image
image

日本 概要

日本:技術革新のリーダー

日本企業にとって、2016年は比較的困難な年でしたが、今年は業績が上向くとみられています。非正規社員は現在、全国の働く人口の約40パーセントを占めていますが、大部分の企業にとって引き続き主要な人材供給源となるでしょう。雇用も今年は上向くとみられます。特に、日本の急速な高齢化に対応するための革新的ソリューションに対しては継続的な需要があるので、医療、ライフサイエンス業界の雇用が伸びると考えられます。

金融業界の成長は、より慎重です。収益の減少に伴い、銀行は事業を縮小し、中核事業に注力することを選択しています。縮小傾向がみられるもう一つの部門は小売部門で、消費者マインドの低下、訪日観光客による消費の減速に伴って、全体的に消費が落ち込んだのが原因です。

人材不足は、今後とも多くの産業で課題となるでしょう。英語、日本語ともに堪能なバイリンガル人材が限られているため、 外資系企業が最も人材不足に悩まされています。さらに、日本企業の方がより安定していると思われているため、多くの日本人は日本企業に勤めることを好む傾向があります。従業員は長期間にわたって同じ企業に勤めることが多く、依然として転職は少ないです。

アジアの他の市場と同様、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、人工知能などの成長分野のIT企業は、経験豊富な中間管理職以上の人材を採用するのが難しくなるでしょう。これらの役職を海外からの人材で補うというのは、日本語も話せる有能なデベロッパーは比較的少ないため、解決策ではありません。

国内のテクノロジー業界は、新しい商品やサービスの開発に関して海外市場より一歩先を進み続けるでしょう。日本は、古くからイノベーションに強みを持ち、消費者も技術進歩を比較的寛容に受け入れるからです。エンジニアリングとプログラミング技術に長けた候補者は、複数の内定を受け取ることになるでしょう。

ダイバーシティとインクルージョンの推進に関しては、日本企業は、海外企業に依然として遅れを取っています。管理職では男性が好まれるだけでなく、多くの女性は現在でも、結婚後フルタイムで働くより専業主婦になることを好みます。

実際、2013年の厚生労働省による家族に関する全国調査では、結婚している20代の女性の中で、女性は専業主婦になるべきだと考える人の割合が、2003年の35.7パーセントから、41.6パーセントに増加したと報告しています。 

女性の労働力活用を推進するための、日本政府の最近の努力の結果、現在の状況が変わる可能性があることが挙げられます。日本でも徐々に、ダイバーシティが推進され、異なる視点を持つ人材が活用される労働環境になっていけば、企業自体の創造、革新する能力が高まり、究極的には収益増化につながるのではないでしょうか。

経理・財務

経理・財務の求人市場は安定した成長を享受しており、これは景気動向に沿った市場の安定化を明確に示すものだ。依然としてその動向の大部分が欠員補充により推進されているものの、これから12か月間にわたり、引き続き財務専門家の需要が高まることが予想され、それにより市場内に更なる競争が生み出されるだろう。経理・財務職の採用活動は、とりわけFMCG(日用消費財)などの消費者部門や、医薬品・医療機器などの医療部門において堅調を維持している。

多くの会社が規模を拡大し、事業運営を改善しようと試みる中、財務分析と内部統制監査に重点を置きながら、高度な能力を持つ経理・財務職を求めている。経験の度合いに関しては、一般社員や中間管理職に依然として最も大きな需要がある。大学院の学位と高いコミュニケーション能力を持つ会計士とアナリストが未だに経理・財務の求人市場において最も需要の高い人材の一つである。企業は、特にMBA(経営学修士号)などの修士号を持つ応募者を採用することで、内部組織と経営陣を強化することに意欲的である

財務アナリスト、財務計画・財務分析 (FP&A)マネージャー、会計監査役が、最も需要の高い職務である。企業実績に対しこれらの技能が重要であるため、離職がある場合、至急に後任採用が行われる。

経営幹部レベルの職については、意思決定の過程のサポート、業績分析、動向の特定、ビジネス戦略の策定、原価管理を通じた企業の効率性の向上、および常に進化している規制環境の理解を通じて、事業に良い影響をもたらす人物が企業により求められる。

バイリンガルの経理・財務マネージャーは、引き続き高い需要がある。外資系企業における経理・財務職が海外の親会社やグループ会社の財務関係者たちとしばしば情報をやりとりする必要があることを考慮すると、この能力は最優先事項である。通常これらの職務には、事業の異なる部門と効果的にコミュニケーションを図り、受け取った情報を分析できる能力が求められる。

