外資系企業は日系の企業とは雇用形態に関し、異なる部分が多いことが特徴です。なかでも、外資系企業には定年があるのか、日系企業の定年にあたる年齢まで長く働くことはできるのかについて気になっている人もいるでしょう。この記事では、外資系企業の定年について説明するとともに、高齢になっても働き続けるコツも紹介します。

外資系企業には定年はある?日系企業との比較

まずはそもそも外資系企業に定年があるのか、日系企業と比較しながら確認していきましょう。大部分の日系企業には定年の制度があります。かつては一般的に60歳が定年でしたが、2019年現在は60歳を超えて働くことを希望する人については、65歳まで雇用せねばならないということが法律で定められています。なお、定年を65歳と決めている企業が多いなか、65歳以上が定年の企業もあります。

それでは外資系企業は、どのようになっているのでしょうか。アメリカやイギリスなど定年がない国もありますが、日本に拠点を持つ外資系企業は日本の労働法が適用されるため、希望すれば65歳までの雇用義務があります。ただし、定年があるから安定して定年まで確実に雇用されるというわけではありません。年をとっても若い人と同じように成果をあげ続けることが求められます。日系企業の場合、企業の方針によっても異なりますが、若い人は経験を積む意味でバリバリ働き、年をとるごとに部下など人を動かしながら働くという、年功序列的な考えが働き方にも見られます。このような定年までの仕事に関する考え方の違いもポイントです。

外資系企業で高齢となっても働くことはできる?

希望すれば日本に支社がある外資系企業では、日系企業のように定年まで勤務することができます。それでは、実際に60~70歳程度まで働くことは可能なのかどうかを見ていきましょう。外資系企業の場合、仕事で成果を発揮すれば、60歳を超えても高報酬を貰える可能性があります。日系とは異なり、成果主義の外資系では年功序列で収入が増えていくわけではないことに注意が必要です。

外資系企業に入社したものの、常に成果を上げ続けなければ認められない社風が、肌に合わないと感じる人もいるでしょう。実力不足や居心地の悪さから自ら転職を希望する人もいますが、外資系では転職すること自体はネガティブなことではありません。珍しいことでもないので、自分を責めずにより働きやすい職場を探すことが大切です。前の会社より少し規模が小さい外資系に転職するなどして仕事をし続けていけば、定年を迎えるまで働くことが可能でしょう。

外資系で定年まで1つの会社で働く人は少ない?

前項で、外資系企業における転職はネガティブではないと述べましたが、元々外資系で定年まで1つの会社に勤めあげる人は少ない傾向にあります。その理由について説明していきましょう。

終身雇用という概念がない

そもそも終身雇用という考え方が外資系企業にはないので、転職はして当たり前という風土があることは大きいでしょう。日本で会社勤めをする人は、同じ会社に長く勤め、仕事の基盤を作りながら安定した収入を得るという働き方を良しとしていることが少なくありません。しかし、外資系企業に勤める人は、キャリアアップのために転職していくこと前提で、就職先を選ぶ場合が多い傾向にあります。会社のために働くというよりは、自分のキャリアやライフスタイルを重視したい人が多いということです。

転職した方が有利という考えがある

外資系においては、長く勤めていると自然に待遇が改善されていく仕組みはありません。日系企業のような年功序列の慣習がないため、年齢に関係なく、成果を上げられる人はキャリアアップでき、成果が上がらない人は相応の待遇となります。そのため、1つの会社に勤め続けているより転職したほうがよいと考えられています。なお、外資系に入ったものの、収入や勤務スタイルが自分に合わず、日系企業に転職していく人もいます。ボーナス格差や本国に合わせた休日出勤など、日本ではあまり馴染みのないルールが多くしっくりこないこともあるでしょう。外資系と日系、どちらが良い悪いではなく、人それぞれ働きやすいと考える環境は異なるということです。

外資系企業で定年を迎えるときの注意点は?

外資系企業で定年を迎えたいと考える場合、いくつか注意しておくべき点があります。例えば外資系企業には退職金がないので、老後の資金はしっかり計画しなければなりません。退職金がないのは、日系とは違い終身雇用という考えがないためです。ただし、退職金がなくても、日頃の給与が多かったり、インセンティブなどの特別ボーナスが貰えることを考慮すると、外資系だから損というわけではないでしょう。

また、退職勧奨として、年収の1~2倍に相当するお金が貰える制度があり、人によっては何回も支払いを受けているケースもあります。退職金代わりに確定拠出年金を設けている企業もあり、転職しても引き続き運用を続けられます。いくらもらえるか、きちんともらえるかあてにならない退職金よりも、コンスタントに得られる高収入の方がありがたいという意見もあります。

高齢でも外資系企業で重宝されるには?

それでは、高齢でも外資系企業で重宝されるのはどのような人材なのでしょうか。実際に外資系で転職を繰り返し、60歳になっても700万円という高収入を得ている人もいます。しかし一般社員ではないそれなりのレベルの人しかこのレベルの収入は得られません。スタンドプレーはできなくても、自分に求められている仕事をきちんとこなす人も企業に重宝されます。また、いくら多く残業をしても努力しているとは評価されないので、効率よく仕事をするよう心がけることも大切です。

キャリアやライフスタイルなど個人を重視する外資系であっても、上司や同僚とは良い関係を築くようにしましょう。若い人に負けないバイタリティをもち、熱心に勉強したり、新しい物を取り入れたりすることもポイントです。なお、食品系などでは日系寄りの風土の企業もあります。これは、ほかの外資よりも食品系は昔から日本に参入している企業が多く、日本の環境に近い部分があるためです。どのような職場が自分に合っているのか、働きやすい会社を見極めるのも重要です。

外資系企業でも定年はある!ポイントを押さえて高齢でも働こう

外資系企業にも定年はありますが、一つの会社に入社から定年まで勤めるという人はあまりいません。外資系ではキャリア形成のために転職を繰り返す人も多いので、転職しつつ長く働くのが主流です。日系企業の定年とされる60~70歳でも、ポイントを押さえれば会社に重宝されつつ働き続けることも可能です。ぜひこの記事を参考にしながら、自分の求めるキャリアや職場環境について考えてみてはいかがでしょうか。

 

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