活気があり今後も成長していく可能性を感じられる会社の特徴の一つに、社員から自由闊達な意見が出る、ということがあります。それは単にやる気のある社員を集めているからなのでしょうか。実はそういうことではなく、鍵となっているのは社員の「心理的安全性」の高さです。そこで今回は心理的安全性とは何か、そしてそれにはどんなメリットがありどのようにして作って行けばよいのかについて紹介します。
 

1.心理的安全性とは?

心理的安全性という言葉が、注目されています。しかしそれが何を意味するのかわからないという人も多いのではないでしょうか。そこでここでは心理的安全性の定義と、注目される理由について解説します。

1-1.心理的安全性の定義

心理的安全性は、心理学用語で「所属するチームにおいて、メンバーが自分の発言を拒絶したり、発言内容によって罰したりしないと確信する状態」と定義されています。つまり、組織やチームの中で自分の意見や考えを誰に対しても安心して発言できる状態、ということです。

こんなことを言ったら気を悪くするのでは、あるいは相手にされないのではといった不安がある状態では、社員から率直な意見というのはなかなか出てきません。しかし、どんな質問や提案をしても耳を傾け真摯に受け止めてもらえるという状態であれば、社員は安心して自由闊達に発言できるので、それによってモチベーションの向上やチームの活性化が期待できます。

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1-2.心理的安全性がなぜ注目される?

心理的安全性は、1999年にアメリカで提唱された「サイコロジカルセーフティ(psychological safety)」というビジネス心理学用語の日本語訳です。注目を集めたきっかけは、Googleが2012年から4年間にわたって実施した「プロジェクトアリストテレス」の調査結果でした。これは労働改革の一環として行われた大規模なプロジェクトで、社内の数百のチームを対象にどんなチームが高い生産性をあげているのかを調査したものです。

結果は、チームメンバー個々の能力や働き方よりも、心理的安全性こそがチームの生産性を高めている、というものでした。心理的安全性の高いチームは多様な意見を出し合い、それをお互いにうまく利用して高い収益性をあげており、その結果としてマネジャーから評価される機会も多く、離職率も低かったのです。
 

2.心理的安全性のメリット

会社にも様々な利益をもたらす心理的安全性ですが、それにはどんなメリットがあるのでしょうか。心理的安全性を高めることで得られる4つのメリットを紹介します。

2-1.対話が増えて組織が活性化する

会議を有益なものにするためには、新人やベテラン、管理職といった立場に関係なく率直な意見が交わされることが大切です。心理的安全性のある職場では、誰もが遠慮することなく意見を述べられるので、様々な気付きを得られ新しいアイデアもどんどん出てきます。それによって企画や戦略はより洗練されていきます。反対に、ミスなどのネガティブな情報もすぐに集まるので、早い段階で対応することができるというのも大きなメリットです。

誰もが臆することなく意見が言えれば、スムーズな情報交換が可能となり、チームや組織の活性化につながっていくでしょう。

2-2.やる気や責任感を持つようになる

自分の意見を聞いてもらえたり、アイデアを採用されるというのは誰にとってもうれしいことですよね。こうした成功体験の積み重ねは、モチベーションのアップにつながります。自身の存在感を認められたという思いから、プロジェクトの一翼を担っているという自覚が生まれ、仕事に対する責任感も強くなっていくでしょう。

反対に意見を言いづらい、言っても聞いてもらえないという環境では人はやる気を失ってしまいます。こうしたことが、怠惰な社員を生む原因です。心理的安全性のある職場では、このようなやる気のない社員は生まれにくくなるでしょう。

2-3.生産性が向上し業績アップにつながる

心理的安全性の高い職場では組織が活性化し、それぞれの社員がやる気と責任感を持って業務に取り組むことができます。安心して仕事に集中できる環境であれば、誰もが仕事に夢中になる「フロー状態」となり、パフォーマンスも向上します。こうなれば生産性が向上するのは当然ですね。その結果、売上が伸びて業績もアップすることが期待できます。

