経理としてのキャリアアップを目指すのであれば、外資系で働くことも視野に入れるとよいでしょう。外資系企業に転職できれば、日系企業よりも多くの収入を得られる可能性があります。英語力に自身がある人は、外資系への転職を検討してみてください。この記事では、外資系の経理に必要なスキルや、持っていると役立つ資格などについて解説します。

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1. どんなスキルがあれば有利になるのか

経理や会計職は専門職と言えますが、転職などでキャリアアップを目指す場合、どのようなスキルを持っているかが成功のカギとなります。
経理や会計はどんな企業でも必要なポジションのため一定の需要はありますが、バックオフィスは規模が限られるため必然的に競争相手も多くなります。
そんな中、転職においてどのようなスキルや資格を持っていれば有利になるのでしょうか。
実は専門的な知識や実務経験にプラスして、備えていると組織人としてより評価が高まるスキルがあるのです。

1-1. わかりやすくまとめる資料作成スキル

経理や会計に求められるのは、帳簿や財務関連の表作成だけでなく、それらの数値を専門知識を持たない人でも見てすぐわかる資料にまとめる資料作成スキルです。
経営のジャッジを下す部署や上層部が、経理や会計の専門知識を有するとは限りません。資金の動きや金額の変動を、どの立場の人が見てもすぐに把握できるわかりやすい資料を作成するスキルがあると、人材として非常に価値が高まるでしょう。経営者が自社の資金繰りを即座に理解できる環境を提供できる人は、貴重な戦力になり得るからです。
数字でもグラフでも、わかる人が見ればわかるといった資料では片手落ちです。キーワードは「誰が見てもわかる」ですので、自身にそのスキルがあるかどうか考えてみましょう。

1-2. 円滑なコミュニケーションスキル

経理や会計の仕事は、経営者はもちろん、社内の各部署と確実に連携を取る必要があります。連絡事項がスムーズに伝わる環境を構築するのは、やはり人と人とをつなぐコミュニケーションスキルです。また、数字をまとめてデータを資料にまとめるだけでなく、課題の提示や経営戦略、事業展望などをプレゼンする能力があれば、専門職として非常に優秀な人材と言えます。

1-3. 経営者視点の分析スキル

単に日々の金銭の入出データをまとめるだけでは現場仕事です。そこからキャリアアップするためには、経営者視点が必要となります。必要なのは長期視点での分析スキルで、会社経営における課題や戦略などを分析提案できる能力があれば、非常に価値の高いプラスアルファとなります。お金の専門家であり、資金の流れを知りつくしているからこその着眼点で提案できる人材は、経営者にとってもっとも頼れる右腕です。ときに経営者の予想を覆すような大胆なアイデアや発想も、こうした専門家だからこそ提案できることでしょう。お金の専門家だからと言って、日々目の前の数字を集計しているだけではキャリアアップは望めません。それをベースに、今後会社がどのように舵を切って行くべきか、常に経営者とともに先を見通せるスキルがあれば、大いに羽ばたくことができるでしょう。
 

2. 経理・会計職でこれから役立つ資格とは

資格は、第三者が疑問をはさむ余地なく、その人の持つ能力を客観的に理解できる指標となります。経理・会計職にはさまざまな資格がありますが、これからの転職を考えたときに役立つ資格を紹介します。

2-1. U.S.CPA(米国公認会計士)

アメリカの公認会計士資格であり、グローバル化が進む現代のビジネスシーンでは、会計基準を国際会計基準(IFRS)にシフトする動きも盛んになりつつあります。会計や英語、ITに至るまで知識が身につくU.S.CPAは、この分野においてこれ以上なく大きな強みになります。外資系企業や海外就職も視野に入れることができますし、もし新卒でU.S.CPAを取得していれば、非常に希少な人材として大手に即採用される確率も高いでしょう。

2-2. BATIC(国際会計検定)