経理・財務職に対する給与のコスト圧力は依然として強いものの、市場における最優秀の人材を呼び込むため、企業は柔軟な態度を示し、水準以上の報酬と福利厚生を提供する必要がある。 経理・財務職に対する報酬の増加、とりわけ転職初任給における平均で5~15%の増加を予測している。

報酬の増加は、業界、企業規模、役職、年功制を含む多くの要因によって決まる。

財務計画・財務分析(FP&A)といった高い需要のある職能の候補者は、通常複数の内定を受けることができ、別の就職口を探す際、平均以上の給与とボーナスの水準を要求することができる。これらのスキルを持つ者は、更に大きな給与を求めてしばしば転職することがあり、そのことが企業に対し賃金上昇の圧力をかけている。

求人を検索 平均給与を見る

金融

2016年後半の世界の金融市場は、英国のEU離脱やアメリカ合衆国大統領選挙の影響で先行きが不透明となり、ヘッドカウント承認へ影響を与えています。世界の投資銀行は、前年度の様々な出来事の市場への影響を見極めるために、2017年の第1四半期は採用活動に慎重になるでしょう。

規制強化の結果、投資銀行、法人向け銀行、資産運用会社など様々な業種において、ガバナンス、リスク管理、コンプライアンス関連の役職の数は持続的に増加しています。このような収益を上げない役職の増加は、銀行がリスクを取ることを好まずマージンが圧迫される中で、フロントオフィスのチームが軽減せねばならないコストの増加を意味しています。

資産運用会社の採用は2016年中、比較的安定していました。2017年も継続する見込みです。マイナス金利や、それによる国内の債券市場のネガティブイールドが最終的に意味するのは、投資家は今後も海外の株式や代替投資からより多くの利益を上げようとするだろうということです。結果、それらのアセットクラスに関するプロの需要は高まるでしょう。

予想としては2017年の始め頃、投資銀行はフロントオフィスへの採用はほぼ欠員補充に限定するでしょう。プライマリー市場ではM&Aに関してジュニアレベルからミッドレベルまで、直接の経験を持つ優秀な人材への需要が継続するでしょう。セカンダリー市場では、セールスとトレーディングに関してはほぼ横ばいとなり、ジュニアレベルの株式調査アナリストに関しては、高い離職率の影響で幾つかの企業から需要が高まるでしょう。

資産運用会社が投資戦略の対象を債券から株式及び代替投資へと移す中、テクニカルプロダクトと投資リスクに関し、知識を持ち精通しているプロダクトマネージャーへの需要は高いままでしょう。

コンプライアンス・オフィサーで、AML(アンチマネーロンダリング)やASF (反社会的勢力)、法令遵守検査、電子通信モニタリングや取引の監視について経験を持つ者への需要は高いままでしょう。

オペレーションについては、KYC(顧客確認)、クライアントオンボーディング、規制関連業務について経験を持つ者への求人数は継続して増加するでしょう。財務プロフェッショナルで、財務報告書、流動性リスクマネジメント、自己資本妥当性、ストレステストなどに関して経験を持つ者への求人も増えるでしょう。これは金融機関が内部統制を強め、バーゼルIIIに概説される新しいグローバルスタンダードに適合しようとしているからです。

フロントオフィス、財務、ミドルオフィス及びオペレーションで働く銀行業務のプロにとって、給与レベルは前年とさほど変わりがないでしょう。

経験豊かなコンプライアンス及び規制関連のプロは未だ数が足りていません。つまり、これらについて経験のある転職希望者は、同レベル程度への転職であっても概してより高い給料を手にできるでしょう。

一般的に、転職希望者は同レベル程度への転職に際し、固定報酬におよそ10%の増加を見込めるでしょう。この数値は転職希望者がニッチな分野の経験を持っていたり、需要のあるスキルを持っていた場合、より高まります。

求人を検索 平均給与を見る

エンジニアリング

製造業各分野における技術革新の進展に伴いエンジニア職を採用する動きは昨年に引き続き活発化することでしょう。具体的には自動車・エネルギー・化学等の業界におけるキャリア採用が根強い傾向にあります。特に、日系・外資系企業問わず、バイリンガル・エンジニアに対する引き合いが一層強まるでしょう。

