ビジネス業界で働く人の行動は、他の国でもほとんど同じだといわれています。電車や車で通勤し、電話やメールで連絡し、ミーティングに参加し……などなど、日本とあまり変わらない行動パターンをとっています。

しかし、ただ一点、大きく違っている部分があるのです。

それは時間に対する考え方と、それがビジネスやミーティングにどのように影響するかという認識です。

経済活動のグローバル化が進む昨今、日本企業はどんどん海外に進出し、外資系の企業で働く日本人も増え続けています。さまざまな文化や価値観を持った人たちとの交流が活発になっている現代社会で、次のような時間の捉え方をきちんと理解しておくことは非常に重要です。

MタイムとPタイムを理解して、ミーティングスタイルを使い分けよう

ミーティングの目的は、複数の人から意見を聞き、その中からもっとも良いと思われる方向性を導き出すことです。スムーズにミーティングを行うには、時間や物事に対する考え方の違いを把握しておくことが重要です。

そうした違いは大きくMタイム(monochronic time=単一的時間)とPタイム(polychronic time=多元的時間)の二つのタイプにわけられます。

このようなタイプの主な特徴は、以下のようになります。

・Mタイムの特徴
一度に一つのことしかしない
結果を重視
時間に正確

・Pタイムの特徴
複数のことを同時に行う
人間関係を重視
時間にルーズ

こうしたタイプは、地域性によっても異なります。しかし、タイプの違いを意識してミーティングのスタイルを変えてみると、効率があがるかもしれません。

日本はMタイム? Pタイム?

日本の場合は特殊で、この二つのタイプ両方の特徴を持っているといわれています。

その理由には、日本ならではの国民性があるようです。

人間関係と信頼関係を重んじる日本式のミーティングは、ほぼ間違いなく時間通りに開始されます。しかし、終わるのも時間通りかといえば、けっしてそういうわけではありません。

それは信頼関係を重んじるがゆえに、納得のいく結論が得られるまでミーティングを終わらせないからです。日本のビジネスマンの多くが、永遠に終わらないと思えるほど長いミーティングを経験したことがあるほどです。

しかも日本人の話は同じ言葉でも状況によって意味が異なるP型言語にあたり、明確なコミュニケーションを行うM型言語の人に比べて接するのが難しいといわれています。

タイプ別のミーティングの注意点
タイプによって、ミーティングで重視しているポイントは異なっています。ここではそれぞれのタイプ別に、注意するべき点について紹介しましょう。

まずはMタイムからです。日本人の性格はどちらかといえばMタイム寄りなので、基本的にはMタイムの人との相性は良いといえます。

ただし先に述べたように、日本人は納得のいく結論が出るまでいつまでもミーティングを続ける傾向があります。

しかしMタイムの人の多くはコストパフォーマンスを重視するので、注意しましょう。たとえミーティングで問題を解決することができても、時間が長引くと相手は不満を感じてしまいます。人間関係に溝が生じないようにするために、時間がかかりそうなら思いきって次回にまわすことも大切です。

そういう時には英語で“It looks unlikely we will reach a conclusion on this point today,let's discuss this at a later time(今日はこの話題に決着がつかないようなので、次回に話しましょう)”と言って、一旦ミーティングを切り上げたほうがいいかもしれません。

次にPタイムの人との接し方です。

Pタイムの人から見て、1本芯が通った考え方に基づいて意見を言うMタイムの人は、時に失礼とか、傲慢であると感じることがあるようです。そのため相手の意見を尊重し、自分の考えを前面に押し出さないようにコミュニケーションをとることを心がけましょう。

ここにあげた注意点は、ミーティングに限った話ではありません。電話や交渉といったコミュニケーションが必要な場面でも、時間感覚の違いは影響してきます。もちろん国籍だけで相手の性格や感覚の差が判断できるわけではありませんが、ここで紹介した情報も材料の一つにして、是非とも円滑なコミュニケーションに努めてください。

アプリをダウンロード

App Storeからダウンロード Google Playで手に入れよう

メールマガジン登録
転職やキャリアアップで一歩先に行くための情報を受け取ることができます