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バイリンガルとして転職活動に成功したいのなら、事前の情報収集が大切です。バイリンガルの転職事情を知り、採用されやすい業界を選択して年収アップを図りましょう。また、バイリンガルならではの仕事の選び方を知っておくことも重要です。本記事では、これらの情報を踏まえた上で、バイリンガル向けのおすすめ職種や転職方法を解説します。
 

1. バイリンガルとは

1. バイリンガルとは

「バイリンガル」とは、2つの言語を話せること、もしくは2つの言語を話せる人のことです。特にビジネスや学業などで2ヶ国語を同時に使いこなし、高度な言語能力を発揮できる人を指します。

バイリンガルは習得時期によって以下のように分類できます。

  • 早期バイリンガル
    2ヶ国語を幼少期までに習得した人。第一言語、第二言語の順に習得した「継続バイリンガル」と、ほぼ同時期に2つの言語を習得した「同時バイリンガル」に分けられる。
     
  • 後期バイリンガル
    幼少期以降に第二言語を習得し、2ヶ国語を話せるようになった人。

バイリンガルの定義には諸説ありますが、本記事では日本語と外国語の2言語以上をビジネスレベルで使用できる方を想定しています。なお、3ヶ国語を話せる人は「トリリンガル」、複数の言語を話せる人は「マルチリンガル」と呼ばれます。
 

2. バイリンガルの転職事情

2. バイリンガルの転職事情

バイリンガルであれば、必ず採用されやすくなるとは限りません。しかし、自身の言語能力の高さをアピールすることで、転職活動が有利になったり、キャリアアップを図れたりするケースが多々あります。

国内でも語学力を求める企業や求人は増加しており、近年はバイリンガルが転職しやすい状況にあるといえるでしょう。ただし、言語能力以外のビジネススキルも重要で、即戦力として求められていることにも注意が必要です。

バイリンガルの転職事情を理解しやすくするために、バイリンガルを積極採用する業界とバイリンガルの年収について解説します。

関連記事:留学経験者の強みとは?活かせる仕事やアピールポイントを紹介

2-1. バイリンガルを積極採用する業界

バイリンガルの言語能力がビジネススキルに直結しやすい業界では、積極的な採用が行われる可能性が高いです。近年では、以下の3つの業界が特に注目されています。

  • IT業界
    業界のグローバル化が進み、海外のクライアントやパートナーとのコミュニケーションが必須となるIT企業が増えてきました。特にアジアへの進出が盛んになったため、中国語などアジア圏の言語スキルにも大きな需要があります。
     
  • 金融業界
    国際的な取引や投資が日常的に行われる金融業界では、海外の市場分析やクライアント対応をこなせるほどの高い言語能力を持つ人材が求められています。
     
  • 観光業界(飲食・小売および各種サービス業も含む)
    コロナ禍収束後のインバウンド解禁によって訪日旅行客が急増し、観光客向けの宿泊施設や飲食店、小売店などでバイリンガルスタッフの確保が急務となっています。多言語対応で顧客満足度を向上させることにより、外国人旅行者のリピーター化やファン化が期待できます。

2-2. バイリンガルの年収

バイリンガルの年収は語学力に応じて高くなる傾向にあります。上級レベルの英語を使いこなすビジネスパーソンの大多数が年収1000万円超の年収を得ているという統計もあり、英語力が高いバイリンガルほど高収入につながりやすいといえるでしょう。

特にグローバル企業や外資系企業に入社する場合、バイリンガルの年収が上がる可能性はさらに高まります。海外本社とのコミュニケーションが不可欠なポジションに配置されるなど、母国語しか話せない社員よりも重要な業務を任されるケースが少なくないためです。また、高い専門スキルを持つバイリンガルも、大幅な年収アップが期待できます。

