違い

派遣社員は人材派遣会社と雇用契約を結ぶため、派遣先企業とは業務上の指揮関係にあります。紹介予定派遣もこの点では同様です。しかし紹介予定派遣では派遣社員として一定期間働いて契約期間満了となった後、派遣先企業と直接雇用契約を結ぶ事が前提となっています。派遣社員として働いている期間は、いわゆる試用期間と捉えるとイメージしやすいでしょう。

通常の派遣社員と紹介予定派遣では、まず事前面談の有無という点で違いがあります。通常の派遣社員では人材派遣会社に登録するだけで、派遣先企業による選考試験は必要ありません。一方、紹介予定派遣の場合は派遣先での将来的な直接雇用が前提となるため、派遣先企業としても適性を見極めるために選考基準を設ける必要があるのです。紹介予定派遣として働きたい場合は、こうした選考試験や面談の対策・準備も重要になります。

もう1つ、通常の派遣社員と紹介予定派遣は契約期間の長さも異なるので覚えておきましょう。紹介予定派遣が派遣社員として働く期間は最長で6ヶ月間と定められています。企業によっては1ヶ月や3ヶ月といったように短めに設定しているところもあるので、事前にしっかり確認しておく事が大切です。一方、通常の派遣社員は最長で3年間派遣社員として働く事が出来ます。3ヶ月・6ヶ月といったように細かく契約期間が区切られており、期間満了の際に契約更新を行うのが一般的です。なお、同じ勤め先で派遣社員として3年以上働く事は派遣法によって禁止されています。これは企業が不当に派遣社員を雇用し続ける事態を防止するための措置です。

2. 紹介予定派遣として働くメリット

紹介予定派遣には独自のメリットが存在しているため、自分に合った働き方を模索する人たちからの注目を集めています。そのメリットは主に以下の2点です。

2-1.仕事を探す際に派遣会社のサポートを受けられる

仕事探しにはいくつかのアプローチ方法が考えられますが、紹介予定派遣として働く際には仕事探しについて派遣会社によるサポートが受けられます。職種や勤務日数など基本的な希望条件を提示すれば、人材派遣会社側でそれにマッチした仕事を斡旋してくれるのです。自力で仕事を探すにはネットや雑誌など多くの求人情報に目を通す事になりますが、人材派遣会社のサポートがあれば労力を抑えて効率的に仕事を見つけられるでしょう。

また、人材派遣会社では一般公開していない求人情報を扱っている事もあるため、自力では見つけられない仕事を紹介してもらえる可能性もあります。給与や待遇面で納得のいく求人が見つからなかったとしても、人材派遣会社に派遣先企業と交渉してもらえるケースもあるのです。人材派遣会社という雇用元企業のバックアップを受けながら納得出来る形で仕事探しを進められるのは、紹介予定派遣の大きなメリットとなっています。

2-2.職場や業務との相性を確認できる

紹介予定派遣では派遣先企業での直接雇用になる前に、派遣社員として働く期間が設けられています。これは企業側が派遣社員の適性をチェックしたり業務に慣れてもらったりするという意味合いもありますが、派遣社員が派遣先企業との相性を見極めるための期間でもあるのです。自分の希望条件にマッチした仕事であっても、実際の職場の雰囲気や細かい業務内容は働いてみないと分からない部分も多いでしょう。一般的な正社員雇用として採用された場合はこうした入社後のギャップを感じても、中々退職を言い出しにくいものです。紹介予定派遣は派遣社員としての契約期間が終わった際、必ず派遣先企業と直接雇用契約を結ばなければならないという訳ではありません。派遣先企業との相性を確認した上で、自分の意思で契約を結ぶかどうかを決められるので安心しましょう。

3.紹介予定派遣として働くデメリット

労働者にとって大きなメリットが期待出来る紹介予定派遣ですが、その一方で注意しておきたいポイントもあるので確認しておきましょう。予期せぬトラブルを防ぐためには、次の2点を押さえておく事が重要です。

