英語レジュメ(英文履歴書・職務経歴書)の書き方とは?

外資系企業への転職を試みる際に、英語レジュメ(英文履歴書・職務経歴書)の書き方についてお困りではないでしょうか。英語のレジュメは、日本の履歴書・職務経歴書と書き方が大きく異なるため、英語のレジュメならではの書式、ルールを理解しなければなりません。

今回は、英語のレジュメとはどのようなものか、CVとの違いや日本語の履歴書・職務経歴書との相違点を解説し、英語レジュメのテンプレートも紹介します。
 

1. 英文レジュメとは

1. 英文レジュメとは

英文レジュメとは、英語で書かれた応募書類のことです。一般的にA4用紙1枚程度にまとめられ、日本における履歴書と職務経歴書を兼用する役割があります。国内の外資系企業への転職活動でも必要になる書類であり、応募者の職歴やスキル、学歴などの基本情報を英語で伝えなければなりません。

英文レジュメは文章構成が明確で、簡潔かつ具体的な表現で記述されたものが良いとされます。特に、過去の成果を定量的に示すことで、応募者の能力と実績を強調することが重要です。また、外資系企業への応募では、英文レジュメに加えてカバーレターを提出することが一般的です。

1-1. カバーレターとは

カバーレターは英文レジュメに添える、採用担当者宛の手紙です。レジュメには職務に関する客観的な情報を簡潔にまとめ、志望動機や労働意欲、自己PRなどの主観的な内容はカバーレターで伝えます。

形式は普通の手紙のように、自分の住所と氏名、日付、応募先企業名と所在地、担当者名、件名を記載し、本文で応募の経緯や職務への熱意を記述します。あくまで手紙ですから、「Yours sincerely」や「Best regards」といった結びの言葉や、自筆のサイン(署名)も必要です。

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2. ResumeとCVの違い 

2. ResumeとCVの違い

英語圏での履歴書や職務経歴書にあたる応募書類には、英文レジュメ(Resume)の他にCV(Curriculum Vitae)もあります。両者はよく混同されがちですが、アメリカ・ヨーロッパでは目的と内容が明確に異なっています。

Resumeは職務経歴やスキルなどを簡潔にまとめ、通常は1〜2ページに収める書類です。応募する職位に対して、応募者の持っている最も関連性が高い経験を強調する目的があります。

一方、CVではより詳細なキャリアの全体像を伝える傾向が強く、学術関連の経歴や自身の出版物、講演実績、受賞歴などをアピールします。CVは文章の量に制限がなく、学者や研究職への応募において要求されることが多いです。


3. 日本語の履歴書・職務経歴書との相違点 

3. 日本語の履歴書・職務経歴書との相違点

英文レジュメも同じ応募書類であるからといって、日本語の履歴書や職務経歴書を単純に英訳すれば良いというわけではありません。そもそも英文レジュメは書類の形式が違いますし、記述するべき内容、あるいは記載すべきでない内容があります。以下、書類の種類や記載内容について解説します。

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3-1. 書類の種類

日本語の応募書類は、履歴書と職務経歴書の2種類です。履歴書には応募者個人の基本情報(氏名、住所、生年月日、連絡先、学歴、職歴、免許、資格など)を記載し、趣味や特技の他、自己PR文を書くこともできます。職務経歴書では、前職までの職務内容や業務経験、担当プロジェクトといった具体的な業績・経歴を記載する書類です。

英文レジュメは、1枚で履歴書と職務経歴書に近い役割を持ちますが、個人情報よりも職務に関連が深い内容を中心に、箇条書きでシンプルに記載します。志望動機や自己PR、仕事への熱意などはレジュメに書かず、カバーレターで伝えるのが一般的です。

3-2. 記載内容の方向性

日本語の応募書類と英文レジュメの間には、作成目的や用途、方向性などに違いが見られます。日本の場合は履歴書に個人的な基本情報を記載し、職務経歴書で今までの経歴を時系列にまとめつつ、志望動機や自己PRなども加えるといった総合的な情報提供の意味合いが強いです。

英文レジュメは自分の職務遂行能力をアピールし、採用するメリットをいかに伝えるかが重視されます。自身を売り込む方向性で書かれるため、強みにならないような不必要な情報は削ぎ落とすことが望ましいです。

