スカウトメールの返信の書き方・例文と注意点を解説

転職活動中は、登録している転職サイトや転職エージェント、企業の採用担当者などからスカウトメールを受け取る機会が多いです。現職で忙しくメール返信を放置してしまったり、深く考えずメールを無視したりしていませんか?転職活動にある程度慣れている方こそ、スカウトメールの返信を工夫して、より良い企業との出会いにつなげたいものです。

本記事では、スカウトメールの種類や返信を書く際に役立つ例文、転職につながりやすい返信のコツなどを解説します。より良い転職先と出会いたい方はぜひ参考にしてください。
 

1.スカウトメールの種類

1.スカウトメールの種類

転職のスカウトメールには、求人媒体からの自動送信メールや採用担当が直接送るものまで、さまざまな種類があります。スカウトメールを大きく4つの種類に分けて、それぞれの概要を説明するので、ご自身がよく受け取るメールはどのタイプか、特徴もあわせて確認してみてください。

1-1.求人媒体の一斉送信メール

スカウトメールの中でも代表的なのが、転職サイトに基本サービスとして付いている自動送信、または大量送信タイプのメールです。

各媒体のデータベース上で「東京都在住・営業経験5年」などのキーワードで検索をかけて、数十通から数百通単位のメールを一斉送信します。一人ひとりのプロフィールを細かく確認して送るのではなく、ある程度まとまった人数に一斉アプローチをする際に利用するものです。

企業の採用担当が対象者を検索する場合もあれば、求人媒体の営業担当やスカウト担当が送付先の条件をチューニングする場合もあります。また、AI機能でメール送信相手を抽出する求人媒体も増えています。

スカウトメールを受け手が、個別送信または一斉送信を見極めることは難しいのが現状です。ただ、メールの文面があきらかにテンプレートのようだったり、求人媒体に登録している自身のプロフィールや希望条件とかけ離れたメールだったりしたときは、一斉送信の場合もあると理解しておきましょう。

1-2.転職エージェントによるスカウトメール

次に多いのが、転職エージェントからのスカウトメールです。転職エージェントのスカウトメールとは、大手求人媒体やダイレクトスカウトサービスを介して、人材紹介会社から求職者へ送られるスカウトメールのことです。

転職エージェントは日々、複数の転職潜在層にスカウトでアプローチをして、自社サービスへの登録を促します。求職者に返信してもらうために、自社が保有する求人票を添付したり、自社経由で転職成功した事例を記載したりしているため、各エージェントが何を強みとしているか確認が必要です。

外資系や管理職、専門性の高いスペシャリストなどを対象にしたハイクラスエージェントやヘッドハンティング(エグゼクティブサーチ)では、スカウトメールに掲載する求人詳細をコンフィデンシャル(非公開)にすることもあります。コンフィデンシャル求人の紹介を受けるには、エージェントと電話面談やオンライン面談の実施が必要になります。

関連記事:転職エージェントと転職サイトにはどのような違いがある?

1-3. 企業からのダイレクトスカウトメール

次のスカウトメールのタイプは、ダイレクトスカウトサービスやSNSなどを介して、企業の採用担当者から直接送信されるスカウトメールです。

採用担当者は、求職者がダイレクトスカウトサービスに登録した業務経歴やスキル、希望条件などを細かく読み込んだ上でスカウトメールを送信します。そのため、大量送付されるスカウトメールや、エージェントスカウトよりも、ご自身の希望条件に近い情報が送られてくるケースが多いです。
また、企業によっては部門長や役員、社長が直接ダイレクトスカウトを送る場合もあるため、書類選考が不要だったり、選考フローが優遇されたりする可能性もあります。

ただし、ダイレクトスカウトは必ずしも求職者の希望を反映した求人を紹介されると言い切れません。必要に応じてメールを返信し、質問をしたり、提示された求人情報を確認してから選考に進みましょう。

1-4.採用代行・RPOなどのスカウトメール

スカウトメールの中には、採用代行やRPO会社に務める社員、人事フリーランスなどが企業の代わりに送るものもあります。採用代行会社やRPO会社が委託を受ける業務範囲はさまざまですが、多くの求人企業が人手・ノウハウ不足を背景に、スカウト業務をアウトソーシングしている現状です。

スカウト代行をする者は、求人企業から求人媒体やダイレクトスカウトサービス、SNSのアカウントを共有され、求人企業の採用担当として求職者にスカウトメールを送信します。中には、「求人企業から委託を受けてメールしました」と伝えられる場合もあります。ただ、多くの場合「〇〇会社の採用担当です」と、求人企業名義でスカウトメールが送られてくるため、メールを見ただけでは代行者かどうかは判断が難しいのが特徴です。
 

