マネジメント力とは？向上させるために磨くべき6つのスキル

管理職への昇進や転職の際には、マネジメント力を求められることが少なくありません。マネジメント力を向上させれば、仕事もスムーズに進めやすくなります。ここではマネジメント力とはどのような力であるのか、マネジメント力を高めるためにはどのようなスキルを磨けばよいのか、ということを詳しくわかりやすく解説していきます。

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1.マネジメント力とはどのような力？

マネジメント力とはどのような力なのでしょうか。もともとManagementという英単語は、経営管理、企業運営などを意味します。日本語のマネジメント力とは組織を管理したり運営する力のことをさします。ビジネスにマネジメントという概念を初めて持ち込んだのは、アメリカの経営学者であるピーター・F・ドラッカーです。彼は著書である「マネジメント」の中で、「マネジメントとは組織に成果をあげさせるための道具であり、機能であり、機関である」と定義しました。ピーター・F・ドラッカーは仕事で目標を達成するためには、情報や組織の人間、物、金を効果的に活用することが大切だとも述べています。ビジネスでは自分が責任を持っている範囲全体をうまくマネジメントしなければなりません。そうすることで目標や目的を達成しやすくなります。マネジメント力とは組織の目標や目的を達成するために必要なものはなにかを分析し、それを集団活動の維持や促進に活かす力のことです。この力を上手に発揮すれば職場の環境もより良いものになりますし、現場で働く人にとっても働きやすい職場を作り上げることができるでしょう。
 

2.マネジメント力とリーダーシップの違いは？

リーダーシップはマネジメント力と類似する言葉です。リーダーシップという言葉は、「統率力」「指導力」と訳されることが多いようです。一般的には一定の目的、目標に向けて個人や組織の行動を促す力を指します。リーダーシップは対人に向けて用いられることが多いですが、マネジメントは対人のみならず資源や資金、商品などビジネスに関わる全体を適切に管理するために求められるスキルです。また、リーダーシップは全体での成果をあげるためにビジョンを示し、それぞれがモチベーションを維持できるように励ましながら、課題を解決したり目標を達成させる力でもあります。マネジメント力はさまざまな考え方や能力を持った人が活躍しやすい環境を作り、人同士を結び付けて効率よく成果をあげられるようにする力です。リーダーとして職場を引っ張っていくためには、マネジメント力もリーダーシップも大切な能力です。どちらもうまく活かせば自分にとっても周りの人にとっても良い効果をもたらすことができます。

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3.マネジメント力向上に必要な6つのスキルとは？

ここからはマネジメント力を向上させるために必要なスキルと、そのスキルを高める方法について解説していきます。

3-1.情報収集して現状を把握する力

マネジメント力を向上させるためには、情報を収集して現状を把握する力が必要です。まず現状にどのような課題があるか把握する必要があります。現状を正確に把握するためにはどのような情報がいるのか、というところから考えていくといいでしょう。現状を正確に捉えた後は、その現状の結果に応じて柔軟に対応する必要があります。時には常識にとらわれない大胆な手法をとらなければならない場面もあるかもしれません。常に頭をやわらかく保ち、不測の事態にも備えておきましょう。現状を正確に把握するためには、物事を一方からのみ見るのではなく、多方向から見られるように情報を集めなければなりません。多角的な視点で物事を見る癖をつけるようにしましょう。例えば商品をただ見るだけではなく、その商品がどこで作られているのか、色違いはあるのか、適切な値段で販売されているのか、といったさまざまな視点を意識して考えるようにします。

3-2.物事を分析して問題を解決する力

マネジメント力の向上には物事を分析して問題を解決する力を伸ばすことも大切です。まず課題を発見したら、すぐに原因を分析するようにしましょう。調査分析も多角的視点で行います。さまざまな視点から分析を行うことで、あらゆる事態に対応しやすくなります。問題点を解決する力を高めるためには、「ディズニーストラテジー」というウォルト・ディズニーが提唱した3つの視点を意識するのもおすすめです。1つ目のドリーマーという視点は、周囲の人と夢を語り、未来を夢想して長期的な戦略を考えることができます。途方もない夢を見ることで、未来への展望を育みます。2つ目のリアリストという視点では、夢を実現するためにはなにがいるのかという考え方をします。目標を達成するための計画を具体的に考えるようにしましょう。夢と現実がかけ離れたものにならないように微調整するのもリアリストという視点の役目です。3つ目の視点はクリティックで、問題点や危険性を見つけて批評し夢が実現できるように促します。批判するのではなく、危険性を浮き彫りにさせることを目的とします。冷静に離れた場所から見つめることで、問題を発見し解決する力を身につけることが可能となります。

