「Internet of Things」の頭文字を取った言葉が「IoT」です。モノのインターネット化を意味する言葉であり、さまざまなモノをインターネットと結びつける技術のことをいいます。以下、IoTの仕組みを紹介します。

・IoTの基本構成

IoTはデバイス→ゲートウェイ→サーバーで構成されます。デバイスはIoTのモノにあたる部分で、センシングとフィードバックの役割を果たします。センシングは画像センサ、温度センサ、磁気センサ、加速度センサ、湿度センサなどが用途に応じて使われます。

・IoTのデバイス

IoTのデバイスは電化製品だけでなく、机やイス、ペンなど多岐にわたります。どんなモノでもインターネットをつなげて活用するのがIoTです。物理的に存在するモノであれば、すべてがIoTのデバイス対象になります。

・身近なIoT「スマートフォン」

スマートフォンは携帯電話機能にインターネット機能が付帯されたモノです。携帯電話のIoT化によって携帯電話会社は大きな躍進を果たし、今日においてはメールやインターネット、クラウドなど日常生活に欠かせないモノになっています。すべてのモノがスマホのように利便性の高いモノになることをイメージすると、IoTへの理解が深まります。

IoT普及のメリットやリスク

IoTが普及すると、いまより生活がより便利になるといわれています。一方、IoTが広がることによるリスクへの懸念もあります。以下、IoTの広がりで生じるメリットやリスクを紹介します。

・最適化
IoTが普及することには最適化のメリットがあります。各種資産にIoT技術を導入し、データの収集と監視をネットで行うことによる最適化が可能となります。身近な事例では、たとえばゴミの収集で、それぞれの集積地のゴミの有無や量などをIoTで可視化して事前に把握できれば、収集車の向かう先やルート、向かうべき収集車の調整など、効率よく円滑にゴミを収集することができます。

・遠隔操作
モノをインターネットにつなぐことで、対象となるモノを遠隔操作できます。期待されていることの1つにIoTを使った鍵の開閉があります。たとえば、鍵をかけ忘れたときに自宅の玄関ロックにアクセスし、遠隔操作で鍵を閉めることなどです。また、子どもや高齢者の現在の居場所や状況、行動把握にも役立ちます。

・拡張
各機器にIoTを導入することで、自動的に機能を拡張したり、アップグレードさせたりすることが可能です。たとえば、自動車のカーナビの地図を新しく更新する作業を、インターネットを使って自動的に行うようにできます。いちいち手動で拡張するのではなく、自動で拡張していくので、手間やコストが大幅に下がります。

・リスク
IoTの普及で懸念されているのがセキュリティリスクです。IoTの技術を導入することにより、これまで密室だった空間がオープンになります。インターネットが出入口を作ることで、第三者に部屋を見られたり、勝手にモノを取られたりするリスクがあります。また、IoT機器の多くはスマホのような高い情報処理能力や暗号化技術がありません。ユーザーは脆弱性を理解し、セキュリティ対策をすることが大事です。

IoT時代への心構え

IoTを使ったサービスが増えているものの、まだまだ発展途上の段階です。身近なモノがインターネットにつながることで、新しくできることもあります。私たちの生活を豊かにし、利便性が向上する一方、新たなリスクも懸念されます。IoTを活用していくうえで、セキリュティが大きな課題です。自己責任での活用が前提になるので、私たちはIoTのリスクも十分に理解したうえでIoTと向き合っていきましょう。