業界・職種別|不動産業界の年収をご紹介!年収アップのコツとは

多くの業界・業種と比較して年収が高くなる傾向にある不動産業界。具体的に平均年収はどのくらいなのかを知りたいという人も多いのではないでしょうか。

ひとくちに不動産業界といっても、企業が属する業界や就業する職種などによっても年収は大きく異なります。

本記事では、業界別・職種別の平均年収を紹介すると共に、不動産業界において年収を上げるコツもまとめています。不動産業界の年収に興味がある人、転職を検討している人はぜひ参考にして下さい。
 

1. 不動産業界全体の平均年収

1. 不動産業界全体の平均年収

厚生労働省が行った「令和3年度賃金構造基本統計調査」によると、不動産業界全体の平均月収が約32.6万円とされています。これを12倍して年収にすると、平均年収はおよそ391.3万円となります。

一方、国税庁が公表している「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者5,270万人の平均年収は443万円とされているため、不動産業界全体の平均年収は全体から見てやや低い水準であるといえます。
 

2. 不動産業界別|平均年収ランキング

2. 不動産業界別|平均年収ランキング

不動産業界とひとくちに言っても、実際にはさまざまな業界・職種があります。ここからは、不動産業界内で一般的に平均年収が高いとされている職種を紹介します。

2-1. ディベロッパー(企画・開発)

不動産業界の中でも、ディベロッパー系の企業は特に年収が高いことで知られており、平均年収が1,000万円を超える企業も複数存在します。

ディベロッパーとは、主に都市開発やマンション開発や、大規模な街づくりを行う不動産開発業者です。企業によって事業内容は異なりますが、既存物件の建て替え・住宅街やホテルの開発・不動産賃貸業の他、広大な土地を購入して大型商業施設やサービスセンターを誘致するなど多岐にわたります。

事業領域の違いはあるものの、基本的には大規模なプロジェクトを事業の柱として、幅広く関連事業を扱う傾向にあるため、売り上げ規模に応じた高い年収が設定されている業界です。

2-2. ハウスメーカー

ディベロッパーに次いで平均年収が高い傾向にあるのがハウスメーカー業界であり、特に大手のハウスメーカーはこの傾向が顕著です。

全国展開している大手から地場に根ざした中堅企業までさまざまですが、主に住宅の設計・施工を行う会社であり、規模によって製造ラインや工法、専門分野などが異なります。

例えば、大手メーカーは工業システムを保有し、建築資材や工法を規格化することで工期やコストの削減を実現し、広域における事業展開を可能としています。

なお、新築住宅をメインに全国展開しているのがハウスメーカーである一方、地元に密着し、新築・リフォーム・増築など幅広く対応する企業は「工務店」と呼ばれています。

2-3. マンション

ハウスメーカーに次いで平均年収が高いのがマンション業界です。マンション業界にもさまざまな規模・分野の企業がありますが、上位企業は不動産業界全体の平均年収を上回る傾向にあります。

マンション系企業は、マンションの建設・設計・流通・管理・リフォーム・賃貸・建替えなど、マンションに関わる幅広い事業を手掛けているのが特徴です。

このうち、より多くの領域を手掛け、事業エリアが広域に及ぶほど企業規模・事業規模が大きくなるため、そのぶん年収も高く設定される傾向にあります。
 

3. 不動産業界の職種別年収目安

3. 不動産業界の職種別年収目安

企業が属する業界の他、職種によっても平均年収は異なります。ここでは、特に年収が高くなりやすい以下6つの職種を紹介します。

  • 投資用不動産販売営業
  • 売買仲介営業
  • 賃貸仲介営業・管理
  • 住宅営業
  • 土地仕入営業
  • 不動産鑑定士

3-1. 投資用不動産販売営業

投資用不動産販売営業とは、不動産投資を行う人に対して、収益が見込める住宅・テナントビル・駐車場などを提案・販売する営業職です。見込み客からの問い合わせに対応するケース、会社が用意した顧客リストへのテレアポなど、営業手法は業界や企業によって異なります。成約1件当たりの単価が高く、インセンティブが設定されている場合が多いこともあり、若くして年収が1,000万円を超えるケースも珍しくありません。

