そもそも「優秀な人材」とは?優秀な人材の定義・特徴・採用のポイント

「優秀な人材が欲しい」というのは、採用担当者共通の願いと言えます。優秀な人材を確保できれば、事業拡大や企業成長につながると考えられるためです。

では、具体的に優秀な人材とは、どのような人を指すのでしょうか。

本記事では、優秀な人材の定義や特徴に加えて、そのような人材を確保する方法などを解説します。優秀な人材の見極め方や中途採用面接における注意点もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
 

1.優秀な人材の定義は?

まずは優秀な人材とは何なのかを定義することが大切です。業界・業種にかかわらず共通しているのは、「会社に利益をもたらしてくれる人」であるということ。

例えば、期待以上の仕事をこなしたり、依頼された仕事以上の成果を上げたりすることが挙げられます。

また、「会社の未来を担える人材」であることも、優秀な人材の定義のひとつです。優秀であることには、自分で将来の予測を立てて、自身のスキルアップや会社の将来を考え、それに向かって努力ができることも含まれます。

ただし、優秀な人材の細かい定義は、会社によって異なります。会社ごとに優秀な人材を定義づける際は、新規の事業で必要なスキルを持っている人が欲しい、時間をかけて根気よく学べる人が欲しいなど、現場の意見を取り入れて考えると良いでしょう。

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2.優秀な人材の特徴 【どの会社でも共通すること】

優秀な人材の定義は、会社ごとに異なるとお伝えしました。しかし、優秀な人材にはいくつか共通する特徴が挙げられます。本章では、どの会社でも共通する、優秀な人材の8つの特徴を紹介します。

2-1.自分の役割を理解している

優秀な人材は、会社に利益をもたらすにはどうすればいいのか、会社側から何を期待されているのかをよく理解しています。

求められている役割や、何をすべきかを判断し、自分以外にもできる仕事は他の人に任せて、自分が本当にすべきことに集中します。利益を生み出す仕組みや本質を理解しているため、目的達成のために臨機応変に対応できるのです。

また、優秀な人材は自分自身のことも深く理解しています。自分は何が得意なのかを理解したうえで、それを活かして会社に貢献できます。ときには、自分よりも長けている人に仕事を任せながら、会社全体の業務が円滑に進むよう柔軟に調整します。

2-2.自己研鑽を怠らず学んだことを仕事に活かす

優秀な人材は、現状に満足せず努力を怠りません。どんな分野でも常に新しい技術やシステムが生まれていること、従来のやり方ではいずれ売り上げに貢献できなくなる可能性があることを知っているからです。

常に自身をアップデートするためには、業界の最新動向や関連情報を把握する必要があります。また、学んだスキルや情報を自分の中だけで収めるのではなく、会社内で共有するのも優秀な人材の特徴です。

自分だけが分かっているよりも、社内で共有・活用したほうが会社全体の利益につながると捉えているためです。

2-3.職場の人と良好な関係構築をする

会社では、ほとんどの場合、チームを組んで複数名で業務を行います。いくら優秀な人材でも、1人ですべての仕事をこなすことはできないためです。

独りよがりで意思疎通ができない人は周囲からの理解や協力を得にくく、成果を上げるのが難しくなります。大きな成果を上げるためには、関係者たちと円滑なコミュニケーションを取り、良好な関係を構築する力が必要不可欠です。

仕事上の問題や疑問を質問したり、進捗状況を把握したりと、職場の人と密にコミュニケーションを取れることが理想と言えます。

一方で、本人の人格も重要です。例えば、他の人に対して高圧的な態度を取ったり、パワハラをしたりする人は、どんなに能力があっても他の社員の価値をおさえつけてしまうリスクがあるためです。

本当に優秀な人材は、自分の能力が高いだけではなく、他の社員と良い関係を築きながら個々の能力を引き出せるスキルがあるのです。

2-4.人材育成やマネジメントができる

人材育成やマネジメントができるのも優秀な人材の特徴です。

一握りの優秀な人材だけでは、いずれ会社の成長が止まってしまう可能性があるため、次世代を担う人材の育成やマネジメントが不可欠です。

例えば、まずは仕事をやって見せて、部下に新しい仕事を任せつつ、しっかりとサポートを行っていけば、部下も無理なくレベルアップできるでしょう。

部下が育って自走できるようになると、自分自身はさらに高度で自分にしかできない仕事に集中できるため、チームや組織の生産性を高めることにも繋がります。

2-5.会社の将来を考えて行動できる

優秀な人材は、広い視野で会社の将来を考えて行動できます。

事業を存続し、会社を成長させ続けるためには、最新技術の登場や社会インフラの変化など、自分が携わっている業界以外の動向も観察しながら動く必要があります。

例えば、世の中のキャッシュレス化が進むことで現金をあまり利用しなくなったり、最新医療で寿命が延びたりするなど、社会は常に変化し続けています。このような変化にキャッチアップしつつ、自分の会社にどう活かせるかを考えられる人は、会社に大きく貢献してくれるでしょう。

2-6.時代の変化に柔軟に適応できる

優秀な人材は、時代の変化に適応できる柔軟性を備えています。

不確定要素の多い近代は「VUCA時代」と呼ばれています。働き方や消費者ニーズなど、ありとあらゆるモノ・コトが多様化・アップデートを続けており、年々複雑さを増しています。変化のスピードが早いことも相まって、従来の製品・サービスの価値や、仕事の進め方があっという間に通用しなくなる場合もあるでしょう。

