私たちは日々スマホやパソコンを利用したり、インターネットショッピングを楽しんでいますが、これらの活動を通して蓄積されたデータは「ビッグデータ」と呼ばれ、多くの企業が活用を推進しています。そんな中、注目されている職業の一つがデータサイエンティストです。

この記事では、データサイエンティストとはどういう仕事なのかに触れた後、「資格は必要なのか?」や「役立つ資格はどれか?」について詳しく解説します。ビッグデータの最新動向や採用トレンドを知りたい方は、マイケル・ペイジの最新レポート「ヒューマンズ・オブ・ビッグデータ」をご確認ください。この記事の最後には、レポートにも登場する弊社コンサルタントからのアドバイスも載せています!
 

1.データサイエンティストとは

まず、データサイエンティストとはどのような職種なのでしょうか。ここでは、データサイエンティストの具体的な仕事内容、求められる知識やスキル、そして年収について詳しく見ていきます。

1-1. 仕事内容

データサイエンティストの仕事は、一言で言えば「ビッグデータを活用して企業の課題解決に役立つ提案をすること」です。例えば、「売り上げが伸び悩んでいる」という企業の場合なら、顧客のデータや販売のデータなどをもとに売り上げ不振の原因を探り、売り上げの改善に役立つ提案を行います。データサイエンティストは企業の研究開発部門やコンサルティング部門などに所属し、まずはヒアリング等で企業がどのような問題を抱えているのかを明確にします。次に、企業に集められた膨大なデータを収集・分析し、クライアント(または自社)が抱える課題の背景や原因を把握します。それを踏まえた上で、課題の解決に必要なデータを再び収集し、グラフや表などのわかりやすい形に加工するのが主な仕事の流れです。

課題解決のヒントになるデータ分析は、ただ闇雲にデータを集めるだけでは埒が明きません。企業に集められたデータは形式がバラバラであることが多く、効率よく収集して分析するためには、まずはデータを扱いがしやすい形に変換しなければいけません。分析をしている間にも、どんどんと新しいデータは蓄積されていきます。そのため、データを綺麗に収納するための箱(データベース)を用意したり、この先も効率よくデータが取り出せるようにプログラムを組んだりする必要があります。

データサイエンティストの仕事は「分析して終わり」ではありません。分析したデータをもとにレポートを作成し、クライアント企業(または自社)の担当者にわかりやすい形で提案するのもデータサイエンティストの仕事です。このように、データサイエンティストにはコンサルタント的な業務も含まれており、ビジネスに関する基礎的な知識を備えておくほかにも、市場や競合他社の動向を観察することも大事になります。

1-2. 求められる知識やスキル

前述したように、データサイエンティストが行う仕事は「ビッグデータを活用して企業の課題解決に役立つ提案をすること」です。そのためにはデータを分析する能力だけでなく、データを効率よく収集したり取り出したりするためのITに関する深い知識、そしてクライアント(または自社)に提案できるだけのビジネスに関する知識が求められます。

データを分析するためには、数学や統計学などの基礎的な知識が必須です。データ分析に関する本のほとんどは基礎的な数学が把握できている前提で書かれていますので、数学に自信がない人が読んでも理解は難しいでしょう。また、データ分析を行う際には、統計処理の技術やデータマイニングの手法も学んでおく必要があります。AIや情報処理などの情報科学の知識も必要です。

また、膨大な量のビッグデータを効率的に収集したり取り出したりするには、プログラミングやデータベースに関する知識などが欠かせません。大量のデータを長時間に渡って処理を行うと、企業のサーバーに膨大な負荷がかかってしまいます。そうならないためにも、データサイエンティストの腕が試されます。データサイエンティストの現場で主に使われるプログラミング言語には、AIや人工知能にも活用されるPythonや統計解析向けのR言語、データを抽出するためのSQLがあります。Pythonは初学者でも理解がしやすい言語で、R言語をマスターする上でも役に立ちますので、これからプログラミングを学習するならPythonから始めるのがおすすめです。

データサイエンティストはビジネスに関する知識や洞察力が求められます。企業の抱える問題点を把握し、分析したデータをもとにして改善するための提案をしなければならないからです。問題点を把握し改善していくためには、ロジカルシンキング(論理的思考)のスキルが役立ちます。また、ITに関する専門知識がない人たちに対し、わかりやすい提案を行うためのプレゼン力や協力して課題解決していくためのコミュニケーション能力も必須のスキルと言えるでしょう。

1-3. データサイエンティストの年収

データサイエンティストの年収は、平均すると約500万円から700万円です。企業の規模によって年収は大きく前後し、経験やスキルによっては1000万円以上という会社もあるようです。日本の平均年収は400万円程度ですから、これと比較をするとデータサイエンティストの年収は高めと言えます。また独立の道もあり、さらに年収アップが狙える職種でもあります。
 

2. データサイエンティストが資格を取ると良い理由

データサイエンティストになるために特別な資格は必要ありません。前述したデータサイエンティストに必要なスキルさえ身に付いていれば、問題なく活躍できるでしょう。とはいえ、資格を取っておくと色々なメリットがあるのも事実です。資格取得の勉強はデータサイエンティストだけでなく、どの会社でも役立つスキルを身に付けるのに効果的ですし、資格を取っておけば就職や転職の際に持っている知識やスキルを客観的に証明できますので有利になります。
 

3. データサイエンティストにおすすめの資格とは

ここからは、データサイエンティストを目指す上でおすすめの資格をご紹介します。

3-1. 情報処理技術者試験

情報処理技術者試験は、情報処理技術者としての知識や技能が一定以上の水準にあることを経済産業省が認定する国家試験です。ITを利用したり活用する社会人に向けた最も基本的なITパスポートをはじめとして、高レベルの資格に至るまで合計13種類の試験が実施されています。

