インターネットは現代人のインフラとして大きな存在となっていますが、一方でその担い手であるエンジニアの人手不足が問題視されています。IT関連企業にとってエンジニアの確保は急務であると言えるでしょう。エンジニアの人手不足を解消するための有効手段としては、外国人エンジニアの積極的採用が注目を集めています。本稿では外国人エンジニアが業界で注目される背景や、採用のメリット・注意点などを見ていきましょう。
 

1.外国人エンジニアの現状と注目の背景

日本のIT業界における外国人エンジニア人口は年々増加しており、各企業がこぞって採用を進めています。外国人が日本のIT企業で働くためには「専門的・技術的分野の在留資格」が必要です。厚生労働省が発表している「外国人雇用状況」の届出状況まとめ」によると、在留資格保有者の数は2014年が約14万7000人だったのに対して2019年には約32万9000人と倍以上に増えています。この資格を持つ外国人労働者のすべてがITエンジニアという訳ではありませんが、資格保有者全体の約30%もの外国人がIT企業で就労しているのです。

これほどまでに外国人エンジニアの数が増えている背景には、日本の「少子高齢化」と「IT人材不足」という2つの問題が関係しています。少子高齢化の影響によって日本の生産労働人口は減少傾向にあり、働き手が足りない状況です。一方で、IT関連具術の発達は目覚ましいものがあり、便利な商品やサービスは次々に展開されています。そのため、IT開発のスピードにエンジニアの教育・供給が追いついていないのが現状です。
 

2.外国人エンジニアに多い国籍は?

日本のIT業界では様々な国籍の外国人エンジニアが働いています。中でも突出して人口が多いのは中国人であり、外国人エンジニア全体の約45%を占めているほどです。次いで多いのが全体の約13%を占めている韓国人エンジニアとなっており、比較的日本からの距離が近い中韓だけで全体の半数をカバーしている点に留意しておきましょう。その他では、オーストラリア・ニュージーランド・ベトナム・フィリピンなど、オセアニアや東南アジアの人材が目立っています。

中国からのエンジニアが多いのには、日本と中国が同じ漢字圏に属しているという点が大きく影響しているでしょう。いくら優れた技術力を持っていても、仕事でコミュニケーションが取れなくては戦力になりません。言語的に日本へ馴染みやすい中国人は企業側としてもありがたい存在です。また、ベトナムは国を挙げてIT人材の教育に注力していることでも知られています。若くして有能な人材が多いため、ベトナムの人材市場に注目している日本企業は少なくありません。東南アジアからの外国人エンジニアが多いのは、日本が人気の就職先となっていることが大きな要因となっています。発展途上国が多い東南アジアから見ると、日本の生活環境や企業での待遇は魅力的に映るのです。
 

3.外国人エンジニア採用のメリット

日本のIT企業各社は積極的に外国人エンジニアの採用を行っていますが、それは企業側に相応のメリットがあるからです。外国人エンジニア採用における企業のメリットは、大きく分けて以下の2点とされています。

3-1.優秀なエンジニアを確保できる

外国人エンジニアの採用によって「優秀なエンジニアを確保しやすくなる」という点は、企業側として大きなメリットです。そもそも日本では労働力の低下が問題となっているため、国内の人材市場に固執するよりも外国人の人材に視野を広げた方が効率的に採用活動を展開できるでしょう。ベトナムのように世界では独自のIT人材育成政策を展開している国もあります。特定分野では日本よりも技術が進んでいるというケースも珍しいことではありません。そうした国々にも目を向ければ、日本では中々出会えないタイプの優秀な人材に巡り合える可能性もあるでしょう。

IT業界全体で機運が高まっているとは言え、まだまだ外国人採用に着手できていない企業も少なくありません。そのため、自社がいち早く外国人エンジニアの採用に乗り出せば、競合他社が優秀な人材を獲得する前にアプローチできる可能性があります。また、日本語以外を母語とする外国人エンジニアは、トレンドのキャッチアップが素早いという点もポイントです。IT分野の最新技術やトレンドは目まぐるしく変化しているため、国際的な情報網を持っておけば企業にとって頼れる存在になります。

3-2.社内活性化になる

外国人エンジニアの採用は「社内の活性化」にも有効です。外国人エンジニアは特に仕事の結果や効率を重要視する傾向があります。成長志向が高いエンジニアも多く、シビアな納期や仕様変更といった状態でも優れたパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。こうした姿勢に刺激を受けた日本人エンジニアのモチベーションにも良い影響が期待できます。また、外国人エンジニアは日本人とは異なる価値観や文化を持っているため、社内の日本人にとってはそれが新鮮に映る場合もあります。思いもよらない視点からの意見は、斬新なアイディアとして業務改善やサービス開発に活かされていくでしょう。外国人エンジニアの採用は、多様性・柔軟性に富んだ組織作りにも一役買ってくれるのです。
 

4.外国人エンジニア採用時に注意したいこと

外国人エンジニアが持つ独自の文化や価値観は企業にとってメリットですが、それと同時に十分ケアしておきたいポイントでもあります。まだ日本語に不慣れな外国人エンジニアを採用した場合、仕事のコミュニケーションが思うようにいかないことも考えられるでしょう。言語の壁をクリアしたとしても、価値観の違いによって仕事に対する姿勢にギャップが生じる可能性もあります。大切なのは外国人を日本の風習に従わせるのではなく、お互いが働きやすい環境を整えることです。日本語の学習支援や文化理解のためのコミュニケーションを積極的に行いましょう、

制度上の観点から言えば、企業は雇用する外国人エンジニアの就労ビザを発行する必要があります。これまでに外国人労働者を雇用した経験が無ければ、慣れない手続きに戸惑ってしまうことも珍しくありません。必要であれば行政書士や社会保険労務士などの専門家に相談しましょう。また、給与や福利厚生を、日本人・外国人の間で差を付けることは法律で禁止されているので十分に注意してください。
 

5.外国人エンジニアを採用するには?

外国人エンジニアの採用プロセスは一般的な採用活動とは異なるため、ポイントを押さえておく必要があるでしょう。アプローチ方法の最初のステップとしては、自社の求人ページに外国語仕様のものを用意することです。自社サイトに外国語ページを設けることの利点は、企業理念や事業内容について詳しく理解してもらえるという点だけではなく、外国人エンジニアに対する会社に対する安心感や信頼を築けるといった利点もあります。

しかし、採用ページを多言語にしたとしても、そのページを外国人エンジニアに実際に見てもらうためには、外国人人材に強い求人サイトへの投稿やLinkedInなどで実際にアプローチしていくことが必要になります。人材サービスを使えば、幅広い候補者のデータベースにアクセスできるだけではなく、ホームページや他求人サイトなどで求人情報が掲載され、より多くの候補者に会社を知ってもらうことが可能になります。マイケル・ペイジでは、バイリンガルの転職コンサルタントが担当し、候補者探しから候補者とのコミュニケーションまで行いますので、これまで外国人エンジニアの採用経験がなくとも安心して採用プロセスを進めることが可能です。ぜひ一度ご相談ください。

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優秀な外国人エンジニアに活躍してもらおう

外国人労働者の雇用経験が無い企業では、初めての試みに壁を感じてしまうこともあるでしょう。しかし、IT人材の不足が進んでいくと予想される日本の状況を考えれば、外国人エンジニアの積極採用は避けては通れないと言っても過言ではありません。社内で外国人エンジニアが働きやすい環境を整えて、早めに採用活動を始めてみましょう。

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