あらゆる製品の電気化や自動制御化の潮流が一層強まることは明白です。つまり、センシング&コントロール技術の進展です。それらは最近話題のIOTというコンセプトに連動しております。

具体的には、自動運転システム・スマートグリッド等に関連する電気系の開発職・技術マーケティング職・アプリケーションエンジニア・セールスエンジニア職等のニーズが高まることでしょう。

成長事業と成熟事業によって転職による昇給率の差がより開く可能性があります。

前者に関しては、人材需給バランスが逼迫しているためです。つまり事業成長の速度に人材供給が追いついておらず急募の状況が続いているためです。状況と候補者の能力次第では10-30%の昇給の可能性もあるでしょう。

後者に関しては、比較的リプレイスメントが多く、前任者との経験値をベンチマークとして候補者の年収査定をする傾向があります。

求人を検索 平均給与を見る

ヘルスケア&ライフサイエンス

全般的にヘルスケア関連企業は2017年度において、日本での継続したマーケット成長が見込まれており、主な要因として、高齢化社会と新たな高額治療法に対する需要の高まりなどが挙げられます。

日本政府はジェネリック医薬品の活用増加(目標値は70%)と、医療評価(HTA)プログラムによって価格と入手経路を効率的に管理することで、国の医療費軽減を目指しています。これにより、ジェネリック医薬品メーカーの収益の段階的な成長と、一方で、一部大手新薬メーカーのわずかな衰退につながる可能性があります。

生命科学の分野では、過去2年間で売上と利益が減少してきましたが、政府の支出増加予測とともに今後マーケット拡大につながる見込みがあります。

診断薬、診断機器の分野は順調に高い売上のある成長市場となりましたが、その利幅は小さく、同分野は早期成熟の危機にあります。

 

製薬業界での採用は、日本での医療技術評価の段階的な実施が要因となり、政策、アウトカムリサーチ (HEOR: Health Economics Outcome Research) などの分野で、特に増加傾向をたどると思われます。薬事、品質、安全性関連部門は、同分野での人材の高齢化により、中堅・リーダー・トップクラスの採用が継続されるでしょう。キーオピニオンリーダーと製薬会社の間で行われる高度な技術的コミュニケーションへの需要拡大から、メディカル・サイエンス・リエゾン(MSL)のポジションは医薬情報担当者(MR)のポジションに取って代わり、増加傾向をたどっております。医療機器、生命科学、診断業界への投資が要因となり営業担当および、マーケティング専門家の採用も増加する見込みです。 

2017年の給与とボーナスの水準は、医療業界の予測成長2.2%に準じて、わずかに上昇し続ける見込みです。医療系企業間の従業員の転職が増加しているため、採用企業は強力な人材を獲得、保持するために給与水準を上げています。特に、ニーズの高いポジションや、医薬品開発業務委託期間(CROs)、CSO(Contract Sales Organisation)、およびその他の医療系ベンダー企業は製薬会社と医療機器メーカーから人材を引き抜くために比較的高い給与を提示し続けていくものと思われます。

   
求人を検索 平均給与を見る

人事

人事分野における採用活動は好調を維持しており、今後12か月は同じ水準が継続すると見込まれています。採用活動が好調である要因の1つは、人事スキルのあるバイリンガル人材の不足です。

求人数は継続的に安定しており、人事ビジネスパートナーやダイレクトソーシングの能力を持つ社内採用担当職に関しても増加しています。

最も需要の高い業界は小売、医療、製造、ITです。金融業界では前年と同水準の採用活用が行われ、主な求人は後任採用のものでした。

小売業界では常に人事職の需要が高いです。小売業界は、日本の有名ブランドと競争し、日本市場での優勢を維持するために人材投資に注力しています。2016年は、小売企が企業人事チームと連携して別の小売人事チームを作り、小売人事スタッフの採用活動を強化するが傾向が多く見られました。

IT業界は常に革新、成長、多様性を実現しています。そのため、人材を増やして成長の可能性に投資するために、人事スタッフによるサポートがさらに必要になります。IT企業は、他の業界を率先し、独自のネットワークを通じて採用活用を行っていますが、その結果は様々です。多くの場合、欠員を埋めることには成功していますが、市場における最優秀の人材を集めることはできていません。また、人材のパフォーマンスが低いために、同じポジションの採用活動を繰り替えさなければならない状態になっています。

