現代的なオフィスで微笑む6人のグループ。

IT系の企業には様々なポストが用意されていますが、中でもプロダクトマネージャーという職種が注目を集めています。多様化するIT職種の中でプロダクトマネージャーがどのような役割を担っているのか、気になっている人も多いでしょう。プロダクトマネージャーについて仕事内容や求められるスキルなどを網羅的に解説します。混同されやすいプロジェクトマネージャーとの違いにも触れるので参考にしてみてください。

プロダクトマネージャーの求人
 

1.そもそもプロダクトマネージャーとは?

プロダクトマネージャーは企業が開発するプロダクト、つまり「製品」を成長させるための総合的な指揮・管理を行う事が求められるポストです。「Product Manager」の頭文字を取って「PM」あるいは「PdM」と呼ばれる事もあるので覚えておきましょう。具体的には顧客満足度の向上を図り、製品による利益を最大化させるための取り組みを行います。製品を開発するチーム内や管理職からは、より一層良いモノを作るためのアイディアが次々に出されるでしょう。プロダクトマネージャーはそういった意見を取り入れながら、設定された目標や目的を実現・具現化するための指揮官です。営業や販促など企業の利益に直結する職種は様々ですが、プロダクトマネージャーもその1つとしてカウントして差し支えないでしょう。IT技術が発展してから生まれた比較的新しい職種とされており、成長著しいIT企業の間で散見されます。
 

2.プロダクトマネージャーの主な仕事内容

「目標・目的の実現」と言われても、具体的なイメージが中々湧かないという人も居るでしょう。ここではプロダクトマネージャーが実際に現場で担当する主な仕事内容について詳しく掘り下げます。

2-1.企画の立案

プロダクトマネージャーはまず、製品の企画立案がメイン業務となります。企業が開発する製品はただ単に「自分たちが良いと思うモノ・作りたいモノ」であれば良いという訳ではありません。顧客の声や市場のニーズを注意深く観察し、それに応えられる製品を開発する事が求められます。そのためにプロダクトマネージャーは製品開発の最初期段階にあたる企画立案を担当するのです。具体的にはターゲット層の選定から始まり対象となるマーケットの調査、着手から完成までの開発計画策定を行います。掲げた目標に対して最適なプロダクトを開発し、経営目標を達成する事を目的とした立案が使命です。また、KPIやKGIといったビジネス指標を駆使して従業員全体で共有するロードマップの作成も担当します。

2-2.戦略の策定

いくら自社で素晴らしい製品を開発出来たとしても、それを周知・販売するための策がなければ業績を伸ばす事は難しいです。プロダクトマネージャーは利益を最大化させるために必要な各種戦略の策定も行います。プロダクトのターゲット・コンセプトについて価値や優位性を整理し、そのプロダクトを「成長」させるための方法を考えるのが仕事です。プロダクトマネージャーは開発する製品について理解度が深いポジションであるため、そのセールスポイントを活かすマーケティング戦略・販売戦略の策定を任されるケースも多いと言えます。ただし、こうした仕事はプロダクトマネージャーの一存ですべてが決まる訳ではありません。必要に応じて生産・営業・マーケティング・販売など様々な部署と連携を取りながら方向性を定めていきます。

2-3.プロダクトリリース後の効果測定・分析

企業の製品開発はリリースしたらそれで終わりというものではありません。特にIT業界ではソフトウェア・ハードウェアを問わずリリース後の効果測定・分析が業績や企業の評判に大きく影響します。プロダクトマネージャーは製品をリリースした後の動向を細かくチェックして、プロダクトの成長に必要なアクションを立案していくのも大切な仕事です。効果測定で得られた情報を基に分析を行い、プロダクトをより良いモノにするための改善点を見つけ出します。もちろん、改善点が分かっても具体的な対策が分からなければ企業としてはアクションを起こす事が出来ません。プロダクトマネージャーは改善点を製造プロセスや販売戦略に具体的な方法で落とし込み、プロダクトの成長と企業の利益向上へ繋げる事が求められます。
 

3.プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの違い

「プロダクトマネージャー」と「プロジェクトマネージャー」は言葉が似ているため混同されやすいですが、実際は明確な違いがあるので注意が必要です。まず、プロダクトマネージャーという職種は製品開発における一連の流れを俯瞰で管理するために置かれています。「What(何を)」「Why(何故作るのか)」の2点に責任を負っているとイメージすると分かりやすいでしょう。顧客やクライアントが抱えている課題点を解決するために「何」が必要なのか、そしてそれは「何故」なのかを明確にします。これに対してプロジェクトマネージャーは製品開発プロセスの完遂を目的として職種であり、責任を負っているのは「When(いつまでに)」と「How(どのようにして)」の2点です。スケジュール管理や品質維持、開発コストの管理といった役割を担っています。

関連記事:プロジェクトマネージャーの具体的な仕事内容とは?
 

