屋外でノートパソコンを使う笑顔の女性

ビジネスの場で働き方改革や、健康経営が浸透しつつあります。その流れの中で、特に注目を集めているのが「ウェルビーイング」です。このウェルビーイング、聞いたことはあるけれども実際のところよく分からない、という人もいるかもしれません。この記事ではウェルビーイングについて詳しく解説します。読むことにより言葉の意味や必要な理由、向上させるための取り組み方などがつかめるようになるでしょう。
 

1.ウェルビーイングとは

「ウェルビーイング」とは、幸せであることを意味する言葉です。この場合の幸せとは、身体や精神とともに社会的な面でも健康で満たされた状態、多面的な幸福のことです。また、この言葉には、その場限りなものではなく、持続的な幸せという意味合いもあります。ウェルビーイングはもともと、社会福祉などの分野で利用されていた専門用語です。それが次第にビジネスでも用いられるようになり、現在に至っています。ビジネスにおいては、ウェルビーイングは従業員が心身ともに健康な状態で、生き生きと働けることを意味しています。
 

2.企業にウェルビーイングはなぜ必要?

ウェルビーイングが企業にとってはなぜ必要なのか、2つの理由をここでは紹介します。

2-1.労働力を確保するため

労働力の確保に効果的なのがウェルビーイングです。高齢化と少子化により、労働人口が不足しています。その状況の中で必要な人材を確保し、定着率を高めるために欠かせないのが、従業員が自分らしく生き生きと働ける環境づくりです。ウェルビーイングを重要視することにより、そういった環境をつくり上げることが可能です。また、積極的にウェルビーイングに取り組む企業は、対外的なイメージがよくなる傾向があります。ウェルビーイングを重視することにより他社との差別化を図れますし、優秀な人材を確保する可能性も高まります。従業員の離職率を下げられるだけではなく、人材採用に関しても良い効果が期待できるのがウェルビーイングなのです。

2-2.働き方の多様なニーズにこたえるため

多様性を指す言葉に、ダイバーシティがあります。現代はこのダイバーシティが進んでおり、従業員の性別や国籍、文化などは多様化する一方です。働き方改革が推進される中、企業は様々な価値観や、生活様式を持つ従業員のニーズにこたえる必要があります。ウェルビーイングは、こうした働き方の多様なニーズに応える環境づくりに役立ちます。異なる価値観やバックグラウンドを持つ人材が生き生きと活動し、能力を発揮できる環境をつくり上げることはとても重要です。それにより社員は幸福感や充実感を味わえますし、組織の活性化も期待できるからです。

多様性の乏しい組織は、発想がマンネリ化する恐れがあります。様々なバックボーンを持つ人材が多ければ多いほど、既成概念に捉われないアイデアの発生が望めます。
 

3.ウェルビーイングを高めるための取り組み

ウェルビーイングは、意識するだけではあまり効果が期待できません。高めるための取り組みをするのが大事です。ここではウェルビーイングを高めるための主な取り組みを、5つ紹介します。

3-1.福利厚生を充実させる

ウェルビーイングの向上につながるのが、福利厚生の充実です。様々な福利厚生を用意し、充実度を高めることで、多様な働き方が実現しやすくなります。経済的理由により、育児に関する悩みを抱える社員が増えてきています。さらに、少子高齢化による介護問題も避けては通れません。このような場合には育児支援や介護支援といった福利厚生を充実させることで、社員のウェルビーイングの上昇が図れます。また、長期休業をすることになった社員にとって、復職しやすい職場かどうかはとても大きな問題です。復職支援制度があれば社員だけではなく、家族も安心できます。新入社員が企業を選ぶ際、福利厚生を重要視するという調査結果もあります。

このように福利厚生の充実は疎かにはできないポイントですが、制度を構築するだけではあまり意味がありません。福利厚生の充実化と同時に、社員が気兼ねなく利用できるような、使いやすい環境づくりも必要不可欠です。福利厚生が利用しやすいかどうか定期的にヒヤリングし、問題があれば改善を図ることが大切です。