戦略的な人事スタッフを求める企業の増加や、バイリンガル人材の不足や労働力の急速な高齢化が相まって、戦略的なマインドセットを持つ人事スタッフの採用活動が緊急に必要とされています。

サポート部門だけでなく、戦略的観点からビジネスとの連携をできる人事ジェネラリストや人事ビジネスパートナーの需要は継続するでしょう。これらの役職は今後12か月も高い需要が見込まれます。

日本を成長市場として楽観視している外資系企業の中では、採用活動費用を削減するために、ダイレクトソーシングなどの革新的なチャンネルを活用した人材の調達の経験を持つ採用担当者の需要が高くなっています。

採用担当者の役割は、今後12か月も高い需要が継続するでしょう。日本の多くの企業ではバイリンガル人材の不足が課題になっています。そのため、企業を代表してより幅広い求人市場に売り込むことができる積極的な採用担当者が必要となっています。

外資系企業では、人事スタッフが流暢に英語を話せることは有利です。企業は新しいコスト削減計画を実施するために現在需要の高いスキルであるダイレクトソーシングや戦略的人事スキル を持つ人材を好みます。

2017年は安定した給与増加が見込まれます。転職の場合には平均5~15%の増加となっています。

従来、日本の企業ではボーナス受給が保証されていましたが、現在では業績ベースのボーナスがより一般的になっています。

求人を検索 平均給与を見る

法務

2016年の法務の採用活動は、特に社内弁護士、法務マネージャー、コンプライアンスの需要増加により流動性の高い労働市場となりました。

最大の成長分野は、医療、ライフサイエンス、テクノロジー業界です。これらの分野は、来年も成長の継続が期待されます。

医療やライフサイエンスの業界では、日本企業が世界水準に追い付くに従い、コンプライアンスおよび規制の専門家の需要が高まっています。多くの外資系企業が日本での事業を拡大しようとしているため、弁護士の需要も高くなっています。

テクノロジー部門のメディア、電子通信、ソフトウェア企業は、特に日本企業が海外市場に拡大したことにより、成長を続けています。

英語および日本語で業務に携わることができるバイリンガルの法務マネージャーや契約管理者については今後も需要が継続するでしょう。

スマホゲームの普及により、ゲーム部門の法律専門家の需要増加が見込まれています。

金融業界においては、英国のEU離脱や原油価格の高騰などの原因により、成長は限られたものになっています。その結果、弁護士の需要は大幅に減少し、給与に悪影響が及んでいます。金融機関は、資本市場やM&A、コンプライアンスの経験や専門知識を求めています。

法律事務所は、昨年と比較してビジネスの減少が見られました。一部の法律事務所の成長や料金の低下により、事務所間の競争関係が高まりました。しかしながら、金融の経験を持つ若手の日本人アソシエイト弁護士は、本年も変わらず強い需要があります。外国籍やシニアアソシエイト弁護士については、プロジェクトやM&Aの経験を持つ人に需要があります。5年以上のPQEの経験を持つ日本人弁護士については、独占禁止やプロジェクトファイナンスを扱う役職の需要があります。

昨年と同様に、医療やライフサイエンス、テクノロジー業界の企業は、成長に応じて優れた報酬を提供しています。給与増加は10%以上でした。他の業界では、候補者は市場平均の10%増加を期待できます。

法律事務所や金融業界については、給与は一定を維持していますが、前年からの増加は見られない可能性があります。

求人を検索 平均給与を見る

オフィスサポート

ここ最近は、秘書やアシスタントの採用数は横ばいである一方で、オフィスマネジャーの方の採用が増えている傾向にあります。総務・経理・人事、と分けずに、オフィスマネジャーがバックオフィスのアドミニストレーションに関わる業務を総括してみるような人材を欲する企業が増えています。

カスタマーサービス人材の採用がどの企業でも盛んに行われており、異業界出身の人材も視野に入れながら人選を行っていくかどうかで、ポジションの埋まる可能性が大きく変化してくるといえるでしょう。

秘書ポジションにおいては、派遣法改定により、より多くの方が正社員という安定した雇用形態を望む傾向が強くなっており、企業側がどれくらい雇用形態について柔軟に検討できるかが一つの鍵になってくるでしょう。

2017年の事務職案件は、引き続き活発に動く見込みです。

秘書や、アシスタント、総務といったポジションの採用は、基本的にはリプレイスメントによるものが多いことには変わりありませんが、ここ数年でより活発になってきたのが、カスタマーサポートのポジションです。

