ステップアップのための転職

財務部門や経理部署などで活躍する方は学生時代に経営学部や財務学部で財務会計や簿記などを学んできた方や簿記や会計ソフトのスキルを専門学校で学んだ方、独学で習得し、そのスキルや資格に期待されて就職したという方もいれば、最初は伝票整理などの簡単な入力作業や補助業務から始めてOJTで経理業務をマスターしたといった方もいます。

財務や経理の仕事は意外に奥深く、会社の規模や業種によっても内容が異なってくることも少なくありません。そのため、転職を希望する理由の1つに今よりもさらにステップアップやキャリアアップが目指せる会社や職場にチャレンジしたいというケースがよく見受けられます。たとえば、未経験で入社して伝票整理から徐々に業務を覚えたという方なら、経験を買ってくれて、より高いポジションに就ける職場に転職したいと思うかもしれません。一方、今の職場では資格取得支援制度や研修制度が充実していないことを理由に自分が身に着けた業務経験を資格やスキルとして確実なものとするために資格取得をサポートしてくれる会社に転職を希望する方もいるでしょう。

規模の大きな会社で専門性を極めたい

財務部門や経理職に就く場合、一般的には簿記2級以上といった専門知識やスキルが求められることが少なくありません。この点、簿記1級となるとかなり高度になるうえ、合格率も低くなります。もし、小さな会社にて経理職で働きながら、独学で頑張って簿記1級を取得したとなれば、商店での売り上げ計算や出張費の精算といった日常的な業務にとどまらず、大きな企業の決算業務に携わりたいとキャリアアップを目指した転職を希望される方もいます。

責任ある仕事が辛くなった

財務や経理の経験者は性格的にも細かく正確性を好み、スキルを生かした転職を希望する方が多いですが、中にはこれまでとは異なる職種や未経験の職種へと転職を希望される方もいます。その理由としては常にお金の細かな計算をすることや企業の血液ともいえるお金の流れを扱う責任ある業務にストレスを感じたといったケースも少なくありません。1円でも合わないと合致するまで帰れなくなる場合や決算時期には毎日残業が続いて体が辛いと訴える方もいらっしゃることでしょう。また、仕事自体は好きだけれど、逃れられない決算期の残業と子育ての両立が難しいと残業がない仕事へと転職されるケースもあります。

細かな仕事が大変になった

計算力に自信がある、経営マネジメントに近い立場でお金の流れに携わる仕事がしてみたいと財務や経理の職に就いた方の中にも、実際に経験したら性格的に合わない、集中力が保てないといった方も出てきます。
そうした方も別の職種へと職種転換を伴う転職をされる方もいるのです。お金や数字だけと1日中向き合うのではなく、人とのコミュニケーションをしたいと接客業を選ぶ場合やずっと座りっぱなし、頭を使いっぱなしの仕事が辛くなったからと外回りの営業職などに転職する方も少なくありません。

転職の理由は人それぞれ

仕事が大変とか合わないという理由での転職はマイナスイメージを持たれるかもしれません。ですが、どんな職種であれ、実際にやってみて合う、合わないは出てくるものですし、結婚や出産、介護などのライフスタイルの変化や興味の変化などに応じて求める職場環境やワークスタイルが変わってくることもあるでしょう。それに合わせての転職も、立派な転職の理由になります。さらに職種が全く変わる場合や未経験の仕事に就くとしても、簿記の知識や計算に強いといったスキルやお金に細かく管理ができるといった能力は仕事の種類を問わず役立つものです。
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