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多様性を重視する社会において、LGBTへの理解も進んできています。しかし、一部の人々によるLGBTへの差別は続いており、雇用する企業にとっては無視できない問題だといえるでしょう。企業は当事者の視点を持ち、課題克服への取り組みを打ち出していくことが重要です。この記事では、LGBTの従業員が見舞われているトラブル、企業が施すべき対策について解説します。
そもそもLGBTとは「レズビアン(Lesbian)」「ゲイ(Gay)」「バイセクシャル(Bisexual)」「トランスジェンダー(Transgender)」の頭文字をとった言葉です。まず、レズビアンとは同性愛者の女性、ゲイとは同性愛者の男性を意味します。両性を愛する人がバイセクシャルで、自認する性と身体的な性が一致していない人をトランスジェンダーと呼びます。なお、LGBTとはこれら4つの相称ではなく、そのほかの性的少数派も含んでいることが一般的な使い方です。
LGBTとの関連が深い言葉に「SOGI」があります。SOGIとは「性的指向と性自認」を意味します。限られた性的指向、自分だけをさしている言葉ではなく、同性愛者も異性愛者も含めたすべての人の属性を表しています。
性的指向や性自認は、あらゆる人にとって考えなければならないテーマだといえるでしょう。この段落では、LGBTという言葉の認知度やカミングアウト率について説明していきます。
auじぶん銀行株式会社が2020年に実施した「LGBT当事者をとりまく就業環境の実態調査」では、LGBTの非当事者であるビジネスパーソン500人にアンケート調査を行いました。そのうち、LGBTという言葉を「十分理解している」と回答したのは31.0%、「なんとなく理解している」と答えたのは50.6%です。つまり、80%以上のビジネスパーソンがLGBTという言葉についてある程度の理解をしていました。なお、LGBTという言葉自体を知らなかった人は3.6%です。また、非当事者であっても「LGBTを学びたい」と回答した人は50%を超えました。この結果から、日本社会でもLGBTへの関心は高まっているといえます。
非当事者からの関心が高まっている一方で、「カミングアウトしたい」と考えているLGBT当事者は決して少なくありません。カミングアウトとは自分の性的指向を公にして暮らしていくことです。厚生労働省の調査によると、職場でカミングアウトしている人は、LGBで10%以下、Tで15.3%です。さらに、職場以外でのカミングアウト率も10~30%程度でした。カミングアウトしない理由で目立ったのは「職場でのコミュニケーションに支障をきたす」といった主旨の意見でした。つまり、多くのLGBTの人々は職場で差別や偏見の目にさらされることを恐れ、カミングアウトに踏み切れないのです。
厚生労働省の調査では、LGBの36.4%、Tの54.5%が「職場で困りごとを抱えている」と回答しています。この段落では、困りごとの内容を具体的に解説していきます。
まず、就職活動、転職活動の時点でLGBT当事者は困難を抱えています。そもそも、LGBTについての理解を示し、職場環境を整備している企業が多くはありません。そのため、LGBT当事者は安心して働ける企業探しに苦労しています。しかも、カミングアウトしないまま働いていると、異性愛者の振りをしなければならないストレスにさいなまれます。プライベートの話をできないうえ、LGBTへの偏見を耳にしても反応しづらいのです。
社内制度が異性愛者前提になっていることも問題のひとつでしょう。トイレや更衣室を利用しづらくて悩む当事者もいます。性自認と異なる性別の演技をして働くトランスジェンダーにとっては、特に抵抗のある場面が多くなるでしょう。しかも、LGBT当事者の相談窓口が適切に用意されているとは限りません。お手本にできる先輩、上司も見つからず、当事者は孤独に悩み続けてしまうのです。
厚生労働省の調査では、性的指向や性自認による差別だといえる「SOGIハラ」を見聞きしたと答えたLGBが19.2%でした。トランスジェンダーになると、24.8%にのぼります。差別の内容としては、「パワハラを受けた」「外見をからかわれた」「性的な冗談を言われた」などが挙げられます。また、「男らしさや女らしさを強要される」のもハラスメントに該当する行為だといえるでしょう。
ハラスメントの加害者が意識的に相手を攻撃しているとは限りません。それでも、無意識な言葉が相手を傷つけているケースは多いのです。たとえば、恋人の有無や結婚の予定をしつこく聞いたり、出産の話をしてきたりするのは、当事者を不快にする恐れがあるでしょう。当人の性自認にあてはまらない話をするだけでも、言葉は暴力になりえます。
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職場でのLGBTへの差別や攻撃は、パワハラ認定を受ける場合もあります。また、慰謝料請求にいたる可能性もゼロではありません。たとえば、LGBT当事者が職場での差別的言動によって精神疾患を発症したとき、発言主のパワハラが認められて労災認定となります。厚労省は「相手の性的指向や性自認を侮辱することはパワハラに該当する」との指針を打ち出しているので、こうした言動は禁じられています。さらに、本人の意思を無視して性的指向、性自認を公表するアウティングもハラスメントの一種です。職場でアウティングが行われたとしたら、被害者は加害者に損害賠償請求することも可能です。
性的指向や性自認に関係なく、働きやすい職場にする取り組みが企業には求められています。ここからは、LGBTに配慮した取り組みの現状を解説します。
厚生労働省の調査によると、同性パートナーへの福利厚生を実施している企業は全体の2割ほどです。さらに、LGBTの従業員についての倫理規定、行動規範などに関連した取り組みを行っている企業は約2~3割です。auじぶん銀行株式会社の調査で、「職場でLGBTに配慮した取り組みが実施されていると回答」したビジネスパーソンは22.7%でした。それに対し、「行っていない」と回答した人は48.3%です。「わからない」という回答は29.0%でした。半数のビジネスパーソンがLGBTに配慮した取り組みを職場で感じていないだけでなく、約3割は制度すら把握していないのが現状です。
厚生労働省の「多様な人材が活躍できる職場環境づくりに向けて~性的マイノリティに関する企業の取り組み事例のご案内~」によれば、企業がLGBTの従業員をサポートする理由の約7割が「さまざまな人材が働きやすいようにするため」でした。その中には性的マイノリティの人々も含まれています。そのほか、「社会的責任」「当事者の働きやすさ」「コンプライアンスへの対応」などと答えた企業もありました。さらに、社会全体で多様性への意識が強まる中、LGBTへの認知度の高まりや他社の動向に影響を受けて、サポートを始めた企業も多いといえます。
ここからは、実際に行われてきた企業によるLGBT支援の取り組み例を挙げていきます。ただし、当事者の悩みはケースバイケースです。これらの例を参考にしつつ、現場の実情を見極めて対応するようにしましょう。まず、「性的指向・性自認にまつわる差別禁止」を就業規則に盛り込むことで抑止効果につながります。LGBTに関する研修実施も非当事者の理解を促すでしょう。また、当事者の相談窓口を設け、職場での孤立を防ぐことも大切です。そのほか、同性カップルに対しても異性カップルと同様に、結婚休暇や結婚祝金を設けている企業もあります。
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社会人の多くが「LGBT」という言葉を認識しています。その一方で、当事者への差別やハラスメントは少なくありません。企業が多様な人材を確保し、誰もが働きやすい環境を築くためにはLGBT当事者への配慮も不可欠です。当事者が抱えている困難、悩みを正しく理解したうえで、就業規則や相談窓口を設置するなど、職場環境を改善していきましょう。
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