外資系企業に転職する際に入社日交渉は可能?注意点を解説

外資系企業の転職活動において、今の会社をなかなか辞められず、入社日交渉で苦労する人は意外と多いです。何事もスピードが速い外資系では入社もなるべく早くという考えがあり、退職が決まった会社に長く留まり責任を果たそうとする日本的な考えはあまり理解されない場合があります。そこで本記事では外資系企業の入社日の決め方、入社日交渉を行う際のポイントや注意点などを解説します。

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1.外資系企業は入社日をどのように決める?

外資系企業は応募の段階で入社日がすでに決められているケースが多いです。ただ、なかには求職者の希望を聞いてくれる企業も存在します。この段落では外資系企業の入社日の決定方法について解説します。

1-1.求人募集の段階で事前に決める

外資系企業は求人募集の段階で事前に入社日を決めていることが多いです。中には応募して面接に入った段階で入社日を伝えられることもありますが、基本的には求人にはっきり○月○日と入社日が記載されているケースが大半です。そのため、外資系企業は日本の企業と比べて入社日の面で融通が利きにくいものと考えておきましょう。もちろん多少の入社日のズレなら対応してもらえるかもしれませんが、対応は企業によって異なり、場合によっては全く融通が利かないことも想定しておく必要があります。

また、外資系企業は社内人事に合わせて、4月や10月など特定の月にしか求職者を受け入れない慣習があるところが多い傾向にあります。この場合一度に大量の人材を入社させることになるので、できるだけ研修も一斉に終えたいところでしょう。そのため、入社日がキリの良い1日などに固定されやすいです。また、採用の予算がはっきり決まっている企業も、求人サイトの掲載期間などの関係で入社日がすでに定められている傾向があります。もちろん外資系企業でも退職や異動で急な欠員が出ることがあります。この場合もできるだけ早く引き継ぎや穴埋めをする必要があるでしょう。それゆえ、入社日が事前に決められている、もしくは「○日までに入社できる人」と応募条件に記載されているのが一般的です。

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1−2.求職者の要望や選考状況に応じて決める

外資系企業の中には、一般的な日本の企業と同じように求職者の要望や選考状況に応じて入社日を決めてくれる企業も存在します。業界の例を挙げると、IT系や飲食系、営業職など人材募集に積極的なベンチャー系企業や、流動性の高い業界は特に入社日を固定していないケースが多いです。その理由としては、人材が定着しにくいからこそ常時新人に対する研修ができる体制が整っていることが挙げられます。

このような外資系企業なら、今働いている企業の仕事の事情をはじめとする求職者の要望や併願企業の選考状況を考慮し、相談のうえで入社日を決めてくれます。ただし、「できるだけ早く入社して欲しい」と企業側の希望を告げられることもあります。したがって「最短入社可能日」と「希望入社日」は事前に考えておく必要があるでしょう。また、基本的にすぐに入職するのは難しいので求職者の希望を優先してもらえるかもしれませんが、曖昧な対応は転職先に迷惑がかかってしまいます。他の企業と悩んでいるなど事情はあるでしょうが、曖昧な返事では転職する気がないと判断されかねません。できるだけはっきり入社希望日を伝えてください。
 

2.外資系企業から内定をもらって入社するまでの目安期間

外資系企業では、内定を出してから1カ月〜1カ月半程度で入社するのが一般的です。日本では働いている企業との調整や引き継ぎなどを考えると、転職までは2ヶ月〜3ヶ月猶予を貰えることが多いでしょう。実際に求人にも3ヶ月以内とはっきり入職までの期間を明記している企業も多いです。しかし外資系企業ではその考え方が通用しません。一般的に外資系企業では長くても2ヶ月が許容範囲であり、3ヶ月後まで引き伸ばそうとすると内定取り消しになる恐れもあるので注意が必要です。

人手が足りないなど、現在の仕事から簡単に抜けられないという事情はよくある話ですが、転職先からすればそんな事情は関係ありません。それに外資系企業は給与待遇面などの理由から人気が高く、代わりとなる人材はいくらでもいるのが基本なので、わざわざ入職を長引かせる人を無理に採用する必要もありません。外資系企業では中途採用者を少しでも早く即戦力として受け入れ、プロジェクトを回したい気持ちが強いでしょう。現職の残作業や引継ぎを終わらせることは大切ですが、それよりも転職後の生活の方がもっと大切です。無理な引き止めは断り、退職希望日を強気で伝える姿勢も大切です。