特にリテールではインバウンドのお客様が増えていることもあり、英語を話せるカスタマーサービスの需要が急激に増えており、このトレンドは2017年も引き続き継続されるもののと予想されます。

B2Bの業界では、基本的な受発注業務もカバーできるような営業アシスタントの需要が高まっており、一人の方が幅広い業務を担当するケースも多くみられます。このような人材の採用は、今後も勢いを増すでしょう。

年収レンジは2016年同様、あまり変化は起こらないでしょう。

金融や製薬業界は、同業界の経験が必要になることや、より高い英語力が求められること、また他業界に比べた時の組織変更などのスピードの速さから、去年と変わらず高収入が見込まれます。

他の業界においても、上下する動きは見られませんが、カスタマーサービスなどでも英語力がだんだんと必要になってくることから、必然的に平均年収が高くなっている傾向が見られます。

求人を検索 平均給与を見る

小売

営業、オペレーション、マーチャンダイジング(バイイング)の求人数は平年どおり安定していますが、特にラグジュアリー商材を扱う企業では、PRを始めとしたコミュニケーション関連職種の求人が減少傾向にあり、その代わりにデジタル部門の拡大と人材獲得の需要が高まっています。

消費財並びに小売業界では、外部オンラインリテール企業(アマゾン、楽天、Yahooなど)との提携や、自社のECサイトの立ち上げを通じて、商品の販路拡大に継続して力を入れています。また、オンラインでの販路が既に確立している企業では、更なる利益獲得のために、ソーシャルメディアなどのコミュニケーションツールやトラフィック分析を使用した販路認知度の拡大に重点を置いています。

日本市場において、デジタル人材の不足は依然として続いており、これから更にオンラインビジネスが主流になっていく中では更に深刻化していくことが予想されます。

この分野は比較的新しく、人材に対する需要と供給のバランスが取れていない状況が続いていますが、それと同時にデジタル分野でのキャリアチェンジを望む求職者にとっては、ポテンシャル重視での採用の機会を獲得する良い機会となるでしょう。現に、日本語の言語能力が足りていなくても、良いスキルと経験を持っている外国人人材を積極的に検討する企業も増えてきています。

デジタルマーケティング、アナリスト、Eコマース・マネージャー、Eコマース・マーチャンダイザー、Eコマース営業の職種の需要が高まるでしょう。

3年から7年の経験を有する、バイリンガルのマーチャンダイザーも、引く手あまたとなるでしょう。

2016年は、インバウンド消費の落ち込みが小売業界に大きく影響したため、賞与や給与の増加は残念ながら見込めません。

しかしながら、Eコマース事業や、2020年の東京オリンピックを視野に入れて拡大傾向にあるスポーツ系企業では、この限りではありません。

求人を検索 平均給与を見る

営業・マーケティング

営業

近年、様々な業界が発展してきた影響で、営業職への需要は増え、その役割も変化していくことになるだろう。

自動車業界では、自動操縦や自動運転車などの技術的な進歩が新しい職を多く生みだしていくことになるだろう。

IT業界では、未だ発展途上の分野でありながらも、VR(仮想現実)の分野が2017年も年間を通して雇用機会の増加に貢献するだろう。

Eコマース業界では、既存の事業がオンラインに進出したり、国内外で立ち上げられる新しい事業がネットでの存在感を高めたりして、成長していく見込みだ。

フィンテック(金融テクノロジー)関連企業も日本で拡大していく見込みだ。求職者にとっては多様な営業スキルを身に着けたり、伸びしろのある企業に加わることができるという点が魅力となる。

たばこ業界では、健康リスクを抑えた製品の分野が成長し、業界に新しい風を吹き込んでいくことになるだろう。

2016年に大きな変化を遂げたアルコール飲料業界は、クラフトビール、ワイン、ウィスキーなどでより味を重視するようになった消費者のトレンドを追い、2017年も年間を通して変化し続けていくだろう。

マーケティング

医療、製薬、テクノロジー業界、特にデジタルマーケティングの分野では依然としてバイリンガルのマーケターへの高い需要があるだろう。これらの業界は国内の平均と比べ、より多くの報酬を支払い、またダイナミックで国際的な職場環境を提供している。企業が業界での経験があり、実用的な専門性を備え、英語もできる候補を大量に見つけることは非常に困難である。そのため、採用活動中の企業では他業界の候補者や企業内部での候補者を見つけようとする動きがある。

