顧客戦略のエキスパート!CRMコンサルタントの仕事とは

CRMコンサルタントは、転職市場において引く手あまたの職種の一つです。もっとも、CRMコンサルタントという言葉を耳にしたことはあっても、その仕事の内容について詳しく理解しているという方はそれほど多くないのではないでしょうか。以下では、CRMコンサルタントの仕事の内容に加えて、収入や将来性、その他頭に入れておきたいポイントについて見ていきますので、少しでも関心があるという方はぜひ参考にしてください。

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1.CRMコンサルタントとは

CRMコンサルタントの「CRM」とは、英語のCustomer Relationship Managementを略したもので、日本語に訳すと「顧客関係」や「顧客戦略」といった意味になります。もう少しかみ砕いて説明すると、CRMとは、氏名や年齢、性別、住所等の連絡先、これまでの購入や問い合わせの履歴といった顧客に関する様々な情報を使って、顧客に適した商品やサービスを提供することによって、企業が得られる収益を最大化させる経営管理方法です。顧客に最適な商品やサービスをニーズに応じて提供することができれば、新たな顧客を開拓したり、満足度が向上した顧客にリピーターになってもらいやすくなり、それによって企業の収益力をアップさせることが可能となります。そのため、いかに自社が置かれた状況に合うCRMを実践するかが、企業が厳しい競争を勝ち抜いて事業を拡大させていくためには、重要となるのです。

なお、CRMは、本来は経営管理についての戦略を意味する言葉なのですが、昨今では、企業のCRM活動をサポートするシステムやソフトウェア、ツールといったIT製品全般を指して用いられるケースも増えています。

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2.CRMコンサルタントの仕事内容とは

CRMコンサルタントの仕事内容を一言でいうと、顧客戦略を駆使して企業の経営を支援するということになります。もっとも、それだけではイメージしにくいので、以下ではより詳細にその仕事について見ていくことにしましょう。

2‐1.CX戦略の立案

CRMコンサルタントの一つ目の仕事は、顧客である企業のCX戦略の立案です。ここでCXというのはCustomer Experienceの略語であり、その意味するところは、商品やサービスを利用した顧客が得られる価値や経験、利点などです。ビジネスにおいて競合他社との厳しい競争を勝ち抜いていくためには、いかにして差別化を図るかが重要になるわけですが、そのためにはCXを向上させるというのが不可欠となります。なぜなら、CXが向上すれば、ブランド価値を高めたり、リピーターを獲得したりすることができ、それによって収益アップが期待できるからです。もっとも、多くの企業は、効果的なCX戦略を立てられるような人材を有していません。そこで、最適なCXをデザインしたり立案するために、CRMコンサルタントが必要とされているというわけです。

2-2.経営戦略の立案

CRMコンサルタントの二つ目の仕事は、顧客である企業の経営戦略の立案です。企業が収益を拡大するためには、購入頻度や購入金額が高い顧客を見定めたうえで、そういった顧客に対して効果的にマーケティングを行うというやり方が欠かせません。そこでCRMコンサルタントには、顧客の情報を収集して分析し、ターゲットにすべき重要顧客を決めるサポートをするという役割が求められているのです。また、単に情報収集や分析をするだけでなく、決定した重要顧客に対して行うべきマーケティング戦略などの各種戦略を中長期的な視野に立って提案するというのも、CRMコンサルタントの大切な仕事とされています。

2-3.チャネル戦略の立案

顧客のチャネル戦略の立案を行うというのも、CRMコンサルタントの仕事の一つです。テクノロジーが発達した現代においては、企業と顧客との接点となるチャネルが多様化、複雑化を遂げています。かつては、店舗での対面チャネルだけを意識しておけば十分でしたが、今ではそれに加えて電話やウェブサイト、SNSといった様々なチャネルを通じてビジネスを展開しなければなりません。そのような状況下において、CRMコンサルタントには、数多くのチャネルをチェックして課題を洗い出したうえで、顧客を獲得するための改善策をたてるという役割が期待されているのです。

