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長らく男性社会といわれてきた日本ですが、最近では男性優位から男女平等へと世の中の価値観も大きく変わってきています。その中で女性管理職を増やそうという動きが出てきていますが、女性の中には「自分に管理職が務まるのだろうか」という不安を持つ人もいるでしょう。
そこで今回は女性管理職をめぐる現状や求められるスキル、そしてメリットについて解説します。
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女性差別撤廃の動きは、1981年の「女子差別撤廃条約」、1986年の「男女雇用機会均等法」、そして1999年の「男女共同参画社会基本法」と歩みを進めてきました。2017年の調査では、約半数近くの世帯が夫婦共働きであることが判明しています。
また、女性の就労率や上場企業の従業員に占める女性の割合は増加傾向にあり、女性管理職が生まれやすい企業体制が形成されてきている状況だと言えます。
また、男女共同参画社会基本法では、女性がより活躍しやすい環境作りが重要視されています。従来の男性中心型の労働環境を見直し、女性と男性双方にとって暮らしやすい社会を目標とした男女平等が必要だと言えます。
こうした中で女性管理職や女性役員の比率は以前に比べれば増えてきているものの現時点では女性登用がうまくいっているとはいえない状況にあります。
厚生労働省の「令和4年度雇用均等基本調査」では、課長職以上の女性管理職を有する企業割合は52.1%と半数を超えています。しかし、管理職などに占める女性の割合は12.7%、係長相当職以上でも14.7%と低い数値です。
法律や政策の後押しもあり、これからは多くの企業が男女の就労機会の均等化に取り組み、女性活躍の場を広げていくことが予想されます。福利厚生や昇格制度の整備が進めば、女性管理職も増えていくことでしょう。
日本における女性管理職の割合は海外を大きく下回っています。内閣府の資料によれば、女性管理職の割合はフランスで35%程度、スウェーデンで39%程度、アメリカで41%程度となっています。一方、日本では13%程度となっており、諸外国と比べて遥かに低い水準となっていることがわかるでしょう。国際労働機関の2019年の報告でも、日本の女性管理職比率は主要7カ国中最下位となっています。日本の数字は、世界全体の女性管理職比率と比較しても半分以下の水準です。
海外の各国では、女性管理職を増やすためにさまざまな施策を展開しています。アイスランドでは2010年からクオータ制を導入しており、従業員50名以上の企業では管理職の4割超を女性にすることが義務付けられています。クオータ制とは、格差是正の目的でポストの一定割合を特定の人種や性別に当てる制度のことです。また、ドイツでは管理職業務のジョブシェアリングを導入し、子育て中の女性も管理職に就けるよう工夫を凝らしています。
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日本における女性管理職の少なさには理由があります。一つには、女性が活躍しやすい環境が整っていないことが挙げられるでしょう。女性の子育てには大きな負担がかかりますが、それをサポートする福利厚生は十分に用意されていません。育児休業は取得しにくい雰囲気があり、妊娠や出産を機に仕事を辞めることを選択する女性も多いです。また、「フルタイムで働くべき」という企業風土が女性のキャリア形成を阻害している側面もあります。
そして、女性が管理職になる前例が少ないことも理由の一つです。女性管理職の少なさの背景には、そもそも管理職になりたいと考える女性が少ないという問題があります。
女性管理職の割合を増やすためには、企業が積極的に福利厚生を充実させ、キャリアアップする女性の前例を多く作り、管理職になりたいと考える女性の絶対数を増やすことが大切です。
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女性管理職に求められるスキルは、主にコミュニケーション能力と多様な価値観を認める柔軟性です。「女性」管理職だからといって男性管理職と違う役割を求められるということはありません。管理職であれば男女にかかわらず職務は同じで、例えば部下にやる気を起こさせパフォーマンスを上げること、職場を円滑に回していくこと、部下が働きやすい環境を作ることなどが挙げられます。ただ、こうしたことを進めていく中で女性の持っている強みを生かせる部分も多くあり、その部分が企業が女性管理職に期待する点となっています。