医療業界が活発な採用活動を行い、テクノロジー業界が日本の大きな国内市場での成長を目指し、投資を続けているため、日本のマーケティングとコミュニケーションズ分野の転職市場の見通しは明るい。

営業

消費財業界では常にバイリンガルのセールスマネージャー、理想的にはコンビニエンスストア、ホームセンター、総合スーパーなどの関連する販売チャンネルでの経験がある人材に最も高い需要がある。同じような経験のあるコンシューマーディレクターとゼネラルマネージャーにも需要があるだろう。しかしながら、企業が経験のある製品や販売チャンネルに関わらず、大手消費財企業での経験を求めている場合や、単純に新鮮なアイディアを求めている場合は例外となる。

B2B業界においては、セールスマネージャーとディレクターへの需要が高いものになるだろう。アカウントマネジメントの仕事への期待が高まり、またサービスレベルの向上も求められるようになるため、業界内での関係やディストリビューターとの関係がとても重要になってくるであろう。

2017年には会社の売上と利益に直接的な影響を与えることのできる役員レベルの営業職への需要が引き続き高いものとなり、全国を統括するカントリーマネージャーやディレクターレベルの求人も増えるだろう。

マーケティング

ソーシャルメディアマーケティング分野では、需要が供給をはるかに上回り、加熱してきている。他の国と比べ、日本では強力な分析力を持ち、英語もできるソーシャルメディアマーケターがとても稀少な存在となっている。コンテンツと広告のローカリゼーションは依然として一般的に行われている。日本にある外資系企業の多くは、日本での経験の少なさから、日本のお客に対する最大限に戦略的かつ効果的なエンゲージメントができずにいる。

営業

報酬は典型的には10%ほど上がるであろう。たばこやFMCGなどの消費財を扱う業界の企業は成績の良い者に対してより多くの報酬を与えることになるだろう。

B2B業界では10-30%ほど賞与が上がり、最も高給となるのは自動車、ネットワーク、コミュニケーション業界となるだろう。平均的に給与は5%から10%上がる可能性がある。

マーケティング

給与と賞与は例年とほぼ同じように2-4%増加するのみにとどまるだろう。転職して得られる報酬も3-8%ほどに限られるだろう。企業はライフワークバランス、役職の変更、フレックスタイムなどの福利厚生で候補者を惹きつけようとするだろう。

営業求人を検索 マーケティング求人を検索 平均給与を見る

購買・サプライチェーン

2016年購買・サプライチェーンの採用活動は、昨年と比較して少し波がありました。上半期は安定していましたが、下半期は英国のEU離脱の影響もあり、新規での採用活動が減少傾向にありました。

製造業、ヘルスケア分野においては、サプライチェーンを中心に戦略を立てている企業が多く安定しており、従業員数の水準を保つもしくは増員傾向にありました。

下半期に話題となった米国大統領選挙の影響が、来年以降どの程度日本経済に影響を与えるのか注目されていますが、トランプ新政権確定後は円高が続いており、この勢いでいけば、購買・サプライチェーンの採用は、来年も高い需要を保つと予想されます。

需要供給におけるプランニングを専門とするプロフェッショナルは、人材不足により、引き続き業界を問わず高い需要があります。売上および供給傾向を正確に予測するための高い統計的、分析的スキルを必要とする候補者は、今年も高い需要が継続することでしょう。

直接購買においては、海外に拠点を置くサプライヤーとの契約・価格交渉において強いスキルを持つバイリンガル候補者は、高い需要傾向がありました。

最近の傾向としては、間接購買職にも注目が集まっており、昨年と比較しても、製造業からサービス業まで幅広い業界で採用活動が活発になっています。

特定の業界での経験を持つサプライチェーンマネージャーおよびディレクターレベルの候補者は、高額の給与レベルを要求することができます。これはプランニング、物流、3PLオペレーション、カスタマーサービスなど彼らの広範なサプライチェーンに関する知識だけでなく、サプライチェーン全体を管理する能力やシニアエグゼクティブなどのパートナーとの関係も評価されているためです。

購買マネージャーやディレクターは購買戦略の確立、チーム全体を管理する能力、強い交渉力およびソーシング力、社内外関係者との調整、企業全体の直接材/間接材コスト削減における貢献度を評価されるため、その経験度に応じて、高額の給与レベルを要求することができます。

