AIの発達が著しくなった2020年では、AIによって一部の仕事がなくなるという研究結果も発表されるようになりました。果たして、自分の仕事は大丈夫だろうかと言う方もいます。この記事では、そんなAI時代において必要となってくる能力について、AIの得意なことやそれによって消えてしまう仕事などを交えながら解説していきます。

技術の進化によってなくなる仕事が増えてくる

実は、AIの研究というのは、1950年代から始まったとされる歴史のある分野です。そのように長いあいだ研究され続けていたにも関わらず、この数年でAIというモノの認知度が急に高まったのは、学習方法の変化が背景にあります。2000年代からAI研究は、主に機械学習とよばれるデータを読み取るタイプのアルゴリズムが定着し、それにビッグデータとよばれるネット上のデータを用いるのが一般的になったためです。これによってAIの進化は急激に速まり、IT企業はもちろんのこと多くの会社が、自社の業務効率化を求めてAI技術の開発に投資するようになりました。AI技術というのは、多くの仕事で定着しており、単純な入力作業等はすでにAI技術を活用したソフトに置き換わっています。また、弁護士や会計士などの高度な知識が要求される専門職も、AIに置き換わる可能性があることが指摘されています。AIというのは、人間と違ってデータをほぼ無限に学ぶことができるためです。

AIが出来ることとは?

AIの一般的なアルゴリズムである機械学習というのは、特定の物事に特化したたくさんのデータを読み込ませ、その中でパターンを見つけさせる方法です。そのパターンに基づいて、画像や文字などの認識能力というものを高めていきます。こうした能力が、一番に発揮されるのは単純労働です。例えば、事務作業や運転業務といったパターン化されたことをひたすら繰り返し、問題にあわないようにすることが求められる業務において、AIというのは人間よりも優れた力を発揮できる可能性があります。その時におこなわれるデータの処理のスピードは人間よりも速く、過去の膨大なデータから作り上げたパターンから共通点を見つけて実行するのでミスが起こらないのです。

なくなる可能性が高い仕事とは

ここまでAIの進化とそのできることについて、解説してきました。AIというのは、単純労働やデータを参照にする業務におけるスキルは、専門的な人間をも凌駕していきます。では、本題であるAIの進化により消えてしまう可能性のある仕事とその理由について紹介します。

  • オズボーン准教授の「雇用の未来」では

2014年、イギリスの名門オックスフォード大学で、機械学習と確率論について研究をしているマイケル・A・オズボーン博士が、同大学のカール・ベネディクト・フライ研究員と共著で発表した『雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか』という論文が世界中で話題になりました。この論文は、同博士の専門分野である機械学習と確率論に沿って書かれており、アメリカ労働省の定めた702の職業をそれぞれクリエイティビティや細かい動きなどの項目に分けて、分析したものとなっています。同論文では、アメリカの雇用者の47%が10年後には仕事を失うと結論づけました。コンピューターやロボットなどによって、代わりがきくとされた職業には、事務員、受付・窓口やトラックやタクシーの運転手といった職業が挙げられています。

  • 野村総合研究所の分析では

日本のシンクタンク最大手である野村総合研究所は、『雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか』の執筆者であるオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン博士とカール・ベネディクト・フライ研究員と共同研究をおこなっており、その発表内容では、日本においてなくなる可能性のある仕事を書いています。労働政策研究・研修機構が職務構造の研究としてデータをとっている日本国内の601種類の職業について分析した所、10~20年後には、日本の雇用者の約49%が職を失うと結論づけられました。これはアメリカの分析結果と同様に、ある程度の枠組みが出来ていて、データを学習させるだけで代行できる仕事はAIによってなくなるとされたためで、公共交通機関の運転手やレジ打ち係、包装作業員等が、日本の場合はなくなると予測されています。

今後身につけておくべき能力とは?

AIの進化によって、これからはある程度の仕事がなくなる可能性もあると認識されるようになった2020年において、仕事を奪われないようにするための手段があります。万能であるかのようにされるAIにも苦手な分野があるので、その分野の能力を身につけるという手段です。次は、そうしたAIが苦手な分野とその中身について、解説していきます。

  • クリエイティブな力

AIというのは、2020年時点ではそれまでの結果となるビッグデータをインターネット上を中心に成長し、その結果を集中的に学習することで認識能力などを上げていきます。つまり、今までにできた、もしくはできる可能性があったことしか出来ないわけです。新しいことにチャレンジをしたり、最善手ではないが成功となる組み合わせを発明することもできません。そのため、決まった枠組みの中でおこなうのではなく、自分から新しい枠組みを作る能力を身につけておくことが、AI時代において重要となってきます。

  • コミュニケーション力

AIというのは、データの分析には特化していても、コミュニケーションというのが苦手です。いわゆる、人と会話をするようなAI搭載ロボットなども、AIという研究分野の中では進化が遅れているほうであり、人と対等に会話ができるようになるまでには、数十年あっても難しいとされています。ロボット以外でも、チャットボットなど断片的な簡単な会話ができるAIはありますが、人間のコミュニケーションにおいて重要となってくる、空気を読んだり言葉の本当の意味を探るということは出来ません。ですので、コミュニケーションスキルや対人スキルといった、人特有のスキルというのを磨くことによって、AI時代でも通用していけるでしょう。

「代替できない能力」を身につけていくために

この記事では、AIの意味から得意不得意などを通して、AI時代に消える可能性のある仕事と求められる能力について解説してきました。AIというのは、まだまだ不完全なところもあり、全ての面において人間を上回るシンギュラリティなどは、まだ遠い時代の話だとされています。クリエイティビティやコミュニケーションなどのAIが苦手な分野で、しっかりとした能力を身につけることが、AI時代において重要となります。

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