4.プロダクトマネージャーの年収の目安

プロダクトマネージャーの年収は350万~1000万円程度とされており、平均的には年収700万円前後をイメージしておくと良いでしょう。ただし、比較的新しい職種であるプロダクトマネージャーはまだまだ正確な統計情報が集まっていないため、一概に年収を見定める事が難しいという実情があります。あくまでざっくりとした目安として捉えておくのが賢明です。年収の開きが比較的大きいのは、業界や企業によってプロダクトマネージャーとしての立場や任される仕事内容が異なるためであると言えます。また、IT系企業や外資系企業は取り分け成果報酬型を採用しているところも多いため、成果や業績を上げている人は高い年収を実現している傾向があるので留意しておきましょう。
 

5.プロダクトマネージャーの将来性やキャリアプラン

日本ではIT技術の進歩とデバイスの普及が急速に進み、それに呼応したITやWebを活用したサービスを展開するプロダクトも増加傾向にあります。事業成功のためには製品への深い理解と経営者的な視点を併せ持ったプロダクトマネージャーが、多角的な施策を立案して成功に導く事が必要です。企業としてもプロダクトマネージャーを任せられる人材はニーズが高く、今後の人材市場でも需要は高い水準を維持すると予想されています。IT系製品の開発を手がける企業の間では、プロダクトマネージャーが事業成長において重要な役割を果たすポジションであるという認識が広まってきているのです。特にユーザー視点を強く意識したプロダクト開発を得意とする人材は市場評価が高い傾向にあります。普段から1ユーザーとしての感性や意見を持ちつつ、それをプロダクト開発に反映させるだけのスキルを磨いてキャリアプランを練り上げましょう。
 

6.プロダクトマネージャーに必要な3つのスキル

プロダクトマネージャーは製品開発の初期段階からリリース後のケアまで業務範囲が幅広いため、様々な能力が求められます。その中でも特に重要とされるのが以下の3つのスキルです。

6-1.1.理解力や考察力に関するスキル

プロダクトマネージャーは「考える力」が重要になる職種です。中でも「理解力」と考察力」は欠かせないと言って良いでしょう。つまり、プロダクトマネージャーには正確な「ロジカルシンキング」が求められるのです。プロダクトマネージャーは顧客の課題把握から始まり製品の開発・販売、リリース後の改善におけるプロセスなどで発生する様々な課題についてその都度対応します。製品に求められているものやそれを実現するために必要な対策を明確にする「理解力」、そして論理的な考えに基づいた改善計画を立案するための「考察力」を磨いておきましょう。

6-2.2.コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは様々な職種で重要なビジネススキルの基本ですが、その重要性はプロダクトマネージャーの仕事においても例外ではありません。プロダクトマネージャーは製品の成長と利益最大化のため、様々な部署と関わりを持ちながら仕事を進めていく職種です。効率的かつ円滑にプロダクト開発を進めるためには、正確に伝える力・正確に汲み取る力が求められます。

関連記事:アサーティブコミュニケーションとは?意味や実践方法を解説

6-3.3.マネジメントスキル

プロダクトマネージャーは製品開発に携わるメンバーを取りまとめる立場であるため、マネジメントスキルが仕事の成否を大きく左右します。マネジメントとは製品開発に必要な指示を出すだけではありません。開発メンバーそれぞれの特性を理解した上での管理・サポートを心がける事で、初めて作業がスムーズに進行していくのです。このように、プロダクトマネージャーには責任ある立場として多様なメンバーを統率するスキルが求められます。プロダクトマネージャーが理解を深めるのは「製品」だけでなく「人」についても同様なのです。
 

7.プロダクトマネージャーの仕事に役立つ資格

  • ITストラテジスト試験
  • システムアーキテクト試験

プロダクトマネージャーとして仕事に就くためには、特に決められた資格を取得する必要がありません。能力や実績を認めてもらえれば良いのです。しかし資格の取得は体系的な知識やスキルが身に付く他、客観的に実力を証明する材料にもなるのでおすすめです。プロダクトマネージャーの仕事に役立つ資格としては、例えばIPAが実施する国家試験である「ITストラテジスト試験」が挙げられます。ITストラテジスト試験は情報処理技術者試験の1つであり、その中でも高い難易度で知られている資格です。そのため、取得によるアドバンテージは小さくないと言えるでしょう。出題範囲は主にテクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系などです。

また、同じくIPAが実施する国家試験の「システムアーキテクト試験」もおすすめです。この資格は上級システムエンジニアを対象としているため、試験も専門性の高い内容となっています。システム分析と要件定義・外部設計、アーキテクチャ設計・全体最適化など実務に役立つ知識を身に付ける事が出来るでしょう。ある程度実力が付いたと実感してから挑んでみるのがおすすめです。
 

プロダクトマネージャーはニーズの高い仕事!挑戦してみよう

日本社会のIT化はどんどん進行しており、便利な製品が次々と開発・リリースされています。その影でプロダクトマネージャーが果たしている役割は大きなものと言っても過言ではありません。社会的なニーズに応えながらやりがいも大きい職種です。IT関係の仕事に興味がある人はマイケル・ペイジを通して挑戦してみるのも良いでしょう。「モノ」と「人」についての理解が深まる魅力的な職種となっています。

プロダクトマネージャーの求人

メールマガジン登録

転職やキャリアアップで一歩先に行くための情報を受け取ることができます

アプリをダウンロード

App Storeからダウンロード Google Playで手に入れよう