2-4.CRMツールの導入とサポート

自らが立案した戦略に基づいて、必要となるCRMシステムやツールを導入するというのも、CRMコンサルタントの仕事内容に含まれます。また、導入するだけではなく、その後の運用面のサポートを行ったり、導入したシステムやツールを顧客が適切に利用できているかどうかをチェックして、必要に応じて使い方をレクチャーするのもCRMが行うべき大切な業務です。ただし、CRMコンサルタントが担うべき本来の役割はあくまでも戦略の立案であるという点に留意しておかなければなりません。システムやツールの導入はその手段に過ぎないのです。

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2.CRMコンサルタントに求められるスキルや能力

CRMコンサルタントには様々なスキルや能力が求められます。これは、果たすべき役割がマーケティングやセールス、サービスといった幅広い領域にまたがっているからです。特に必要とされるのは、コンサルティングを行う上で不可欠である論理的思考や仮説思考ですが、それに加えてフレームワークや思考ツールを使いこなせるだけの能力も有しているに越したことはありません。

また、CRMコンサルタントはクライアントやチームメンバーと協力して戦略を立案するケースが多いため、他者とスムーズに意思疎通ができるだけの優れたコミュニケーションスキルを有しているというのも重要です。さらに、難解な課題に直面しても、それに対して粘り強く解決策を検討できるだけの強い精神力や、適切なソリューションを導き出せる問題解決力もあった方がよいでしょう。なお、必ずしも資格は必須ではありませんが、仕事の幅を広げたいのであれば、経営学修士(MBA)や中小企業診断士、CRMツールのベンダーの認定資格などを取得するというのもおすすめです。
 

3.CRMコンサルタントの年収と将来性

ここからは、CRMコンサルタントの年収と将来性について見ていきます。

3-1.およその年収

CRMコンサルタントの給与水準は、他の職種に比べると高めとなっています。ただし、所属する企業や階級によって大きく異なる可能性があるという点には注意が必要です。例えば、大手の外資系コンサルタントファームに勤務する場合だと、コンサルタントクラスでは500万円から700万というのが相場です。これがシニアコンサルタントクラスになると700万円から900万円、マネージャークラスになると1,000万円を超える水準にまで増えていきます。転職市場に目を向けると、900万円から1,200万円くらいの求人案件を目にすることも少なくありません。

CRMコンサルタントは顧客の集客数や売上金額の推移からその評価が定量的に判断しやすい職種であるだけに、高度な専門知識やスキルを有する経験豊富な人ほど高い収入が得やすい職種となっています。一方、自己研鑽を怠ると、いくら経験年数が長くても収入を増やすことは困難です。

3-2.将来性は高い

経済のグローバル化に伴って、ビジネスにおける競争環境は将来においてもますます厳しくなることが予想されます。そのため、競争に勝ち抜くために必要な戦略を立てられるCRMコンサルタントの需要は、今後もより一層高まっていくはずです。活躍の場はこれまで以上に増えていくはずですので、CRMコンサルタントは非常に将来性の高い職種であると考えておいてよいでしょう。

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4.CRMコンサルタントになるには

CRMコンサルタントに転職するためには、それまでにCRM領域における業務やシステムの導入を手掛けた経験が不可欠となります。それに加えて、大手ベンダーの資格を取得して、CRM領域の知識があることを示せるようにしておくというのもおすすめです。CRMについての経験も知識もない状況で転職を成功させるのは難しいので、CRMコンサルタントとして働きたいのであれば、少なくともどちらか一方は身に付けておくようにしましょう。
 

CRMコンサルタントは将来性の高い仕事

以上で見てきたように、CRMコンサルタントは顧客である企業のために顧客戦略を立案するというのがその主な仕事の内容です。旺盛な需要に支えられて、その将来性は非常に明るいということができますが、だからと言って誰でもすぐになれるような簡単な仕事ではありません。もしCRMコンサルタントとして働きたいのであれば、CRMに関する経験や知識を身に付けるべく、研鑽を積むようにしましょう。
 

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