3-1.必ずしも正社員になれるとは限らない

派遣先企業での直接雇用が前提となっている紹介予定派遣ですが、実は必ずしも正社員として雇ってもらえる訳ではありません。直接雇用という雇用形態にはパート・アルバイト・契約社員といったものも含まれているのです。派遣社員としての契約期間満了後にどういった雇用形態になるかは派遣先企業によって異なるため、人材派遣会社に仕事を紹介してもらうタイミングでよく確認しておくようにしましょう。なお、派遣社員期間中の仕事ぶりや勤務態度に著しい問題が見られた場合は、契約期間が満了となっても直接雇用を結んでもらえないケースがあるので注意が必要です。

3-2.書類選考や面接がある

紹介予定派遣として働くためには、まず派遣先企業が設けている書類選考や面接試験を突破する必要があります。内容は企業によって様々ですが、履歴書・筆記試験・面接など一般的な企業の採用試験と同等のものが課せられる場合もあるので留意しておきましょう。事前審査の結果次第では派遣先企業から就業を断られてしまう可能性もあります。採用難易度は一般的にそこまで高くないとされているので、しっかりと対策を講じて試験に臨みましょう。

4.紹介予定派遣から直接雇用となる比率は?

紹介予定派遣からどれくらいの人が直接雇用として採用されているのかは気になるところですよね。この疑問を解決するには、国民の労働を管理する厚生労働省が公表している「平成26年度労働者派遣事業の事業報告の集計結果」という調査結果が役立つでしょう。この調査結果によると、平成26年度に紹介予定派遣として派遣された労働者の数は約5万8065人、その中で派遣先企業との直接雇用を結んだ労働者数は約3万2870人となっています。単純計算すると人材派遣会社から紹介予定派遣として送り出された労働者のうち、約57%の人たちが派遣先企業との直接契約に結びついているという事になるのです。
 

5.紹介予定派遣に採用されるために必要なこと

紹介予定派遣として働くにあたって最初のハードルとなるのは、やはり派遣先企業による選考試験であると言えるでしょう。採用されるためには自分のスキルや魅力を企業にアピールするための取り組みや姿勢が重要です。例えば志望動機や自己PRなどは一般的な企業の採用試験でも聞かれる事の多い頻出事項となっています。「何故紹介予定派遣として働きたいのか」「どうしてこの企業を選んだのか」「自分の強みをどう活かし、弱みとはどう向き合っていくのか」といった質問にすぐ答えられるようにしておきましょう。面接では受け答えの内容だけでなく喋り方や基本的なマナーなども面接官に見られています。人材派遣会社では履歴書添削や模擬試験といった対策をサポートしている場合もあるので、不安な場合は相談してアドバイスをもらうのも良いでしょう。

6.外資系は紹介予定派遣の求人が豊富

紹介予定派遣は様々な業界で導入されている雇用システムですが、特に外資系企業の間で盛んであると言われています。日本でも従来の雇用システムや人事評価の基準が変化していますが、外資系企業は元より勤続年数や年齢よりもスキル・実績を重要視するスタイルです。未経験から新しい仕事や業界にチャレンジする人も多いので、キャリアに囚われない紹介予定派遣という雇用形態がマッチしています。様々な国の人と関わるようなグローバルな環境で働きたいという人は、紹介予定派遣から外資系企業に入社するという選択肢も視野に入れてみると良いでしょう。

紹介予定派遣はメリットが多い雇用形態!対策をして選考に臨もう

紹介予定派遣は派遣先企業との直接雇用を前提とした働き方であり、正式入社前に自分と仕事の相性を見極められるといった大きなメリットがあります。一方、派遣先企業で就業する前には選考試験が設けられている場合が多いので、しっかり対策を行った上で応募しましょう。外資系企業では紹介予定派遣からの直接雇用が積極的に行われており求人数も多めです。外資系に興味がある人は紹介予定派遣の選択肢も視野に入れてみましょう。
 

マイケル・ペイジの外資系派遣
 

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