派遣社員とは?正社員との違いやそれぞれのメリット・デメリットなども解説

派遣社員は雇用契約を結んだ会社と働く現場が違うのが大きな特徴ですが、どのような仕組みで働いているのかよくわからないこともあるでしょう。正社員と派遣社員、どちらが良いかは一概には言えず、両者を比較して自分の理想としている働き方や労働環境などと照らし合わせ、より良い方を選ぶのが大切です。この記事では、派遣社員の概要や種類、メリットやデメリットについてご紹介します。
 

1.派遣社員とは?

まずは派遣社員とは何かを確認しておきましょう。正社員との比較をする上では、派遣社員の仕組みや概要を正しく理解することが欠かせません。派遣社員には種類もありますので、ここではどのような特徴があるかを種類ごとに解説していきます。

1-1.概要

派遣社員とは人材派遣会社と雇用契約を結んだ上で、派遣先の企業で契約に従って一定期間働く労働者のことです。まず、求職者は派遣会社に登録し、担当者と業務内容や勤務時間などについて相談をします。求職者は希望に応じた派遣求人を紹介してもらえるため、求人を探す負担がないのが魅力です。企業としても、必要な人材を効率的に獲得できることからよく利用されています。日本では、株式会社マンパワーが1966年に始めたのが最初だと言われています。

派遣社員が雇用される期間は派遣期間の開始から終了までというのが原則で、1ヶ月または3ヶ月単位での更新が主流です。契約更新があるかどうかは業務に対する評価によって決まるのが通例です。給与は派遣元の企業から支払われ、社会保険なども雇用契約をしている派遣元で加入することになります。なお、雇用契約書には派遣社員の業務については労働者派遣契約によって定めることが明記されています。これは派遣元と派遣先の間で締結される契約で、派遣先によって業務が異なることから導入されている仕組みです。

1-2.種類

派遣社員には登録型派遣、紹介予定派遣、常用型派遣、無期雇用派遣社員といった種類があります。登録型派遣とは派遣期間中だけ派遣元と雇用契約を行い、基本は時給制で働く仕組みの派遣社員で、最も一般的な働き方です。同じ派遣先には最長で3年間しか就業できないという制限がありますが、自由に仕事を選んで働けるのが魅力としてよく注目されています。

紹介予定派遣は、派遣先の企業が派遣期間終了後に正社員や契約社員などとして直接雇用をすることを前提としているのが特徴です。最長6か月の派遣期間を経て面接を実施し、企業と派遣社員の両者が合意すれば正社員や契約社員になれるという仕組みです。直接雇用を受ける前に自分にマッチしている職場かどうかを確認できるのが魅力ですが、契約社員としての雇用になって派遣社員と同じような扱いになってしまうリスクもある点には注意が必要でしょう。

常用型派遣や無期雇用派遣社員は派遣先の常駐スタッフとして働くのが特徴で、派遣会社に継続雇用されるのが通例です。正社員と同じように月給制で働くことが可能で、さらに福利厚生も充実しています。登録型派遣よりも安定した収入を得やすいのがメリットですが、同じ業務に携わっている直接雇用の正社員よりも待遇が低くなりがちなのがデメリットです。
 

2.正社員との違いは?

派遣社員と正社員では雇用関係や福利厚生に違いがあります。雇用関係については、正社員は無期限の直接雇用なのに対して派遣社員は出向契約をするのが一般的で、期間も1か月または3か月単位で更新していき、最長が3年間になっているのが相違点です。福利厚生では正社員や無期雇用派遣は月給制ですが、登録型派遣や紹介予定派遣は時給制になっています。賞与は派遣社員には支給されない場合が多いですが、インセンティブ制度を設けているケースもあるので一概には言えません。有給休暇は雇用契約の開始日から6か月以上の勤続期間があり、8割以上の労働日に出勤していれば付与されます。

社会保険については正社員なら当然加入しますが、派遣社員の場合には501人以上のが所属する派遣会社で働くか、週30時間以上勤務する場合には加入が義務付けられています。週20時間以上の場合にも雇用保険に加入することになるのがルールです。
 

3.派遣社員のメリット・デメリット

派遣社員として働くメリットとして、まず挙げられるのが働き方の自由度が高いことです。今までの経験を生かせる仕事を選ぶことも可能ですし、正社員として採用してもらうのが難しい企業を選んでスキルアップすることもできます。勤務時間や勤務地などの条件にも自由があるので、自身が希望するライフスタイルに合わせた働き方が可能です。業務の内容や時間が契約によって明確にされているため、プライベートを重視して働きたい人や兼業・副業をしたい人にも向いています。

一方、派遣社員として働くデメリットとしては、契約期間が定められている点がよく指摘されます。そのため、雇用や収入が不安定になりがちなのが問題点です。また、交通費が時給に上乗せされていることが多く、正社員に比べると待遇が悪いとも言われています。
 

4.正社員のメリット・デメリット

正社員は雇用が安定していて給与が高く、ボーナスやインセンティブも充実しているのがメリットです。社会的信用も高いので、クレジットカードを作るときやローンを組むときにも有利になります。仕事は責任を伴うものが多く、裁量を与えられることからキャリアアップにつながると期待できます。安定した生活を送りたい人やキャリアアップ志向がある人に向いているのが正社員です。

一方、正社員は部署の異動や転勤によって生活環境が変わることがあるのがデメリットです。また、仕事の責任が大きいことから、業務の状況や顧客対応のあり方によっては休日出勤や残業などを余儀なくされます。派遣社員と比較すると厳しいルールの中で働くことになりますが、ルールを順守できる人にとっては働きやすい環境が手に入るでしょう。
 

5.派遣社員から正社員になる方法

派遣社員から正社員になるには、紹介予定派遣を使うのがおすすめです。6か月を最長期間として、一定期間働いた後に派遣先との合意ができれば直接雇用してもらえます。ミスマッチが起こりにくいのが特徴ですが、正社員になる方法としては転職をするという方法も考えられるため、よく比較検討しましょう。希望する企業からの紹介予定派遣の求人がない場合もありますので、その場合は直接応募した方がスムーズに正社員になれることもよくあります。
 

自分がやりたいことをするために幅広い視野で働き方を探そう

派遣社員の概要や正社員との比較をご紹介してきましたが、違いや特徴を理解できたでしょうか。どちらが優れていると一概に言えるわけではなく、それぞれの働き方について十分に理解することで自分がやりたいことを達成できる可能性が高まります。仕事を通して自分がやりたいことを実現できるかを重視し、幅広い視野で働き方を探していきましょう。
 

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