求人を検索 平均給与を見る

IT

ITベンダー

日本が2020年東京オリンピックの開催や次世代の5Gモバイルネットワークの構築などの準備を進める中で、インフラ整備が大幅に改善され、テレコミュニケーションやネットワーク関係の多くの分野で好影響が短期的にあるとみられます。

インターネットやアドテクノロジーなどを含むデジタル分野での急速な成長が見込めます。AI(人工知能)の飛躍的進化が、情報端末、検索、言語処理・翻訳などの改善と共に、私たちとコンピューターとの関わり方をより良い方向へと導いてくれるはずです。製薬とエンジニアリングの分野が繋がり合い、それぞれの領域での更なるテクノロジーの発展が必要となるので、これらのエリアはますます拡大していくことでしょう。

金融

2017年では、セキュリティやアセットマネジメント分野の外資系企業の大部分が、重要なポジションのみにおいてITスタッフを採用するものとみられます。例えば、顧客と直接対応をするプロダクションサポートの役職などです。

保険の分野においては、引き続き様々なポジションで全面的に活発な採用が行われるものとみられます。特にアプリケーション開発やオペレーションなどの分野になります。

特に成長が見込める職種は、データアナリティクスとITセキュリティです。これは、今までよりも多くの企業が自分たちのデータを保護し、解析する必要を感じているためです。

事業会社

2016年、事業会社の業界内では主に3つのトレンドが見受けられました。特に医療分野におけるエグゼクティブレベル以上の離職による採用、ビックデータ解析とデジタルマーケティングツールでの経験を持った人材への需要増加、そしてEコマース関連の役職の倍増です。

医療業界では、デジタルマーケティングツールの浸透により、採用は既存のERPからコマーシャルシステム経験者へと需要の高まりが推移しています。また、組織が、リージョン単位の縦割りに移行している企業も多く、マネージャーレベルは部下なしのプレーイングマネージャーへの需要が高まってきています。

小売/消費財業界では、日本オフィスの拡大や、日系企業とのジョイントベンチャー形態からの分社化が2015年後半から多く見られたため、採用案件の約1/3は新規採用でした。データ分析への取り組みも増え、CRMやデジタルマーケティングツール経験者への需要は高く、これらのポジションの約50%は新規での採用でした。POSシステム経験者への需要は、今後の新しいトレンドであるモバイルPOSも大手企業では普及し始めつつあるため、引き続き需要が高く、全採用の約20%を占めました。

製造業/自動車/物流業界では、インフラサポートやプロジェクトマネージャーなど既存の社内ITポジションでの採用がほとんどでした。リプレースメントベースや後継者の育成という理由での、チームマネージメント責務のあるマネージャーポジションの採用も今年度は多く見られました。

ITベンダー

ビジネスに大量のデータが流れ込んでくるという状況の中で、情報を解釈し、有意義な見識を生み出す能力がますます重要になってきています。データ解析に関する仕事、例えばデータサイエンティストやビジネスインテリジェンスアナリスト、そしてAI研究者などの需要が高くなるでしょう

金融

制御系システムの開発を専門としたエンジニア、データサイエンティスト、セキュリティテクノロジスト、アプリケーションサポートなどの職種の需要が2017年に高まるでしょう。

事業会社

データウェアハウスの整備により、データサイエンティストやデータ分析経験者の需要増加が、特に大手企業で多く見られる予想です。

小売/消費財業界及び、医療業界では、Eコマースでの売り上げ拡大に向け、舵を切っている企業も多く、Eコマース関連の経験者の需要は更に高まる予想です。それにより、物流量が増えるため、物流業界でも、新規に配送センターを開設などの大規模なプロジェクトが始まり、配送センターのシステムを構築するIT部門の増員も見込むことができそうです。

ITベンダー

需要の高いポジションでは概ね20%以上の給与の増加が見込めますが、全体で見た給与の平均は2016年とあまり変わらないでしょう。

しかし、給与を増額する代わりに、サインオンボーナス、制限付き株、職場でのフレキシビリティ、無制限の有給休暇、退職金パッケージなどといった、特別な恩賞を与える企業が現れ始めています。