3-2.コミュニケーションをしっかり取る

コミュニケーションの促進は、ウェルビーイングを向上させます。ウェルビーイングにとって、社員間の風通しの良い関係性は重要です。ウェルビーイングには「心理的安全性」という要素が含まれます。心理安全性とは人間関係においてリスクのある行動を取ったときに、拒絶されたり、罰せられたりしない、受容性の高い状態のことです。この状態を達成するためには、良好なコミュニケーションが不可欠です。社内のコミュニケーションが良好であればあるほどウェルビーイングは高まります。 

ある企業は、心理的安全性に着目したプロジェクトを実際に導入しています。コミュニケーションは生産性も向上させるものなので、できるだけ活性化するよう努めるのが肝心です。オープンスペースの設置などによってもコミュニケーションは取りやくなりますし、社内SNSやチャットツールなどの導入も効果的です。

関連記事:心理的安全性のある職場なら社員は幸せ?会社にも利益がある!​​​​​​

3-3.健康経営を推進する

健康経営の促進もまた、ウェルビーイングを高めます。企業にとって、社員の健康は無視できないポイントです。というのは、社員の病気は欠勤や離職につながりかねないからです。健康経営を促進することで従業員の病気による早退や欠勤を減らせます。加えて、離職の減少も見込めます。個人が生き生きと、健康に働くことができれば企業の生産性も高まるものです。また、健康経営には福利厚生も関係してきます。健康経営の理念のもと、健康推進部を発足した企業もありますし、食事や運動のサポートを行っている企業も存在します。

モチベーションの管理も見落としてはいけません。モチベーションの維持は、精神面の健康を保つために重要です。ヨガやフィットネスクラブなどを活用し、身体と精神がリフレッシュできる環境をつくるのは有効な方法です。

3-4.メンタルヘルス対策をする

ウェルビーイングにおいて忘れてはならないのが、メンタルヘルス対策です。労働者の半分以上が、強いストレスを感じているという厚生労働省の調査結果があります。このようなストレス社会にとっては、職場におけるストレス対策は必須です。メンタルヘルスが不調な状態のまま放置していると、生産性や労働損失の低下を招きかねません。労働安全衛生法の改正により、社員のストレスチェックが義務づけられたため、導入する企業が増えています。

また、ストレスチェックだけではなく、独自のヘルスケアプログラムを設け、活用する企業もでてきています。オフィスのレイアウトやトイレの汚れなどがストレスの原因となることもあるので、社内アンケートなどを実施し、職場環境の改善を図るのも良いでしょう。

関連記事:労働者のメンタルヘルス不調への対策!企業は何をすべき?

3-5.長時間労働を是正する

長時間労働は、ウェルビーイングに悪影響を与えます。なぜなら、長時間労働は心身ともに従業員の負担となるからです。主観的健康感や余暇の過ごし方などを評価するものに、ウェルビーイング指標があります。長時間労働により、この指標がマイナスになるという調査結果もあります。働き方改革関連法により時間外労働の上限が法定化されたことにより、違反した場合には罰則が科せられるようになりました。そのため、今後は従業員個々の労働時間をきちんと把握し、時間外労働の上限規則をしっかりと守ることが必要です。また、上限を守ることはウェルビーイングにとっても大事です。
 

ウェルビーイング経営は会社にも従業員にもメリットが多い!

ウェルビーイングの概念を企業に取り入れ、社員の健康を保つことにはさまざまなメリットがあります。優秀な人材や労働力を確保することができますし、生産性の向上も可能です。また、組織全体が健全な発展を遂げるため、社会にもよい影響を与えます。このようにウェルビーイング経営は会社や従業員はもちろん、社会全体にとっても有益です。この記事を参考にして、ウェルビーイングを経営に取り入れてみませんか。
 

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