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ITマネージャー(ITマネジャー)というのは、その名の通り企業の社内におけるIT部門をとりまとめる役割を担う職種です。もっとも、概要や具体的な仕事の内容、求められるスキルなどについて詳しく理解しているという方は、意外と少ないのではないでしょうか。そこで以下では、ITマネージャーについて、キャリアップをするうえで押さえておきたいポイントを紹介しますので、この機にぜひ頭に入れておくとよいでしょう。

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1.ITマネジャーとは?仕事内容は

はじめに、ITマネージャーとはどのような職種であるのかという点について見たうえで、求められる役割や仕事の内容について紹介していくことにします。

1₋1.ITマネジャーとは

ITマネージャーというのは、文字通り企業におけるIT部門のマネージャーという意味です。ここでマネージャーというは、ある組織の成果について責任を持つ人であり、そのミッションは主に組織のマネジメントを行うことです。そのため、ITマネージャーには、IT部門の成果について責任を持つことが求められます。ただし、だからといってITマネージャーに課されるミッションは、単に組織を管理するというだけではありません。企業によって求められるミッションの内容は少しずつ違っていますが、中には現場におけるIT関連の仕事に自ら参画してリードしていくことが求められるケースもあるのです。例えば、IT人材がそれほど豊富ではない企業であれば、システムに関する現場からの相談にITマネージャーが自ら応じたり、時にはシステム開発プロジェクトの責任者として案件そのものを管理しなければならないような場合もあり得るでしょう。

1-2.ITマネージャーに求められる役割と仕事の内容

IT部門に求められるのは、経営戦略を着実に実行していくために必要なIT戦略を立案するとともに、ともすれば距離が開きがちになる経営陣と現場との間の架け橋になることです。そのため、そのような部門の管理を担うITマネージャーには、部門に求められている役割を着実に果たせるように全体をまとめ、リードしていくという役割が期待されています。

この役割を果たすためのITマネージャーの仕事の内容には、具体的にはITに係る各種企画を策定し経営陣に上申したり、業務の効率性と生産性を向上させるために社内のITリソースの配分を行うといった業務が含まれます。また、それ以外に、重要なシステム開発などのプロジェクトにおける方針を決定したり、そういったプロジェクトの進捗管理を行ったりすることもITマネージャーが果たすべき大切な仕事です。加えて、当然ながら組織の責任者として、部下や協力会社などに対して適切に指示を出したり、彼らを管理するといった仕事もこなさなければなりません。このような多彩な仕事をこなすために、ITマネージャーは、単にITに詳しいだけでなく、企業が営むビジネスについても精通していなければならないのです。

1-3.プロジェクトマネージャーとの違い

ITマネージャーとしばしば混同されがちなものとしてプロジェクトマネージャーがありますが、両者は必ずしも同じものではありません。まず、ITマネージャーは、前述したように、社内の情報システム部やIT統括部といった組織としてのIT部門を取りまとめるマネージャーであり、部門を全体的に管理するという役割を担っています。これに対し、プロジェクトマネージャーは、特定のシステム開発案件などのプロジェクトの総責任者であり、その役割はプロジェクトにおける計画を策定したり、チーム編成を行ったり、案件の進捗管理を担ったりといったものになります。一言でいうと、組織について責任を持つか、個別の案件について責任を持つかがITマネージャーとプロジェクトマネージャーの大きな違いなのです。
 

2.ITマネージャーの年収

ITマネージャーがどれくらいの年収を得ているか気になる方は多いのではないでしょうか。しかしながら、その年収についての公式の統計データのようなものは特に存在していません。ただし、国が公表しているデータや求人情報の内容などから、おおよその年収の水準を推し量ることは可能です。

例えば、厚生労働省が出している「賃金構造基本統計調査」の令和3年度版を見てみると、ITマネージャーを含む役職者全体の平均年収は700万円ほどであると推定されています。また、ITマネージャーの求人情報を見てみると、年収が1,000万円以上となっているものが少なくありません。そのため、ITマネージャーの平均年収は、少なくとも役職者の平均年収の700万円よりも高いのでは、という推測が成り立ちます。もっとも、同じ役職者であっても、年齢などによって年収に差が生じるケースがある点は、頭に入れておくようにしましょう。
 

3.ITマネージャーに求められるスキル

  • 組織の責任者としての高い業務能力
  • 組織内をまとめるためのコミュニケーション能力
  • 部下の育成能力
  • IT関連の問題に対する優れた問題解決能力
  • ITに関する知識や経験

ITマネージャーには、組織の責任者として、高い業務管理能力が求められます。また、組織内を取りまとめるためのコミュニケーション能力や部下の育成能力などもあった方がよいでしょう。さらに、ITマネージャーは、企業が抱えるITに関するあらゆる問題に対峙しなければならないので、優れた問題解決能力についても不可欠であると言えます。これらのスキルに加えて、ITに関する知識や経験が必要になるという点については言うまでもありません。このように、ITマネージャーには実に多様なスキルが求められるため、一朝一夕にその地位に就くというのは容易ではありません。まずはIT部門などで地道にスキルアップに励むのが、結果的にITマネージャーになるための近道なのです。
 

4.ITマネージャーにおすすめの資格

ここからは、ITマネージャーとして働く上で役に立つおすすめの資格を紹介していきます。

4-1.1.プロジェクトマネージャー試験(PM)

一つ目に紹介するおすすめの資格は、プロジェクトマネージャー試験(PM)です。こちらは、情報処理推進機構(IPA)が実施している情報処理技術者試験の一つの区分であり、その内容は、プロジェクトマネジメントに関する業務をスムーズに進めていくために必要となる知識やスキルなどを問うものとなっています。試験の合格率は15パーセントとなっており、数ある資格の中でもかなりの難関であると言えますが、それだけに取得できれば自身のITスキルやプロジェクトマネジメント力を客観的に示すことが可能になります。この資格があるかどうかで、転職の成功率や転職後の待遇が変わってくるケースも少なくないので、キャリアアップを志向しているのであれば、多少時間をかけてでも取得しておいた方がよいでしょう。

4-2.2.ITコーディネーター

おすすめの資格の二つ目は、経済産業省の推奨資格になっているITコーディネーターです。このITコーディネーターというのは、ITだけでなく経営にも精通したプロフェッショナルであり、資格を得るためには試験に合格した上で、専門のケース研修を修了しなければなりません。そのため、取得までにそれなりに時間はかかるものの、持っていればマネジメントスキルを示せるようになることから、将来的に経営層を目指す方であれば取っておいて損はありません

4-3.3.情報処理安全確保支援士試験(SC)

三つ目におすすめする資格は、情報処理安全確保支援士試験(SC)です。これは、情報セキュリティスペシャリスト試験とも呼ばれているもので、いくつかある情報処理技術者試験の中でも最もレベルが高い国家資格となっています。試験は、情報処理推進機構(IPA)という機関によって実施されており、合格して資格を得ればサイバーセキュリティに関する専門的なスキルや知識を証明できるようになります。なお、試験に合格した後は、所定の共通講習と実践講習を受講しなければならないという点に留意が必要です。
 

ITマネージャーはやりがいある仕事

以上で見てきたように、ITマネージャーにはITだけでなくマネジメントのスキルも求められます。それだけに、その平均年収は一般的な役職者よりも高い水準となっており、また責任ある仕事を任せられるので大きなやりがいが得られるはずです。これらの点を踏まえて、もしITマネージャーの仕事に興味を抱いたのであれば、効率的に転職活動を行うためにも、ぜひマイケル・ペイジに新規会員登録をしてみるとよいでしょう。
 

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