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3. バイリンガルの仕事の選び方

3. バイリンガルの仕事の選び方

バイリンガルが転職を考える際には、以下の3つの切り口で仕事を選ぶことをおすすめします。これにより、自分の強みを最大限に活かせる職場を見つけやすくなります。

3-1. 英語レベルで選ぶ

バイリンガルには明確な定義がなく、採用のミスマッチが起こるケースがあります。以下のように語学レベルを3段階に分けた場合に、自分の英語力はどの段階にあるのか確認すると良いでしょう。

  • 初級レベル:話し言葉レベルで基本的な会話ができる。
  • 中級レベル:一定水準の読み書きができ、ビジネスシーンでも問題がない。
  • 上級レベル:専門的な内容を英語で意思疎通でき、文化的理解も深い。

「バイリンガル歓迎」と書かれていても、必要な語学レベルは求人企業によって異なります。求人情報で示されているTOEICや英検の基準は採用の目安に過ぎないため、自身の英語力を客観的に見極め、それに見合った求人に応募することが大切です。

関連記事:英語を活かせる仕事に転職するには?英語力や年収・仕事例を解説

3-2. 話せる言語で選ぶ

バイリンガルといえば日本語と英語を話す人を想定するのが一般的ですが、厳密には英語以外の言語の組み合わせも含みます。例えば、日本語と中国語、日本語と韓国語などです。中国企業が取引先である貿易会社であれば、中国語バイリンガルは有望な人材となるでしょう。

求人情報の中には「外国語を話せればOK」や「外国人とコミュニケーションがとれる方歓迎」といった特定の言語スキルに限定しない求人も存在します。

特に多言語対応が求められるインバウンドビジネスでは、英語に限定せず、さまざまな外国語能力を持つ人材を募集している傾向です。自分の語学スキルを最大限に活かしたいなら、話せる言語を求めている職場に応募するのが賢明でしょう。

関連記事:語学力を活かせる仕事がしたい人必見!英語以外も解説

3-3. 語学以外のスキル・経験で選ぶ

語学力に加え、これまでの業務で得たスキルや経験も自分の強みにして、仕事を選ぶことが重要です。具体的には、英語×プログラミングスキル、英語×営業スキルといった組み合わせが挙げられます。

ただし、「語学力に自信はあるが社会人経験がまだ浅い」という人と、「語学力だけでなく専門職としてのキャリアも十分にある」という人では、仕事の探し方が異なることに注意して下さい。例えば、専門スキルが求められる職場に採用された場合に、語学力が高いだけではミスマッチになる可能性があります。
 

4. バイリンガルにおすすめの職種は?

4. バイリンガルにおすすめの職種は?

バイリンガルと一口に言っても、スキルや経験、話せる言語はさまざまです。個々の状況によって適する転職先は異なります。ここでは、パターン別におすすめの職種を紹介します。

4-1. 英語力1本で勝負したい人

社会人経験は浅いものの、非常にハイレベルな英語力を持つバイリンガルは少なくありません。そういった人たちにおすすめの職種は以下の3つです。

  • 通訳・翻訳者
    さまざまなシーンでの会話または文書を、和訳・英訳する仕事です。高度な語学力があれば、未経験でも採用されやすいでしょう。
     
  • カスタマーサポート
    グローバル企業や外資系企業では、海外顧客の対応を英語で行っています。一定レベル以上の語学力は必要ですが、高度な専門的知識は要求されません。特にメーカー企業やIT企業での需要が高いです。
     
  • ツアーガイド
    高い英語力を活かして、外国人観光客に観光地の歴史や文化などを説明する仕事です。コミュニケーション能力の高さも求められます。

4-2. 英語以外の言語を活かしたい人

英語以外の言語を話せるバイリンガルには、以下の職種がおすすめです。

  • 多言語対応のカスタマーサポート
    多国籍企業や観光業界では、英語以外の言語による顧客対応が求められます。世界的に話者が多い中国語やスペイン語は、グローバル展開をする上で特に重要な言語といえるでしょう。

