スーツを着た2人のビジネスマンが会議用テーブルで議論している。

30代以降になると、管理職として部下の育成に携わる機会が増えてきます。しかし、部下のためになると思った指導法が結果に結びつかず、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。今回は、部下育成について詳しく解説します。部下育成の重要性や失敗の原因と対策などについて紹介しますので、ぜひ自身の部下育成の参考にしてください。

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1.そもそも部下育成はなぜ重要なのか

部下の育成が重要なのは、優秀な部下の育成こそが企業の将来を左右するからです。競合他社に負けないためには、商品やサービスの開発といった事業を支える人材の育成が欠かせません。どんなに魅力的な商品やサービスを保有していたとしても、世の中の変化に応じて商品やサービスをブラッシュアップしていく必要があります。部下育成がスムーズにいかない状態が続くと次世代の人材を確保できなくなり、企業の成長は阻害されてしまいます。逆に優秀な部下がたくさん育てば組織全体のパフォーマンスが上がるので、業績アップにもつながるはずです。また、仕事ができるようになり、やりがいを感じるようになれば、部下の離職率も低下します。長く勤める社員が増えるということは、社内に蓄積されるノウハウや技術に厚みが出て競争率が高まるというメリットもあります。

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2.部下育成に失敗してしまう5つの原因と対策

部下育成が大切だということは理解してはいるものの、適切な指導がなかなかできずに育成に失敗してしまう上司は珍しくありません。ここからは、部下育成に失敗してしまう5つの原因と対策について解説します。

2-1.1.育成にかける時間が不足している

部下育成に失敗してしまう原因の一つは、上司が忙しすぎて部下育成にかける時間が不足しているというケースが挙げられます。特に従業員が少ない中小企業の場合、管理職自身も仕事を多くこなす必要があります。日々の重要業務に追われてしまうため、緊急度の低い部下育成は後回しになりがちなのです。また、管理職になると複数の部下を同時に管理しなければいけないので、一人ひとりにあまり時間をかけられないというケースも少なくありません。部下育成の土壌を整えるためには、まず上司の負担を減らすことから始めましょう。上司だけに全ての業務を任せるのではなく、組織全体で管理職の業務をカバーする仕組みを整えることが大切です。例えば、人事労務担当者がフォローに入って、部下育成の時間を十分に捻出できるような取り組みを実践してみてはいかがでしょうか。

2-2.2.上司側の部下育成スキルが足りない

部下育成にかける情熱はあるものの、上司側の部下育成スキルが足りないというケースもあります。部下育成は、上司が一方的に指導すれば良いものではありません。上司と部下が上手く連携して取り組まないと結果が出ないため、職場でのコミュニケーションが不足していると部下育成は上手くいかないでしょう。自身の勘や経験に頼った自己流の部下育成は、効果が限定的になりやすいのも難点。人によって成功するときもあれば、失敗が続くこともあるので、安定した方法とはいえません。部下育成を行う際はまず目標設定と適切なプロセスを考えてから、どのようなスキルを伸ばすのかを検討することが重要です。

部下育成に慣れていない上司は、部下と一緒に目標設定を行うのが良いでしょう。最初の目標設定は高すぎても低すぎてもモチベーションの低下につながるので、部下と話し合いながらバランスの良い目標を設定するのがおすすめです。また、部下育成の経験が少ない上司の場合、どのように部下を育てれば良いか分からない方が多いことでしょう。上司の指導力不足は、部下のモチベーションを下げる要因となるので注意が必要です。部下育成スキルを養うために管理職向けの研修を開催し、マネジメント能力を磨く機会を作ることが企業側には求められます。他部署の管理職とノウハウを共有できる機会を設けたり、他の管理職に相談しやすい環境を整えるのも有効です。

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2-3.3.部下を過度に叱り過ぎている

部下が仕事で失敗をしたとき、同じことを繰り返さないために厳しく叱る上司もいるのではないでしょうか。期待するように部下が育たないと、つい感情的に接してしまう上司は少なくありません。適度に叱ることはもちろん大切です。部下の行動や仕事の取り組み方に問題がある場合、すぐに指摘してあげないと重大な失敗やクレームにつながる可能性があるからです。しかし、あまりに感情的な態度で叱ってしまうと部下に恐怖感を与えてしまい、仕事に対するモチベーションを落とす恐れがあります。

