外資系の有名企業の中には、大手のイメージがあっても実際は規模が小さいものもあります。それでは、大手企業と大企業の違いはどのような点にあるのでしょうか。この記事では、大手企業と大企業、それぞれの特徴などを踏まえながら、外資系の大手企業への転職について解説します。外資系大手企業への転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

外資系企業と呼ばれるものは3種類ある

外資系企業と呼ばれるものには3種類のケースがあります。まず1つは、海外企業が日本に進出し会社を設立したケースです。本国で十分な業績を上げてから日本に進出していることが多く、日本進出前から知られている企業がほとんどです。また、社名が外国語表記であることも特徴です。もっとも典型的な外資系企業の形と言えます。

2つ目は、日本企業との共同出資で企業を設立したケースです。海外の企業と日本の企業が共同出資し会社を設立するケースは少なくありません。これには、日本の市場やユーザーの好みなどについて詳しい日本企業と組むことで、日本進出をスムーズに行うという狙いがあります。海外企業の出資比率が大きい場合、外資系と呼ばれます。ただし、出資比率がどれくらいだと外資系になるのかという線引きは曖昧です。

3つ目は、日本企業を海外企業が買収したケースです。既存の日本企業が、海外資本によって買収されるケースが増加しており。特にアジア系企業による買収が目立ちます。企業名やブランド名は日本の有名メーカー、有名ブランドをそのまま残し、資本や経営陣は海外からというケースが多いことも特徴です。一見日本の企業のように見えますが、組織の考え方や働き方が日本の企業とは異なります。

大企業とはどういう企業?

大企業とは具体的にどのような企業を指すのでしょうか。中小企業基本法で定義される、中小企業の定義を超える規模の企業が大企業となります。つまり、資本金3億円を超える、あるいは常時雇用する従業員の数が300人を超える企業のことです。ただし、卸売業、サービス業、小売業の場合は、大企業と定義される資本金額や従業員数が通常と異なります。卸売業は資本金1億円を超える、あるいは従業員数が100人を超える場合が大企業です。サービス業は、資本金が5000万円を超える、あるいは従業員が100人を超える場合が大企業となります。小売業は、資本金が5000万円を超える、あるいは従業員数が50人を超える場合が大企業です。

大手企業は大企業や有名企業とは別物

大企業は資本金や常時雇用される従業員の数で定義づけられるものです。業種によって基準になる資本金額や人数に違いがありますが、事業内容や実績などは関係なく、中小企業基本法が定義する条件をクリアしていれば、大企業ということになります。大手企業は、業界における知名度やシェアが高い企業のことを指します。いくら企業の規模が大きくても、業界での知名度が低い場合は大手企業とは呼びません。また、有名企業は世間一般に知られている企業のことです。業界内で知名度が高くても、世間一般に知られていない企業は有名企業とは呼びません。

外資系大手企業は日本の大手企業と何が違うの?

それでは外資系大手企業は日本の大手企業と何が違うのか説明していきます。大きな相違点は、外資系企業と日本の企業とでは給与形態が異なることです。外資系企業の給与は、ベース給とインセンティブ給から構成されています。ベース給は基本給にあたり必ず支払われますが、インセンティブ給は条件をクリアできなければ加算されません。

なお、業界によって、日本系企業の給与との差は異なります。例えば消費財メーカーはインセンティブ給が少ないため給与は日本企業とあまり差がありませんが、昇進は早いことが特徴です。IT系の外資系大手企業は、昇格の機会が少ないため、長年働いても入社当時と給与額があまり変わらない人もいます。一方で、インセンティブによって、大幅に給与が上がる人もいるため、社内での格差が大きい傾向にあります。日系企業は基本給の割合が大きく、また、年功序列で給与が上がる仕組みをとっている場合が多いため、外資系企業の給与形態はシビアな印象を受けるかもしれません。

外資系大手企業に転職するメリットとデメリットは?

外資系大手企業への転職を検討するなら、メリット・デメリットを両方把握しておくことが大切です。この段落では、外資系大手企業に転職する具体的なメリットとデメリットについて解説します。

1.外資系大手企業に転職するメリット

外資系企業は、同ランクの日本企業よりも全体的に報酬額が多いことがメリットの1つです。もし日本の大手企業から転職した場合でも、それまで以上の収入が見込めるでしょう。インセンティブは必ず得られるわけではありませんが、成果を出せば受け取れます。成果を上げることで報酬が加算されるため、受け取る報酬に対する満足度が大きい点も特徴です。自分の仕事が報酬にしっかり反映されれば、働く意欲や向上心に繋がり、良いサイクルがうまれます。

また、年齢や性別による、出世や昇格機会の差がないこともメリットです。日本の企業では出世や昇格の機会が少ない女性でも活躍しやすいでしょう。自分の実力を発揮し、どんどんキャリアアップをしていきたいと考える向上心が高い人にマッチする企業だと言えます。

2.外資系大手企業に転職するデメリット

外資系大手企業のデメリットは、よくも悪くも成果主義であることです。成果が評価の大部分をしめることは、メリットでもありますが、人によってはデメリットにもなり得ます。コンスタントに成果を出し続けることは大変です。成果が上げられれば報酬は増え、社内でのキャリアアップの道も開けます。しかし、成果が出せない場合には、シビアな待遇を受け入れざるを得なくなります。自分の働き如何で大きな影響が出るため、強いプレッシャーがかかるでしょう。

インセンティブが加算されるとは限らないこともデメリットと言えます。成果が上がらず条件がクリアできなければ、当然インセンティブは加算されず、ほぼベース給のみになります。そのため、収入が不安定になりがちです。また、業績によっては日本市場からの撤退もあり得ます。その場合は日本の拠点がなくなるため、転職を余儀なくされるでしょう。

外資系大手企業への転職には適切な対策が必要

大手企業は従業員数の割に中途採用の枠は限られています。数少ないチャンスをものにするためにも、適切な対策をすることが大切です。企業の特徴や、メリット・デメリットをよく分析し、より自分にマッチしそうな外資系大手企業の求人を選ぶことが大切です。事前の対策をしっかり行い、十分な状態で応募するようにしましょう。

 

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