なお、投資用不動産は、人口の増減・法改正・世の中のトレンドなどによって需要や投資対象が変わるため、そのような情報にアンテナを張って情報収集し続ける必要があります。

3-2. 売買仲介営業

売買仲介営業とは、戸建て・マンション・テナント・土地などの所有者と買い手をマッチングし、売買を取り持つ職種です。住宅を探している個人の他、事業用の土地の購入を検討しているディベロッパーに対して、所有者や価格などの情報提供を行う場合もあります。

売買価格は仲介した不動産の種類や規模によって大きく異なりますが、賃貸と比べて1件当たりの単価は高額になる傾向にあります。投資用不動産販売営業と同様にインセンティブが設定されているケースが多く、平均年収は比較的高い600万〜700万円程度とされています。

3-3. 賃貸仲介営業・管理

賃貸仲介営業・管理とは、賃貸用の建物や土地の所有者と買い手をマッチングし、賃貸契約を取り持つ職種です。契約が売買か賃貸かの違いで、対象となる不動産は売買仲介と大きく変わりません。

業界全体から見ると平均年収は比較的高い部類ですが、売買に比べると1件当たりの単価が低く、平均年収は300〜500万円とやや低めに設定される傾向にあります。

一方で、売買に比べて営業活動の負担が少ない場合が多く、未経験でも応募できる求人が多いのも他の職種とは異なる特長です。

3-4. 住宅営業

住宅営業とは、住宅購入を検討している個人に対して、戸建てやマンションなどを提案・販売する職種です。不動産会社やハウスメーカーに所属し、自社が施工した建売住宅や注文住宅の販売契約を結ぶのが主な仕事内容です。

基本的には問い合わせをしてきた見込み客が営業対象であり、集客方法は自社が保有するモデルルームの活用やポスティングなど、企業によって異なります。

平均年収は400〜500万円程度といわれていますが、インセンティブが設定されている場合はさらに年収が高くなる可能性があります。

3-5. 土地仕入営業

土地仕入営業とは、ディベロッパーなどへの再販売を目的として、不動産会社や地主から土地を購入する職種です。

他の職種と大きく異なるのは、営業する相手も不動産の知識がある人やその業界のプロである点です。関係者や現地調査などから情報収集を行い、価値ある土地を見極めて、少しでも安く目当ての土地を購入することが最大のミッションとなります。

土地仕入れ営業の平均年収は400〜600万円程度と特別高い方ではありませんが、不動産全般の深い知識が得られるのが魅力です。

3-6. 不動産鑑定士

不動産鑑定士とは、土地や建物などの価値を鑑定・評価し、評価額を決定する職種であり、就業するためには同名の国家資格が必要です。

具体的には、その不動産の地理的状況・法規制・市場経済などさまざまな要因を考慮しつつ、依頼人目的に応じて土地や建物の価値を判定したり、コンサルティングを行ったりします。

不動産鑑定士は、不動産関連資格の中でも難易度が高いことで知られており、平均年収は600〜800万円と高めになっています。
 

4. 1000万円を狙い不動産業界で年収を上げるコツ

4. 1000万円を狙い不動産業界で年収を上げるコツ

不動産業界で年収を上げるコツは以下の4点です。

  • インセンティブが高い企業に入る
  • 投資用不動産営業に従事する
  • 資格を取得する(宅建など)
  • 開業する

関連記事:年収1000万を稼げる職業・仕事とは?目指す方法・注意点も解説

4-1. インセンティブが高い企業に入る

インセンティブが高い企業に入ることで年収を上げやすくなります。

インセンティブとは、一定の実績を上げた社員に支払われる報奨金のことであり、「歩合給」とも呼ばれています。

不動産業界におけるインセンティブは成約金額に対する割合で設定されているのが一般的で、企業によってその割合は3〜30%と大きく異なります。特に売買系の業界は成約金額が高額なため、たった数%の違いで年収がかなり変わってきます。

