転職するなら不況の影響を受けにくい業界に行きたいと考える人にとって、医療機器メーカーは魅力のある業界といえるでしょう。その中でも特に外資系のメーカーともなれば、給与も高いというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。そこで、ここでは気になる給与や動向など、外資系医療機器メーカーの実態について解説していきます。


1.医療機器業界の動向

・景気に左右されにくい
医療機器業界は、景気に左右されにくい業界といわれています。景気が悪くなると人々は娯楽や外食などをやめ、節約することで万が一に備えようとしますが、医療費というのはなかなか節約しにくいものです。けがや病気になっても不況だから病院には行かない、というわけにはいかないでしょう。その場合はどうしても医療機関で治療を受けざるを得ないため、医療機器の需要は減ることはないのです。

・新興国からの需要拡大
さらに中国や東南アジア諸国などの新興国が発展するにつれて、医療機器の需要は増加の一途をたどっています。そのため、外資系を含む医療機器業界全体の需要は拡大傾向にあるといえます。

・日本:特定の分野に強い vs. 外資:守備範囲が広い
その中でも大きなシェアを獲得しているのが外資系企業です。医療機器業界において、世界の売上トップ10は欧米の企業によって占められています。これはなぜかというと、日本の医療機器メーカーが消化器内視鏡や家庭用医療機器など特定の分野に絞って開発・販売を行っているのに対し、外資系メーカーでは病院向けから家庭向けまで手掛けたり、さらには医薬品も扱うなど幅広い分野の製品を取り扱っているからです。巨大な規模の日本の医療機器市場でも、外資系医療機器メーカーはこうした守備範囲の広さを生かして大きな存在感を放っており、あらゆる領域で高いシェアを誇っています。


2.採用活動が活発?

・医療機器市場は成長段階
新興国の発展で医療機器の需要が増えていると説明しましたが、日本国内においても高齢化や医療の進歩に伴い医療機器の需要は高まっています。通院や入院による治療だけではなく、緩和ケアや在宅医療も盛んになるなど医療現場では多様化が進んでおり、こうした状況に即した様々な医療機器の需要が増えているのです。医療機器市場はまさに成長段階にあり、製造でも営業でも多くの人材が必要とされています。そのため多くの求人が出されるなど採用活動が活発に行われていて、医療機器メーカーへの転職は比較的容易であるといえます。

・「学ぶ意欲」があれば十分にチャンスあり!
医療機器の分野は細分化されているため、特に外資系では各分野のスペシャリストを求める傾向が強いのが特徴です。また、本国とのテレビ電話会議などもあるため語学力も必要です。しかし実際には、同業界での経験不問・語学力不問といった求人も数多く出ています。細分化されているために、同じ業界内での転職では前職の経験が役に立たないケースも少なくないからです。その代わり入社後に3ヶ月~半年といった長期の研修が設けられており、ここで専門的な知識を身に着けることになります。従って、選考に当たっては学ぶ意欲も重視されることが多いです。


3.外資系医療機器メーカーの年収

・新卒でも年収500万円以上が多い
外資系企業は給与が高い、というイメージを持っている人も多いでしょう。実際にそうした傾向があり、また医療機器メーカーも例外ではありません。外資系医療機器メーカーの給与相場は高く、どのメーカーでもほぼ例外なく高い給与が設定されていて、新卒でも年収500万円以上というところが多いです。

・インセンティブの高さ
また、外資系企業の場合インセンティブが高いことも特徴となっています。インセンティブとは、目標を達成するごとに給与にプラスされる報酬のことです。すなわち営業成績を上げれば上げるほど給与も右肩上がりに高くなっていくというわけです。固定給制とは違い、結果を出せばそれが給与にダイレクトに反映されるということで、モチベーションのアップにもつながるでしょう。実力さえあれば30代半ばで1,000万円プレーヤーとなるのも夢ではありません。ただし、売り上げが上がらなければ当然給与も上がらず、それだけに厳しい世界ともいえます。高い年収を稼ぎだすためにはきつい仕事にも耐えていかなくてはなりませんが、高い報酬のために仕事がきついのは当たり前だから耐えられるという人には魅力のある世界といえるでしょう。


4.離職率が高いって本当?

・人の入れ替わりが比較的激しいことは事実
外資系医療機器メーカーでは市場が成長して多くの人材が必要なため活発に採用活動を行っている、と説明しました。しかし、外資系医療機器メーカーでは離職する人も多いということも事実です。外資系医療機器メーカーでは入社後にまず研修がありますが、研修期間中には定期的なテストもあり、厳しいことで知られています。研修をクリアした後も、常に仕事で成果が求められることになります。このような実力主義・成果主義も、外資系企業の大きな特徴です。

・新人教育に力を入れている会社を見極めることも一つの手
ただ、外資系医療機器メーカーの中でも比較的離職率の低いところもあります。研修に時間がかかるのは当然という考えのもと、新人教育を半年ほどかけてじっくり行っている会社です。ある程度長く働くことを考えるなら、そうした企業を選ぶのも一つの手でしょう。


5.転職する際の注意点

・医療機関や医師の予定に合わせる必要がある
医療機器メーカーの営業職は、病院などの医療機関へ自社の製品を売り込むのが仕事です。製品をたくさん買ってもらうためには医療機関との関係作りが大切で、特に医師と良好な関係を築くことは必要不可欠です。また病院という場所の特性上、多忙な医師に予定を合わせるために仕事は業務時間外に行わなければならないこともありますし、医療機器にトラブルが発生すれば夜間であっても緊急に呼び出されることもあります。

・医療機器に関する専門的知識の勉強が求められる
また、医療機器には高度な技術が用いられており、それについて習熟するのは大変なことです。未経験からスタートするのであれば、業務時間外でも自主的に勉強して、専門的な知識を身に着けていく必要があります。さらに外資系の場合は高いノルマが設定されていることも多く、達成できれば高い報酬を手にすることができますが、達成できないと仕事を続けていくこと自体も難しくなってしまいます。外資系医療機器メーカーへの転職を目指すのであれば、こうした点も理解しておくことが必要です。


医療業界に関心があり、実力主義の仕事を求めている方におすすめ!

外資系医療機器メーカーへの転職について、様々な角度から解説してきましたが理解していただけたでしょうか。医療機器の市場は拡大を続けており、将来性が高く景気の影響も受けにくいという利点があります。業界への転職を目指すなら、シェアを多く獲得している外資系企業が良いでしょう。結果を出すほど高い収入が得られるので、とにかく稼ぎたいという人におすすめです。
 

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