2.スカウトメールの返信に関するスタンス

2.スカウトメールの返信に関するスタンス

ほとんどの場合、スカウトメールには求人票が添付されています。求人内容に興味があれば、まずは返信するのが適切なスタンスです。

気になる企業からの連絡であったり、相談しやすそうなエージェントと感じたりした場合は、今すぐ転職を検討していなくても返信して接点を作ることをおすすめします。

いずれは転職をと考えつつも具体的な時期を決めていない場合でも、スカウトメールがきっかけで転職への意欲が湧くなどはよくあるパターンです。また、ハイクラス求人や有名企業の求人は採用枠が限られていることが多く、タイミングを逃すと応募さえできなくなる可能性も高いです。

求人内容やエージェント、企業自体に少しでも関心があれば、まずは返信をしていきましょう。きちんと返信することで、先方に好印象を持たれるだけでなく、条件の良い求人情報や、ご自身の希望に近しい企業に出会える可能性が高まります。
 

3.スカウトメールの返信例文

スカウトメールの種類別に、返信の例文と、返信する上での簡単なアドバイスを紹介します。ぜひ参考にしてください。

3‐1.転職エージェントへの返信例文

例文:

[転職エージェント名] 会社
〇〇 様

はじめまして、△△と申します。
このたびはスカウトメールをお送りいただき、誠にありがとうございます。

ご紹介くださった求人内容に興味があります。今年の夏までには転職したいと考えておりますので、一度面談の機会をいただけますでしょうか。

つきましては、◇月下旬であれば比較的時間に余裕がございます。特に◇月X日、◇月X日、◇月X日は終日空いております。

ご都合の良い日時をお知らせいただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

  • 返信のアドバイス:初めての返信メールで明確に転職の意思を伝えつつ、具体的な日程候補まで提示すれば、お互いにやり取りの手間が短縮できて早期に話を進めやすくなるでしょう。
     

3-2.企業への返信例文

例文:

[企業名] 会社
〇〇 様

はじめまして、△△と申します。
このたびはスカウトメールをお送りいただき、誠にありがとうございます。

スカウトいただいた求人内容を拝見し、私のこれまで▢▢における経験や▢▢のスキルが生かされると考え、大きな魅力を感じております。

また、貴社のこれまでの✕✕分野における◇◇事業内容にも大きな関心を抱いております。

つきましては一度、面接の機会をいただきたく存じますので、今後の流れなどをご教示いただけますでしょうか。

どうぞよろしくお願いいたします。

  • 返信のアドバイス:企業の具体的な事業内容や業務内容に言及して関心を抱いている点、求人の業務内容に関係のある経験やスキルを有する点などを盛り込んで、志望度の高さをアピールしましょう。
     

3‐3.カジュアル面談を希望するときの例文

例文:

[企業名] 会社
〇〇 様

はじめまして、△△と申します。

このたびはスカウトのご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

ご案内いただいた求人内容を拝見し、私の希望に合致した大変魅力的な案件だと感じました。ぜひ前向きに検討させていただきたく存じます。

大変恐縮ですが、実際の応募に進む前に、カジュアル面談を設けていただくことは可能でしょうか。求人内容の詳細や今後のステップなどをお伺いさせていただきたく存じます。

なお、私は◇月下旬であれば、比較的時間の余裕がございます。特に◇月X日、◇月X日、◇月X日はどの時間帯でも空いております。

面談の可否および、ご都合の良い日時をご返信いただければ幸いです。

ご多忙のところ恐れいりますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

  • 返信のアドバイス:カジュアル面談を希望する場合は、企業の採用担当者に対応の可否を確認しつつ、具体的な候補日程を伝えましょう。先方が返信する際の手間が省けます。

関連記事:カジュアル面談とは?意味・一般的な面接との違い・注意点を解説
 

3-4.英文スカウトの返信例文

例文:

Hello [recruiter name],

Thank you so much for reaching out about this opportunity. It sounds like a really interesting job and matches where I’d like to take my career.

As you may have checked on my resume, I have  [number of years] of experience as a [name of profession/field] and have put all of my energy and focus into [Specific goal, skill or trait the new job entails].

I would like to learn more about this opportunity, so could we schedule an interview to discuss more details? I also would like to share how my skills and experiences would benefit your company.

I am available during the following dates and times;

June 1st-2nd between 5 pm-8 pm
June 5th-8th between 6 pm-9 pm
June 9th between 5 pm-7 pm
9 am-3 pm/JST on weekends

I look forward to speaking with you.

Best regards,

[Your name]

  • 返信のアドバイス:英文の返信では、自分の専門分野や経験年数、スキルなどを記載して自己PRをします。具体的な面談の希望と候補日時も記載して、スムーズに次のステップへとつなげましょう。

関連記事:英語レジュメ(英文履歴書・職務経歴書)の書き方とは?
 