入社する企業を選ぶ際は、インセンティブ制度があることだけではなく、インセンティブの割合や比重もチェックすることが大切です。

4-2. 投資用不動産営業に従事する

不動産業界で年収を上げたい場合、投資用不動産営業に従事するのも良い方法です。不動産業界の中でも特に成約時の単価が高く、インセンティブも高額になる傾向にあるためです。

ただし、投資用不動産営業であればどの企業でも年収が高くなるとは限りません。インセンティブの割合は企業によって大きく異なる上、そもそも固定給メインでインセンティブが設定されていない場合もあるため注意が必要です。

投資用不動産営業は大きく稼げる可能性があるのは確かですが、入社前にその会社の給与制度はしっかり確認しておきましょう。

4-3. 資格を取得する(宅建など)

資格を取得することで年収アップを図れる場合があります。企業によって内容は異なりますが、有資格者は給与が優遇されたり、資格手当が設定されていたりするためです。

不動産業界で収入アップにつながる可能性がある資格は、以下のようなものが挙げられます。

  • 宅地建物取引主任(宅建主任者)
  • 不動産鑑定士
  • ファイナンシャル・プランニング技能士

ただし、どの資格が重視されるか、手当が付くのかは業界・企業・職種などによって異なるため、年収アップのために資格取得を目指す場合は注意が必要です。

4-4. 開業する

会社員として年収を上げるのとは別に、自ら独立開業するのもひとつの方法です。

一般的に不動産業界で開業するためには、400万円程度の資金が必要といわれています。400万円の用途は以下のようなものです。

  • オフィスの準備費用(敷金・賃料・維持費など)
  • 宅地建物取引業免許の申請料
  • 営業保証金
  • 保証協会への加入金

また、多くの不動産取引には宅地建物取引主任資格が必要となるため、自ら取得するか、既に資格を保有している人と手を組む必要があります。

あくまで上記は目安であり、開業する事業領域や地域などによって開業に必要な準備は異なるため注意が必要です。
 

5. 日系不動産企業と外資系不動産企業の違い

5. 日系不動産企業と外資系不動産企業の違い

同じ不動産関連企業でも、日系企業か外資系企業かによってさまざまな違いがあります。

例えば、日系企業では年齢や勤続年数に応じて年収が上がりやすい一方、外資系企業の場合は年数に関係なく実績を直接評価する傾向にあります。また、日系企業は福利厚生が手厚い一方、外資系企業は最低限の福利厚生しか用意されていない場合もあります。

不動産関連企業に就職する際は、その企業が属する業界、応募する職種以外にも、経営主体が日系か外資系かにも注目しましょう。

関連記事:外資系企業の年収に見られる特徴!日本企業との違いは?

不動産業界は高年収が狙える

不動産業界は高年収が狙える

日本全体の平均年収よりも年収が高くなりやすい不動産業界。その企業の事業領域や就業する職種などによっても年収は大きく異なります。

不動産業界で高年収を狙いたい場合は、投資用不動産営業職やインセンティブの割合が高い企業を選んだり、資格を取得するなどの方法が効果的です。中でも、外資系企業は入社時の年齢や在籍期間などにかかわらず実績を評価する傾向にあるため、状況に左右されず高い年収を目指せます。

外資系求人に強みを持つマイケル・ペイジでは、不動産業界を含む数多くの求人を掲載しています。ご応募頂いた後は、マイケル・ペイジのコンサルタントから改めてお仕事のご紹介をいたしますので、ぜひ求人検索をご利用下さい。
 

メールマガジン登録
転職やキャリアアップで一歩先に行くための情報を受け取ることができます

アプリをダウンロード

App Storeからダウンロード Google Playで手に入れよう