人材定着と社員の生産性向上のための戦略があらゆる組織にとって重要な課題となるなか、「従業員エンゲージメント」が注目されています。しかし、実際に効果的なエンゲージメント戦略を構築することは容易なことではありません。従業員エンゲージメントの取り組みを成功させるためには、各個人のニーズやモチベーションに合わせてカスタマイズする必要があるからです。
 

なぜ従業員エンゲージメントが重要なのか?

エンゲージメントの高い従業員は、率先的に自分の余った時間やエネルギーをビジネスの成功のために費やします。彼らは、自分の役割に目的意識を持ち、仕事に熱意、情熱、エネルギーを注いでいます。

モチベーションが高く、献身的で忠誠心が高いだけでなく、エンゲージメントの高い社員は一般的に高いパフォーマンスを発揮し、顧客と企業の両方にとってより良い結果をもたらします。
 

従業員エンゲージメントを高める6つの方法

1. チームの士気を高めるリーダーシップ

従業員エンゲージメントを高めるには、有能で情熱的、かつ実践的なリーダーシップが不可欠です。社員に心から関心を示し、彼らのニーズや希望を理解するために時間を費やすことで、彼らの貢献が評価されているというメッセージが伝わり、個人としてもチームの一員としても、好意と成功への意欲が生まれます。

職場をどのように改善できるかを知るために、定期的に彼らと話す機会を作りましょう。これは、何気ない会話に参加したり、仕事以外の活動をすることで、非公式に行うことができます。より正式な従業員調査やフィードバックの手段を導入することで、彼らのモチベーションを確認します。社員が成功をどのように定義しているかを知ることで、彼らが活躍できるようなやりがいのある環境を作ることができます。

2. 成長の機会を提供する

社員のやる気を失わせる方法は、社員が自分の能力やスキルを活用できていないと感じさせることです。エンゲージメントの高い社員は、自分のスキルを十分に発揮する機会を与えられ、そのスキルを伸ばして成長することを奨励されています。

社員に彼らのキャリアプランについて聞いてみましょう。現在の仕事で、彼らの強みや能力を十分に活かせていますか?もしそうでなければ、彼らがスキルを活かせるようなプランを考えてみましょう。彼らのキャリアは、彼らが望む方向に進んでいますか?組織内での道筋を描き、昇進の目標に同意してみましょう。社員が自分のスキルセットを伸ばすことのできる新しいプロジェクトはありますか?別の部署や場所に出向することで、エンゲージメントを維持するために必要な多様性が得られるかもしれません。

社内での昇進に役立つトレーニングやスキル開発の機会について話し合い、どのようにパフォーマンスを向上させることができるか、明確で一貫したフィードバックを提供します。社員が仕事に満足しているかどうかを気にかけていることを示すことは非常に大切です。

3. すべての社員にとって意味のある仕事を育てる

エンゲージメントの高い社員は、自分のやっている仕事が重要で価値があると信じています。自分が何か意味のあることに貢献していると感じ、自分の努力の結果に誇りを持ちます。

経営者としては、組織全体における社員の役割の重要性を頻繁に強調することが重要です。自分の活動が会社の成功に直結していることや、小さな仕事でも貢献できることを理解させるのです。

目標を設定し、その達成に向けてチャレンジすることで、社員の目的意識を高めることができます。仕事の進め方を改善するために社員の自主性を認め、会社の方向性に対して社員がオーナーシップを感じられるように意思決定に参加させるのです。

4. 社員の努力を評価・表彰する方法を見つける

社員がベストを尽くす意欲を持つためには、自分の努力が報われ、認められることを知る必要があります。社員の努力に定期的に感謝することは、あなたが彼らのハードワークを認識していることを示し、彼らのパフォーマンスを向上させるための励みになります。

彼らの成果を祝う時間を作り、社員にとって意味のある方法で報奨や評価を与えましょう。チームランチを注文したり、ビジネス全体で勝利を共有したり、マイルストーンを達成した人に小さなギフトを贈ったりすることで、社員は自分が認められている、やりがいがあると感じることができます。

競争力のある給与や充実した福利厚生は、内定を受諾する際の重要な動機となりますが、より高いパフォーマンスに対するインセンティブを提供することで、社員がそれ以上の仕事をするモチベーションになります。

5. 人中心の企業文化を築く

人が最大の資産であることを理解している企業は、社員が意欲的に働くことで利益を得ています。最近では、これはオフィス以外の社員の生活を考慮することを意味します。

社員の仕事内容を把握し、仕事と家庭の両立が容易になるような取り組みを検討します。これには、フレックスタイム制やリモートワーク制などがあります。

ソーシャルイベントや定期的なチームビルディング活動に投資することで、仕事と社交や遊びのバランスをとるように従業員を奨励する。「投書箱」など、さまざまな方法でフィードバックを求めることにより、アイデア、提案、改善の共有を促進する。また、より難しくはあるものの、率直にフィードバックしあえる文化を育めるとなおよいでしょう。

従業員が自分の価値を認められていると感じ、話を聞いてもらい、仲間意識を持てるような職場環境は、従業員のエンゲージメントにとって非常に重要です。

★番外編:環境にやさしいグリーン企業になる

Journal of Organisational Behaviour誌に掲載された研究によると、環境に優しいグリーン企業の社員は他の企業の社員に比べて生産性が16%高いことが示されており、「そのようなグリーン企業の従業員は、モチベーションが高く、より多くのトレーニングを受け、より良い対人関係の恩恵を受けている」と結論づけられています。

