一般企業と同じように、法律事務所にも外資系があります。日本国内に居住していても、よりグローバルな活躍ができる外資系法律事務所への転職に興味を持つ人もいるでしょう。そこで、こちらの記事では外資系法律事務所の特徴や日本の法律事務所との違い、外資系法律事務所への転職を成功させるポイントなどについて紹介していきます。

1.外資系法律事務所の特徴

外資系法律事務所とは、日本以外の国に本拠地を置く法律事務所の日本支部です。事務所は日本に置いているものの、外国の法律事務所の傘下にある、もしくは事務所名を使うなどの提携関係にあるものを指していて、英国や米国などを中心とした世界規模の法律事務所ネットワークの一部として活動しています。ただし、外国の企業と資本関係が発生することが前提の一般企業とは異なり、必ずしも資本が外国由来であるとは限りません。2003年の外弁法(外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法)の改正で外国弁護士による日本弁護士の雇用や共同事業が自由化され、国内の外資系法律事務所は急激に増加したという背景があります。

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2.日本の法律事務所との違い

外資系法律事務所は日本国内の案件を担当しますが、仕事の内容や働き方などは日本の法律事務所と異なる点が見受けられます。以下に、日本の法律事務所との主な違いについて見ていきましょう。

2-1.働き方

外資系法律事務所の働き方は、基本的に本拠地となる外国の事務所と共通しています。そのため、仕事量によっては深夜など日付をまたいで働くこともある日本の大手法律事務所とは異なり、比較的早く退勤できる傾向にあると言われています。もちろん、外資系でも繁忙期で勤務時間が増えることはありますが、仮に残業が必要になったとしても23~24時くらいまでには退勤できるケースがほとんどです。

これは、日本では案件ごとに弁護士が担当を割り振られて業務内容が多岐にわたっているのに対し、外資系ではチームを組んで業務を専門家・細分化しているため、個々のやるべきことが明確で効率よく業務を進めることができる点が要因の一つと考えられます。担当すべき業務の目的や内容が分かりやすく効率化されているため、必要な時には仕事に集中し、一段落したら希望に応じてしっかり休みを取得するといった勤務がしやすくなっています。常に時間をかけて仕事をする環境ではなく、状況次第で自由な時間を確保しやすいメリハリのついた生活が可能です。

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2-2.年収・給与

年収・給与についても、外資系法律事務所は日系の事務所と大きな違いが見られます。元々、弁護士は実力主義の世界と言われていますが、日系の法律事務所では固定給になっているところがほとんどです。一方、外資系法律事務所では特に実力主義が顕著であり、専門性を高めてパートナー弁護士としての地位を確立できれば、勤続年数に関わらず高額な年収を狙うことも可能です。外資系の法律事務所は弁護士資格の他に語学力や外国の法律などの知識やスキルを必要とされるため、日本にある外資系企業と比較してもやや年収が高い傾向にあるとされています。目安としては初任給で年収1000万円以上になることが一般的ですし、世界的に手広く展開しているグローバル基準の報酬体系になっている事務所ならば、さらに給与が高いといわれています。

2-3.扱う法律・案件

同じ法律事務所でも、幅広い案件に対応する日系法律事務所とは異なり、外資系では専門的な案件が多くなります。主なクライアントは日本に拠点を置く外国の大手企業や、外国に拠点を置く日本の大手企業ですが、比較的外国企業の比率が高い傾向にあります。そのため、家事事件や刑事事件はほとんどなく、民事事件の中でも一般企業法務や国際的なM&A案件、金融・ファイナンス案件などを扱うことが基本です。また、これらの案件について日系の法律事務所は日本の法律に基づいて法的なアドバイスを行いますが、外資系法律事務所は日本だけでなく、各国の法律に基づいてグローバルな法的サービスを提供できることを強みとしています。

2-4.共通語

事務所内での共通語についても、大きな違いがあります。外資系法律事務所では基本的に共通語は英語となっていて、日本国内の事務所でも所内はもちろん、クライアントとのコミュニケーションにおいても英語が使われる機会が多いです。もちろん、国内の案件や日本企業からの依頼もありますので、担当する案件によっては英語を使用しない場合もありますが、逆に、クライアントが外国の担当者である場合、きちんと意思の疎通ができて専門用語も使いこなせなくてはなりません。

関わりが深いクライアントの国籍や案件によって、外資系の法律事務所でも必要な英語のレベルはそれぞれ異なります。高いレベルの英語力を求められるケースもありますので、転職希望の際は確認しておいた方が良いでしょう。

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3.外資系法律事務所で働くメリット

外資系法律事務所で働くと、多くの案件を担当して弁護士としての経験や実績を積めるだけでなく、外資系ならではのメリットが得られます。以下に、具体的にどのようなメリットがあるのか紹介していきます。

3-1.専門的なスキルを学べる

弁護士としてのキャリアアップを目指す際、幅広い分野に対応できるスキルを目指す人もいれば、専門的な知識を掘り下げていくことを目標とする人もいます。外資系法律事務所では企業法務の案件が多いため、後者のようなスキルアップを目指すなら、最適な職場と言えるでしょう。また、共通語が英語になっているため、言語や国籍、文化の壁を越えて相手とコミュニケーションを取れるようになるだけでなく、外国の法律も学ぶことで日系の法律事務所では得難いスキルが手に入ります。将来的に独立を考えている場合にも、このような外資系ならではのスキルや培った経験は大きな武器となるでしょう。

3-2.英語力の向上

外資系法律事務所では、日本の法律事務所ではなかなか伸ばすことが難しい英語力も向上が見込めます。そもそも共通語が英語なので業務や所内での交流など、英語に慣れる機会が豊富にあります。諸外国の弁護士やクライアントと接する機会も多く、コミュニケーションをとる機会が増えることで日常では耳にすることが少ない専門用語も身につき、知見が広がる点も大きなメリットです。

弁護士として必須のスキルではありませんが、ある程度の英語力が身についているということは、本人が有能なスキルを持っている証明にもなり、クライアントからの信頼にもつながります。将来的に独立や別の事務所への転職を考えるときにも、英語に堪能な弁護士という肩書は大いに役立つでしょう。
 

4.外資系法律事務所への転職を成功させるためのポイント

外資系法律事務所への転職を成功させるには、いくつかのポイントがあります。まず、共通語が英語である以上、英語力を身につけることは急務です。大手の外資系事務所の場合、採用条件としてどれくらいのレベルの英語力が必要か提示しているところもありますので、転職先を選ぶ際の参考にしましょう。また、面接では論理的で誠実なアピールが必要です。自分の経歴やスキルを踏まえ、どのような弁護士になりたいか、どのように業務に携わりたいのかをきちんと伝えましょう。将来的にどのようなキャリアを描いているのか、所内のスタッフと友好的に働ける人柄や品位を持っているかなどもチェックされます。
 

外資系法律事務所の特徴を把握してスムーズに転職活動を進めよう

このように、外資系法律事務所は日本の法律事務所とは異なる部分も多く、自分が目指す働き方やスキルに合っている場合にはやりがいのある職場となります。まずは、転職希望の事務所について情報を確認しておきましょう。マイケル・ペイジでは、外資系法律事務所をはじめとして語学力や専門知識を活かせる豊富な求人情報を掲載しています。外資系企業に興味のある人は、ぜひチェックしてみましょう。
 

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