まず、女性の特性としてコミュニケーション能力の高さが挙げられます。女性は人の気持ちを察することがうまい人が多く、それが部下とのコミュニケーションに役立ちます。部下の気持ちを汲みながらうまく仕事を任せることでやる気を引き出し結果を出させる、あるいはキャリアに関する相談に乗ってアドバイスをすることで将来的な道を示す、といったことは女性の得意分野といえるでしょう。上司と部下という縦の関係ではなく、同僚同士というフラットな関係を築けるのも女性ならではといえます。また仕事を円滑に回すためにも女性の柔軟性が大いに役立ちます。
働きやすい環境づくりではワークライフバランスが大きな課題となりますが、こうした部分については女性の方が理解を示しやすいのではないでしょうか。多様な価値観を認め、部下の業務パフォーマンス向上を目指すのは特に女性管理職に期待される部分といえそうです。
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女性管理職としての活躍を目指す上で、企業側は管理職に必要なスキルや適性を持ち合わせている人に任せたいと考えるでしょう。ここでは、女性管理職に向いている人の特徴について解説します。
部署やチームを取りまとめる管理職には、感情的にならず冷静に対応できることが求められます。ビジネスシーンでは、感情に左右されず、常に冷静な判断力を持って適切な意思決定を行う必要があります。
万が一、部下やメンバーに対して、感情的に声を荒らげる、人格否定と取られる発言をする、といったことがあればパワハラとみなされる可能性もあるでしょう。さまざまな立場の人と関わる機会が増える中で、常に落ち着いて仲裁や調整を行えるセルフマネジメント能力は、管理職に必須の適性と言えます。
管理職は、部署やチームを引っ張っていく立場であり、リーダーシップが必要です。組織のリーダーとして、難しい状況でも正しい意思決定を下し、結果に責任を追うのが管理職の使命と言えます。
控えめにして一歩後ろを歩くよりも、部下の前に立って組織をまとめられる人材が求められます。
管理職としての細やかな気配りができる点も、大切な素質です。 日々の業務をこなしながらも、細かな点に気付ける人は、その都度的確なフォローやアドバイスにより部下の育成をサポートできます。
部下を1人前の人材に育て上げることができれば、チーム全体の生産性向上にも寄与します。 ただ、細やかさや気配りの度合いが過ぎると、部下がモチベーションを失ってしまう可能性もありますが、自身の業務と並行して周囲をサポートできる人は、管理職としての活躍が期待できるでしょう。
男女平等の考え方がスタンダードとなっていく中、女性管理職を登用し、女性が働きやすい環境を作ることに注力する企業も増えてきています。企業が女性管理職を増やすのは、単に世論に押されたというのではなく、そうすることで企業にもメリットがあると考えるからです。実際、女性活躍を推進する企業ほどROA(総資産利益率)が高くなるという調査結果も出ています。ここからは、企業にとって女性管理職がいることはどのようなメリットがあるのかを具体的に見ていきます。
管理職が男性ばかりという組織では、グループシンク(集団浅慮)に陥る可能性があります。グループシンクとは、集団で何かを決める際、たとえそれが間違った意見だったとしても「みんなが同じ意見」という理由で正しいと思い込み、誤った決定をしてしまうことをいいます。
中に何人か別の意見を持った人がいても大勢の意見に合わせてしまったり、あるいは周りが圧力をかけて潰してしまうこともあるなど非常に危険なことです。ほとんどが男性という均質化された集団ではこういったことが起こりがちですが、ここに女性管理職が入れば新たな考えが流入し、グループシンクに陥る危険性を減らすことができます。
このように、意思決定を行う際にはメンバーに多様性があるほどさまざまな意見が出て、会社の方針に柔軟性が生まれます。特にマーケティングの現場では、日々の購買行動に主導権を持つことの多い女性の意見は大いに役立つでしょう。
組織を円滑に運営し働きやすい環境を作るため、上司が部下の抱える悩みや問題を把握しておくというのは大切なことです。しかし、女性従業員にとって男性上司には相談しにくいということも多々あるのではないでしょうか。それが人間関係や体調などのデリケートな問題や、ワークライフバランスに関することであればなおさらです。
しかし上司が女性であれば、女性従業員のこうした悩みも話しやすくなります。悩みを把握すれば、その視点から働きやすい会社づくりの施策を検討していくこともできるでしょう。こういった意味でも女性管理職がいることのメリットは大きいといえます。
女性の平均勤続年数や管理職率で高い数値を維持している企業は、それを公表することによって男女平等を進めている企業として高い評価を得ることができます。