3-5.他の求人紹介を依頼する例文

例文:

[転職エージェント名] 会社
〇〇 様

はじめまして、△△と申します。

このたびはスカウトメールをお送りいただき、誠にありがとうございました。

今回ご紹介いただいた求人についてですが、私の希望している条件とはやや相違がございます。大変恐れ入りますが、別の案件をご紹介いただくことは可能でしょうか。

具体的には、以下の条件での転職を希望しております。

・条件1
・条件2
・条件3

ご多忙中恐れ入りますが、ご回答をよろしくお願いいたします。

  • 返信のアドバイス:転職エージェントには多数の求人案件が寄せられています。提示された案件が自分の希望に合わない場合は、逆に具体的な条件を挙げて紹介が可能かどうか質問してみましょう。
     

3-6.辞退するときの例文

例文:

[企業名/転職エージェント名] 会社
〇〇 様

はじめまして、△△と申します。

このたびはスカウトメールをお送りいただき、誠にありがとうございました。

今回お声がけいただいた求人ですが、私の希望している〇〇とは合致せず、求人への応募は辞退させていただきたく存じます。

もし△△や、△△のような求人があれば、ご連絡いただけますと幸いです。

またご縁がございましたら、その際はどうぞよろしくお願いいたします。

  • 返信のアドバイス:辞退を申し出る場合でも、辞退した理由を明確に伝えておくと、別の機会に求人紹介をしてもらえる可能性が高まります。将来的なチャンスにつなげるために、辞退であっても丁寧な返信をするのがおすすめです。
     

4.転職を後押しするスカウトメールの返信のコツ

4.転職を後押しするスカウトメールの返信のコツ

スカウトメールの内容に興味を持った場合、返信を通じて少しでも採用へとつなげる工夫が大切です。転職を後押しする上で役立つ返信のコツを、3つのポイントに分けて解説します。

4-1.スカウトを受け取っても気を抜かず丁寧に対応する

スカウトメールを受け取ったからと言って、応募条件を100%満たしているとは限りません。返信の際は気を抜かず、丁寧な言葉遣いで対応しましょう。

スカウトメールの文面は、求職者からの返信率を高めるために、さまざまな工夫がされています。例えば、「面接確約」と記載されるケースも多いですが、面接が確約されていても、内定が出るとは限りません。

他にも、転職エージェントからのスカウトメールに「あなたの〇〇の経験が生かせる求人がある」などと記載されていても、実際には今すぐ紹介できる求人がない可能性もあります。エージェント側も複数の候補者に声をかけ続けているため、保有求人は変動しやすいものです。

スカウトに返信するか、応募すべきかなど、長い時間悩んで返信を保留にするよりは、適度な期待値でどんどん返信をするほうがスムーズです。少しでも気になるスカウトメールには、まず返信するスタンスで取り組んでみて下さい。

4-2.スピーディーな返信を心がける

スカウトメールを受け取ったら、丁寧かつスピーディーな返信が大切です。ビジネスメールのやり取りで、可能な限り対応を早めるのは基本中の基本ですが、スカウトメールの返信が止まってしまう人は少なくありません。

人手不足の時代とはいえ、一部の求人に応募が集まりやすい傾向もありますし、返信があった順から選考に進むのが通例です。どうしても返信が遅れる場合は、「土日に時間を確保して返信するので、少々お待ちいただけますか」など、中間報告をする方法もあります。

スピーディーな返信により、志望度の高さや入社意欲もアピールできるため、改めて意識してみて下さい。

4-3.スカウトメールの何に興味を持ったのかを伝える

スカウトメールに返信する際は、面談希望を伝えるだけでなく、スカウトメールのどの情報に興味を持ったか、具体的に内容を伝えるのもポイントです。メールの内容にきちんと目を通して返信している姿勢をアピールできるでしょう。

以下のような文で、自分の興味のポイントを伝えましょう。

  • 「数あるメーカーの中でも、貴社の〇〇分野における画期的な新技術の開発や研究へのたゆまぬ情熱に魅力を感じ、志望いたしました」
  • 「貴社のサービスを以前から利用している関係で、元々高い関心がありました。ぜひ面談に進ませてください」
  • 「〇〇分野で成長著しい著しい貴社でなら、この分野で活躍したい自分の希望がかなうと感じ、エントリーいたします」
     

返信のコツをおさえて転職活動をスムーズに進めよう

企業からのダイレクトスカウトや、転職エージェント・採用代行会社からのスカウトメールなど、種類にかかわりなく、返信の仕方ひとつで印象が左右されます。

返信の際は、面接の希望や別の案件の紹介希望、カジュアル面談の打診など、目的に沿って丁寧な文章を作成しましょう。具体的な事業内容への関心の高さや、求人内容と関連性のあるスキル・経験のアピールを盛り込むなどの工夫が、内定獲得の可能性を高めます。

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