3-3. 記載内容

日本語の履歴書・職務経歴書は、フォーマットに沿って、なるべく多くの情報が記載されていることを良しとします。趣味や特技、自己PRまで丁寧に書くのはもちろん、丁寧に手書きで書けば熱意が伝わるはずだと考える応募者も少なくありません。

それに比べると、英文レジュメの内容は端的かつ簡潔にまとめられています。代表的な記載事項は以下の通りです。

  • PERSONAL INFORMATION:氏名、住所、電話番号
  • OBJECTIVE:希望職種
  • SUMMARY:経歴やスキルの要約
  • WORK EXPERIENCE:職歴、業務経験
  • EDUCATION:学歴
  • QUALIFICATIONS:保有スキル

これらの項目について、採用担当者が把握しやすいように箇条書きで記述します。さらに付け加えると、日本と違って手書きは好まれないため、パソコンなどで作成したものを印刷して提出するのが一般的です。

3-4. 記載しない内容

日本の履歴書では氏名や住所と並んで書くほど重要な「生年月日」や「年齢」ですが、英文レジュメには記載されません。ジェンダー問題に関わる「性別」や、個人の趣向などにつながる「趣味・特技」も書かないのが普通です。履歴書や職務経歴書で書くことがある項目のうち、英文レジュメでは記載しない内容を以下に挙げます。

  • 生年月日
  • 年齢
  • 性別
  • 家族構成
  • 心身の状態
  • 趣味・特技
  • 免許・資格(業務に関係しないもの)
  • 退職理由
  • 通勤時間
  • 前職の給与
  • 希望する給与
  • 自己PR
  • 志望動機

自己PRや志望動機はレジュメには書きませんが、カバーレターに記載するべき重要な内容です。また、レジュメ内の主語は自分であることが明らかなため、「I」は省略します。

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4. 英文レジュメのテンプレートは3種類 

4. 英文レジュメのテンプレートは3種類

英文レジュメの書き方には、大別して3種類のテンプレートがあります。「逆編年体式」「キャリア式」「混合式」の3つで、この中から自分の目的や強みに適したものを選ぶと良いでしょう。

4-1. 逆編年体式

英語では「Reverse Chronological Resume(リバース・クロノロジカル・レジュメ)」と言います。逆編年体式レジュメは最新の職歴から遡って順に記載するテンプレートで、直近の状況が分かりやすいことから人気があります。特に職歴が長く、キャリアの進展が顕著な人ほどインパクトを与えやすいです。採用担当者が応募者の職務経験を迅速に把握できるため、多くの業界で好まれています。

例)

2020~2023:マーケティングマネージャー、ABC株式会社
└ 新規顧客獲得に向けた戦略を立案・実行
└ 年間売り上げの前年比20%増加に貢献

2017~2020:マーケティングアシスタント、XYZ株式会社
└ SNSキャンペーンの企画と運用

4-2. キャリア式

キャリア式は英語で「Functional Resume(ファンクショナル・レジュメ)」と呼ばれ、職歴よりもスキルや経験に焦点を当てたテンプレートです。専門知識やスキルセットをアピールしたい転職者や、職歴が短め、もしくはキャリアにブランクがある転職者に適しています。また、職種変更を目指す場合にも有効です。

例)

マーケティングスキル
└ ソーシャルメディア戦略の企画と実行
└ 広告キャンペーンの分析と最適化

コミュニケーションスキル
└ 多部門にわたるプロジェクトをコーディネート
└ クライアントとの関係構築

4-3. 混合式

混合式レジュメは、逆編年体式とキャリア式の良いところを組み合わせたテンプレートです。英語では「Combination Resume(コンビネーション・レジュメ)」といいます。職歴とスキルの両方に強みがある人なら、この書き方を特におすすめします。キャリアチェンジを目指して自分のスキルを示したい場合や、特定のスキルが職歴を通じてどのように発揮されてきたかを伝えたい場合に最適です。

例)

スキル・資格
└ プロジェクト管理:複数の大規模プロジェクトを同時に管理し、期限内に成功させる実行力

職務経歴
└ 2020~2023:プロジェクトマネージャー、ABC株式会社
└ 通算で5つのプロジェクトを率い、全て想定期間内かつ予算内で目標を達成
 

5. 英文履歴書・職務経歴書の書き方見本(テンプレート付) 