経済産業省では「新・ダイバーシティ経営企業100選」といってダイバーシティ推進を積極的に行っている企業を表彰し、ホームページで公開していますが、これに選ばれれば知名度は上昇し、長期的に見れば業績の向上につながる可能性もあるのです。
さらにこういった取り組みを採用活動の場においてもアピールしていけば、男女問わず多くの志望者が集まり、優秀な人材を確保するチャンスも増えていきます。
女性自身が管理職になることで、年収アップやスキルアップ、転職や新しい仕事のチャンス獲得といったメリットが期待できます。自社の女性社員に管理職になるメリットを伝えるためにも、確認をしてみましょう。
多くの場合、管理職に昇格することで役職手当による年収アップが期待できます。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」で公開された女性の管理職と非役職者の賃金は、以下の通りです。
上記では、毎月の給与において部長クラスと一般的な社員とで倍近い差があり、係長クラスでも月7.5万円ほど給与が上がる計算です。ただ、給与体系は企業や職種によってさまざまなため、一概には言えませんが、年収に換算すると数十万円〜100万円以上も所得が上がる可能性は考えられるでしょう。
管理職の経験があると、転職をする際に応募できる求人の選択肢が広がります。転職市場において、チームやプロジェクトなどでのマネジメント経験を持つ人材に対するニーズは、業界問わず高い傾向があります。
また、ヘッドハンティングやリファラルでの紹介、推薦も増えるため、好条件のポジションに就けるチャンスも多くなるでしょう。給与や待遇面でも、役職のない一般社員よりも良い条件を提示される可能性もあります。
加えて、管理職になってからも努力を続けて順調に業績を上げていけば、さらに上の役職を目指すことも可能です。社内業務におけるマネジメントの裁量だけでなく、最終的に経営権の一部を権限委譲される可能性もあり、新しい仕事のチャンス獲得にもつながるでしょう。
管理職として部下のマネジメントやプロジェクト管理をこなすことで、自己成長やスキルアップにつながります。管理職は、自分の業務に加えて、部下やメンバーの指導・育成、サポートといった仕事を任されるため、人間としての成長が期待できます。
また、スケジュール管理や予算管理、リスク管理などさまざまなマネジメントを経験することで、マネジメントスキルが磨かれます。管理職が初めてだと戸惑うことも多いかもしれませんが、日々の業務や自分のチームと向き合い、自ら能動的に取り組む気持ちを持つことで、ロールモデルとして活躍できるでしょう。
女性管理職がなかなか増えない最大の理由は、男性と同じように働かなければ昇進させないという日本の人事制度にあります。深夜に及ぶ長時間労働や頻繁な転勤など男性の労働環境は過酷な場合が多く、これ自体にも問題はありますが、特に女性の場合は家事・育児や介護など家庭生活における負担も大きいため、こうした働き方についていくのが難しくなっています。そのため昇進のチャンスに恵まれないことが多いのです。
こうした状況を打破するためには転勤のない雇用や時短勤務、テレワークといった制度を積極的に導入し、働き方の選択肢を増やすことが大切です。また、女性が昇進できない理由の一つに勤続年数が短いということがありますが、これは出産・育児で退職してしまう人が多いことによるので、産休・育休制度を充実させ、子どもを持っても会社を辞めないで済む環境づくりをしていく必要があります。
もう一つの問題として、女性自身が管理職になることに消極的である、ということも挙げられます。これは良いお手本がないためイメージしにくいことや、そもそも登用制度がない、あるいは家庭との両立が不安といったことなどが理由です。
したがってまずは女性管理職のロールモデルを増やすこと、また短時間で成果を出すための働き方を学ぶ研修や、管理職になるためのマインドセットといったバックアップ体制を構築し、女性管理職が自信を持てるような環境づくりをすることが大切です。
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女性管理職の現状や求められるスキルなどについて説明してきましたが、理解できたでしょうか。女性管理職の増加は、優秀な人材の確保や業績向上につながるなど企業にとっても多くのメリットがあります。自分が管理職になれるか不安に思う女性もいるかもしれませんが、人事労務や周囲の人とコミュニケーションを取りつつ、不安を払拭して管理職に挑戦してみるのも良いのではないでしょうか。【2021年3月29日公開 - 2024年9月27日更新】
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