3-2. 統計士・データ解析士

統計士とデータ解析士は一般財団法人実務教育研究所が実施する、実務で統計やデータ解析を扱う人の能力を判定する資格です。取得することで、統計の基本的な知識と技術を持っていることを証明できます。受験資格は特になく、初学者向けの内容になっているため、データサイエンティストを目指す方にはおすすめの資格となっています。この資格は実務教育研究所が実施する現代統計実務講座(統計士の場合)、または多変量解析実務講座(データ解析士の場合)を受講した後、報告課題と週末試験の点数が基準点をクリアしていれば、資格が与えられます。

3-3. オープンソースデータベース技術者認定資格

オープンソースデータベース(OSS-DB)技術者認定資格は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)によって認定される民間のIT技術者資格です。データサイエンティストには、データを取り出したり整形する際にデータベースの設計や開発、導入、運用の技術が求められますが、オープンソースデータベース技術者認定資格はこれらの基本的な技術を学ぶのにとても役立ちます。この資格には「Silver」と「Gold」の2種類のレベルが存在し、Silverはオープンソースデータベースに関する基礎的な知識が、Goldはこれに関する深い知識が求められます。

3-4. オラクルマスター

日本オラクル社が開発し、提供しているオラクルデータベースの管理スキルを認定する資格がこのオラクルマスターです。オラクルデータベースは世界的にもシェアが多く、採用している企業が少なくありません。また、この資格を学習することにより、データベースに関する基礎的な知識を効果的に学ぶことが可能です。資格のスキルは順番にブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナがあり、初学者はブロンズから始めると良いでしょう。

3-5. 統計検定準1級

データサイエンティストには「データを分析した結果としてどのようなことが推測されるか」という統計学の知識が必要不可欠です。統計検定は日本統計学会が公式に認定している資格で、4級から1級までの5つのレベルがあります。中でも、準1級は2級までの統計学の基礎知識を踏まえながら、応用的な統計学の諸手法について問われます。この資格の勉強を通して、応用的な統計活用力を身に付けられるという点がメリットです。

3-6. Python3エンジニア認定基礎試験

Pythonは、データサイエンティストの中でも扱う頻度が高いプログラミング言語です。世界中で人気があり、データサイエンティストには必須とも言える言語ですから、学習しておくことをおすすめします。こちらの資格は一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施している民間の認定試験で、Pythonを使用したデータ分析に関する基本的な知識が問われます。

3-7. G検定・E資格

G検定・E資格は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施しているAI技術に関する試験で、機械学習やディープラーニングに関する知識や技能を認定します。ディープラーニングとは深層学習のことで、機械学習のひとつです。この資格にはジェネラリスト向けのG検定とエンジニア向けのE資格があり、E資格を受験するためには同協会指定の講座を受講する必要があります。
 

4. データサイエンティストの将来性

現在では当たり前のようにスマホやタブレットを持ち歩き、SNSやインターネットショッピングなどを気軽に楽しめるようになりました。こうした中、情報技術の発達によってビッグデータの市場はますます拡大する傾向にあります。そうした中、IT関連の人材はまだまだ不足しています。さらに、データサイエンティストについてはこの業種が世間に認知されてから歴史が浅いということもあり、クライアントに満足のいく提案ができる高い経験とスキルを持ったデータサイエンティストは数少ないというのが実情です。以前と比べて顧客ニーズの多様化が進む中で、ビッグデータの活用は企業の急務とも言える状況があり、データサイエンティストの需要は今後もますます増えていくと考えられます。テクノロジーは常に変化していることから、新しいスキルを取り入れ続けたり、得意分野を強化することにより希少価値の高いデータサイエンティストになれるでしょう。

幅広い専門知識を必要とするデータサイエンティストになるには、ただ漠然と勉強をするのではなく、関連する資格の取得を目指しながら勉強をするのが効率的です。資格取得が勉強のモチベーションになるのはもちろん、学習内容がそのままデータサイエンティストの実務に役立ち、しかも資格を取得しておけば就職や転職のときに有利に働きます。データサイエンティストを目指す方は、ぜひ参考にしてください。
 

5. 弊社コンサルタントからのアドバイス

データサイエンティストを目指している方へ

企業からよく寄せられるフィードバックの1つに、データサイエンスやビッグデータ分析において優れた技術力を持っていても、コミュニケーションスキルやビジネスの現場に対する理解が不足しているというものがあります。データサイエンティストには、データを分析する力だけではなく、それをビジネスに説明・提案することが求められます。コミュニケーションスキルに磨きをかけること、普段からビジネスに触れる機会を持つようにすることで、他の候補者に差をつけることができます。

東京オフィス テクノロジー部門 フウダ・エル・ファトニ氏

ビッグデータ分野でキャリアを積みたいと考えている方へ

方向性としては、事業社内でエンジニアとして働くか、コンサルティング企業やベンダー側で顧客向けエンジニアとして働くという二択があるかと思います。重要なことは、どちら側であっても、最新の技術を学べる職場を選ぶことです。ITテクノロジーの進化は非常に早いですので、最新知識を持っている技術者は需要があります。また、英語力は新しい技術を取り入れる上でも、海外の同僚と協力する上でも必要となってきますので、特にマネージャー職を検討されている方は英語力があるとさらに良いでしょう。

東京オフィス テクノロジー部門 大塚勇大氏
 

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