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企業で働く人々のストレス対策やメンタルヘルス対策はとても重要です。社員がストレスや心の問題で健康を害してしまうと生産性の低下にもつながるため、個人の問題では済まないからです。人事担当者の中には、こうした問題に頭を悩ませている人も少なくないでしょう。そこで、今回はメンタルヘルス用語として注目を集めている「コーピング」について、具体的な実践方法も含めて解説します。
コーピングは、英語の「cope(うまくやる、対処する)」から来ている言葉です。メンタルヘルスの分野では主に「ストレスコーピング」、すなわちストレスにうまく対処する方法という意味で使われています。
ストレスとは、外部からの刺激によって心や体に生じる反応のことです。その元となる刺激を「ストレッサー」と言いますが、それには物理的・生理的なものもあれば心理的・社会的なものもあります。適度なストレスはほど良い緊張感となり、仕事で良い結果を出すことにつながる場合もありますが、過度なストレスは逆に本来持っている能力を発揮できなくしてしまうこともあります。このような悪いストレスを軽減し、ストレスにさらされたときに生じる望ましくない反応を回避する工夫のことを「コーピング」と呼んでいます。
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2017年に厚生労働省が発表した「労働安全衛生調査」の報告書によると、約60%もの人が「仕事に対して強いストレスを感じている」と答えています。多くの人が一日の大半を過ごす仕事の場において、常にストレスにさらされているのは健全な状態とは言えないでしょう。過度のストレスは、心身に悪い影響を及ぼします。精神面ではうつ病などの精神疾患の原因となり、身体面では脳梗塞や心筋梗塞の原因ともなり得ます。こうした病気に苦しみ、また強いストレス自体が原因となって自殺をする人がいるのも大きな問題です。
強いストレスがあると仕事への意欲が減退し、集中力が途切れてパフォーマンスが落ちてしまうというのも看過できない問題でしょう。仕事の能率が落ちれば会社の業績にも影響が出かねません。こうしたことからも、コーピングは大きな注目を集めています。
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コーピングは、どの点にアプローチするかによって大きく3つの種類に分けることができます。それぞれどういったものか見ていきましょう。
問題焦点型コーピングはストレスの原因、すなわちストレッサーにアプローチする解決方法です。ストレスの元を断つことによってストレスを感じないで済むようにしよう、ということになります。例えば、あるプロジェクトでスケジュールがタイトなためにメンバーが強いストレスを感じているとしたら、営業担当者も巻き込んで納期の見直しを行っていきます。そうすれば締め切りのプレッシャーから解放され、メンバーのストレスは軽減されるでしょう。また、ストレスの原因が職場の人間関係にある場合は、転職することでストレス解消を図ることができます。
同じような問題でも、例えば納期がきつい場合は上司や同僚に相談して解決策を図る、人間関係に問題があるときは信頼できる同僚に相談して助けてもらうといった解決方法もあります。これは問題焦点型コーピングの中でも社会的支援探索型コーピングと呼ばれるものです。
問題焦点型コーピングではストレスの原因に焦点を当てましたが、今度はストレスを受ける側に焦点を当てます。同じ状況にあっても、ストレスの感じ方は人によって違うものです。そこで、特にストレスを強く感じてしまう人に対し、感情のコントロールをうまくできるように働きかけて問題解決を図るという方法があります。これが情動焦点型コーピングです。
情動焦点型コーピングには2つの種類があります。情動処理型コーピングはストレスを感じたときに家族や親しい友人、あるいはカウンセラーに話を聞いてもらうことで解消する方法です。もう一つは認知的再評価型コーピングと言い、これは例えば上司から厳しい対応をされた場合、それをプレッシャーに感じるのではなく「自分は期待されている」と解釈することでストレスを避ける方法です。すなわちストレスへの考え方や感じ方、あるいは捉え方や認知の仕方を変えることでストレスを避けるのが情動焦点型コーピングの考え方です。
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ストレッサーをできるだけなくす、捉え方を変えることでストレスをあまり感じないようにするという方策ももちろん大切です。しかし、働いていればある程度のストレスはつきもので、ゼロにすることは難しいですよね。大切なのは、ストレスをゼロにするというより「貯め込まない」ことかもしれません。ストレス解消型コーピングは、感じたストレスをそのままにせず、適切な方法で発散していくというものです。
ストレス解消型コーピングにも大きく分けて2つのタイプがあります。気晴らし型コーピングはその名の通り、ストレスを感じた後に買い物や旅行、運動など気晴らしになる行動をすることです。もう一つはリラクゼーション型コーピングで、アロマテラピーやマッサージなどのリラクゼーションを受けるというものです。
ここまで様々なコーピングの方法をご紹介してきました。では、企業として行うことのできるコーピング施策にはどのようなものがあるのでしょうか。具体的に解説していきます。
労働者が50名以上いる企業では、年1回ストレスチェックを行わなくてはなりません。これは「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に基づき、2015年から厚生労働省によって義務付けられています。ストレスチェックは、社員がストレスに関する質問票に回答するというものです。質問項目は国が推奨する57項目となっており、医師が分析することで各人のストレスの状態がわかります。この情報は人事などに利用することはできず、結果はあくまで本人のみに通知されることになっていますので安心です。本人の同意があれば、企業が知ることもできます。
心身の異常となって現れる前にストレスの状態を知り、手遅れになることを防ぐというのがこの調査の目的です。できれば年1回ではなく、もう少し短いスパンで定期的に行うと良いでしょう。
「情動焦点型コーピング」の項で、人に相談するのが一つの方法であると解説しました。これを社内で制度化してしまうというのも有効です。つまり、悩みが生じたときに上司や先輩に相談しやすい制度を作るということです。例えば、「メンター制度」というものがあります。これは若手社員と先輩社員でペアを作り、先輩がメンター(指導者・助言者)として後輩の悩みを聞き指導や助言をするというものです。
また、上司と部下が1対1で対話をする「1on1」という制度もあります。これはあくまで上司が部下の悩みを聞く場であって、評価とは全く関係ありません。このように、評価や人間関係、立場などを気にせず、気がかりなことがあればいつでも話せる環境を整えておくことは大事です。
オフィス環境を快適に整えることも、実はストレス軽減に効果的です。例えば、静かにリラックスできるスペースやみんなでコミュニケーションが取りやすいオープンスペースを設けることなどがあります。あるいは食堂をリラックスできる空間にしたり、スペースに余裕があればカフェスペースを設置するのも良いでしょう。集中したいときに集中でき、リラックスしたいときにリラックスできる、そういった空間づくりがストレス回避に大きく役立ちます。オフィス環境を大きく変えられない場合は観葉植物を置いたり、空調を快適な温度に調整するといったことから始めると良いでしょう。
コーピングの内容と具体的な施策についてご紹介しました。社員がストレスで心や体を壊してしまうことは本人が辛いのはもちろんですが、仕事に影響が出れば会社にとっても大きな損失となります。今回ご紹介した施策の中には、すぐ手を付けられるものもあります。社員が働きやすい環境を作ることは企業にとっても大切です。まずはできるところから始めてみましょう。
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