ビジネスアナリストってどんな仕事?仕事内容・存在意義・求められるスキル

ビジネスアナリストという職業をご存じでしょうか。あまり聞き慣れない役割かもしれませんが、プロジェクトを成功に導くために欠かせない役職だと言われています。つまりそれだけ重要で大きな役割を担っている仕事なのです。本記事では、ビジネスアナリストの仕事内容や存在意義、なるために必要なスキルなどを紹介していきます。 

ビジネスアナリストの求人

 

1. ビジネスアナリストとは? 

ビジネスアナリストとは、「ビジネスアナリシス」を実行する担当者のことを指します。プロジェクトを成功に導くためには、クライアントの実現したいことを聞き出して具体化し、要件を定義すること。そしてそれを開発チームに適切に伝えることが欠かせません。ここが上手くいかないと、目指すべきゴールも道筋もはっきりしないまま、プロジェクトが暗礁に乗り上げてしまうことになります。ビジネスアナリストは、そうした事態に陥らないようコミュニケーションの仲介を行っているのです。 

例えばITシステムなどを構築する際は、クライアントの業務を分析し、要求を実現するためのシステムを構築する。そして、それを実際にプログラムを組むプログラマーに伝えるのがビジネスアナリストの役割になります。また日本企業で考えると、社内や社外の人間と調整を行い、要件定義を、まとめる人がビジネスアナリストの役割を担っていると言えます。「ビジネスアナリスト」と聞くと外国からやって来た新しい職種のように捉えられがちですが、実は昔から存在しており、プロジェクト内、あるいは社内の誰かが担っていた役割なのです。 

2. ビジネスアナリストの仕事内容 

では、具体的にビジネスアナリストはどのような仕事を行っているのでしょうか。システム開発現場を例に挙げると、ビジネスアナリスト最大の役割は、クライアントの現状の業務を理解した上で、経営層等の意向を盛り込んだ内容を、開発部に伝えることです。クライアントが必ずしもコンピューターシステムに対して深い知識を持っている訳ではありませんし、依頼してきた段階で自分たちが必要としているものを把握できているというケースも稀です。「とにかく今より便利な仕事環境にしたい」などざっくりとした要望しかないことも多いでしょう。そこでビジネスアナリストが登場します。クライアントと密なコミュニケーションを取ることで、クライアントが作りたいシステムを正確に読み取ります。 

次に行う仕事は、プロジェクトに関する各部署とのコミュニケーション仲介です。また、ITシステムを開発・構築するために何が必要であるかを整理し、コストパフォーマンスなどの調査検討も行います。いわばビジネスアナリストの作った道筋に沿ってプロジェクトは動いていくことになるのです。それだけにプロジェクト初期段階におけるビジネスアナリストの役割は非常に重要になります。ビジネスアナリストが間違った方向に進んだばかりにプロゼジェクト全体が迷走し、結果失敗してしまうという事例も存在します。 

3. ビジネスアナリストの存在意義 

「ITプロジェクトの7割は失敗する」と言われていますが、その原因は要件定義にあると言います。要件定義とは、システム開発において、実装すべき機能や満たすべき性能をはっきりさせる作業のことを言います。つまりプロジェクトの入り口部分。この要件定義を取りまとめる役割を担うのがビジネスアナリストなのです。ビジネスアナリストは、関係各所と円滑かつ柔軟にコミュニケーションを取るプロフェッショナルです。それだけに、中立的な立場で要件定義を取りまとめることができます。ビジネスアナリストがいれば、それまで副次的にその役割を担っていた人材は、本来の役割に専念できるようになります。それぞれが自分の専門を生かして仕事ができるようになるため、それだけプロジェクト成功の可能性が高まっていくのです。 

4. ビジネスアナリストに必要な知識 

ビジネスアナリシスの啓発を行うカナダの非営利団体IIBA(International Institute of Business Analysis)は、ビジネスアナリストが実施すべきことをまとめたBABOK(Business Analysis Body of Knowledge)を作成しています。7つの知識エリアと32のタスクに別れているのですが、なかなかに難解で、初めて見る人には難解な内容になっています。単に自社に関する知識だけを深めていけば言い訳ではありません。クライアントの要求を聞き出すには相手の業種に関する知識も不可欠になるため、小売り、製造、物流、飲食など各業界の業務フローについても最低限の知識を持っていることが要求されます。またITに関する知識は、設計からプログラミング、運用まで幅広いものが必要です。でなければ各部署の仲介をしたり、現場の意見をくみ上げてプロジェクトを導くことができません。実際にプログラミングができる能力も必要になります。 

5. ビジネスアナリストに向いている人 

BABOKによると、ビジネスアナリストには6つのコンピテンシが必要とされています。コンピテンシとは優秀な成果を上げている人の行動特性を分析しモデル化したもののことです。6つのコンピテンシは4つのソフトスキルと2つのテクニカルスキルに分類されます。ソフトスキルは「分析思考と問題解決」「行動特性」「コミュニケーションスキル」「人間関係のスキル」です。これらはいわば状況に応じて適切な行動が取れるかどうかを図るスキルで、事前に身につけるには限界があります。いわば実務経験を積んでこそ高められるもので、現場でいろいろな状況や判断に立ち会うことでスキルは向上していきます。 

テクニカルスキルとは、知識を意識的に吸収することで高められるものです。ビジネスアナリストの場合は、その企業や業界、組織についてどれだけ理解しているかを問う「ビジネス知識」と、基本的なOAツールや業務フローの記述に使用するモデリングツールなど具体的なツールの取り扱いに関する「ツールとテクノロジー」必要です。これらは努力次第で一気にレベルを上げることができるので、今から力を伸ばしたいと思っている人はこちらに着目するのがいいでしょう。 

プロジェクト成功の鍵を握る存在 

ビジネスアナリストという仕事について理解は深まったでしょうか。ビジネスアナリストはプロジェクトを円滑に進める上で欠かせない存在です。専門職のように見えますが、コミュニケーション能力などもかなり重要な仕事です。こうしたソフトスキルは実践的な経験を多く積むことで磨かれていくため、意識を持って経験を積んでいくことが有効です。 

メールマガジン登録
転職やキャリアアップで一歩先に行くための情報を受け取ることができます

アプリをダウンロード

App Storeからダウンロード Google Playで手に入れよう