草むらで大きな口を開けて吠えるライオンのメス。

怒りをコントロールするアンガーマネジメント

オフィスにおいて、上司が部下に怒っている場面、その他同僚などに怒っている場面を目にすることは多いでしょう。怒りを露わにすることは、オフィスの空気が悪くなりますし、人間関係にも影響を与えます。

アメリカでは、オフィスで怒るという場面をあまり見ることがありません。よく怒ることは自身の評価を下げてしまうことにつながるためです。そのため、アメリカでは怒りをコントロールするアンガーマネジメントが積極的に導入され、多くの人がセルフコントロールの方法を学んでいます。

これには、パワハラが問題視されたことで、怒ることに対してセンシティブな風潮になりつつあることも関係しています。説教なども好まれていないため、あらゆる場面で怒りの感情を上手くコントロールする必要性が高まってきました。では、このアンガーマネジメントとはどのようなものなのでしょうか。
 

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントの発祥はアメリカであり、1970年代から登場しています。犯罪者や問題を起こす著名人などにこのアンガーマネジメントを学ばせ、怒りをコントロールする方法を身につけさせたりしています。

アンガーマネジメントを習得すると、怒るべきではないところでは感情を抑え、逆にしっかりと怒るべきところではただ怒るだけではなく、筋の通った怒り方ができるようになります。これはビジネスでも非常に役立つ技術であり、研修としてアンガーマネジメントを行う企業も多いのです。

アンガーマネジメントを行うことで、自身の怒りの感情を客観的に見られるようになり、感情に任せて暴走してしまうのを防ぐことが可能になります。怒りという感情は、自分が許容できる範囲を超える出来事に対して起こるものです。例えば、自分の感情が1つのコップに収まるものだったとします。そのコップに収まる範囲なら問題はありませんが、コップから溢れ出すと途端に感情が爆発してしまうという仕組みです。コップの中の感情は、少しずつたまっていって、あるきっかけで溢れ出てしまうのです。

こうした怒りの感情は誰でも持っているものですが、アンガーマネジメントでは、衝動・思考・行動についてそれぞれコントロールすることを説いています。

衝動

人は、怒りを覚えてからのおよそ6秒間にそのピークが来るといわれています。そのため、この6秒間、怒りを抑えることができれば、ヒートアップしないという考え方です。

思考

自分がこうすべきだと考えていることに対し、人がそうではない言動を取ると、怒りが生じます。そこで、自分だけではなくほかの人がこうすべきと思っている範囲はどこかということを、客観的に理解することで、自分が許容できる範囲が見えてきます。

行動

自分が怒りを覚えたことに対し、状況がどのように変われば怒りが収まるのかを知っておく。そして、怒りによって変えられること、変えられないことを分けて考え、変えられないことには執着しないことが大切になります。


アンガーマネジメントがもたらすメリット

アンガーマネジメントを身につけることによって得られるメリットには、以下のようなものがあります。

体への悪影響が少なくなる

人は怒ることで、体の至るところの機能が低下すると考えられています。怒りによる身体への悪影響は、普通に生活している場合の数倍ともいわれているのです。アンガーマネジメントはこうした身体機能の低下を防ぎ、心身ともに健康な状態を維持することにつながります。

モチベーション向上につながる

通常、怒りはマイナスのイメージが強く、怒ってしまったときの後味も悪くなりがちです。また、イライラし続けていると仕事の効率も悪くなることがあります。しかし、アンガーマネジメントで怒りをうまくコントロールすることができると、悔しい、負けたくないといった感情を仕事へのモチベーション向上につなげることができるのです。

外資系企業でも導入が進んでいる

アンガーマネジメントは、日本ではまだ浸透しておらず、一般的な考え方にはなっていません。しかし、外資系企業ではこの考え方の導入はどんどん進んでいます。外資系企業への転職を考えている人は、怒りをコントロールできないことで評価を下げてしまわないように、アンガーマネジメントについておさえておきましょう。

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