複雑な時代だからこそ、未来の予測が難しいことを認識したうえで、さまざまな変化に敏感に反応し、柔軟に対応できるマインドやスキルが重要といえます。

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2-7.ITスキルや知識を使いこなせる

ITスキルや知識を持ち、それを使いこなせるのも優秀な人材の特徴です。

DX(デジタルトランスフォーメーション)、リスキング、AIやビッグデータなどのキーワードが注目される昨今において、これらを理解し業務に取り入れられるかどうかが、企業成長の分かれ道といえます。

例えば、SNSなどを積極的に活用することで、より効果的なマーケティングが実現できたり、IT技術を導入することで業務の効率化が図れたりもするでしょう。

新たなツールやテクノロジーは組織の生産性や効率を高め、ときには従来の仕事のやり方を一変させるほどの影響力があります。今、さまざまな企業でIT技術を積極的に使いこなし、企業を成長に導ける人材が求められているのです。

2-8.英語や語学スキルがある

日本国内の市場が頭打ちしたり、ビジネスのグローバル化が進んだりするにつれて、英語をはじめとした語学スキルの重要性が高まっています。

企業の規模や業種にもよりますが、企業が生き残り成長を続けていくためには、いずれかのタイミングで販路の拡大や海外進出を検討する必要があるためです。

また、少子高齢化に歯止めがかからない日本において、海外から優秀な人材を迎えることも、日本企業が向き合うべき議題のひとつです。リモートワークが浸透した現在において、海外人材を雇用するハードルは下がってきているといえます。

いずれの場合でも、現地の人たちとコミュニケーションを取れる語学スキルに加えて、日本との違いや異文化に対する理解なども求められます。
 

3.優秀な人材を確保する方法

採用手法にはさまざまなものがありますが、ここでは優秀な人材の獲得に適している3つの方法に絞って解説します。

3-1.エージェントを活用する

優秀な人材を確保するためには、転職エージェントの活用がおすすめです。企業側から人材の条件を細かく指定し、条件にあう人材のみを成果報酬で採用できる点が魅力です。

優秀な人材は往々にして希少性が高く、たった1回の求人広告掲載では出会える確率も低いため、中長期的にエージェントと関係構築をしながら紹介を受ける方法が適しているでしょう。ただし、競合他社も同じように、優秀な人材を求めて転職エージェントを活用するため、転職エージェントと良い関係性を築きながら、戦略的に募集活動を行わなければなりません。

よりスムーズに人材紹介を受けられるよう、求人票の内容をブラッシュアップしたり、小まめに募集情報や社内情報を転職エージェントに共有したりするなど、積極的なアクションが求められます。
 

3-2.他社から引き抜きをする(ヘッドハンティング)

他社からの引き抜き(ヘッドハンティング)も優秀な人材を獲得するための代表的な手法です。優秀な人材は好条件で就業している場合が多く、そもそも積極的に転職を検討していないケースも多いためです。

引き抜きの方法には、取引先や協力会社など周囲の人に声かけを行う方法や、既存社員を通じたリファラル(紹介)採用、ハイクラス人材に特化したエグゼクティブサーチなどが挙げられます。

ただし、ヘッドハンティングだけで採用を完結するのは難易度が高いため、前述した転職エージェントや複数の採用手法を組み合わせることをおすすめします。

3-3.海外を視野に入れて母集団形成をする

日本人に限らず、海外人材にも目を向けてみましょう。政府が外国人労働者を積極的に受け入れられるよう法改正などで後押ししていることもあり、日本国内における外国人労働者の数は増え続けているためです。

言葉や文化の壁などの課題はあるものの、企業として受け入れられる人材の幅が広がれば、優秀な人材との出会いや採用のチャンスが大幅に広がります。

実際、グローバル人材の獲得をきっかけに、企業の成長やビジネスの拡大に成功している例も少なくありません。
 

4.優秀な人材の見極め方

優秀な人材の見極め方のひとつに、退職理由を聞いてみる方法があります。

スキルアップをしたいなどの前向きな理由であれば問題ありません。一方で、他責的・批判的な内容だったり、ネガティブな理由だったりする場合は要注意です。

あわせて、面接の際の受け答えがしっかりとしているのか、メールや電話のやり取りがスムーズなのかもチェックすると良いでしょう。

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5.中途採用の面接で企業が気を付けるポイント

優秀な人材が面接に来てくれて内定を出したとしても、相手が会社のことを気に入ってくれなければ入社に至ることはありません。会社側が応募者をチェックしているのと同様に、応募者も会社を吟味しているためです。

優秀な人材を説得するためにも、採用活動中から応募者と対等な目線でコミュニケーションを取る意識が重要です。また、誠実な対応を心がけることはもちろん、相手方のニーズに応えられる会社にしていく必要があるでしょう。

優秀な人材の「成長し続けたい」というニーズには、研修や自己研鑽を奨励するシステムの構築、メンターシップの導入などで応えられる可能性があります。

また、「自分にあった会社や同僚の中で働き、能力を最大限に生かしたい」というニーズに応えるためにも、会社と役割の説明を詳しく行う必要があります。このような取り組みが入社後のミスマッチや早期退職を防ぎ、人材の定着率を高めることにも繋がるでしょう。

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「優秀な人材」の定義から始めよう

優秀な人材の定義や共通する特徴を解説していきました。これらの特徴を理解したうえで、自社の業種や会社の方針などの細かい部分について確認し、自社に合った優秀な人材を定義付けることが重要です。

また「優秀な人材」を採用するには、優秀な人材が優秀でいられることに加え、今以上に能力を伸ばせるような環境を整備することも大切です。

【2021年1月27日公開 - 2024年3月1日更新】

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