金融

データサイエンティストは20%以上の大きな給与アップが見込めるでしょう。その他の職種は2016年のレベルと同じくらいの給与となるでしょう。

事業会社

CRM、BI(ビジネスインテリジェンス)、デジタル分野でのバイリンガル人材の不足は深刻で、これらのエリアでのスキルと経験を持った人材には最大で50%もの給与増加があると思われます。

ERP のビジネスアナリストやインフラの管理・サポートなどの給与は、あまり上げ幅がなく、平均して0-20%の昇給を見込むことができます。

求人を検索 平均給与を見る

契約・派遣

IT

セキュリティ、IOT、ビッグデータ、クラウドサービス、ソーシャルメディア、ゲーム、Eコマースの分野はテクノロジー市場においても最も魅力的な分野となるだろう。これらの分野は多くの若い人材を惹きつけており、結果として社内ITエンジニアという仕事を望ましいキャリアパスと考えない人材が増えている。

人材獲得競争と供給が低いため、給与は上がることとなり、現在は多くの企業が職場をよりフレキシブルに選べるようにするなど、福利厚生を充実させることでより良い人材を得ようとしている。

昨年は、全ての役職でバイリンガルスキルを持つ人材への需要が非常に高まった。2017年も同じ傾向が続くとみられ、既に希少であるこのタレントプールはより一層限られたものになっていくだろう。技術的なスキルセットに重点を置き、言語スキルに関してはフレキシブルな方針をとる企業が採用活動で成功することとなるだろう。

事務

2016年を通して事務分野で派遣および契約社員の安定した需要がありました。正社員の産休代替要員として、高いスキルを持った人材への需要も高まりました。国内外の経済動向に不安定さが残る中、採用企業は派遣と契約社員に依存し続けています。

小売、消費財、製薬、B2B及びB2C、テクノロジーの分野では、派遣及び契約社員の採用が依然として多い。金融では、特に証券、投資銀行、資産管理の分野は未だ採用に消極的であり、欠員補充や産休代替要員に限られている。

IT

金融

金融以外の分野では正規雇用の数が増加したことで、バイリンガルスキルを持つIT職の多くが、より良い給与やワークライフバランス、最新のテクノロジーを使える職場を求めて金融業界以外での職を探している。そのため、契約雇用の人材獲得競争は徐々に激しさを増してきている。

投資銀行や資産管理分野での採用は、依然として停滞気味となるものの、現地ユーザーとの協力が必要となるプロジェクトマネージャー、ビジネスアナリシス、アプリケーション及びデスクトップサポートの分野では引き続き高い需要があるものとみられる。保険分野でもIT職への需要が引き続き高いものとなるだろう。

開発分野での採用は、法規制関係の開発プロジェクトに限られ、需要も低いものとなるだろう。

その他

通信とネットワークの分野は、2020年東京オリンピックと5Gネットワークの立ち上げによって拡大する見込みだ。これによって、この分野では経験豊富なエンジニアが求められることになるだろう。

小売、消費財、Eコマース、製造業の分野ではデータアナリスト、データサイエンティスト、ウェブディベロッパー、ローカリゼーションへの需要が引き続き高いものとなるだろう。

ITベンダーとサービス企業でもSAP、システムアーキテクト、プロジェクトマネージャーへの一定の需要があるだろう。しかしながら、この分野の企業がオフショアモデルを活用していくにつれ、開発者への需要は減少傾向にある。

事務

不確かな市場動向の行方は、結果として多くの企業で専門職での紹介予定派遣を増やすこととなった。

2017年も引き続き、事務分野で最も高い需要があるだろう。英国EU離脱と米大統領選挙の結果によって国際経済の動向が不安定さを孕み、外資企業が採用に消極的な姿勢をとる中、経理、営業、マーケティング、監査、コンプライアンス、人事、オペレーションなどの専門職で、「紹介予定派遣」、「契約社員から正社員」という形での採用が増えていくとみられる。

IT

役職に左右されるが、若手の人材は最大20%の増給が期待できる。しかしながら、経験豊富な人材が解雇され、新しい職を探しているような分野では給与が現状維持、もしくは減少となる可能性もある。

事務

秘書や事務員の給与は比較的安定したものとなるだろう。しかし、転職する場合はわずかながら増えそうだ。企業が最優秀の人材を確保するために、高給を提示しなければならない経理、営業、マーケティング、監査の分野では、重要な役職や高いスキルが求められる役職で給与が大きく上がるとみられる。

求人を検索 平均給与を見る

アジアのトレンド