仮に結果が出なかったとしても、こうした職場では各々の社員から意見が活発に出されるので、すぐに解決策が見つかり軌道修正していくことが可能になります。

2-4.離職率が低下する

会社にとって社員が定着しないというのは大きな問題です。社員が会社を去る理由はいろいろありますが、仕事にやりがいが感じられないというのもその中の大きな一つでしょう。

こうした問題の解決にも心理的安全性が大きな役割を果たします。心理的安全性のある職場は活気があり、社員もやる気と責任感を持って働けるので結果がついてくることも多いです。すると社員は仕事にやりがいを感じますし、会社への愛着やチームの一員としての誇りも持つようになるでしょう。こうなると、よほどの事情がない限り会社を辞めようとは思わないものです。経営陣にとっても、離職率の低い理想的な会社経営を実現できるというわけです。
 

3.心理的安全性はどうやって作り出す?

このように心理的安全性には会社にとって多くのメリットがありますが、心理的安全性を作り出すためには環境構築が欠かせません。ここでは、その環境構築の方法について具体的に解説します。

3-1.社員が発言しやすい場を設ける

急に会議で発言しろと言われても、特に慣れていない人の場合はハードルが高いと感じてしまうかもしれません。そんなときはまず、心理的安全性を経験してみる場を設けるのが得策です。例えば上司と部下が1対1で対話をする「1on1」や、異なる部署の社員同士が集まる勉強会・研修会などを設定するのが良いでしょう。いきなり会議で話すのではなく、まずはこうした場面で話すことを体験すれば、発言への不安感を取り除いていくことができます。また、ざっくばらんな話ができる飲み会や食事会を定期的に行うのも効果的です。

3-2.発言機会を均等にする

会議の場では、ともすると同じ人ばかりが発言したり目立つ人の意見ばかりが採用されたりといったことも起こりがちです。しかしこういったことが起きると、遠慮しがちな新入社員や消極的な社員は発言しづらくなり、心理的安全性どころではなくなってしまいます。それを避けるためには上司がフォローしたり、事前に伝えて発言する内容を用意させる、発言者が偏らないよう順番制にするといった配慮が必要です。

3-3.目的や価値観を共有し協力体制をつくる

お互いが自由に発言するといっても、それぞれの目的や価値観がバラバラな状態では意見が対立するばかりで、まとまって何かを生み出すことはできません。まずはプロジェクトの目的や価値観を共有し、お互いが協力し合うという意識付けが必要です。何のために発言するのか、という方向性を明確にすれば、その中で行われる自由闊達な議論は実りの多いものとなるでしょう。心理的安全性はただ言いたい放題ものを言うということではなく、あくまで職場の課題解決や業務推進の手段なのだということを忘れないようにしたいものです。

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3-4.互いの考えや意見を尊重する

企業によっては上司や部下といった立場の違いや、年齢の違いを超えて対等な意見交換をするというのが難しい部分もあったかもしれません。そのような壁をなくし、対等に意見を言い合うのがこれからの理想です。社員同士はもちろんですが、特に上司は部下を尊重することが大切です。間違った意見だと思っても直接的に否定や批判をせず、相手の人格を尊重し多様な価値観を認めるようにしていきましょう。また、言葉遣いや言い回しなどで相手を傷つけることがないよう、コミュニケーションの研修や教育をするのも効果的です。

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心理的安全性が高い会社づくりで業績を伸ばそう!

心理的安全性を高めれば、社員は活発に発言するようになりモチベーションも上がります。チームの絆も強固なものとなって、業績を伸ばす原動力となって行くでしょう。心理的安全性のある組織作りは決して簡単ではありませんが、経営者と社員双方が幸せになれる道のひとつといえます。活気あふれる職場づくりのため、ぜひ今回解説した内容を参考にしてみてください。
 

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