同様に、マサチューセッツ・ダートマス大学チャールトン・カレッジ・オブ・ビジネスの研究によると、環境に優しいと思われる企業で働いている場合、従業員はより高いレベルの仕事の満足度を報告する可能性が高いことがわかっています。

環境にやさしい「グリーン企業」になるためにできること

  • リサイクルポリシーを導入し、社員にごみの削減を呼びかける
  • エネルギー効率の高い照明器具に切り替える 
  • プリンターに再生紙を使用し、社員に使用量を減らすように促す
  • 社員に水筒を提供し、ペットボトル飲料の消費を抑制する
  • 就業後にパソコンなどの電源を完全に切ることを推奨
  • 企業の社会的責任(CSR)の取り組みを検討し、地域社会への貢献につなげる
     

在宅勤務でも従業員エンゲージメントを維持する方法は?

パンデミックは私たちの働き方を根本的に変えました。従来はオフィスで仕事をしていた多くの職種で、在宅勤務やテレワークが新たに導入され、この変化はコロナが終息した後も元のようには戻らないと言われています。

では、在宅勤務の中で、個人やチームのエンゲージメントを高めるにはどうすればよいのでしょうか? 

最初から明確な期待値を設定する

多くの従業員は勤務形態を急遽変更しなければならず、日々何を期待されているのか混乱してしまうことがあります。管理職としては、できるだけ早い段階で、以下のような期待事項をチームに伝えることが重要です。

  • チームの責任 - これまでと同じか、それとも新しいリモートワーク環境に合わせて変更する必要があるか。
  • 勤務時間 - 勤務時間は固定されているか、フレキシブルか
  • オンラインで仕事をする上での新しいポリシーやガイドライン

 これらの期待事項が満たされているかどうか、定期的にチームをチェックし、社員によっては適切なワークフローを見つけるのに時間がかかることを覚えておいてください。

関連記事:テレワークでの効果的なマネージメント方法

慎重なコミュニケーションを心がける

リモートチームでは、コミュニケーションが課題になることがあります。最近の調査では、多くの社員が遠隔地で働く際に、コミュニケーションの問題や孤独感に悩まされていることがわかりました。チームがバラバラになったり、社員のやる気がなくなったりするリスクを軽減するには、マネージャーが定期的かつ継続的なコミュニケーションの基準を設定する必要があります。

Google Hangouts、Zoom、Skypeなどのアプリケーションを使って、社員と一対一で、あるいはチームでの定期的なミーティングや交流会を企画しましょう。また、SlackやMicrosoft Teamsのようなコラボレーション・プラットフォームを使って、コミュニケーションの糸口を常に開いておくのも良いアイデアです。

柔軟な働き方を受け入れる

多くの人が予期せぬ生活の変化に対応しようとしており、育児や個人的な用事と仕事の両立を余儀なくされています。管理職は、このような不透明性の高い時期に社員に共感し、柔軟にサポートする必要があります。

可能であれば、フレックスタイムなどの柔軟な勤務形態を認め、家族の状況や生活環境によっては特定の便宜を図る必要があることを認識してください。そうすることで、社員への明確なサポートを示すことができ、困難な時期に憤慨することを避けることができます。

リモートでの従業員エンゲージメント活動を導入する

チームの士気を高めることは、リモートワークでもオフィスと同様に、あるいはそれ以上に重要です。チームの仲間意識を維持し、ネガティブな考え方に対抗するために、新しい職場環境に楽しい要素を取り入れる方法を考えてみましょう。

グループチャットでハイタッチをしたり、ビデオ会議でコンテストや誕生日パーティーを開催したり、金曜日の午後に軽食や飲み物を用意したりします。これらの小さな、しかし意味のある活動は、従業員のエンゲージメントを高め、物理的な分離の落とし穴に対抗するのに役立ちます。ただし、やりすぎには注意してください。「ズーム疲れ」という言葉がありますから。

関連記事:チームビルディングはなぜ重要なのか?その理由と実践方法を解説

チームからのフィードバックに耳を傾ける

新しい働き方を導入することは、マネージャーにとっても社員にとっても初めてのことで慣れていません。このことを念頭に置き、チームメンバーがリモートワーク中の課題や成功例を共有することを奨励しましょう。社員のニーズに耳を傾け、可能であればポリシーや取り決めに変更を加え、チームの労働環境を継続的に改善していきましょう。

現在の状況における不安や将来への不透明さを防ぐことはできないかもしれませんが、慣れない社員をサポートするプロセスを導入することは可能です。

他のオフィス環境と同様に、リモートワークでも社員のモチベーションを維持することは、スタッフの満足度を高め、優秀な人材を確保し、チームの結束力を維持するための鍵となります。
 

従業員エンゲージメントについてもっと読む:
「人材トレンド2021」レポートを以下よりダウンロード!

  • 職場のフレキシビリティについて見直す(p.9)

  • 社員のパフォーマンス評価(p.10)

  • リーダーシップ・コミュニケーション(p.11)

  • 社員のメンタルヘルスと「ウェルビーイング」(p.12)