グローバルビジネスに対応できるスキルを証明する会計検定です。英文簿記や国際会計理論が出題されますが、高いスコアを得ることができれば外資系企業や海外就職のチャンスが広がります。こちらは国際会計基準(IFRS)に対応することが可能で、TOEICの高スコア取得者や日商簿記合格者がステップアップのために受験することが多いです。まさに、キャリアアップのための資格と言えるでしょう。

2-3. 日商簿記検定

外資系企業への転職を目指すにあたって、日商簿記検定もぜひ取得しておきたい資格の一つです。日商簿記検定では、会計実務や商業簿記など、経理に関する知識が問われます。3級では基本的な商業簿記についての知識が問われ、合格すれば仕訳に関する知識力をある程度アピールすることができます。2級の試験では、高度な商業簿記に加えて工業簿記に関する問題も出題されます。2級からは難易度が大きく上がり、合格率も2割程度まで下がるので、合格すれば強力なアピールポイントになるでしょう。1級はさらに難易度が上がりますが、評価されやすく、転職でも有利になる資格です。なお、2級の合格に必要な勉強時間の目安は200時間程度といわれています。

2-4. 英文経理のプロを目指す

上記資格で英文経理のプロを目指すという選択肢も考えられます。U.S.CPAやBATICなどの国際的な資格では、会計知識だけでなく会計で活かせる英語力が非常に大きなポイントになります。ビジネスがグローバル化し、あらゆる企業の経理や会計で英語の専門用語が使われるようになっていますが、こうした専門英語を理解するスキルは通常の英語検定では得られません。英文経理を駆使できる人材は、これからの時代を担う即戦力として多くの企業に喜んで迎えられるでしょう。どのようなビジネスシーンでも大いに役に立ってくれるはずですので、間違いなく転職では強みになります。経理や会計職だからと言って、専門知識や実務能力だけを磨いていても、そこから上がっていくのは困難な時代です。専門を超えたスキル、国を超えたスキルが求められますが、それらのスキルがあれば、転職時にライバルと大きな差を付け有利になることができるでしょう。
 

3. 外資系企業の経理を目指すときに必要なスキルをチェック!

それでは、転職先として外資系企業を考えている人のためにそちらに特化したスキルをまとめてみましょう。外資系企業の経理なのだから日本の一般的な企業とは仕事が異なるかと思われるかもしれませんが、実際には売掛や買掛の債権・債務管理、出納管理、帳簿管理など基本的な部分は日本企業と同じです。

ただし、本国の会計基準は異なることもあるため、本国での決算に使用する際に本国基準の帳簿や決算書類なども作成する必要があります。当然、通貨は円のほか本国通貨で記載する必要がありますので、そちらが特殊な点でしょう。
公用語で書類作成することもあるため、本国の言語は理解しておく必要があります。決算期が日本と異なれば本国の決算期に合わせて正規の決算書や仮決算を行わなければなりませんし、日本式の部分と本国の基準と両方を適用しながら複数の方式を理解し、柔軟に対応していく必要があります。

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4. 外資系企業と国内企業の会計基準の違いは?

外資系企業では国内企業と異なる会計基準を採用しているため、まずはその違いを理解しておきましょう。
国内企業では、「日本会計基準」「米国会計基準」「国際会計基準」「国際会計基準の日本版」という4種類の会計基準が採用されています。

日本会計基準は、一般的な日本企業の多くで採用されている、企業会計原則に基づいて設定された会計基準です。国際市場における影響力はほとんどありません。
次に、米国財務会計基準審議会で発行されているのが米国会計基準です。アメリカの上場企業でよく採用されており、財務会計と税務会計で違う基準を選択できるという特徴があります。
国際会計基準(IFRS)は世界標準を目指して作られており、海外で資金調達しやすくなるのが特徴です。国際会計基準の日本版(J-IFRS)は国際会計基準を日本向けに調整したものです。外資系企業では国際会計基準の導入が進んでいるので、外資系への転職を目指す人は国際会計基準の知識を身に付けておくとよいでしょう。

4-1. 特別に必要とされるスキルはない?