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  • 多国籍企業の営業職
    多言語を活かして海外のクライアントと交渉や取引を行う営業職です。例えば中東に進出している企業にとっては、アラビア語のバイリンガルは貴重な人材となります。

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  • 語学学校の教師
    英語以外の言語を教える語学学校の教師も人気の職種です。日本国内では中国語や韓国語などを教える学校が増えており、バイリンガルのスキルを直接活かすことができます。

4-3. 語学力×専門性をアピールしたい人

語学力と専門スキルを掛け合わせたハイクラス求人を探している人には、以下の3つの職種がおすすめです。

  • 国際弁護士
    法律の専門知識と高度な語学力を活かして、国際的な法務問題に取り組む職種です。企業の海外進出や国際取引に関わる仕事が多く、高収入が期待できます。
     
  • ITコンサルタント
    ITスキルと語学力を掛け合わせて、グローバル企業のITプロジェクトを支援する職種です。国をまたいでシステム導入や技術サポートを行う際に、高い語学力が必要となります。

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  • バイリンガルマーケター
    マーケティングの専門知識と語学力を活かして、海外市場向けのマーケティング戦略を立案・実行する職種です。特にデジタルマーケティング領域で、バイリンガルの需要が高まっています。

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5. バイリンガルの転職方法

5. バイリンガルの転職方法

バイリンガルとして高い語学力を持っていても、転職活動のやり方が悪ければうまくいきません。ここでは、成功しやすい3つの転職方法を紹介します。

5-1. ネット検索・知人紹介など自力で探す

バイリンガル向けの求人を見つけたいなら、ネット検索を活用するのがおすすめです。例えばFacebookやLinkedInなどのSNSを使って、バイリンガル向けの求人情報を探すことができます。

また、バイリンガルのコミュニティやグローバルビジネスに詳しい人とつながることで、情報収集が容易になります。語学学校で知り合った人やSNSでのフォロワーから、バイリンガルの求人情報を教えてもらうこともあるでしょう。経営層への直接的な紹介やリファラル採用につながるケースもあります。

  • メリット
    ・自分のペースで探せるため、時間や場所にとらわれず活動できる。
    ・直接的な情報源を通じて、企業文化や職場環境についてのリアルな情報を得られる。
     
  • デメリット
    ・情報が散在しているため、想定以上に手間がかかることがある。
    ・信頼性の低い情報やスパムが送られてくるリスクがある。

5-2. バイリンガル向け転職サイトを活用する

バイリンガル向けの転職サイトでは、グローバル求人が数多く掲載されています。また、大手の総合転職サイトでバイリンガル向けの求人を中心に検索しつつ、バイリンガル向け求人以外の好条件求人と比較しつつ検索するのもおすすめです。

  • メリット
    ・条件に合った求人情報が集約されているため、効率的に探せる。
    ・自分のペースで転職活動が行え、何社にでも応募できる。
     
  • デメリット
    ・利用者が多いため応募が集中しやすく、競争率が高くなることがある。
    ・転職先を自力で探す必要があり、面談日の調整や条件・待遇の交渉も自分で行わなければならない。

5-3. バイリンガルに強い転職エージェントに相談する

専門的なサポートを受けて転職活動を進めたいなら、バイリンガルに強い転職エージェントへ相談することをおすすめします。個別のキャリアカウンセリングを踏まえ、求職者のスキルや希望に合った求人情報を紹介してもらえるためです。

  • メリット
    ・キャリアアドバイザーのアドバイスを受けながら、適切な求人情報を効率よく得られる。
    ・面接対策や交渉支援など手厚いサポートを受けられるため、成功率が高まる。
    ・非公開求人を紹介してもらえることがある。
     
  • デメリット
    ・希望条件やご自身のスキル、経験に応じて求人紹介を受けるため、伝え方によっては一部の求人しか紹介されない場合もある。

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バイリンガルの転職活動では、仕事の選び方や転職方法の選択が重要です。昨今のバイリンガルの転職事情をよく理解して、自分に適した職種を見つけましょう。

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