5. 英文履歴書・職務経歴書の書き方見本(テンプレート付)

英文レジュメをどう書けば良いか具体的に知りたい人のために、ここでは各項目の書き方を解説します。さらに、以下のページでは3種類の英文レジュメのテンプレート(Word形式)をダウンロードできます。

英文レジュメのテンプレートはこちらから:3 impactful resume templates to guide your resume writing process

5-1. PERSONAL INFORMATION(氏名・連絡先)

「PERSONAL INFORMATION」または「PERSONAL DATA」と記載し、氏名と連絡先を記載します。連絡先は、住所、電話番号、メールアドレスです。住所は英語の記述方法にならって、建物名および部屋番号、番地、丁目、市区町村、都道府県、郵便番号の順で書くようにしましょう。

5-2. OBJECTIVE (希望職種)

応募者が目指す職種やキャリア目標を表明する項目です。また、自分がそのポジションに入ることで、どのような貢献ができるかも記述します。OBJECTIVEの内容が企業のニーズと合致しているほど、採用確率が高まるはずです。自分のスキルや職歴と関連させて、端的で説得力のある文章を考えてみましょう。

5-3. SUMMARY(経歴やスキルの要約)

経歴やスキルといった、自分のキャリアの概要を伝える項目です。できるだけ定量的な裏付けをもって、採用担当者に自分の強みをアピールしましょう。具体的な数字やデータがあれば、より信ぴょう性が増します。SUMMARYは、あなたがOBJECTIVEに適した人物かどうか評価するための材料となります。

5-4. WORK EXPERIENCE(職歴)

「CAREER HISTORY」と呼ぶ場合もあります。逆編年体式で書く時は、新しい職歴から古いものへと、時間をさかのぼるように記載していきます。前職の会社における業務成果(プロジェクトの達成、社内表彰など)は、「Achievements」として職歴の下にまとめて書くと良いでしょう。何度か転職経験がある人は、その数だけ過去に在籍していた会社での経歴を記載します。

5-5. EDUCATION(学歴)

一般的には、最終学歴のみを記載します。応募する職種と関連する学歴があれば、記載しても構いません。入学・卒業年と学校名、学位、学科および専攻を書きます。英語での学位の書き方は以下の通りです。

  • 学士号:Bachelor of ~
  • 修士号:Master of ~
  • 博士号:Doctor of ~

例えば、日本の◯◯大学の工学部修士号、と英語で書く場合は、◯◯ University, Japan Master of Engineeringとなります。

5-6. QUALIFICATIONS/SPECIAL SKILLS(資格やスキル)

自身のOBJECTIVEと関連する資格や免許を取得しているなら、記載することで有効なアピールになります。日本の履歴書には、普通免許や漢字検定2級など職務と特に関係のない資格・スキルも書くことが多いですが、採用の際に要求されないものは英文レジュメでは記載すべきではありません。

5-7. ADDITIONAL INFORMATION(その他の特記事項)

採用で有利になる材料がある場合は、「ADDITIONAL INFORMATION」として記載しましょう。CVと違い、レジュメでは受賞歴や出版物、ボランティア活動などは原則として書きませんが、応募企業の理念や文化によっては、あえて記載した方が良い結果が得られるケースもあります。

5-8. REFERENCE(紹介状)

REFERENCEは、以前の雇用主や信頼できる人物からの推薦や評価を示します。通常は採用プロセスの後半に企業側に要求されるため、「References available upon request(要望があれば紹介状を提供します)」と記載するのが一般的です。REFERENCEとして名前を挙げる人物には、必ず事前に連絡をとって許可を得ておきましょう。
 

英語のレジュメならではのルールを理解して転職準備を進めよう 

英語のレジュメならではのルールを理解して転職準備を進めよう

英文レジュメを書くことは、外資転職のハードルのひとつとなっています。しかし、日本語の履歴書や職務経歴書との違いを理解して、レジュメのテンプレートにしたがって書けばそれほど難しいものではありません。採用されやすくなる書き方のテクニックや、失敗しないための注意点を知っておけば、外資転職への成功に大きく近づけるでしょう。

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