  • 経理業務を行うなら簿記2級
  • 英語力(TOEICやBATICなど資格があると有利)

外資系企業の経理だからと言って、特別に持っていなければならない資格があるわけではありません。ただ、上記のような本国の業務をスムーズに並行するにあたり、持っていた方が良いスキルはもちろんあります。まず、経理業務を行うために簿記2級は必要です。また、基本的に英語の使用が多くなりますし、本国担当者とのメールや電話でやり取りをするのも公用語が多いでしょう。必要とされるのはTOEICや国際会計検定(BATIC)などで、採用時にこうした資格を持っていると、経理の実務が浅くても採用の可能性が生まれます。

4-2. 外資系企業の経理で働くときの注意点とは?

外資系企業は本国の親会社が子会社にかかる費用を一括管理するパターンが多く、後で子会社分の費用を割り出して子会社に請求する形式となります。そのため子会社への請求費用に疑義がないか税務調査が入ったとき、必ず重点的に調査されるポイントですので、スムーズにクリアする必要があります。あらかじめ本国から費用請求の計算シートをもらい、税務調査時には根拠として提出できるようにするなど、特別な準備が必要です。

また、租税条約にも注意が必要です。租税条約は国を越えて取引を行う場合、二重課税や脱税が行われないよう定められているものですが、知らない間に改正されている場合があり、損失になるリスクがあります。租税条約は改正されていないか、定期的に確認する必要があるので覚えておきましょう。
 

5. 外資系企業の経理で働くメリット・デメリットを知ろう

  • メリット:給与が高く、残業は少ない。自分のペースを守って仕事ができる。
  • デメリット:年末年始が忙しく、休暇が取れない可能性。また撤退時のリスクも。

外資系企業の経理で働くメリットは、まず給与が高いことでしょう。ほとんどの場合、日本企業で同じく働くより高収入を得ることができます。その割に残業が少なく、この点は日本とは雲泥の差と言えます。外資系企業の経理は業務内容が比較的限定されているため、仕事が処理しきれないような分量の業務は行わないのが特徴です。特徴としては個人で仕事を進める気風が強く、チーム一丸となって1つの業務に取り組むような進め方にはなりません。自分でペースを守って仕事をしたい人には大いにメリットになります。

一方でデメリットとしては、強いて言えば12月決算なので年末年始が忙しくなることが挙げられます。昨今は日本企業も決算期が流動的なのでさほど大きなデメリットではないですが、本国の習慣で年末年始が特別期間という概念がない場合も多々あります。日本の大多数と同じように休暇が欲しいという人には、向かない場合もあるでしょう。もっと大きなデメリットは、その企業が日本から撤退する可能性が常について回ることです。親会社が子会社を引き上げることは珍しいことではありません。撤退とともに職場を失うわけですから、決して小さくはないデメリットということを意識しておきましょう。

ただ、外資系企業ならではの社風や特徴、注意点などをしっかり理解したうえで臨めば、より自分らしいキャリアアップを果たすことも可能です。ポイントを押さえて経験を積み、スキルや資格、言語を身につけながら、大いに活躍してください。

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外資系企業の経理として活躍しよう!

経理としてのキャリアアップを目指す場合、外資系企業への転職を視野に入れたいところです。外資系は日系よりもワークライフバランスが実現しやすく、大幅な収入アップも夢ではありません。U.S.CPAやBATICなどの資格を取得し、外資系企業の経理として活躍できるよう準備しておきましょう。「マイケル・ペイジ」は外資系に特化した転職エージェントです。まずはマイケル・ペイジに会員登録し、自分にとって働きやすい外資系企業を探してみるとよいでしょう。

【2019年9月23日公開 - 2023年5月26日更新】

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