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3.外資系企業と入社日の交渉を行う際のポイントや注意点

外資系企業への転職はできるだけ入社日を転職先に合わせるのがベストですが、そうはいかないこともあるでしょう。そんな場合はリスクも承知のうえで、できるだけ早い段階で具体的に入社日を延期しなければいけない理由を伝えましょう。この段落では外資系企業との入社日交渉を行う際のポイントや注意点について解説します。

3-1.入社日交渉はリスクがあると心得る

  • 入社日交渉は基本的に1回が限度
  • 志望する企業の求人が掲載されたらなるべく早めに応募し伝える

そもそも外資系企業への転職で入社日交渉を行うこと自体がリスクの大きいことです。入社日交渉を行っただけで内定を見送られる最悪のケースも想定したうえで行う必要があるでしょう。多くの外資系企業では事業計画や人員計画に基づいて中途採用を行っています。入社日が遅れるとその後のスケジュールも後ろ倒しになってしまうので、入社日交渉を行いずるずると延長した結果、他の応募者を優先されるケースは珍しくありません。入社日交渉は基本的に1回が限度です。2回、3回と交渉の回数が増えれば増えるほど企業側の印象が悪くなってしまいます。入社日交渉に応じてくれる企業でも、入社日を後ろ倒しにしようとするのは志望度が低いと判断されがちなので、できるだけ入社日交渉そのものを行わないのが良いでしょう。

また外資系企業の場合応募が遅ければ遅いほど志望度が低いとも捉えられてしまいます。先ほど解説したように、外資系企業はある程度中途退職者の採用スケジュールも決まっていることが多いです。そのため、志望する企業の求人が掲載される時期も把握しやすいでしょう。求人の掲載終了日ギリギリでの応募だと退職の引き継ぎなども後ろ倒しになって入社日を遅らせる必要も出やすいので、志望する企業の求人が掲載されたらなるべく早めに応募するのがおすすめです。

3−2.入社希望日はできるだけ早めに伝える

現職の仕事が忙しく、会社側が提示する入社日に入社できない状況ならできるだけ早い段階でその旨を伝えましょう。すでに転職活動中の段階で指定された入社日の入社ができないことがわかっているなら、一次面接の段階で入社日の調整が必要なことを伝えるのも一つの手です。入社日が遅れることを伝えるのは転職活動において不利なのではと思うかもしれませんが、社会人は何事も早めに行動を起こすことが大切。逆に予定を前倒しにして行動できる段取りの良い人材と評価が上がることもあります。入社希望日は、例えば「3月中旬から」など大まかな表現でも問題ありません。むしろ入社できるタイミングを曖昧にしている方が印象が悪いですし、場合によってはトラブルになる可能性もあります。できるだけ早めに入社日交渉を行いましょう。

内定が出てから入社日交渉を行うのはリスクが高いでしょう。内定は様々な条件を調整した上で出されるもので入社日もその一環です。理由によっては内定自体をなかったことにされるケースもあり得るので、入社日交渉は内定が出る前に済ませたいところです。

人によってはすでに退職済みで、すぐに働ける状態の人もいるでしょう。この場合は「明日からでも働けます」と積極的な姿勢をみせておくのがおすすめです。現実的には翌日から働けることはまずありませんが、自分の希望を伝えつつ、仕事に対する意欲をみせておくのは企業からの好印象が期待できます。

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3-3.入社日が遅れる場合は具体的な理由を添える

入社希望日を交渉するときは、具体的な理由を添えましょう。特に企業が提示した入社日よりも遅れてしまうのであれば、先方に納得してもらえる理由を用意する必要があります。入社日が遅れる理由は「退職してから少し休みたい」など個人的な感情ではなく、正当な理由がなくてはいけません。例えば「現職の就業規則では退職まで最短で2カ月かかる」「取引先を10社以上かかえており、挨拶や後任者の引継ぎに1カ月以上必要」など、具体的な数字を入れると採用担当者も入社日の調整がしやすくなり、説得力も出るでしょう。
 

入社日交渉がしやすいかどうかは企業によってケースバイケース

外資系の企業で入社日交渉がしやすいかどうかは企業によって異なります。求人募集の段階で入社日を決めている企業も多いので、その場合はできるだけその意向にそえるよう力を尽くしてください。やむを得ない事情で入社日交渉するのであれば、面接などできるだけ早い段階で相手が納得できる理由を具体的に伝えるのがポイント。最悪なケースでは内定取り消しもありえるので入社日交渉は慎重に行ってください。
 

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