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IT業界において外国人を受け入れるメリットや、ポイントとは?

少子高齢化が進んでいる日本では、このままだと確実に労働力が不足するといわれています。出生率を上げて人口を増やそうという努力とともに、外国から人材を受け入れて不足する労働力を補おうという動きが広がっています。
多くの産業において優秀な外国人労働者の受け入れは必要とされていますが、特に成長産業であるIT業界では、質、量ともに外国人の受け入れニーズが高まっています。
この記事では、IT業界において外国人を受け入れるメリットやポイントについてご説明していきます。
少子高齢化の日本には外国人労働者の受け入れが必要
日本の人口は減り続けており、2060年までにはなんと2010年比で32.3%も減ることが見込まれています。しかも、出生率が下がる一方、医療が進歩しているため平均余命は長く、納税をして高齢者を支える若年層が少ないという逆ピラミッド状の人口分布となり、生産年齢人口としては同年までに45.9%減ります。
こうした状況が想定されるため、政府は外国人を受け入れることで不足する労働力を補おうとしています。2018年6月、政府は2025年までに50万人以上の外国人労働者を受け入れることをめざすと宣言しました。これまでも日本における外国人労働者数は増え続けており、掲げた目標どおり50万人増えれば、200万人に到達する可能性があります。
IT企業にとっては外国人エンジニアの誘致が急務
労働力不足は、すべての産業にいえることで、IT業界も例外ではありません。2020年までに小中学校のIT教育のため1人1台のタブレット環境をという声もありますし、スマホの普及も進んでいる現代日本では、ITは必須産業であり、人材不足は深刻です。2030年にはIT業界だけで78万人超もの人材が不足します。
ITは第四次産業として国策としても期待されているため、政府も外国人誘致に積極的です。具体的には、法務省の入国管理局では平成24年から、IT分野をはじめとする高度なスキルを持った外国人について政府がポイントを設定し、それに応じて出入国管理上の優遇措置を与えるというものです。また、ASEANでIT資格の相互認証をするなど、IT資格を持ったエンジニアが国境を越えて働きやすいような国際協力も取り組まれています。
こうした成果が実り、中国、韓国、アメリカ、ベトナムといった国などのIT人材が日本で就労するようになっています。
IT企業としては、こうしたエンジニアを自社に誘致し、定着してもらうために、さまざまな努力をするべきでしょう。ITはどの国も力を入れていますので、外国人が働きやすい環境を整えなければ、せっかく国を挙げて誘致したエンジニアが、さらに外国へと流れてしまいます。
たとえば、
・世界の共用語である英語でコミュニケーションをとれる体制を整える
・妥当で魅力的な報酬設計をする
・外国人が居住し、家族を招き入れるための住宅支援をしたり、バケーションに帰国しやすいようなサポートをしたりする
などの方策が考えられます。
また、上述のような高度専門職だけではなく、単純労働と呼ばれるような仕事についても人材不足は深刻であり、外国人の誘致が望まれています。2019年4月からは、こうした単純労働についても外国人受け入れを進めようと、介護、宿泊、外食の3業種についての入管規制を緩和する法律改正がなされるため、外国人労働者の単純労働が可能となります。
外国人を受け入れる国としての責任も
今回解説したように日本で働く外国人労働者の数はますます増えることが想定されます。少子高齢化が進む日本の経済成長には大きな助けとなるでしょう。一方、外国人労働者が搾取されることなく日本で安心して働けるような社会保障の整備、企業側の搾取防止の法規制など、受け入れ国としての責任を果たすことも求められています。