3-3.リーダーシップを発揮して意思決定する力

マネジメント力の向上にはリーダーシップを発揮して意志決定する力も必要です。想定外のトラブルが発生した際に、プロジェクトや組織をうまくコントロールしていくためには優れたリーダーシップが必要不可欠です。適切な判断や指示を出せる意思決定力によって、部下に安心感を与えてモチベーションを維持させることができます。リーダーシップや意志決定力を高めるためには、ポジションチェンジという方法を用います。自分と違う立場の人の視点で物事を見るようにすることで、優先的に行うべきことが見えてきます。時には部下の視点に立ち、今円滑に仕事を進めるために必要なものはなんなのか想像してみると良いでしょう。

3-4.部下の能力を引き出す高いコミュニケーション力

マネジメント力の向上には高いコミュニケーション力も必須です。自分の言いたいことを伝えるだけでは、組織を束ねることはできません。他者が伝えようとしていることを聞き出したり、感じ取ったりする能力がいります。対話を通して相手から自主的に解決策を引き出したり、潜在能力を引き出したりするコーチング力も、マネジメントには欠かせない力です。コミュニケーション力やコーチング力を高めるには、「ペーシング（相手をよく観察し会話のペースを合わせる）」「ノンバーバルコミュニケーション（言語以外でコミュニケーションをとる）」「アクノレッジメント（相手の存在を認め、思いを尊重し受け止める）」という方法を用いましょう。この3つを意識して行えば、部下や上司、同僚ともスムーズに交流することができるはずです。大切なのは、相手の意思を尊重することです。

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3-5.組織を運営し結果が出るように導く力

マネジメント力向上には組織を運営し結果が出るように導く力が必要です。適切な目標を設定すると組織を成長させやすく、達成できそうなぎりぎりの目標を設定するのがおすすめです。目標までのプロセスを逆算して、いつまでになにを行うかといった計画をたてましょう。メンバーごとの進捗状況を把握し、問題解決やスケジュールの調整をして、ゴールまでうまく導きましょう。また、組織としてのビジョンを全体に浸透させることが、結果を出すためには必要となります。自分が率先してコミュニケーションを取りやすい環境にすることで、結果の出やすい組織にすることができます。組織を運営するとなると特別な能力がいると思う方もいるかもしれませんが、まずは目標を設定するところからはじめてみれば、難しくはないはずです。

3-6.会議やプロジェクトをスムーズに進行するファシリティスキル

マネジメント力の向上に必要なスキルの最後は、会議やプロジェクトをスムーズに進行するファシリティスキルです。ファシリティスキルとは会議などでスムーズに進行を促す能力のことです。自分が意見を出して一方的に話をするだけでは、組織としての力は育ちません。マネジメントでしなければならないのは論点の整理をしたり、合意をまとめたりするだけではありません。メンバーに発言を促したり、自由にアイデアを発表できる環境づくりをしたりすることも大事です。うまく方向付けをして、メンバーに自主的な行動を促すのもマネジメントなのです。会社は自分一人で動かすものではなく、全体の働きが大切です。上手く企業が成長するように、ファシリティスキルを磨いていきましょう。
 

マネジメント力を発揮できる舞台に立とう

せっかくマネジメント力のある人でも、それを発揮できる場にいなければスキルを活かす機会を逃してしまいます。スキルを活用し伸ばせる場所を見つけて移る、という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。自分が輝ける場所を見つけて、マネジメント力を成長させてみましょう。周りの人と共に力を合わせて、よりよい職場環境を作っていきましょう。