近年注目を集めるクラウド。ビジネス面や転職活動でも利用できるクラウド、どのようなメリットを生み出すのでしょうか。

場所を問わず利用が可能

自分が使っているPCで文書や資料を作成した後、その電子ファイルはどこに保存しますか?まずは作業をしたPC上に保存するかと思います。でも、その電子ファイルを誰かに渡そうとした場合、どのようにして渡しますか?メールの添付ファイルで送信することも可能かと思います。でも、そのファイルに修正コメントをつけて返信してもらい、修正版をまたメールで送るという作業になるとちょっと手間ですよね。

さらにそんな作業が何度も発生したり、やりとりするのが2人ではなく、10人で行ったり、またそのうち何人かは営業で外出中だったり、海外出張中だったりするとどうでしょう?それでもメールで行うことは可能ですが、かなり煩雑な作業になるでしょう。

そのような場合にこそ、ファイル共有を行うクラウドサービスが役立ちます。このようなサービスは「オンラインストレージ・サービス」と呼ばれています。このサービスを利用すると、インターネット上のサーバーに共有したいファイルを格納するので、インターネットに接続している端末であれば、会社のPCからはもちろん、外出先のスマートフォンや海外からでもファイルを開くことが可能です。

セキュリティ面

インターネット上のサーバーにファイルを格納して、どこからでもアクセスできると聞くと、外部からの不正アクセスなどで、会社の機密情報を盗まれたりするおそれがあると心配されるかもしれません。しかし、ビジネス向けのオンラインストレージは、強固なセキュリティ機能を備えていて、十分な安全性が確保されています。

その1つが「ワンタイムパスワード」と呼ばれる機能です。たとえば、オンラインストレージにログインする際に、IDとパスワードの入力のほかに、事前に登録したメールアドレスに一時的に有効な別のパスワードが送信されてくるように設定していると、それを入力して認証しなくてはなりません。こうした機能を利用することで、他人のなりすましから強力に防御します。

社内でのコスト削減につながる

クラウドの利用はセキュリティ面だけでなく、コストの削減につながります。自社が自前でサーバーを構築する場合、まずサーバー機器やソフトウェアを購入する必要があります。さらにそれらを設置して、ソフトウェアのインストールなどの導入作業が発生します。これらすべてに専門的なスキルを持った人材が必要です。

導入が完了し運用を開始したら、次にそれらのメンテナンスが必要になります。故障などが発生したら復旧対応が必要になります。そのための保守費用も計上する必要があります。こうした運用に際して、どのくらいの人的なリソースを確保しておく必要があるのかなど、ノウハウがないと過剰にコストがかかってしまうおそれがあります。

クラウドを利用すれば、上記のような対応はすべてクラウド側で行うので、自社では専門知識をもった要員を育成する必要がなく、本来の業務に専念してもらうことが可能です。また、予算や業務量に合わせて、システムの拡張も容易に行うことができます。また自社でサーバー機器やソフトウェアなどの資産を保有する必要がなく、不要になればシステムの縮小もサービス利用の契約を変えるだけで可能となり、余剰の設備や資産を抱える心配もありません。

使い方を間違えないことが大切

以上のように、クラウドサービスは、特に情報システムの専門要員を確保する余裕のない企業などでは、スキル面やコスト面で大きなメリットが期待できます。

しかし、そんなクラウド利用であっても、利用の仕方を誤れば、逆に無駄なコストが発生するおそれがあります。

たとえば、便利な機能が満載のサービスが魅力的に見えるかもしれません。しかし、盛りだくさんな機能のおかげで、逆に利用方法が複雑すぎるとなると、スキルのない社員ばかりの状況では使いこなせません。そのような場合、必要な機能を絞り込んで、その分、ユーザサポートのほうに費用をかけた方がよいかもしれません。

利用にあたっては、目先の要望だけに振り回されることなく、業務上の課題を整理し、その課題解決に必要な要件をよく見きわめて、自社の状況や要件に合うクラウドサービスを選定しましょう。