また、過度な叱責はパワハラとみなされる可能性があり、上司側に対してペナルティが課されるリスクも考えられます。部下を叱るときは冷静に問題点を指摘した上で、理性的に諭すのがポイントです。感情的な態度を取るということは、他者への尊重が足りていない証拠。相手を思いやる気持ちを忘れないことが大切です。部下の仕事の仕方を冷静に指摘して、将来につながるフィードバックになるように心がけましょう。重大なミスだったとしても、感情的に怒ったり部下の人格そのものを否定する叱り方は避けてください。あくまで部下が取った行動に対して指摘することが重要です。

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2-4.4.責任のある仕事を部下に任せない

部下に仕事を振るとき、部下が簡単にこなせる仕事や責任の少ない仕事ばかりを任せていませんか。簡単な業務ばかり部下に任せていても、部下はなかなか育たないものです。スキル的な意味だけでなく気持ちの面でも、「自分は上司から信頼されていない」と感じてしまうかもしれません。ときには少し難しい仕事を任せて挑戦させると、部下の成長につながります。挑戦しがいのある目標を達成できれば、部下にとって大きな成功体験となるはずです。失敗したとしても、自分の実力を客観的に捉える良いチャンスとなります。

部下の成長度合いに合わせて、少しずつ責任のある仕事を与えていきましょう。責任のある仕事を任せる場合は、仕事内容やタイミングなどに気をつけてください。あまりに難しい業務を与えてしまうと、逆にモチベーションが下がってしまいます。また、部下が抱えている業務量が多すぎると、余裕がなくなりミスも増えてしまいます。少し余裕のある状態で部下に責任のある仕事を任せれば、しっかり時間をかけて新しい業務にチャレンジできるはずです。

2-5.5.必要以上に細かく指示を出している

部下が行う業務を細かく指示し、その通りに仕事を進めるように強制する上司もよく見られます。指示が細かすぎると、部下はいわれてた通りにしか動けなくなってしまいます。最初は業務上のルールを覚えさせるのも悪くありませんが、仕事は本来、臨機応変さが求められるものです。指示を出す際は、部下が自分で考える余地を残すのがコツ。ただ人に教えられるよりも、自分で考えて仕事をする方が本当の意味での成長につながるでしょう。
 

3.部下のパフォーマンスを上げるための効果的な育成方法とは?

  • 信頼関係を大切にする
  • 人として当たり前のことはおざなりにしない
  • 部下のレベルに合わせた育成方法を意識する

部下育成で何より守りたい基本は、部下本人が学ぶプロセスを支援するスタンスです。上司からは手を出し過ぎず本人に経験させることで、部下は成長していきます。部下が育つ上司は、部下から信頼されているのも見逃せないポイントです。「約束を守る」「相手の話を聞く」「感謝と謝罪ができる」など、人として当たり前のことをおざなりにしないことが大切です。また、部下が新人なのか、中堅なのかによっても、育成方法は大きく変わります。新人の場合は手本を見せたり、できたことを褒めるといったアプローチが有効です。相手が若手だからといって雑務ばかりを指示したり、上から目線の態度を取ったりすると、信頼をなくすので注意してください。中堅社員の場合は責任のあるポストを任せたり、任せる業務の幅を持たせるなど、中堅社員が持っている能力を発揮できるような育成方法を意識しましょう。

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効果的な部下育成をするためには管理職自身が学ぶ姿勢も問われる

部下の育成の真の目的は、部下自身に自分で考えさせて工夫していく力を伸ばすことです。効率的な育成をするためにも、指導する上司に相応の育成スキルが求められます。適切な方法で部下育成に取り組めば、業務効率が高まり組織全体の成長にもつながるはずです。今回紹介した内容を参考にしながら管理職自身が学び、部下育成において上司に必要な役割を果たせるようにしていきましょう。
 

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